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滅びのモノクローム
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滅びのモノクロームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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週刊文春の年間ミステリーベストテンが新人賞、特に乱歩賞受賞作に異常に甘いことは有名だ。 1980年代などは1位2位がほとんど指定席で、佳作や次点刊行作もあわせ4位まで独占したこともある。 推理作家協会員達は新人に優しく、同輩に厳しいのだろう。1990年代に入り「このミステリーがすごい」 が始まると、こちらは対照的に新人にシビアで、同じ作品が片や1位、片や50位以下なんてことも珍しく なくなった。 で、2003年乱歩賞受賞作「滅びのモノクローム」も、文春3位、「このミス」ゼロ票(順位にすれば100位 以下か)という結果となった。文庫解説の井家上隆之氏は、これが憤懣やるかたないらしくて 「若い世代の“歴史離れ”というのは好意的に過ぎる、歴史に対する“無知”というしかない、じつに 恐るべき現実の反映としか見えない」 とまで書いている。賞賛や批判について異議を唱える、というのは判るが、黙殺について異議、しかも ここまで激烈な異議を唱えるというのは異例ではないか。 60名の選考委員が、この作に票を投じなかったというだけで「無知というしかない」とまでバッサリ斬 られているのである(実際は匿名座談会の「テーマが陳腐」というコメントに対して向けられたものの ようが気もするが)。きっと凄まじいまでの歴史の真実が、感動的なエンターテインメントの形で提出 されているに違いない・・・・ という期待は半分冗談だったが、そのまた半分も満たしてくれることはなかった。別に人々はこの作に 自虐史観がどうのこうのと批判を加えたわけではなかったのである。テーマが大切であればあるほど、 より巧緻なドラマの中で説得力を以て描かなければ読者の胸に届くことはない。そこが本作は決定的に 不足しているのである。これでは「無駄に重いデーマ」ではないか。むしろ歴史を軽く見ているのは 作者や井家上氏の方ではないだろうか。 | ||||
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読めないほどレベルの低い作品ではないが、戦争絡みの話と殺し屋の設定がとにかく酷い まるでギャグで書いたかのような雰囲気をかもし出し作品の程度を下げてしまっている これを読む勇気ある人はそのあたりの気の抜ける内容に覚悟しておいたほうがいいだろう | ||||
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フィルムの謎は提示されるが,事件が起こらない。 中盤230ページを読むとようやく殺人が起こる。 場面が頻繁に変わって書かれるが,”誰が”,”何を” ”どういう関係があるのか”というのがさっぱりわからない。 読者は読み進んでから,戻りに戻らなければならないだろう。 動機もはっきりしない。 手がかりも示されず,謎解きの小説ではない。 テーマは重厚だが,これはミステリーなのだろうか。 釣りと歴史に興味がある人にはよいのかもしれない。 門外漢にはあまりに冗長だが。 乱歩賞と構えて読むと失望する。 | ||||
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時系列もよくわかりませんでした。 これで乱歩賞なんでしょうか? | ||||
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この作品の最大の悲劇は、乱歩賞に選ばれてしまった事。 読者の過酷な目により、過去の秀作と容赦の無い比較をされる。 とてもそれに耐えられる作品じゃないんですけどね。 ミステリーとしては中途半端。 作者は何を言いたいのか良く判らない。 読みやすい文章であることが唯一の救い。 | ||||
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第48回江戸川乱歩賞受賞作2002年文春傑作ミステリーベスト10 3位。2003年度版このミス10では上位60作品に入っていない。骨董市で偶然手に入れたフライフィッシュ用のリールの中に古い16ミリフィルムをみつけたCMディレクター日下。すでにぼろぼろになったフィルムは再生困難であったが、一部復元したところ、どうやら湖畔でフライフィッシュをしている映像らしい。このフィルムを政党のPRフィルムに使用することになるが・・・・。作品自体は文体が読みやすくすらすら読める。しかしながら、ページ数を限定された選考作品にたくさんのことを詰め込みすぎて、どれも踏み込みが浅くなってしまっているのが残念だ。作者は、ミステリーを通して「葬り去られた戦時中の犯罪」をえがこうとしているのだが、ミステリーの展開としては強引で、とくに動機に関しては、これほどの罪を犯すものとしては納得がいかなかった。近年の「12YO」「脳男」「テロリストのパラソル」「十三階段」などと比べると、乱歩賞受賞作としては並か並の下程度の作品だと思う。 | ||||
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骨董市で買った釣りのリール。そのオマケとして貰った柳行李に収められたフィルム。コピーライターである日下は、そのフィルムを使ったCM作成を思いつく。一方、実家からそのリールを持ち出し、売ってしまった花は、その回収を祖父に頼まれる。テンポそのものは悪くない。軽いといわれればそれまでだが、サクサクと読み進められる、ということ自体は十分に武器だろうし。ただ…どうも、作品全体としてのバランスが悪いというか、テーマそのものが不鮮明というか…。始めは釣り好きのコピーライターによるCM作りから、広告業界の話のような形でありながら、話が進むうちに戦争(の批判)へと移り変わって行く。しかしながら、謎解きには魚釣りも…と様々な分野に渡る。勿論、それを料理することだって可能なのだろうが、この作品に関しては上手く料理されていない感じだ。結果、すべてが取ってつけたような感じで、不鮮明な印象が強く残ってしまった。 | ||||
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江戸川乱歩賞には各年によってばらつきがあり、この作品はかなり下の部類に属するものではないかという感想を持った。過去の受賞作をみても、「破線のマリス」「八月のマルクス」といった所謂業界ネタを題材にしたものは新奇性はあるが話の奥行きが浅い傾向にある。これは多分に登場人物の造詣の軽さと浅はかさに起因しているのではないかと思う。さて、本作品だが、話の進め方が軽く、各キャラクタが軽く、どうしても戦争批判というテーマが同様の作りものに思えて仕方がなかった。このテーマそのものがどこからか借りてきたような印象が残り、胸に訴えてこないのだ。会話がぎこちなく、プロットも起伏が少なく、謎解きの厚みもなく、ミステリとしての感興もない。何がとりえといって、特に見当たらない作品だった。もう少し作りものを作りものでなく見せる技術を作者は学ぶべきだと思う。 | ||||
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江戸川乱歩賞ということで期待してしまったが、期待はずれだった。戦争犯罪という重いテーマを描くにしては、現代の話は、最後の会場での過去を暴く映写にしても、殺し屋の存在にしても、安っぽいアクションドラマみたいで、アンバランスだった。 | ||||
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満場一致で乱歩賞に決定とは、いったいどのような経緯をたどったのでしょう。読書中もですが、読了後はまさに信じられない気持ちで一杯です。たしかに所々に深みを感じさせるものはあるのですが、この小説はミステリーではないのではないでしょうか。全編を通じて、何を描きたかったのかが判然としない印象がありました。釣りについての話は、人によっては深いのでしょう。 | ||||
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私小説でも、映像的な小説でもなく、ただいたずらに場面ごとに視点が変わるが、シーンの区切りに何の意味があるかがわからない。また、興味をかきたてるような一本筋の通った事件や事柄が出てこないのでリーダビリティを掻き立てられない。昨年の乱歩賞の「13階段」と比べるまでもなくテーマやプロットが不明瞭でぎくしゃくしている。同じ日に買った「マジシャン」のほうが数十倍楽しめた。本書については、ムリにミステリーにせず、ノンフィクションに近い史実ものを目指したほうがよかったのではないかと思う。 | ||||
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