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愚行録
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愚行録の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 41~60 3/4ページ
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愚かな行為は醜いものだ。嫉妬、怠惰、傲慢、色欲──といった人間のもつ愚かさを如実に表している。一人の人間に対しての印象は、十人十色。だからこそ、違う一面の愚かさを知り得る。好意を抱く者がいれば、悪意を滲ます者もいる。それらが徐々に私たち読者を蝕み、不快感をもらたす。ちりばめられた全ての愚行が綺麗にまとまったとき、一気に爽快感へと豹変する。この最悪の読後感が堪らない。なるたるものか。「慟哭」とは一風違った衝撃に包まれるだろう。この本は、何度も読んでみる価値があるかもしれない。 | ||||
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周りから見れば、幸せを絵に描いたような一家4人が 惨殺されるという、センセーショナルな事件を ルポライターがインタビューという形式を取り 惨殺された、夫や妻について語って行く。 ワイドショーが飛びつきそうな事件を、淡々と物語って行く様は こちらもワイドショーを見ているような錯覚を覚える。 一人の人間の良し悪しが、個人の捕らえ方でこうも違っているのは とても怖い。 人事では無いな…と思いつつ読ませられる。 人によってはその行為が「無邪気」であり、又は「悪意」に見える。 「デキる人」とも、反対に「頼りない」とも。 このとらえ方は、本当に人それぞれであると、妙に納得する。 個人のフィルターによって、同じ人物が別人のようになる。 インタビューの合間に、一人の女性のモノローグが挿入されていて コレが、一体何に繋がるのかが気になりながら読む進める。 最後に解き明かされる、この女性のモノローグは それになりに面白かった。 しかし、読み進む内に「違和感」が増幅してくる不思議な本だ。 それが最後の最後まで続き、モヤモヤが最後まで消えない。 この嫌な感じは、読んだ人にはわかるはず。 早稲田や慶応のOBや、内部者・外部者の話も デフォルメされているとはしても、それなりにリアルさを感じられた。 犯人が誰か…という観点で見ると、そこまで以外性はなくとも 作者の意図が別にあることを読者は理解できると思う。 まさにタイトルの「愚考録」 巧いなぁ…。 | ||||
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都内で起きた幼い子ども二人を含む、一家惨殺事件。 殺された夫婦に関係の深かった人たちへのインタビューが ルポルタージュの形をとっており、その合間に女性の独白が 入っています。 本を読み進めていくうちに事件そのものよりも インタビューされる側の人たちの話しに 惹きこまれていきました。 それぞれの人が様々な立場から被害者夫婦を語っており、 それが実に面白い。 本作で共通しているのは話しの中に、ステータス、 現在の競争社会の中でのランク、地位とかいったものが すごくよく出てくること。 そして出てくる人たちはステータスとか地位とかいった ものを価値の最上位に位置づけている。 実際もそういう価値観が多数を占めていると思うのだが 読み手がどの程度その価値観を重視しているかによって 本作への共感度や評価、あるいは読後感の悪さの度合いに 関係しているのではないかと思う。 爽快感はないが自分を見つめなおす機会を与えてくれる 面白い本であった。 | ||||
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物語は「幼児虐待事件の記事」から始まります。 しかし、この作品はあくまで、一家惨殺事件の被害者夫婦の隣人・友人に対するインタビューが主軸です。 最終的には事件の全容・登場人物の人間関係などを把握することができます。 しかし本作の真骨頂はそこではなく、登場人物の人間性だと言えるでしょう。 本作は証言者たちによって田向夫妻の人間性を掘り下げる、というものではありません。むしろ、読めば読むほど「良い性格ではなさそうだけど、今いちはっきりしない」という風に感じました。 田向夫人に対して、ある人は「感じのいい人」と言い、ある人は「無邪気」だと言い、ある人は「ひどい人」だと言います。むろん、証言者たちの主観が入るので、当然ではあります。しかし、そこに私は証言者たちの自己主張をかなり強く感じました。彼らはあまりに事実を自分の都合が良い方に解釈しすぎているのではないか。まるで自分のコンプレックスをごまかすように。田向夫妻を評価する側の彼らは、自己を正当化させたいがために熱弁するのです。 この作品はただ話すだけの証言者たちを使って、非常にリアルな人間を描いているように感じます。田向夫妻という存在によって、彼らの見栄やプライドやコンプレックスがちらちら見え隠れしている。しかし、これは私達が普段の生活で少なからず感じていることではないでしょうか。人間は自分より下の人間がいることで安心し、優れたものには羨望または嫉妬してしまう。 ここまでリアルな人間性を描いた貫井さん…恐るべし… | ||||
