■スポンサードリンク
私の男
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全166件 1~20 1/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おっかない話です。救いが無い。でも一気読み。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
各章の時間が逆の配置になっている。 物語には、秘密が大切だという立場でいつも色々読んでいる。この時間軸が逆に設定されているところは、よい。 私のような何の変哲も無い人間からすると、全く別の人間の感性を疑似体験できて興味深かった。 改めて、小説って面白いと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞らしいがセンセーショナルな設定と、グロテスクで生々しい表現は読むのを何度も躊躇わせた。最初は、時系列を遡るなんてずるいやり口だな、そんなの絶対に面白いじゃないか、と捻くれながら読み始めたが、自分の想像しない方向に物語が何度も展開し、驚愕とした。中盤、花とあたらしいカメラの章は、息を飲む展開。終盤(序盤)は悲劇的な描写もありつつ、始まりを丁寧に丁寧に描いて終わった。逆行して謎解き、答え合わせがしたくなる2巡目がしたくなる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作家の作品を読むのは3冊目ですが、ライトノベルを書いていたという知識があるせいか、文芸作品的な本を読んでもどこまで作者は真剣に文学的な表現しようとしているのかを、つい疑いながら読んでしまうのが良くない点です。この作品も実際のところ、そういう疑いを抱きつつ読みましたが、読後に読んだ解説によれば、解説者の北上次郎氏が「まったく素晴らしい」と絶賛しているし、直木賞の選考委員の浅田次郎氏にも「文句なしに推挽させていただいた」と言わしめたそうなので、文芸作品としての価値はおそらく高い作品なのだと思います。 実際私も作品に感動したというほどではなかったですが、ストーリーとしては面白い作品だと思いましたし、読み応えのある作品でした。 ただ父と娘の禁忌を非常に生々しく描いているという作品の性格上、中途半端にこの作品のことを知っている人に対して、この本を読んだことを気軽に話すこともはばかられるし、身近にいる人に対して(特に女性に)奨める気にはならないですね。 ところでこの本の解説の冒頭で、「何の予備知識もなく、先入観もなく、ただ読み始めるのがよい。」と書いてありますが、私も解説者と同じ意味でではないかもしれないですが、この作品は、予備知識も先入観もなしに読むのが良いと思いました。 その理由は、この作品を読む前提として、遠縁の若い男に養女にされた少女の話だと思って読む方が多いと思いますが、読み進めると義父淳悟と娘花の正確な関係や、紋別出身の小町と淳悟の関係、また花の元の両親と淳悟との関係など、小出しにされる形で徐々にわかってくるので、自分がレビューを書いておいてなんですが、あまり前もって書評などで予備知識を仕入れてしまうと、この作品はつまらなくなってしまうと思います。 作品はamazonの商品紹介にも書いてある通り。現在から過去に逆に遡って描かれますが、章のタイトルに20××年×月と書いてあるので、話の順序とその時点での登場人物の年齢がわかりやすいですね。桜木紫乃の「ホテルローヤル」を読んだときに、同じように時間軸を逆に遡る話でしたが、はっきり年代が書いてなくて、よく読まないと話の順序がわからなかったのに比べると、時間軸はわかりやすいと思います。 また、全6章はそれぞれ花、花の婚約者の美郎、淳悟、小町の各人物の視点で描かれるのですが、たとえば「第一章 2,008年6月 花とふるいカメラ」というタイトルの「花と」の人物の視点で描かれていることに気づきました。 なお、作品の裏表紙にあるように、この作品は「内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌」を描いているのだとは思いますが、私は内容的にリアリティは感じませんでした。文芸作品に必ずしもリアリティが求められるわけではないのかもしれませんが、現実社会で養父や実父に性的な関係を迫られている少女・女性が、この作品を読んだことで、その行為が養父(実父)の愛情なのではないかなどと、無用な幻想を抱かないでほしいです。現実世界での娘に対するそういった行為は、まず例外なく父親の肉欲に基づく卑しい行為です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父娘のタブーを扱った作品。 衝撃的なテーマだが、それほど嫌な感じがしないのは、主役の二人(特に父親)に湿度が希薄だからだろうか。 物語は、現在から、過去に遡って親娘それぞれの罪が明らかになるという趣向である。花嫁となる娘の今、父親による殺人、彼女による殺人、そして極寒のオホーツクでの二人の暮らし…。まるでアルバムを捲るように、出来事がよみがえる。 語り手が変わるので、映画では分からない登場人物たちの心模様が明らかになる。徐々に真相が紐解かれていく楽しみは、時系列を遡る小説版の方が大きいだろう。名作である。 【直木賞】 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
