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密閉教室



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密閉教室の評価: 3.74/5点 レビュー 47件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.74pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全47件 41~47 3/3ページ
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No.7:
(4pt)

学校嫌い

 1988年に出た講談社ノベルスの文庫化。ちなみに2002年にはノーカット版も出ている。
 学校を舞台にしているが、青春ミステリではないところが良い。むしろドロドロとした陰惨な話で、登場人物たちもそれぞれの汚さを抱え込んでいる。まあ、キャラクターの描き込みが出来ているかというと、決してそうではないのだが、学校というものへの著者の恨みや憎しみ、不信感が伝わってきて読み応えがある。
 トリックも練り込まれていて素晴らしい。しかも、デビュー作ということもあってか、いくつものトリックが惜しげもなく使われている点が嬉しい。
 後味の悪いところも初期の法月らしくて良かった。
密閉教室 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:密閉教室 (講談社文庫)より
4061849905
No.6:
(5pt)

短編好きも長編好きも納得

短編・本格好きの友人に勧められた。章がかなりせまい範囲で区切りがあるので、「なるほど、読みやすい」である。内容は、探偵役の主人公が色々と悩み・相談し、間違え、格闘し…などなど。謎解きも多し、人間の心情も深し。あれよ、あれよと、いったい真相は・真犯人は?主人公は、全てを解き明かせるのか?最後はどんでん返し。面白かったけど、読み終わったあと、主人公と同じ気持ちになりました。やられたなっと。
密閉教室 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:密閉教室 (講談社文庫)より
4061849905
No.5:
(5pt)

才能ある作家のデビュー作は一味違う

『このミス』で今年の1位を獲得した法月綸太郎氏の記念すべきデビュー作。やはり、才能ある作家のデビュー作は一味違う、と唸らせる力がある。島田荘司の『占星術殺人事件』(実際に最初に書かれた『異邦の騎士』のほうがもっとかもしれない)しかり、綾辻行人の『十角館の殺人』しかりである。後の活躍範囲や作風を予感させる全てをデビュー作は持っているとも言えるだろう。本作の魅力をより増しているのが、『学校』という特種空間に住む人々の心理描写を実に見事に描写しているところだろう。そのスタイルが実に若々しく清々しい。そして読み進むほどに最初から見事に組み上げられたパズル型プロットが予想以上に複雑であるのに気がついて行く。そこがいい。まだ名探偵法月綸太郎は登場していないが実に見事な傑作である。
密閉教室 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:密閉教室 (講談社文庫)より
4061849905
No.4:
(5pt)

デビュー作のノーカット版

法月綸太郎と言えば、著者と同名の名探偵が活躍する作品群が有名ですが、このデビュー作には探偵・法月は登場せず、工藤順也という高校生が探偵役を務めています。当然舞台は高校で、捜査にあたる警察陣を除けば登場人物は全て高校生か高校教師です。こういうのは一般には“学園もの”と呼ばれますが、その呼称にふさわしいさわやかさはここには微塵もありません。非常に鬱屈した不健康な空気に満ちているのです。しかし、考えてみれば青春というものの実態は意外とそういうものかも知れなあなどと昔を振り返ってみたくなります。トリックはかなり盛り沢山で、謎の奥にまた謎が隠されているというパターンが何度か展開され、読者を飽きさせません。教室の中で生徒の死体が発見されるのですが、その時教室が密室状態になっていたことと、(興をそぐので詳しくは書けませんが)教室内が普段と異なる状況になっていたことの理由を探るという2つの謎がストーリーの中心なのですが、それぞれの謎に対して次々と提示される様々な解答がそれぞれ魅力的です。尚、この本は初回発売時にはカットされた部分を復活させた“ノーカット版”ですが、私はこちらしか読んでいないので初回発売版との違いについてはわかりません。ただ、カットする必要があるほど長すぎるという印象はなく、最後まで楽しく読めました。
ノーカット版 密閉教室Amazon書評・レビュー:ノーカット版 密閉教室より
4062115107
No.3:
(5pt)