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平和な一家四人が何者かに惨殺される事件が起き、 その夫婦の現在から過去に至る知人たちの語りで徐々に 彼らの肖像が明らかにされてゆくという構成。 宮部みゆきさんの「理由」、雰囲気は東野圭吾の「悪意」とも似ている。 同じ人物でも、見る人によって印象は様々。 色々な関係者の語りの中で描き出される殺された夫婦の姿が、 時には「素晴らしい」人であったり、「優しい人」であったり、 また時には「酷い人」であったり様々で、 どれにもとてもリアリティーがあって引き込まれていった。 人間の本性とでも言うべき強欲さやずる賢さが露になっても、 接する相手の立場や心理状態によってはそれが全く別のものに変化する。 目に見えないからこそ、感じたことが全てになってしまう。 彼女に憧れる女性、彼女に嫉妬する女性、彼女に恋心を抱く男性、 それぞれが創り出す彼女の姿は違っていても、どれも真実。 その複雑な構図を客観的に見ることが出来て、 人の心も、その姿も、何が本当で何が嘘かなんて誰にも分からない、 そういう怖さをしみじみと感じさせられた。 そして救いようのない"もうひとつの物語"も同様、 最後に読者の心にズシっと重たいものを残して終わり、 読後感はいい意味で「最悪」だ。 ミステリーとしての驚きや衝撃は無いが、 ただ人の心理を描いただけなのにものすごく強烈なインパクトがあり、 もっと知りたい、もっと読みたい、という気持ちにさせられた。 こういう作品は好きだ。やはり貫井さんはうまい。 シンプルな構成でここまで「読ませる」、その筆力もまたお見事だと思う。 | ||||
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こういうミステリもあるか、という1冊。 庶民のほんのちょっとした悪が積み重なるとこんなに大きな悪になってしまうという内容です。しょっぱなから「-44」章立てで始まるので、「0」で何が起きるか想定済み、そこまで予定調和でいながら読ませる筆力はさすが。偶然の産物のように書かれているが、加害者側の行為はどれもいつ自分が犯しても不思議ではないレベル(といっても私は犯さないですよ、たぶん)で、身近でいつ起きても、既に起きていてもおかしくない、目の前にある危機。被害者にも加害者にもなりうる。難しい題材・テーマだが、考えさせられる1冊だった。 貫井徳郎氏は、やっぱり思いこませ系の第一人者である、というのが本作を読んだ私の感想です。 序盤から中盤までですっかりと思いこまされてそのまま結末に至って愕然というのが、彼の狙いだと思いますが、頭から思いこませ系だと思って読んでいるので、ところどころにうまく散りばめられた真実が光って見えてしまい、残念ながら思いこまされずに読了しました。 とはいえ、トリックが弱いとかではなく、精巧なプロットは上出来です。私のように穿った見方をしなければ素直に楽しめる作品かと。読後感は決して良くはないですけど・・・。 | ||||
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一家惨殺事件が起こり、近所の人や過去の友人らがインタビュー形式でその家族の人を語っていく。 本の一頁目に、母親が子供を育児放棄して死なせた事件の新聞記事があり、それと一家惨殺事件とどういうつながりがあるのだろうと思いながら最後まで一気に読んだ。 まさに「愚行録」。 たった一つの事象、たった一人の人間を表すのに、語り手の感情がどう加わるかで良くも悪くも成り得る。物事は多面的であり、決して絶対的ではない。この「愚行録」という意味は、両親に虐待されながら生きてきた兄妹、人に語られることで人物像が見えてくる田向夫婦だけでなく、田向夫婦について語る人々全てを「愚行」と言っているのだろう。読みながら、「この人バカだなあ」って何人の人を思っただろう。でも人間みんな愚かな生きもの。自分もその愚かな一人です。 | ||||
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読みながら・読み終わってからいろんな感情が渦巻いたのですが、 書評家大矢博子氏の解説で全て書かれてしまっていました。 本筋からはずれますが、こんなに深く共感した解説は初めてですw 特に「しかし愚かであるというのは・・・・・・ただただ哀しい」という部分は、 正しく我意を得たり!でした。 ネタバレはないので、本屋で解説だけでも立ち読みしてみてください。 そのまま本書を手にしてレジに直行すること請け合いです。 登場人物たちの口調の細かい部分に個性がなく、その点でのっぺりした印象を持って しまったのが残念でした。(もちろん、彼らの人間性は充分以上に描かれていますが) それと、過去のレビューにもありましたが、オチが少々弱く意外性に乏しかった気がします。 その辺で★−1としました。 少々ケチをつけましたが、総合的には断然面白かったです。 貫井徳郎の作品は今回が初めてだったのですが、しばらく追いかけてみようかと思います。 (早速「慟哭」を買い求めて読んでます) | ||||
