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夏の夜会
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夏の夜会の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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人の記憶がいかに曖昧なものか認識しながら過去の記憶にたどり着く様は痛快である。その過程で次々と真実が明らかとなり、もしや自分が犯人であるかのごとく錯覚する様ははらはらドキドキする。結局、記憶と当時の関係者の話から真相にたぶんそうであると思われた真実がわかった時のなんとも言えない虚無感が最後に漂う。 | ||||
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著者の作品はいくつか読んできましたがその中でも下から数えた方が早いクオリティの内容です。率直に言うとすげえつまらなかったです。奇抜な設定・展開が持ち味の作者なので「七回死んだ男」のように一度ハマればすごいんですがハズしたら信じられないくらいの駄作が生まれるのも特徴ですかね。それでも文章は読みやすかったので今まで飛ばし読みだけはしたことがなかったのですが今回は無理でした。1/3くらい読んでパラ読みモードになってしまいました。今回ものすごい読みにくい文章だったんですが、どうしたんだろう、スランプ?と思うくらいには頭に入ってこなかったので読んでてちょっと戸惑いました。 数人集まって酒を飲みながら駄弁って謎を解く…という雰囲気は「麦酒の家の冒険」と似てますね。本作は主題が30年前の殺人事件で、しかも登場人物は全員当時の記憶があやふやのまま推理を進めます。「人間の記憶がいかに頼りにならないものか」というのが本作のテーマなので、あれは○○じゃなかったっけ?いや○○じゃなくて△△だよ。えー□□でしょ?という会話が頻繁に起こります。辻褄合わせに異様にページを使います。正直、ここでどうでもいいと思ったら負けです。私は負けました。「麦酒の家の冒険」でもそうでしたが、核となる謎がしょぼいんですよね…。酒の席での肴代わりの話題というには真剣になりすぎだし登場人物は揃いも揃って哲学者みたいな口調で話すし、面白くもなければ共感もできなくて20ページくらい読んだ時点で本を投げたくなりました。 記憶が曖昧なまま推理をし始めた時点で嫌な予感はしていましたがやっぱり作者にとって都合のいい展開の連続で終わりました。間違っても読者参加型のミステリーではないしある意味ずる技を多用しているのでミステリーを求めて本作を手に取るのはやめた方がいいと思います。かといって小説としても水準以下でとてもおすすめできる面白さではないので、まあ、著者の大ファンなら買って損はないのかな…。☆1。 | ||||
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クリスティ『スリーピング・マーダー』を範とした《回想の中の殺人》テーマの作品。 小学生時代に起きた女教師の殺害事件を、30年ぶりに 再会した同級生の女性と探っていく、といった物語です。 作中では30年前の事件を巡り、議論が重ねられていきますが、その度 に、各人の記憶違いや、思い込みがあぶり出されていくことになります。 ところで、人間の記憶の確実性を大前提とする本格ミステリという特殊ジャンルにおいて、 記憶の恣意性や曖昧性をテーマにすることは、作者自身も述べているように、自己矛盾 であり、その試み自体が、大きな恣意性に依拠した危ういものです。 したがって、本作を読んで、登場人物たちが、殺人事件といった重大な事柄にまつわる 情報を間違って記憶していることに違和感を覚えたり、ご都合主義だと感じる読者がいる のは、至極当然だと思います。 ですから、いっそ本作は、「特殊ルールが支配しているゲーム的 空間」と割り切ったほうが、誤解がなくていいかもしれませんね。 その前提に立てば、作品世界内での因果関係の整合性は保たれていますし、 事件の真相も、結末できちんと提示されています(そのあたり、同様のテーマ を扱うことが多い恩田陸氏が、オープンエンドの幕切れを採用するのと対照的 で、両者の作風の違いがうかがえ、興味深いです)。 前述したように、本作の設定は、若干人工的ではありますが、その一方で、 記憶は〈常に現在に於ける本人の思い込みが投影される〉ものであり、他者 の影響で容易に変異する流動的で相互認識的なものであることは、紛れも ない真実です。 そのことを踏まえ、自己を省みた時、きっとどこかに、都合良く消し 去った記憶を眠らせたままにしてるんだろうなあ、と思えてきます。 | ||||
