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テロリストのパラソル
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テロリストのパラソルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全121件 81~100 5/7ページ
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史上初、江戸川乱歩章と、直木賞をダブル受賞した作品らしい。 ずっと読みたいと思っていたが、作者の藤原伊織さんが亡くなってしまい、 追悼特集ということで本屋に平積みされていたものを購入した。 新宿の公園で爆弾テロが起き、アル中のバーテンも巻き込まれる。 アル中のバーテンが主人公という、ちょっと変わったキャラクター設定。 テロの被害者の中には、かつての友人も含まれており、 色々なつながりや、過去に起きた事件なども絡んできて謎が深まり、 色々なことが紐解かれるラストの方は、気になって止められずに読みきった。 新宿の街の描写や、ホームレスの存在や、ストーリーを取り巻く背景が 馴染みがあるところもあり、とてもリアルに感じた。 新宿でテロ・・ ありそうで、怖い気持ちも正直ある。 | ||||
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中年のアル中おやじでありながら、不思議なくらいその魅力を感じぜずにはいられない主人公。 主人公が魅力的だと感情移入もしやすく、物語もがぜん読み進めたくなる。 ハードボイルドとしてもミステリーとしてもおもしろい。 犯人は途中で察しがついてしまうが、その犯行にいたる心情に同情すら覚える。 そしてこの題名の謎も解かれる。 藤原伊織さん、今年の5月に59才の若さで癌によりお亡くなりになったのですよね。 以前”ひまわりの祝祭”を読んで最高におもしろかったので、今回もおおいに期待して読みました。私的には”...パラソル”も良いですが、”ひまわり。。”の方がさらに面白かったです。早すぎる死にとても残念でなりません。 ご冥福をお祈り申し上げます。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞を納得する素晴らしいミステリーです。 中年のアル中男が巻き込まれた爆弾事件。その裏に潜む71年の爆弾事件。過去のの事件の関係者が、現在の爆弾事件の現場に何故引き寄せられているのか?主人公を襲うヤクザは何者か?麻薬の影も見えてきて、バラバラの出来事の断片を再構成し、爆弾事件で殺された青春時代の恋人のあだ討ちを決意する主人公。 中盤以降は、一気果敢に物語りは展開し、読みさすことが出来ず、最後まで読み進めさせます。 ミステリー小説なのですが、あの70年安保の闘争の中で味わった挫折感が、全編に感じられる作品になっています。主人公の菊池は勿論、その友人であった桑野にもそれを感じます。二十年の歳月を経てもその残滓をどこかに残している、それが、当時を生きた人間の証明なのかも知れません。 | ||||
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最初あまり好きになれない主人公が 読み進めるうちに段々好きになってくる。 脇役のヤクザも良い感じ。 ストーリーも良く出来ていて、 最後まで読ませてくれる。 江戸川&直木賞だけのことはある。 ただ犯人の動機がいまいち納得できず。 まあ、主人公を窮地に陥らせる為には、 それが必要だったのだろうが、 これではホントに単なるテロリストじゃないか。 もうちょっと感情移入できる犯人にして欲しかったかな... | ||||
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一気に読んでしまいました。 思わず、ずるずると全共闘世代に引きずられてしまいました。 おもしろい・・・ ストーリー、文章のたくみさとあいまって引きずられるように読み進みました。 | ||||
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江戸川乱歩章と、直木賞を史上初めてダブル受賞した作品だそうだ。 本当によくできた小説で、その伏線の入り乱れ方とストーリーの進め方にすごくスリルがある。 読み終わると、あまりにできが良すぎて印象に残りすぎてしまい、おそらく読み返すことはないか、もしくは何年もたってプロットをほぼ忘れてからになるだろう。 おそらく読み返さないというのが理由になり、星がひとつ減った。それでもこの小説は素晴らしい、最高峰の娯楽です。 | ||||
