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アンダーリポート
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アンダーリポートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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迅速、綺麗な状態で品が届きました。 入手困難な本。 今、多く取り扱って、書店に出ている「月の満ち欠け」を書いた作家、佐藤正午さんの、別の作品が読みたくて探していました。「月の満ち欠け」のあとがきで伊坂幸太郎さんが話題に取り上げられている昔の作品が「アンダーリポート」でしたので、読者が読みたくなり、連鎖反応で買う方が多かったのでしょうか、「アンダーリポート」だけは、いくつかの書店を回りましたが、欠品が続いてましたので、助かりました。 | ||||
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コンディションも良く、遅れる事なく届きました。大きな書店に行っても見つからないので、読みたい時にあって良かったです。 | ||||
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独特の雰囲気と味を持ったミステリーである。佐藤正午の作品をどうカテゴライズするかはいつも判断が難しい。これも15年前の 殺人事件を題材に、当時殺された男の妻や娘と懇意にしていた検察事務官の深まる疑問を通して事件の真相に迫ろうとした ストーリーだ。この事件そのものは、既に過去小説や映画で取り上げられている手法をベースにしており、別にトリックを売りにした 作品ではない。だが、佐藤のいつもながらの丁寧な文体と構成力の巧さ、そして人物描写の巧みさによって上質のミステリーに 仕上がっている。冒頭のシーンと最後のシーンがループのように繋がっているところも彼の筆力の高さを見せつけられる思いだ。 敢えて言うと主人公はこの検察事務官古堀徹かも知れないが、彼はある意味で狂言回しであり、真の意味で主役は夫の 暴力に耐えかねている村里悦子、そしてその娘ちあき、古堀の元婚約者で検事の千野美由起、その叔母旭真理子、 そして古堀に身体を売るカオリといった女性たちだ。彼女たちの一言一言のセリフにも切れ味があり、作品のその後の展開の 伏線となったり、女の怖さを感じさせる。佐藤正午らしく、高い文章能力で読者を最後まで惹きつける作品である。 | ||||
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第一章から始まり、第十五章まで確定した事実なのか主人公の想定なのかいろいろな場面での話が展開していきます。一章毎もちょうどいい長さ、かつ次の章のタイトルが続けて読みたくなるタイトルとなっていて飽きずに読み進めます。そして最後の15章を読み終わって、たぶんほとんどの人はぐるっと回って第一章を読み直すことになるでしょう。本としてはなかなか面白いと思います。 ただ、読み終わった後、このご時世通り魔的な事件であってもそこそこ人がいる街での殺人事件が時効になってしまうということはそんなにないのではないかなと現実的なことを考えてしまうとちょっと面白味が減ってしまいました。 ので星四つ。 | ||||
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ブルーも購入しました。2度読み必至。2度目は緊張しながら読みました。様々な処に仕掛けがあり、読み明かしました。正に読書は格闘でした。 | ||||
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15年前―。駐車場に横たわる撲殺死体。第一発見者である古堀の隣室に住む男だった。事件当時4歳だった被害者の娘との再会が、古堀の古い記憶を揺さぶり始める―。 | ||||
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二度目に読んだ後この小説がどれほど完成度が高いか、構成力が高いかに気づきました。 一度目に読んでいた時になにげなく読み飛ばしていたり読み落としていたりしていた言葉や描写やその他諸々の意味するところ、なるほど・・と思いました。なんというか無駄な行も言葉もない感じ。それでも小説としての面白みはしっかりあるし。 一度目に読んだ時、思わず第一章に戻りましたが、二度目に読んだ時もやはり第一章に戻ってしまいました。話はもう充分解っているのに。 ただ二度目に読んだ時にはこの主人公である”血のめぐりの悪い男”のその後が少しばかり気になりました。 もし次に読んでもまた最初に戻って読んでしまうことは確実です。 | ||||