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クリスティ『スリーピング・マーダー』を範とした《回想の中の殺人》テーマの作品。 小学生時代に起きた女教師の殺害事件を、30年ぶりに 再会した同級生の女性と探っていく、といった物語です。 作中では30年前の事件を巡り、議論が重ねられていきますが、その度 に、各人の記憶違いや、思い込みがあぶり出されていくことになります。 ところで、人間の記憶の確実性を大前提とする本格ミステリという特殊ジャンルにおいて、 記憶の恣意性や曖昧性をテーマにすることは、作者自身も述べているように、自己矛盾 であり、その試み自体が、大きな恣意性に依拠した危ういものです。 したがって、本作を読んで、登場人物たちが、殺人事件といった重大な事柄にまつわる 情報を間違って記憶していることに違和感を覚えたり、ご都合主義だと感じる読者がいる のは、至極当然だと思います。 ですから、いっそ本作は、「特殊ルールが支配しているゲーム的 空間」と割り切ったほうが、誤解がなくていいかもしれませんね。 その前提に立てば、作品世界内での因果関係の整合性は保たれていますし、 事件の真相も、結末できちんと提示されています(そのあたり、同様のテーマ を扱うことが多い恩田陸氏が、オープンエンドの幕切れを採用するのと対照的 で、両者の作風の違いがうかがえ、興味深いです)。 前述したように、本作の設定は、若干人工的ではありますが、その一方で、 記憶は〈常に現在に於ける本人の思い込みが投影される〉ものであり、他者 の影響で容易に変異する流動的で相互認識的なものであることは、紛れも ない真実です。 そのことを踏まえ、自己を省みた時、きっとどこかに、都合良く消し 去った記憶を眠らせたままにしてるんだろうなあ、と思えてきます。 | ||||
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参加した同窓会の席で30年前の事件が口を開ける。不確かな記憶が、事実を浮かびあがらせ、不確かな記憶から生まれた事件がどんどんと様子を変えていく。 推理小説という形態をとっているので、主人公の小学校時代に起きた一つの事件の事実をどう浮かびあがらせるかで物語の魅力はかなり異なってきます。個人的にはこういう不確かなどんでん返しが続くやり方もありかなとは思います。 最近では、恩田陸さんの「猫と針」もこういった趣向でしたが、あちらのように最後まで不確かなままというやり方もある気がします。 | ||||
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西澤氏はSF的設定の中である縛りを設け、その縛りの中で謎を論理的に解くというロジカル・ミステリの大家。その一方で、自伝的小説「黄金色の祈り」や本書のような、過去の事件を現在の視点から記憶を甦らせ、真相に導くという体裁の作品も書く。 本作は30年振りの同窓会で集まった五人の男女が、小学生時代に起こった事件の真相を、記憶を辿りつつ暴くというもの。しかし、これ程「作者」にとって都合の良い記憶の喪失・スリ替えが"複数"の人間に起こるものだろうか。「オマエ、驚いているけど、ソレ知っていた筈だろ」とツッコミたくなる箇所が数十もあるのだ。これでは読者は推理に参加できない。それでも対象の事件が魅惑的なら、ストーリーに身を委ねるという手もあるが、事件自身は無味乾燥なのだ。 私は西澤氏の作品には常にアクロバティックな論理展開を期待しているのだが、その論理が記憶の喪失・スリ替えに支えられているのでは不満が残るだけである。残念ながら期待ハズレの作品。 | ||||