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いろんな方々のレビューを読んでいて、なるほど、自分が感激した作品についても、人によって様々に意見が異なるんだなあと、今さらながら感心しています。今頃何言ってんだと言われれば、スミマセンと申し上げるほかありませんが。 ただ、娯楽ものとしてのフィクションに対し、リアリティがないだのご都合主義だのという批判は的外れではないのかなあ。SFだってミステリーだって、それを言い出したらそもそも娯楽ではなくなってしまうように思います。カッコよすぎる魅力的な登場人物が、スカしたキザなセリフを述べる。いいじゃないですか。歌舞伎だって、あの隈取り、衣装、セリフ回し、どれ一つとってもおよそリアリティとはかけ離れたものではありませんか。ファンは歌舞伎独特の様式美に酔いしれているのです。リアリティの追求なんて求めてはいないはず。 そう、様式美。藤原作品にも独特の様式美があって、一つの閉じた作品世界の中では、何もかもが美しい。登場人物の一人ひとりが、悪人も含めてすべて美しい。読んでいて気持ちがいい。ミステリーとしての完成度うんぬんについては批判があってしかるべきでしょうけれど、私などは少々の瑕疵などどうでもよろしい、この様式美のもたらしてくれる気持ちよさの前では何でも許しちゃう、という姿勢で楽しんでいます。 それにしても、あまりにも早く天に召されてしまいましたね。残念。残念です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。 | ||||
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この主人公が女だったらわたしものんだくれてみたい。 善人は良いかと問われれば悪人のほうが物事をはっきりと 分からせてくれたりする。雑多な世界がかってに滅びても しかたない。善人らしい正直者はなんとつまはじきになり身を 崩してしまう。それがわかるようなきがする。 われわれは善人ではない。ほころびから嘘と虚飾がチラついているじゃないか。 もーーくやしくてたまらない。がん!!そして藤原先生。もっと書いてほしかった。 独り旅立って、とてもそれが似合っていますよ。さみしいです、、、 ぜひ一読推薦いたします。 合掌 | ||||
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いくつかの賞をとった小説ですからその内容にはいくつかの側面があり、その理解は読み手によって違うのでしょうが、私は類いまれな恋愛小説と解釈しました。この小説の最終パラグラフにすべてが凝集されていると思います。 昔、愛し合っていた恋人(酔いどれ男)を“そっと見る事”或いは“一方的に会う事”ができる機会を偶然にも持てるなんて、陳腐な表現ですが、なんと嬉しく、そしてなんて悲しく切ない時間だったことでしょう(小説なんだから作家の自由、ともいえますが。それをいうのは無粋というものでしょう)。 彼女のその楽しい時間はテロリストによって奪われ、しかもこの恋人達とテロリストは不思議な運命の糸(意図)で繋がっていた・・・・・。是非、じっくり堪能していただきたい小説のひとつです。 物語の終盤に来て、話しが発散してしまい収拾が困難になって、意味不明の大爆発にせざるを得ない作品、逆に、途中までは盛り上がっているのだが肝心の終盤で萎えてしまう作品はたくさんありますが、この作品は最初から最後まで抑制が利いており好ましく感じました。 いわゆる(純)文学の観点から、この種(ジャンル)の作品の弱点を挙げるのは簡単ですが、「それを言っちゃ・・・・・・」、と思います。 | ||||
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江戸川乱歩賞&直木賞のダブル受賞作品。10年以上前の作品ながら、既にPCやネットも登場し、それほど違和感なく読めます。日本が舞台でも、現実的なハードボイルドは書けるのだな、と思いました 主人公・島村は、冤罪ながら爆破テロリストとして指名されている中年のアル中バーテンダー。かつて東大紛争時に同志だった仲間の気配に引きずられるように、隠遁生活から現実へと舞い戻ってくるさまが、克明に描かれています。 奇妙なヤクザ、20年以上前の恋人の娘、死んだはずの親友。ラストのどんでん返しは、やや都合よすぎる気もしますが、学生運動という時代を生きた者なら、多分、共感するところ大なのではないでしょうか。 もし今映像化するなら、桑野役には堺雅人さんをお願いします。 | ||||
