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(短編集)
悪党
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悪党の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 1~20 1/3ページ
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鬼畜のような犯罪を犯しながら軽い刑期で出てくる犯罪者たち。彼らに対して残された被害者 家族はその悔しさの激情をどこにぶつければいいのか。犯罪ミステリーのグランドテーマとしては 些か重いテーマでもある。この作品は、連作形式で探偵佐伯修一が、そのような被害者家族たちの 依頼を受けながら、この作品自身のより大きなテーマである、佐伯自身の「復讐劇」を描いていく。 佐伯自身も自分の姉を昔不良たちに殺害されている。3人の不良たちへの彼なりの復讐、 苦悩しながらもその復讐を遂行しようとする佐伯の凄まじい執念。作品の前半では、彼が扱う 数件の事件が描かれるが、すべて殺人被害者家族による依頼だ。描かれる加害者の多くは、 本当の意味での贖罪を果たしていない。彼らがどのような、復讐を受けるのか。構成が巧みで うまい流れを作っている。この著者薬丸岳の作品を読むのは初めてだが、なかなか構成力に 優れた面白いミステリーを書く作者だ。 | ||||
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佐伯修一は元警官です。レイプ未遂事件の現場にかけつけた時に犯人に銃を向けた事で懲戒免職になり、今は探偵事務所で働いています。佐伯は15年前、3人の男に姉を性的暴行で殺された被害者遺族なのでした。 前半は探偵として犯罪加害者の今を追跡調査します。佐伯自身もまた犯罪被害者遺族であり、この仕事には大いに力が入るわけです。 薬丸はデヴュー作「天使のナイフ」で少年犯罪について、続く「闇の底」では幼児性愛者の犯罪について、更に「虚無」で心神喪失者の犯罪について続々と重いテーマに正面から取り組んでいます。いずれも「贖罪とは何か」と「被害者の怨念は晴らせるのか」という問題を赤裸々に描く名作という、力がある作家さんで塩味はファンなんです。本作もこの流れを踏襲しています。 一件目の調査は息子を暴行死させた犯人・坂上洋一が何をしているのか調べて欲しいとの老夫婦からの依頼です。契約どおり2年前に出所した坂上の現状を報告する佐伯に「坂上を赦すのか?赦すべきでないのか?その判断が出来る材料が欲しい」と追加依頼をします。坂上は出所後オレオレ詐欺をしており、佐伯は被害者遺族であり赦せる材料など見付けられるわけがありません。「私なら絶対に赦せません」と告げたことがきっかけで、坂上洋一は依頼者にナイフで刺され半身不随になります。 2件目の調査は「16年前に弟を殺した女、前畑紀子を探してください」と19歳の早見剛から依頼を受けます。当時の紀子は子供二人をほったらかしにして二ヶ月かn放置し、速見の弟を餓死させたのです。速見は前畑の息子で奇跡的に絶望的な空腹の中なんとか生き残ったのでした。現在の紀子は再婚し、新しい家庭で幸せに暮らしています。速見は、15年ぶりに母親に対面し復讐を果たします。 こうして犯罪被害者の沿革を紹介しながら、後半では佐伯自身の自分の姉の仇3人を調査します。成功しているラーメン店の経営者、田所健一はそのうちの1人です。田所を尾行し行動を観察しもうひとりの犯人寺田正志にもたどりつきます。どうやら成功した田所を寺田がゆすっている様相です。ここに至って田所は寺田を刺し殺す事になります。 さて仇の最後の一人・榎木和也は末期がんで余命が短いことを突き止めその病院の清掃員として近付きます。死の淵にいた榎木は死を受け入れて死ぬ事をなんとも思っていない様子でそす。佐伯は「こんな死に方では楽すぎる」と思い榎木の魂を殺す方法を画策します。真の悪党が顔を現す瞬間です。やがて物語は彼自身の復讐へ……果たして結末に待ち受けているのは希望か絶望か!? 殺人罪を犯し犯人が服役しても、愛するものを失った被害者遺族は安らぎを得ることが出来ないことは、薬丸の他の作品でも語られている彼のテーマのようです。この重いテーマを一気に読ませる薬丸の筆致には唸らされます。 しかも本書は読後感がいい。内容の暗さに鬱々として読み続けた読者に希望を与える好著です。 | ||||
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心理描写がどうこう言うより 心理行動を上手く書けている。 これは面白い! ただの短編かなーと思ったが そう来たか!と。 読み心地の良い作品でした。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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読みたかった本を早々に送って頂き有難うございました。本は美麗で気持ち良く読ませて頂きました。 本好きな私にとって有難く思います。 | ||||
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ニュースや新聞で取り上げられる、身近なテーマが多いが、ストーリーにご都合主義的な部分は皆無で、現実味と緊迫感に富んでいる。 中身は濃く、展開のテンポが良いため、最後まで飽きずに読め、細部まで丁寧に作られていると感じた。 作者の他の作品も是非、読んでみたい。 | ||||
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面白い | ||||