デビュー作のノーカット版

法月綸太郎と言えば、著者と同名の名探偵が活躍する作品群が有名ですが、このデビュー作には探偵・法月は登場せず、工藤順也という高校生が探偵役を務めています。当然舞台は高校で、捜査にあたる警察陣を除けば登場人物は全て高校生か高校教師です。こういうのは一般には“学園もの”と呼ばれますが、その呼称にふさわしいさわやかさはここには微塵もありません。非常に鬱屈した不健康な空気に満ちているのです。しかし、考えてみれば青春というものの実態は意外とそういうものかも知れなあなどと昔を振り返ってみたくなります。
トリックはかなり盛り沢山で、謎の奥にまた謎が隠されているというパターンが何度か展開され、読者を飽きさせません。教室の中で生徒の死体が発見されるのですが、その時教室が密室状態になっていたことと、(興をそぐので詳しくは書けませんが)教室内が普段と異なる状況になっていたことの理由を探るという2つの謎がストーリーの中心なのですが、それぞれの謎に対して次々と提示される様々な解答がそれぞれ魅力的です。
尚、この本は初回発売時にはカットされた部分を復活させた“ノーカット版”ですが、私はこちらしか読んでいないので初回発売版との違いについてはわかりません。ただ、カットする必要があるほど長すぎるという印象はなく、最後まで楽しく読めました。
ノーカット版 密閉教室Amazon書評・レビュー:ノーカット版 密閉教室より
4062115107
No.2:
(5pt)

真犯人は?

初めて読んだとき、本当に人に勧めたくなりました。舞台は学園なのだけど、全く浮かれた感じはない。登場人物には、みんな暗くじめじめしたものを感じる。そういう「膿」みたいなものが、たまりにたまったある日、事件が起こる。密閉された教室の中の死体。自殺なのか他殺なのか?犯人、トリック、真相・・・多くの可能性。探偵役はフル回転するが、閉ざされた高校の中、様々な思惑を持った人たちの中で、彼だけが滑稽に見える。結末は、期待を裏切るものではない。多くの犯罪者が浮き彫りになるが、「殺人」に関しての真犯人は、誰であってもおかしくない。そんな終わり方。
密閉教室 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:密閉教室 (講談社文庫)より
4061849905
No.1:
(4pt)

現実離れと現実とが、最後に合致する?

法月綸太郎のデビュー作。朝の教室で喉を掻き切って死んでいたのは7R組の中町。級友で推理小説マニアの工藤順也は、独自の推理をめぐらすうちに、担当刑事森の”お墨付き”を得て捜査を開始するが、自殺説に固執する教師、危険なクラスメート、謎めいた女生徒らに惑わされ、推理は一進一退・・・。処女作ということもあってか、全体に余りにも「学園もの」のパターン。特に教師陣にはまるで個性がなく、唯一それらしいものがある担任教師は、逆に余りにもわかりやすすぎる。生徒たちも、こういう高校生もいなくはないかという、あくまでカリカチュアライズの範囲内で許せるとしても、女生徒2人のミステリアスさはいかにもで、事件のカギであるとわかってはいても少々辟易する。しかし、「いかにもなだけ」に飽きてきた頃、主人公のピンチから一気に謎解きになだれこむ。このドラマチックさもまあパターンといえなくもないが、以後は謎が解けたかと思わせてからの引っ張りぶりが見事。トリックも特に目新しくはないが、探偵を自認する主人公や森刑事の思惑を超える事態が次々出来する数回のどんでん返しがあり、犯人は実は最初からうすうす予想は出来るものの、最後まで楽しめる。結末は、シュールというか非常に皮肉なものである。この、最後の最後で”探偵”そのものを嗤うような作りは、処女作ながら探偵の本質をある程度突いていて見事だと思うし、この部分が全体のリアリティの希薄さ(本格推理にしても少々薄すぎ)を救っている。現実離れしたいかにもな学園ものが、ありえなくはない現実と最後になって合致し、完璧な推理物とは言いがたいまでも単なる学園推理を超えたものになっている。その後の活躍は衆目の知るところである。
密閉教室 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:密閉教室 (講談社文庫)より
4061849905

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