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本書が史上初の乱歩賞・直木賞ダブル受賞作品としてベストセラーになってから数年が過ぎました。 だいたいベストセラー本にはろくなのが無いのですが、本書はさすがはダブル受賞を果たしただけあって、予想を大きく裏切る見事な作品でした。 文章の質も内容も展開も、全てが高いレベルに達しており、最後まで一気に読み切ることができました。 特に作品全体を支配する、静かでどっしりとした濃いめのセピア色的な空気感(表現が難しい)にはやられました。 謎の提示や伏線の張り方、展開の意外性などを見ても、本作品は十分に本格ミステリとして通用するだけのものを持っていると思います。 #最後がやや陳腐な終わり方になってしまっているのが惜しい。 単にひとつの作品としての面白さだけでなく、筆者の筆力の高さや作家としてのポテンシャルの高さも感じさせてくれる一冊でした。 ベストセラー本にもたまにはまともなのがあるんですね☆ | ||||
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直木賞と乱歩賞を受賞した稀有な作品。なにしろセリフがかっこよすぎます。最初から最後までスピード感あふれる展開とその魅力的な会話にまったく飽きることなく一気に読めてしまった。登場人物も主人公はアル中だし、パートナーはヤクザだし(これがまたカッコいいんです)、ヒロイン的存在の元恋人の娘塔子はとにかく魅力的、と個性十分。ハードボイルドですが、そう固くないです。そして素晴らしいのがこのタイトル。「テロリスト」と「パラソル」という一見真逆に位置するこの二つがいかに繋がったのか。ラストでこの意味を知ったとき何ともいえない悲しさが残った。 | ||||
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史上初の江戸川乱歩賞・直木賞のダブル受賞作品。 輝かしい功績を残した作品だけに、さすがにすばらしい作品だと感じる。 審査員の意見が全員一致で江戸川乱歩賞を受賞したことは、おおいにうなづける話である。 何よりもまず、文章センスのよさに驚かされる。 読み出してすぐに作品の世界に引き込んでくる。本当に出だしの一行目は美しく魅力的だ。 藤原伊織の文章は、本当にどの文を切り取っても名文だと思う。 藤原伊織の綺麗で流れるような文体を一度は体験してほしい。 ストーリーも魅力的である。 詳しくは書けないが、新宿の街で起こった爆弾テロ事件が主人公の過去に上手く絡んでくる。 伏線もなかなかよく働いている。 また、登場人物がとても生き生きと描かれており、本当にそれぞれのキャラクターが作品の中で呼吸をしている。 主人公以外の脇役にも手を抜かず、通行人一人ひとりが生きている。自分がまさに新宿の街に存在しているのではないかと思わされるほどだ。 リアリティーとはこういうことなんだと感じさせられる。 全共闘時代を話題にしているため、拒否反応を示す読者も多いようだが、実際のところ全共闘は物語の芯や軸ではない。 重要なのは『彼らが戦っていたものは結局何だったのか?』という一方的な問いである。 もちろん、答えは提示されないままだが。 日本ハードボイルド界に新たな世界を拓いた作品だといえるだろう。 | ||||
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そもそもハードボイルドなんてあまり読まないし、酔っ払いがかっこいいとも思った事がない。でも、このお話はとても切なくて、何度も読みかえしてしまいました。 第41回江戸川乱歩賞 もう、10年も経つのに、今読んでもぜんぜん色あせない本物の小説です。 | ||||
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公園で酒を飲むのを日課とするアル中。 いつものように過ごす、ゆったりとした時間は突然の爆音によって壊された。 久々に読書の楽しさを感じた一冊。 するすると物語は展開していき、内容がすんなりと頭に入ってくる。 計算された物語構成だと思う。 アル中のオヤジに魅力を感じるとは不覚…っ!とも思うけれど 頭脳派ヤクザも文句なく格好いいから、もう何も言いません。 事件の真相にあなたはどこで気付けるか? (…私は結構驚かされた) | ||||