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偶然、書店で見つけて先入観なしに読み進めたが、面白くてどんどん引き込まれる感じで読み終えた。一見無関係な二つの話が交互に進んでいくが、これが何処で繋がるのだろうかとドキドキしながら読んだ。この本はミステリーの謎解きと言うより現実の事件のルポルタージュのような面白さがある。また早稲田、慶応などの実在の大学のOBの話が妙にリアリティが感じられて興味深かった。 | ||||
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一家四人が殺害された事件を巡ってインタビュー形式の書き振りでストーリーが展開されていく。話が半分ほど進むとこの話はどんな結果となるのか、一体何を「愚行」と言っているのか、などと疑問が湧きどんどんのめり込んでいった。 殺害された奥さんの評価はどんどん下がり、その正体が善人から悪人へと変貌する中で、最後に納得のいく結論に達するといった内容。登場人物は嫉妬や虚栄心など人間の性が露わに表現されており程度の差があるがそれぞれ「愚行」を演じていた。 書き振りが斬新であったのに加え、後半部分の犯人の衝撃的な告白もあって一気に最後まで読み終え、放心状態になった。 ミステリーファンには強くお薦めしたい傑作。 | ||||
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閑静な住宅街で起こった一家四人惨殺事件の被害者夫婦について。 インタビュー形式で真相に迫る物語。 一区切りずつ語り手が変わっていくので。 語り手と被害者の関わりや印象などそれぞれ違っており謎めいた雰囲気を醸し出している。 | ||||
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恩田陸さんの「ユージニア」で、 こういう、インタビュー形式で事件の全貌が分かる…みたいなのに出会いました。 ルポライターに対して、被害者の関係者が余談を挟みながら、 被害者がどういう人だったのかが分かってくるのですが、 こういう「書き方」の作品は圧倒的に少ないので、違和感がありますが、 そのうちだんだんと、読者が「ルポライター」になったような感覚になります。 だから、すごく近くに感じます。 読了後、後味が悪いです。 生まれた環境による悪のスパイラルと、何でもかんでも他人のせいにしちゃう… 成人なんだから、自分の尻拭いは自分でやれ!と思うんだけど、 やっぱり、一度掛け違えたボタンは、最後の最後まで、 その人の人生を狂わせることになってしまったようだ。 どんなに憧れるような存在(「いい人」)でも、 殺されたり、悪の部分が出て来るんだなぁと思う。 人間、やっぱり、きれいなこととそうでないところってあるんだろうなぁ。 この事件は、ほとんど逆恨みだしなぁ。 殺されちゃったから、真意は分からないけど、田向夫人って、 どういうつもりだったんだろうか。 本当にいい人だったのか、計算をして貶めたのか… 一家惨殺だから、実際に起こった世田谷の事件に絡みそうなことだと想像していましたが、 …果たしてどうなんでしょう(現実の事件は、早い解決を望んでいますが:2009年現在)。 貫井作品は、慟哭からのファンで、単に推理だけをして楽しむのではなく、 後味が悪いので、出会わなければこんな嫌な気持ちになったりしないのかもしれないけれど、 事件の裏には、人間本来の醜悪な部分がある…みたいなのも、考えさせられるので、 本当に楽しめます。 …最高に後味が悪いので、★4つ…です。 | ||||
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犯人不明の一家皆殺し事件。その関係者6人へのインタビューを通して過去に連なる様々な愚行、心の歪みがあぶりだされていく。犯人や動機、トリックで驚かせるタイプの小説ではなく、論理的に真相を導き出していく謎解き小説でもない。ただひとつ、3人目の証言と4人目の証言の間に実に巧緻な小技がひとつ仕掛けられていて、私はこれにまんまと背負い投げをくらってしまった(お前がぼんやりなだけじゃ、とも言われそうだが)。うますぎるよなあ貫井さん。おかげで素材の重さがスポイルされてしまったとかいう批判もできるのだろうが、この創作姿勢は断固支持したい。 | ||||
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確かに後味が良くはないが、妙に納得してしまう内容ではあった。まず、慶応大学ってそういうところなのかという驚きと(一切縁がなかったもので)、善意に満ちた人が必ずしもいい人とは限らないというよくあるテーマを見事に描ききっていて、そのあたりは爽快感さえある。いろいろな意味で、人間をよく見ているなと思う。 一度はまると、後味の悪さがクセになる作家だ。 | ||||
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貫井の作品のなかではイマイチかもしれないが、 やはりその完成度の高さには驚かされる。 都内で殺された一家四人。 取材するルポライターは、その真実に近づいていくが。。。 ルポライターはよく書けていて厚みがある。ラストもよかった! | ||||