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西澤氏はSF的設定の中である縛りを設け、その縛りの中で謎を論理的に解くというロジカル・ミステリの大家。その一方で、自伝的小説「黄金色の祈り」や本書のような、過去の事件を現在の視点から記憶を甦らせ、真相に導くという体裁の作品も書く。 本作は30年振りの同窓会で集まった五人の男女が、小学生時代に起こった事件の真相を、記憶を辿りつつ暴くというもの。しかし、これ程「作者」にとって都合の良い記憶の喪失・スリ替えが"複数"の人間に起こるものだろうか。「オマエ、驚いているけど、ソレ知っていた筈だろ」とツッコミたくなる箇所が数十もあるのだ。これでは読者は推理に参加できない。それでも対象の事件が魅惑的なら、ストーリーに身を委ねるという手もあるが、事件自身は無味乾燥なのだ。 私は西澤氏の作品には常にアクロバティックな論理展開を期待しているのだが、その論理が記憶の喪失・スリ替えに支えられているのでは不満が残るだけである。残念ながら期待ハズレの作品。 | ||||
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2001年にカッパ・ノベルスとして出たものの文庫化。 人間の記憶の不確かさに焦点を当てたミステリ。記憶の食い違い、忘却、捏造などを様々に使いながら、過去の殺人事件の真相へと迫っていく。 アイディアとしては面白い。しかし、登場人物たち(特に語り手)の記憶力のなさにイライラさせられた。一応、もっともらしい解説はなされるが、それでもねえ。 説得力うんぬんは別としても、ミステリとして成功作ではないだろう。 | ||||
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2001年にカッパ・ノベルスとして出たものの文庫化。 人間の記憶の不確かさに焦点を当てたミステリ。記憶の食い違い、忘却、捏造などを様々に使いながら、過去の殺人事件の真相へと迫っていく。 アイディアとしては面白い。しかし、登場人物たち(特に語り手)の記憶力のなさにイライラさせられた。一応、もっともらしい解説はなされるが、それでもねえ。 説得力うんぬんは別としても、ミステリとして成功作ではないだろう。 | ||||
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胃が凭れるような本が読みたいのであれば肩すかしを喰らった格好。 ただいつも名作を読みたいわけではないし記憶の噛誤などの判然としない諸要素が収束していく様はさすが。 ただ書き手が意図しているほどゴシックにならないのは作者の性質上致し方ないところ。 | ||||
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胃が凭れるような本が読みたいのであれば肩すかしを喰らった格好。ただいつも名作を読みたいわけではないし記憶の噛誤などの判然としない諸要素が収束していく様はさすが。ただ書き手が意図しているほどゴシックにならないのは作者の性質上致し方ないところ。 | ||||
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記憶というもの当てにならない、それを見せつけてくれる作品。結婚式後の同級生との昔話で小学校の鬼先生の思い出話、そしてその先生が殺された事件の話になり、その事件の真相を探る展開へと進んでいきます。そして意外な結末が待っています。 しかしいくら記憶が当てにならないものだとは言ってもここまでむちゃくちゃになるものだろうか?一応の理由はありましたが…。ちょっと現実離れしているような気がします。 | ||||
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記憶というもの当てにならない、それを見せつけてくれる作品。結婚式後の同級生との昔話で小学校の鬼先生の思い出話、そしてその先生が殺された事件の話になり、その事件の真相を探る展開へと進んでいきます。そして意外な結末が待っています。 しかしいくら記憶が当てにならないものだとは言ってもここまでむちゃくちゃになるものだろうか?一応の理由はありましたが…。ちょっと現実離れしているような気がします。 | ||||
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この作者の小説は、SF設定のパターンと、日常の事象を論理で語っていくパターンとがありますが(あ、後者と見せかけ前者というのもありますね)この本は後者かな。 中年の主人公達が、小学校時代の思い出を語っているうちに、いつの間にか当時思い出せなかったことが浮かび上がることにより、展開が180°異なっていきます。そこが、ご都合主義に見えるかもしれませんが、私は逆にそれが面白く感じました。 | ||||
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