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日本沈没



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日本沈没の評価: 4.31/5点 レビュー 109件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.31pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 81~87 5/5ページ
No.7:
(4pt)

アイデンティティーの根幹

出だしは、面白そうだという期待を持たせてくれる。が、最初の100ページほどは、はっきり言って退屈である。しかし、前半の途中から、物語は急展開を見せはじめる。中規模の地震がひんぱんに起こり、休火山が次々に噴火する。そして、災害はその規模を増していき、ついに「その時」が来る

東海地震、東南海地震、南海地震が同時に起こるかもしれないと懸念されている今、日本沈没の部分は除いて、地震の描写などは決して絵空事ではない。

ひとつの国が消滅するということがいかに大変なことか、この本は明確に示してくれている。国土を失うということは、単に生活が不便になるなどというなまやさしいものではない。国という存在によって私たちのアイデンティティーは成り立つ。それを失うということは、自分を作っている基盤が崩壊するということである。自分を取り戻すためには、自己の根底にあるものを再構築しなければならないのだ。それがどれだけ難しいかは、考えてみれば分かるだろう。

小松左京は、決して文章がうまい作家ではない。情景描写も、他の作家に比べて、真に迫っているとは言い難い。にもかかわらず、この小説は、人の心を引きつける。書かれた当時としては斬新な構想と、スケールの大きさで、十分読者を引っぱっていくことができる作品になっている。構想の勝利といえる。
日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)Amazon書評・レビュー:日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)より
409408066X
No.6:
(4pt)

今の時代にも合った作品

1973年の作品で時代背景が現在と大きく異なっているにもかかわらず、それをほとんど感じさせなかった。日本国とは何か、日本人とは何か、あるいは愛国心について深く考えさせられる内容だった。この作品完成後、バブル、失われた15年を経て、最近『国家の品格』とか『武士道』が注目され、日中、日韓、日露問題がクローズアップされていることが、そこに繋がってきたのではないかと思う。
SFの面白さというよりは、今の時代について思いを巡らせる機会を得たという点で読んで良かったと感じた。
日本沈没 上    小学館文庫 こ 11-1Amazon書評・レビュー:日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1より
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No.5:
(5pt)

危機を救える人物像

小野寺も、玲子も、田所博士も、筋を通して、真剣に生き、自己よりも他者を慮る人物だ。その人物像が、まことにすがすがしい。30年前に読みふけった時も、そして、今も、そのすがすがしさは変わらない。危機を救える人材は、そして、新しい価値観を築ける人材は、そうした人物なのだろうという、そういう主題を一環して感ずる。
身を賭して日本国民を救う小野寺の行動を描ききる映画作品と、主題は大きく異なるが、それぞれ、存分に楽しめる。
日本沈没 上    小学館文庫 こ 11-1Amazon書評・レビュー:日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1より
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No.4:
(5pt)

SFというジャンルを超えた作品。読んで損はない(上巻)

私は根っからの文系人間である。だから、正直、この作品の科学的部分が殆ど理解できないので、30年以上前に書かれたこの作品が、現代の科学において荒唐無稽なものとされるかどうかは判らないが、そんなことは関係なく、現代でも充分通用する面白さである。
日本沈没という設定から、ありとあらゆる状況を創りだしてゆく著者の想像力に驚くばかりである。中盤以降の展開は圧倒的である。
ただ、天変地異という自然現象が主役となっている作品なのでしょうがないのかもしれないが、もう少し人物の描写に筆を割いても良かったような気もする。しかし、それが過ぎると焦点がぼやけたかもしれないので難しいところではある。
とにかく、SFというジャンルの枠を超えた小説である。読んで損はない。
日本沈没 上    小学館文庫 こ 11-1Amazon書評・レビュー:日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1より
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No.3:
(5pt)

SFというジャンルを超えた作品。読んで損はない(下巻)

私は根っからの文系人間である。だから、正直、この作品の科学的部分が殆ど理解できないので、30年以上前に書かれたこの作品が、現代の科学において荒唐無稽なものとされるかどうかは判らないが、そんなことは関係なく、現代でも充分通用する面白さである。

日本沈没という設定から、ありとあらゆる状況を創りだしてゆく著者の想像力に驚くばかりである。中盤以降の展開は圧倒的である。

ただ、天変地異という自然現象が主役となっている作品なのでしょうがないのかもしれないが、もう少し人物の描写に筆を割いても良かったような気もする。しかし、それが過ぎると焦点がぼやけたかもしれないので難しいところではある。

とにかく、SFというジャンルの枠を超えた小説である。読んで損はない。
日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)Amazon書評・レビュー:日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)より
409408066X
No.2:
(4pt)

映画化されるんですね!!!!

帯を見て映画化されることを知りました。
旧作は結構前に見たことがありますが、かなりの衝撃を受けました。
今回のリメイクにローレライの樋口監督、主演に草なぎさん、柴咲さんと豪華なキャストが揃ってますね。楽しみです
日本沈没 上    小学館文庫 こ 11-1Amazon書評・レビュー:日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1より
4094080651
No.1:
(4pt)

日本が沈没寸前の今、『日本沈没』を読み直す

日本が沈没してしまうという漫画的な大ボラ話を、地質学的知見を援用しつつあくまでまじめな顔をして語りきり、その未曾有の天変地異が引き起こす地獄絵図を読者の眼前に突きつけてみせた作者の力技にまずは脱帽。本書が世に出たのは1973年だが、阪神大震災後に刊行された文庫版に寄せられた、作者の「日本が地震列島であるという現実と、それに対応する政治的、社会的システムが、いまだに無力であるという情況に変わりはない」(1995年3月)という言葉が持つ意味はあまりにも重い。
 いっぽう、国家とは何か、日本人が日本人であることの拠り所は何か、日本人は異質の文化や人々とどのように対峙していけるのか等々、興味深いテーマが提示されながら、それらが十分展開しきらないうちに、中途半端な形で物語が終わってしまったのは残念だ。それらは『日本漂流』と題される第2部に書き継がれる予定だったようだが、今日なおその続編は陽の目を見ていない。だが、見方を変えれば、もう作者の手をわずらわせる必要はなくなってしまったのかもしれないとも思う。とっくの昔に国際社会との密接な協力関係、あるいは戦略的なかけひき抜きでは存立し得ない状況に置かれているこの日本が、地質学的な大変動を持ちだすまでもなく、政治的にも経済的にもいまや沈没寸前となっている状況下で、ほかならぬ私たち自身が今この続編を現に生きているかもしれないのだから。
日本沈没〈上〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:日本沈没〈上〉 (光文社文庫)より
4334720439

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