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誰も言及しないので書くが、著者の凄い所は、この話を連載でやってのけた事だ。加筆で矛盾を解消したわけではない。連載当初は正直な所、大丈夫なのか、と思った。同じ雑誌の他の作家が、偶然にも揃って次々とプロットを途中崩壊させ主張も辻褄も曖昧なまま終わっていたからだ。魅力的な書出しの「彼女」の正体知りたさに、途中で投げないでくれと、毎月毎月気を揉んだ。しかし結果は、ご覧の通りだ。物凄い量の伏線が、徐々に方向を見せ始め、最終回では見事全てが一話目に繋がった。一年に及ぶ執筆中もたつきも寄り道もせずに書ける、著者の頭の中は一体どういう構造なのか。他レビューにもあったが、これぞ超絶技巧だ。作家とは芸人なのだと、その奥深さに驚き感動した。 | ||||
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もし、「あのとき」ほんの少しだけ違う行動をとっていたら、自分の人生はどう変わっていたのだろう。 佐藤正午さんは「あのとき」から分岐されたその人の人生のA面とB面が、気になって気になって仕方がない方のようですね。 この小説は一般にはやはり「ハードボイルド・ミステリー」にカテゴライズされてしまうのでしょうか。 しかし、僕は極上の「恋愛小説」として読みました。 主人公の私はなぜこれほどまでに「過去の事件」にこだわるのか。 今回の主人公もまた、「あのときから、なにかが分岐されてしまった」と思っています。 「あのとき私たちは(おそらく)愛し合っていた」 「私」にはそのことを確認できたはずの「ターニングポイント」があった。 「私はあのときほんの一歩だけ足を踏み出せば、この女と別の人生を歩んでいたのだし、そもそも事件は起こらなかった」 それはどこだったのか? 佐藤正午さんは、その「ポイント」をささやくような小さな声で(いささかぶっきらぼうに)教えてくれます。 この人はじつは、とんでもないロマンティストで、同時に度し難い照れ屋なんでしょうね。 それにしてもこの人の描く「女」はいつもほんとに魅力的だなあ。 読み終わるのがもったえないと思えるほど、「小説を読むことの愉悦」に満ちた傑作です。 (で、かならず幾度か読み返すことになります) | ||||
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誰も言及しないので書くが、著者の凄い所は、この話を連載でやってのけた事だ。加筆で矛盾を解消したわけではない。連載当初は正直な所、大丈夫なのか、と思った。同じ雑誌の他の作家が、偶然にも揃って次々とプロットを途中崩壊させ主張も辻褄も曖昧なまま終わっていたからだ。魅力的な書出しの「彼女」の正体知りたさに、途中で投げないでくれと、毎月毎月気を揉んだ。しかし結果は、ご覧の通りだ。物凄い量の伏線が、徐々に方向を見せ始め、最終回では見事全てが一話目に繋がった。一年に及ぶ執筆中もたつきも寄り道もせずに書ける、著者の頭の中は一体どういう構造なのか。他レビューにもあったが、これぞ超絶技巧だ。作家とは芸人なのだと、その奥深さに驚き感動した。 | ||||
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書店で見つける事が出来なくて貴社が取り扱っているのを知り発注しました 期待どおりでした | ||||
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最後のページを読んだあと、いやがおうでも最初のページから読むことになる小説です。 かといって、全てが提示され、スッキリした読後感を得られるわけではありません。 謎はそのまま残されます。 例えば…定期的に逢うSは彼女たちと繋がっているのか?あの事件のため、何故Mと別れることになったのか?…など。 主人公の「憶測」で組み立てられた、物語の合間に、作者は読者にも「推測」することを要求します。 超絶技巧な小説です。 佐藤正午の新境地で在るのは、間違いなさそうです。 | ||||
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犯人は誰だ? というベタな推理ものではなく、登場人物たちの内面が丁寧に描かれていたように思う。 筆も非常に美しく、ちりばめられたキーワード(セリフの含め)が上手に回収されていくのは気持ちがいい。 精神面のつながり(信頼、共感)に重きをおいた構成や、直接的な性表現がないなど、 もしかすると女性の方が納得する内容なのかもしれない。 逆に、伏線回収の爽快感やトリックの巧妙さなどに期待すると、 やや「小奇麗すぎる」印象があると思う。 | ||||