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新宿の公園で起こった、テロ。当然、疑われる人物。何の脈略もないけど、「食べてみたいと思うホットドック」・・・読んでいない人には何の噺家と思うかも知れないけれど、まずは、こんな調子で、この壮大な物語は始まる。 ネタバレになってはならないので、割愛するが、外国のテロリズムや拷問の恐ろしさとか、良くぞここまで書いたというのが、率直な感想である。 わずかに救いになる男女の場面〜普通、この種の小説では、将来の映画化を目的とした濡れ場の設定になってるが、そうではない〜が、最期までキーポイントとなっている。 テンポの速い小説で、一気に読んでしまうので、翌朝仕事がある場合は、一晩我慢した方がいい。 | ||||
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96年度版このミス6位 1995年文春ミステリーベスト10 1位 週刊文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 19位 第41回江戸川乱歩賞 第114回直木賞受賞 この作品を読まずに、日本のハードボイルドを語ることはできないであろう傑作。 作品のテンポ、主人公や登場人物の造型、そしてmysteryの要素等、発表から10年以上たっても色あせることのない作品である。作者の他の作品にもいえることだが、特に会話文の使い方がうまく、全編を通じ、よく練り込まれたストーリーに緊迫感を与えており、読書をあきさせない。 絶対にお薦め出来る作品である。 | ||||
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独特のリズム。 すぐに気がつくのは一文の短さ。 それが「私」のクールで言い訳をしない、時としてつきはなしたような冷めた生き様を演出するのに花を添える。 「私」の正体いや名前すらも50ページを越したところで始めて明かされるのだが、それすら何の違和感もなく受け取ることができる。 「ケチなインテリ」である「私」と「スマートでキレるヤクザ「浅井」の会話のかっこよさときたら。 意を解することができる、筋の通った者同士の会話というのは こうまで余計なものがなくこうまで透き通っているものなのか。 説明調の記述が一切ないにもかかわらず、登場人物や背景がスムーズに理解できるのには、驚かされる。 上手な人の文章というものはこうも見事なものなのかと。 もちろんストーリイもまたかっこいいのだけれどせつなく 組織というものに属さない者達がまっとうに生きることがいかにシビアであるかを、日本の中でも最高の組織の一つに属していた作者がここまで書けてしまうのにもまた驚愕。 間の悪い人は必ずいる。 運が悪いといってもいい。 そしてたいがいはその不幸は誠実で正直な人の元へ訪れる。 それでもその生き方しかできないのがそういった人たち。 それが世というもの。 飲めないのにウイスキーが飲みたくなる 好きでもないのにホットドッグが無性に食べたくなる 男がかっこよく生きるということはこうも難しくこうもかっこいいことなのか。 | ||||
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アルコール中毒のバーテン島村は、中央公園で死者50人以上の大きな爆発にまきこまれる。 自身は無事だったが、爆発で、大学生時代の友達と恋人が死亡したことを知る。 犯人は?そして目的は?友人達が巻き込まれた理由は? ヤクザの浅井、恋人の娘塔子、などの協力で謎を追いかける。 主人公が、あまり暴力的な気持ちをもっていない人物なので、展開が速くて事件が次々起きるのに、どこか静かな雰囲気の小説です。 登場人物が全員とても頭の回転が早い人ばかりで、特殊です。 とても面白くて、長い小説なのに中だるみもまったくなく楽しみました。 | ||||
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~ 乱歩賞&直木賞W受賞の名作。スピード感もあり、あっという間に読めるおすすめの一冊。 島村は、20年以上もアル中となり、過去を隠し暮らしていた。その日も、いつもの晴れの日のように、公園で昼寝しながらウイスキーの口開けを楽しみ、手の震えが止まってから働くという、いつもと同じ一日となるはずだった。しかしその平穏は、1発の爆弾によっ~~て崩された。 爆弾で動き出したのは、隠していた20年前の過去。学生運動・全共闘時代のあの日のことだった… かつての仲間、死んでしまった恋人、そしてその娘や怪しげなヤクザたち。流れるように展開する物語は読みやすく楽しめる。文は職人技で素晴らしく、特に冒頭は美しい。さすがは乱歩賞&直木賞受賞作。 ただ、ミステリーとしてのテ~~クニック、あるいは文学としての思索は、やや薄い印象。少なくともあの時代を描いた作品なら、もっと「哲学」が欲しかった。~ | ||||
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