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現在もどこかで起きている犯罪。それは司法で裁かれるだけで終わりという訳ではなく、怨みを持ってしまった人に深い爪痕を残して人生を変えてしまう。とても恐ろしく、終わりがない。故に被害者のことを考えると犯罪者をますます赦せなくなる。 だが、犯罪者に寄り添うことも大事だと思った。 | ||||
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展開に気分が悪くなる思いもあるが、現実的で、読後感は想像と違い悪くない。ドラマ化される意味がわかった。 | ||||
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一言で言うなら。 読みごたえあり。 犯罪被害者のその後。 犯罪者のその後。 それぞれの立場のその後の物語。 それが、うまい具合に短編で繋がってる。 先が気になって、一気読みしました。 そして、最後にホロリ。読んで良かった。薬丸岳さんの本、好きです。 | ||||
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『欲望のままに犯罪した加害者たちが、反省と更正を成す事は有り得るのか?』 犯罪被害者なら誰もが抱く感情に、真摯に寄り添いながらも良い終わり方で締める神作品でした。 ミステリーとしては弱いものの、犯罪被害者の苦しみに寄り添いつつ、犯罪の様々な問題や疑問を読者に提示しながら、 ラストを感動で締める点が本当に素晴らしいです(^-^*)/ | ||||
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内容はかなりダークで人間が怖くなりますが、一気読みできました。 | ||||
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犯罪被害者の身内の依頼で加害者の現在を調査する探偵の物語。主人公自身も姉が凶悪犯罪被害者という設定だ。 赦しとは何なのかという、読者が自分の身に置き換えざるを得ない、相変わらずの重いテーマとなっている。連作短編ですが、登場人物たちの運命が交錯するので、ひとつの作品として読み応えがある。 刑期を終えても罪を悔いない加害者。傷が癒えない被害者の周辺、その様を見ながら何を思うのか。加害者家族の視点からも見つめている。 読み進めながら憤ることしきりだが、せつなさ満開のエピローグではホロリときてしまった。 | ||||
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私のお父さんも殺されたの。うちは娘が・・・って そんなに殺害された人の家族って巷にあふれてる?という設定に疑問(^^; 結局は家庭環境、特に母親との関係なのかなーって自身が母親であるからか 強く心に響いた作品でした。 個人的には仇討ち賛成派なので、たまにはスッキリさせてほしいよ~薬丸さん。 | ||||
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被害者は加害者を許すことができるのか。また加害者は被害者にどのように許しを請えばいいのか。 考えさせられた小説でした。 | ||||
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書店で探したり選んだりする行為も楽しみのひとつですが、読みたい本が決まっている場合や忙しい時などは本当に有効な買物の手段です。 | ||||
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ストーリー展開が相変わらず素晴らしいと思います。いつも一気読みです。 | ||||
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著者の作品を何冊か読んだ。が被害者かsら考える加害者のおろかさが、手見取るように、よくわかる。 | ||||
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犯罪被害者の視点の物語を多く書いている著者。この物語も、また、重いものだった。 犯罪は当事者同士の問題ではない。殺した、殺されたで終わるものではない。 むしろ、その家族に多大な影響が広がるとき、その事件の本当の姿がぬっと顔を見せる。 被害家族も加害家族も等しく悲惨だ。 加害者当人のある男が言う、死ぬ時に奪ったものと失ったものを天秤にかける、という部分が心に残った。 人の命を奪ったものに、救いはない。 なぜなら、被害者家族が最も憎むのが、加害者本人が幸せに暮らしているのを知ることなのだから。 自分の子供を奪われた親が、奪った人間が結婚して、子供に恵まれて暮らしていたら、気が狂うほど腹が立つだろう。理屈じゃない。 だからといって、奪ったものより、失ったものの方が大きければ、それが償いなのだろうか。 法的に罪を償った後もとことん悪の道に走るのが悪党だとすれば、悪党は自分を痛めつけることで罪を償っているのだろうか。 色々なことを考えさせられる小説だった。 ただしかし、あるべき未来を奪われた被害者本人が一番無念であることは、言うまでもない。 | ||||
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数年前に「天使のナイフ」を読んで以来の、薬丸作品だったが面白かった。 深いテーマについて常に考えさせられながら、こっちに揺れたりあっちに揺れたり、結局答えは出なかったが、考えて良かったと思う。 | ||||
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