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検察事務官の古堀は19歳の村里ちあきの訪問を受ける。ちあきはかつて古堀とは隣人の間柄で、15年前に父を殺害されていた。第一発見者でもあった古堀は、この訪問をきっかけに犯人探しの調査を始めるが…。 この物語の殺害トリックは、ある登場人物が明確に指摘するように、ヒチコック映画で取り上げられた著名なものです。ですからこの小説はそもそもトリックの巧拙を求める物語ではないといえます。 では佐藤正午は何を意図したのでしょう。 私はこの物語が冒頭と終幕に同じ場面を描いている点を重視します。読者は最終ページにたどりつくと同時に物語の最初のページに引き戻される仕組みになっています。終幕と冒頭の接合によって生まれる円環関係から脱出することのできない読書体験。この物語の中で読者は、閉じた系の中に永遠に閉じ込められることになります。 そしてその循環し続ける物語の中で私は考え続けるのです。15年前に殺害事件にいやおうなくかかわらざるをえなかったかもしれない女たちの、やむにやまれぬ思いについて。 「もし戒める力がどこにも見つからなければ、いまあなたがやろうとしていることはあやまちではない。」 「人が、人と、なるべく出会わないように注意して生きていけば、不幸に見舞われる確率も下がるに違いない。」 「あなたが、あなたの人生を賭けて、その男を殺したのはわかる。」 殺害に関わったかもしれない女たちの言葉は、あらまほしからざる哀しい真実を言い当てていて、心に添うのです。だからこの言葉を前に私は抗する力を失い、茫然とし、息苦しさを感じないではいられません。この閉じた系から出るために、私は人生の中でどう考え、何をなすべきなのか。 その答を探すこと、そしてこの閉じた系を断ち切ること、それこそが、この小説で佐藤正午が突きつける私への宿題であるような気がしてならないのです。 | ||||
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推理小説が読みたいなら危険 慣れたあなたの勝ちだから 普通の動機に手法に展開 素晴らしいのはそこではなくて 主人公のヤブヘビからの近づく新たな危険をお題に ヒトヒトの因果 そんなに細かい日記書くか? 記憶力よすぎ そこまで他人に干渉するか? 突っ込みどころの多い主人公 佐藤正午が初めてなら別作品で入ったほうが無難 これは入門編ではない 細かすぎるカキカタは読む人にとって好みが分かれる しかしはまってしまえばこの話にはそのカキカタがピッタシだと理解できるんだ 読み返ってこんなに面白かったっけ? と思える二回目の読みが本当のオイシイところ ジャンプの後に読んでもらえればきっと 最高 と思ってもらえる | ||||
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今年7年ぶりの新作「5」で500ページを超える長編傑作をモノにした佐藤正午、1年も経たないうちに早くも新作が刊行、躊躇なく購入、一読した。主人公は中年に差し掛かった検察事務官、堅実だが平凡な公務員生活を過ごす彼が唯一遭遇した若き日の劇的な出来事が、ある人物との再会を契機に、15年の歳月を遡り検証されていく。主人公の終始一人称で物語は展開し、“真実”にたどり着こうとする出来事が殺人であるため、探偵小説を読んでいるような感覚になるが、ミステリーと呼ぶにはいささか脆弱。これ、ある有名なミステリー映画、フィクションの世界では常套のトリックがそのまま生かされているのだけれど、“荒唐無稽で、絵空事で、説明がつかない”と称されている割には拍子抜けしてしまうほどヒネリがない。かと言って、その運命を手繰り寄せた者たちのドラマ性が過剰に押し出されることもない。検察事務官との職業柄なのか、主人公は努めて冷静に事実をたどり、決して“真実”の裏に隠された当事者たちの情緒的な想いに迫ることはないのだ。そつなくまとまっているものの、ここら辺が評価の分かれる処だと思う。他のレビュアーの方同様、意味ありげに設定される冒頭のシークエンスが、真相に行き渡った主人公が鍵を握る人物と対峙しに向かうラストに連環し、何気なく読み始めたフレーズに新たな意味を持たせるのは、相変わらず巧いと唸ったが。 | ||||
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日記(主人公は恐れ入るほど筆まめ)と記憶(と主人公の職業ならではのあるもの)を頼りに15年前のある事件の真相の闇に分け入っていく。そのきっかけとなる依頼の範疇を超える彼ののめり込み様にあなたは冷ややかな狂気を感じるかも知れない。佐藤正午特有の緻密な文体がぴったりマッチングしている。読了後一日経ってから気がついたのだが、主人公を除くと主要登場人物が全員女性である、というのも珍しいだろう。冒頭から2章ほどは、いったい何がどう進行しているのかまるでわからない。固有名詞も出てこないし。そこからじわじわと「ああ、そういうことか・・・」の連発で読み手の目線は釘付けである。最後の章まで読み終えてから、一息つく前にそのまま冒頭の2章ほどを読み返すのは、まさに至福の瞬間。「はい、はい、はい、はい」と過剰に納得しながらページをめくる。今年一番面白かったミステリ小説。 | ||||
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