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火刑都市
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火刑都市の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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作者としては珍しい地道な刑事物。事件は四谷で起きた自殺とも殺人とも取れる状況で発見された警備員の土屋の焼死体。殺人とも取れるのは(土屋が)結婚を約束していた同棲中の美人(「カンコ」とも「ユッコ」とも)が事件当夜以降、身辺整理の上、跡形もなく失踪しているからである。おまけに、土屋は極端な人嫌いで、2人の身辺調査は難航する。これを中村という刑事が執念深く追うというストーリー。 しかし、「カンコ」という愛称から中村が越後寒川に辿り着くのは流石に論理が飛躍し過ぎているだろう。美人の正体は渡辺由紀子。漁師だった由紀子の父親は既に亡くなっており、父親が半身不随で入院中に由紀子が産まれているので、由紀子は愛人の子供かも知れない。焼死体の話を聞いて母親が驚愕する辺りに事件の深層が潜んでいるのか。案の定、由紀子の実の父親は遊び人で焼身自殺したという。愛人の焼死という共通体験を母娘でしているのだ。しかし、由紀子は事件当夜のアリバイを主張し裏付けられる。そこへ、赤坂、虎の門と(密室状態での)放火魔による放火事件が起きる。四谷の事件もこの連続放火魔の仕業とも考えられるが、それではここまで由紀子を追って来た意味がなくなる。だが、発想の転換がある。由紀子が土屋を殺すために放火魔を利用したというものである。後は、放火魔の正体(は直ぐ分かる)、放火方法及び放火の動機である。そこへ、虎の門、新橋、有楽町、数寄屋橋、八重洲、大手町で放火事件が発生する。これらが江戸城のかつての外堀だった事は私でも分かる。放火魔の動機が東京の都市計画へのある種の狂信的抗議だった事が窺える。 密室のカラクリは詰まらないものでガッカリ。しかし、地道ながら焼身殺人(自殺)をテーマに、一族の因果と江戸の情緒とを丹念に織り込んだ佳作だと思った。 | ||||
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評論家とかは本作を島田氏の傑作に必ず挙げてきますね。が、一般のミステリーファンからすると本作は島田氏ならではの独創的なトリックもなし、だからと言って社会派推理でもなく、サスペンスもあまりない何だか中途半端な作品にしか感じられない。犯行の動機が何ともよく分からない説得力のないものだが、これが本作で描きたかった都市の意思による現代都市への復讐だ・・・って解説では述べられているのですが、・・・うーむ・・。 本作、樋口可南子と植木等でドラマ化されているらしいですが、これは最も映像化したらつまらなくなる種類の作品ではないでしょうか。 島田作品を最初に読もうという場合、本作を評論家が誉めているという理由で手に取るのは初心者は避けられた方がいいと思います。 | ||||
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う〜む・・・この程度の動機で、こんなことするのでしょうか? たしかに<そのもの>への執着というのは分かるけど、なんかピンと着ませんでした。 ある女性の生き方にジーンと着ました。これがこの作品のメインといっても良かったと思います。あと芸術家気取りの中村刑事も、粋な江戸っ子でいいキャラクターでしたね。 しかし、事件解決に1年くらいかかってるので、はっきりいって無能でしょうか(笑 | ||||
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