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都内で幼い子供二人を含む一家4人が惨殺される。物盗りの犯行か、怨恨か。事件を追うルポライターに、友人たちが語ったこの家族の「真実」とは…。 様々な友人たちが一人称で語って聞かせる形式は、宮部みゆき「理由」、恩田陸「Q&A」「ユージニア」など話題作で幾度か目にしていますが、本書でもまだまだ有効に用いられていると感じます。 被害者たちの人生は友人たちのフィルターを通した途端に、「真実」と私たちが名づけるものからはどんどんと離れていく可能性があります。それがどれくらい離れているのかは、まさに死人に口なし。私たちが他者を「知る」というのは、実は「他者像をこしらえる」という作業と紙一重でしかない虚しさを感じます。 さらに言えば、彼らの来し方に散りばめられた愚行の数々、---ちょっとした意地悪や軽い嫉妬、利己的な恋愛感情や、苦笑するほどの執着心---そうしたものは私たちの人生にも大なり小なりこぼれ落ちているものです。誰の身にも覚えがあるそんな行為の数々は、歳月とともにやがて忘却や諦念にくるまれて記憶の引き出しにしまいこまれてしまうものでしょう。それが生きる上での大人の知恵であるともいえます。 しかしそんな行いの一つ一つが、ひとたび一家が惨殺されたことによって、この一家が万死に値するか否かを問うための材料へと、にわかに変貌を遂げてしまいます。 「あの人たちは何も悪いことをしていないのに…」。目を覆いたくなるような残虐事件の直後に、被害者を知る人たちがメディアのマイクに向かってこの言葉を口にすることがあります。この言葉に頷く私たちの心の裏には、一方で「殺されても仕方がないような行い」がこの世には確かにあるという共通認識が巣くっているのです。 そんな心を見透かすような結末に、うら寂しい思いを感じるのは私だけではないはずです。 | ||||
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こんなに醜い生き物かと思える。アラを探せばキリがなく長所も短所も紙一重。良いと言える人ほど、時に見せる何気ない一面がとても悪い印象にもなる。自分が観ている自分と他人が観ている自分がこんなに大きな隔たりがあるのだと改めて思わせてくれる。人の負の面が際立つ小説。 | ||||
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まず一言。 面白かったです! なかなか途中で止められず、一気に読み終えました。 今年に入って読んだ57冊目の本になりますが、いちばん印象に残りました。 変わった形式の作品ですが、本当に良くできています。 いろいろな人にインタビューしつつ進んでいく物語ですが、 それぞれの話にリアリティがあって、 恋愛小説と思って読んでも共感できる部分が多かったです。 実在する学校や企業名が出るのは大丈夫なのかしらとちょっと心配にはなりましたが、 そんなことはどうでもいいですね。 恵まれた環境ゆえにまわりからは素敵に見えた家族が惨殺されて、 関係者に話を聞いていくうちに、単純にかわいそうと思えた被害者が、 「もしかしたら殺されても仕方なかったかも」と次第に感じられていくことに、かなり怖さを覚えました。 もし殺されたのが自分だったら。 やっぱりこんなふうに色々言われてしまうんだろうなというのが、率直な感想です。 恩田陸の「ユージニア」にちょっと似た感じの作品ですが、 設定はもっと凝っているし、ラストもこちらの方が断然良かったです。 残り数ページになったときは、ちゃんと話が終わるのか焦りました。 わたしは最後の最後まで、本当に犯人が分からなかったです。 読み終わったときは、悲惨な内容のラストよりも、 そうだったか〜という、ナゾが解けたすっきり感の方が大きかったです。 | ||||
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視点を変えると物事はまったく別の側面を映す。ある意味、人の評価(価値?)も他者が作る多種多様な(勝手な)思いの交差する場所にしか存在しない。今作も、第三者がインタビューで細部を明らかにするほど、殺された夫婦の人となりは曖昧となっていく。 様々なパーツが最後に集約される構成と、現代的と言える犯人の動機もよくできているが、自分が興味深く読んだのは、この顔の見えない被害者の描写である。 そして本作で一番不気味なのは、更に顔の見えないインタビュアーであることは言うまでもない。(個人的には恩田?「Q&A」と近い現代的な不気味さを感じた。) | ||||
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誰しもが持っている、嫉妬をこれでもかと見せつける作品。 心当たりありまくりで、ホント、申し訳ない、ごめんなさいと、読んでるそばから懺悔したくなったりました。 読後感もばりばりに悪いです、でも、読む価値はあると思います。 | ||||
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