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シリウスの道
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シリウスの道の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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藤原伊織さんの本です。 舞台は広告代理店。 仕事ができる辰村の下に、周りからはあまり仕事が出来ないとされる部下の戸塚が配属されており、美人上司立花とともに、他社とネット証券会社の立ち上げの広告競合をすることに。 同時に、辰村の大坂時代の過去が絡んでくる。 競合はどうなる? 大坂時代の過去は? という感じで、社内抗争に巻き込まれたり、後に戸塚が実はかなりデキて、気合いのはいった若者だったと判明したり、立花と恋愛関係になりそうになったり、それをスキャンダルに利用されそうになったり、などなど事件がおこってきます。 ただ、大坂時代の秘密っても、そんな致命的なスキャンダルじゃないし、あまり気にするようなレベルではなさそうだったりして、 いささか、パンチが弱いように思えます。 うまくまとまっているかもしれませんが、後半に矢継ぎ早な感じで事件をおこしてくるので、それがいささか唐突に感じさせています。 ハッピーエンドではないですし、「あーあ…」という、カタルシスを覚えさせる終わり方でした。 | ||||
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広告代理店に勤める辰村祐介が突然思い出す、明子、勝哉という二人の幼馴染と過ごした遠い過去、そしてある出来事。25年のときを超えて、離れ離れになった3人の再開を促す事件の真相は。 多くの人々が、自分ではない、誰かの影響で喜んだり怒ったり哀しんだり楽しんだり。広告業界の内幕を描きつつ、人の連なりを描いた作品。 シリウスってのは、おっきい星とちーさい星の連星。連星ってことは互いの重力によって結びついているわけで、人も質量があるわけで、重力を持っていて互いに結びついているわけで。 | ||||
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しばらく新作が出ないなーと思っていたから、期待度は高かったのは否めない。それだけに拍子抜けした。大体、この方の作品に出てくる、知性と教養と正義感にあふれているが、アル中だったりデイトレーダーだったりするダメな人間は、結局は作者の分身だろう。その登場人物に「地上の星」が好きだと言わせてしまうあたり、本音だったのだろうが、そこでまず一気に引いた(曲自体は好きだけど、我々の世代は自分に重ねることはできない)。藤原氏は、自分も「地上の星」の一つだったと思っていわけで、ちょっとなーと思う。知りたくなかったぜ。やっぱり人間、体が弱ってくると、精神的にも弱ってくるのかな。この本以降、彼らしい傑作はかかれなくなったから。 | ||||
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何年か前「好きな作家」と私が挙げた方がまだ寿命までかなりなるというのに数人なくなった。 藤原さんもその一人である。 藤原さんの描く世界の男、いわゆる破滅型、どっか崩れていて、頭はとてつもなく切れて、硬派、まさにハードボイルド。危険とわかっていても女性が惹かれてしまう男、まさに男が”惚れる”(同性愛じゃないくて)男、そんな世界にいつも引き込まれる。 今回は藤原さんが身をおいていた広告業界の内情を知る事ができた。華やかな世界で繰り広げられる広告マンたちの厳しい現実。 それはそれで非常におもしろかった。しかし、広告というものをあまり知らない者や興味がさほど無い者にとってはいつもの藤原作品のハラハラさ、ドキドキさがなく物足りなかったかもしれない。 そういう点では(広告や証券業界をあまり知らない私にとっては)今までの藤原作品のようなおもしろさは感じませんでしたが、広告業界に身を置く人、サラリーマンなどには非常に身につまされ、同調できると思います。広告業界でならした、文章の明瞭さ簡潔さ、余計なものを省いたその冷静な筆致は健在。本当なくなられたのが悔やまれます。 サラリーマンとしてさまざまな不条理に耐えている人、耐えた人、これからサラリーマン(広告マン、銀行員、証券、メーカーなどなど)になろうとする人には特におすすめです。 | ||||
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新聞をとるのを辞めてから、新聞の書評や広告で本を選ぶことがなくなったんですが、珍しく新聞でみて面白そうだと思い読みました。 個人的にすごく気になったのは、社長の御曹司の描写がちょっと類型的に感じたことです。 著者は広告代理店勤務だったそうなんで、実際にいろいろな社長さんや役員の方に会った経験から書いているかと思うのですが、 歴史ある一流上場企業はやっぱりこんな感じの人が多いのかな? 以前レディージョーカーを読んだときの印象を思い出しました。 そういう類型的なキャラクターとしての設定だからそれでいいといえばいいんだけど、何か気になりました。 良く考えれば、再開した幼馴染の描写もありがちだったような… ただ、ありがちなキャラクターを適所に配し、ストーリーを安心して楽しめるようにするという意味では優れた本でした。 今度、テロリストのパラソルも読んでみます。新宿公園の爆発って良くわからなかったし。 逆だね読むの。 | ||||
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今私が一番好きな本は何年か前からテロリストのパラソル。もう、この一冊に限る!!切なさと愛おしさとハードボイルドが見事にマッチして、それはそれはすごい本でした。だから、ちょっとだけ、期待し過ぎたのかなという感じ。お話自体はよく書けているし、広告業界の裏面が見えて面白い。そして、やはりどこかハードボイルドな主人公が出て来る。あのバーもホットドッグも出て来るし何も言う事はないのだけれども、テロリストほどの感動はない。というかもうあの作品を超えるものはきっと誰にも書けないのではないかと思います。 | ||||
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藤原伊織の最大の魅力は、「登場人物の語り、セリフの描写」がとても旨く、印象的である点であると私は思うが、その点において、本作は傑作テロパラ以降、その特筆すべく描写テクニックを十二分に楽しめる佳作に仕上がっている。但し、結果的に経済小説として読むべきなのか、ハードボイルド小説として読んで欲しかったのか、作者の意図が自分にはわからなかった。作者が長年仕事をしてきた広告業界の表、裏を見事に描いた作品ではあるが、器用貧乏的な中途半端さから読後感は消化不良をおこしてしまった。ちょっと残念。 | ||||
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斯界に嘗て身を置いたものとして興味深く読みました。メガ代理店といえども仕事(ヤマ大きな仕事はそう呼んだ)は独りで立ち向かうもの、冷徹に孤独に戦う姿は孤高の狼を感じさせます。ヤマが表なら三人の大阪の過去の友情は裏。これが文字通り表裏一体となって物語りは展開する。表と裏が運命の綾となって展開する物語はミステリアスである。一般には知られない広告代理店の内幕が分かって面白い。結末は次にに引き継がれるだろうから次刊が期待される。 | ||||
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忘れようとしていた過去の秘密が突然あらわになる。明子の夫に送られた、明子の過去を暴く脅迫状。差出人は誰なのか?なぜあの出来事を知っているのか?そのことが辰村の仕事にも影響を及ぼす。広告業界の競争に勝ち残るのはどこか?また脅迫状の結末は?そしてそのふたつはどう関係しているのか?緊迫したままの展開が続いていく。広告業界の内幕もとても興味深い。読み手を最後まで飽きさせないストーリーの組み立ては見事だった。ラストは、こんなものだろうという思いも多少はある。しかし、私としては違ったラストを期待したかった。そこだけが残念! | ||||
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