分かりやすい内容だけど、非常にセンシティブ。 時系列が逆なので、この何とも言えない終わりを知りつつ、2人のそれまでの人生を見て行く流れがとても重い…。 でも二度読みしたくなる感じ。 浅野忠信と二階堂ふみで映画化されていて、2人とも気合いで演じている。 原作を読んだ人にだけ伝わるシーンがたくさんあるので、観ると面白いかも。 ちなみに映画は、花の子供の頃からスタート。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読書好きには共感する人もいると思うんですが、私は本を読むと情景が映像で浮かぶ性質です。 で、タイトルにも書いている通りこの作品読んでる間の映像、常に雨と灰色なんですよ。 何度場面が変わっても同じ背景。作者のとんでもない情念を感じました。 内容が内容なので人を選びますが、一度は読んで損しない作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は好き | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ずっと北海道の凍てつく冬をさ迷っていたせいで、腐野花という少女の心情に打ちのめされていたせいで、読後から自分を包みこむような現実の空気感と作中のそれとのあまりの落差に混乱しながら、今レビューを書いています。 レビュー欄には「気持ち悪い」から低評価をしている方が少なくありませんでしたが、私はこの作品の「気持ち悪さ」こそに魅了されたと言っても過言ではありません。 そもそもこの作品は、性描写に限らず、終始ほとんどの場面が「気持ち悪い」と言っても良いかと思われます。人間の本当の欲望なんてみっともなくて目も当てられない。近親相姦というショッキングなテーマが非現実的で信じられないようですが、みんな自分が幸せであれば他はどうだって良いと思ったことはないのでしょうか。 弱冠9歳にして家族の中でも自分は除け者だと本当のところは寂しく思っていた花ちゃんに、普段は冷たいような印象のあった父から貰った「生きろ」の深遠な意味が分かるわけがないじゃないですか。彼女はそれを「憎い」と思ったのは、直後に出会った老婆の思想にも影響されたかと思いますが、やっぱり自分は除け者にされたと思ったからなんだと、私はかなり納得させられました。「生きろ」と叫んだ義理の父には、他人の幸せを願うことは紛うことなき尊い愛だ、ということが人生経験の中でちゃんと理解出来ていたんだと思いますが、果たしてその深遠な愛がその当時の花ちゃんに分かるでしょうか。分かるわけがないだろうと、私は作者にそう強く思わされた気がしてならないのです。 血の繋がりというのは分かりやすくていいですね。面倒くさい人間の感情なんていちいち考えなくてもいいんです。ただ血が繋がっている事実だけが、淳吾の空洞のように満たされないさみしい心を埋めてくれるような気がしたんだと思います。最初は花のことを血の人形のように思っていたようだけれど、その血に実母の影を感じて自分勝手に縋ってしまったみたいだけれど、津波から月日を重ねるにつれ、また新しい殺人を犯してしまったり、悪い夢からどんどん冷めていっているような、気がしました。結婚の日の淳吾と花の心情はどちらも現実が信じられないという心持ちみたいですが、あの日の義理の父が言った「生きろ」に込められた健全な愛の意味を、少しでも理解してきてるんじゃないかなと、というか理解して欲しいと願ってやみません。 勿論その行為は「気持ち悪い」に決まってますけど、それを言うなら殺された2人のおじさんも気持ち悪くてたまらなかったですし、だから終始この作品はそういうものだと思っていました。 本当に不器用すぎる愛だと思います。本当のお母さんとお父さんにやさしく愛されていたならば、2人もお互いをやさしく愛してやれたと思うのに、それが欠損してしまっていたんだと考えて、最終的にひどく切ないような美しいようなで、私の心を締め付けてやまないこの作品はどう考えても傑作と言う他ありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あまり深く考えずに映画から見て、興味が湧き原作を読みました。原作は私自身と父親からしたら絶対にあり得ないです(笑)。ですが、この二人はたった二人の家族。家族に恵まれず、一人ぼっちで生きてきた二人。淳悟は花の事をずっと気にかけていた。花は自分の両親や兄妹に違和感を感じていた。淳悟は震災の最中ようやく花を抱きしめ、二人で暮らせるようになる…。原作の結果から言うと、淳悟がどこに行ってしまったのか気になります。非常に。二人は一つになりたくて、二人だけの世界に溺れます。ですが、花の成長や、起こしてしまった殺人によってそれぞれの考え方が変わり、心は少しずつ離れて行きます。花は淳悟と一緒に落ちていくのが怖かったのでしょうか?逃れたかったんでしょうか?でも私は二人の濃い血は決して離れないと思います。映画の血が降るシーンは、2時間前後の映像の中で、二人の関係を表すには良かったのかと思います。 性描写は、思ったより軽かったのか、私には嫌悪感はありませんでした。かつて山田詠美が、どの作品だったか忘れましたが、「ピアスの穴にも汗が通るのがわかる」と書いていて、ピアスを開けた後の私は「そんなのわかるかい!」と思ったので、桜庭さんの方がリアルに感じました。淳悟は浅野忠信の雰囲気がぴったりだと思うし、花はもうちょっと二階堂ふみより、色気がない子の方が良かったのかなと思いました。 あと、映画の中で、淳悟がもっと花の名前を呼べばよかったと思います。原作には花と呼んでいるシーンがたくさん登場し、愛しているのがよく伝わりました。 とにかく、よくも悪くも心に残る作品です。こんな面白かったともつまらなかったとも言えない不思議な小説は初めてでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
amazon内容(「BOOK」データベースより)以下、 優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。 家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか? この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。 黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。 2008年、第138回直木賞を受賞。 ※ 映画化されてたみたいだが、観たくはないな。 読み物として、楽しもう。 楽しい内容とは真逆だが。 章ごとに年月が遡り、語る視点が変わり、場所が東京から北へ移り、 親子による近親相姦を軸に、殺人や地震による孤児、なんかをちらつかせている。 インパクト、あんどインパクト。引き込まれていけそうだね。 普通、物語って起承転結、事の始まりから進行していくわけだが、 現在(未来)から過去へ、遡っていく。未来へと進むでなくて。 未来へと進む為には過去を振り返らねばならないが、 それを知ってると、過去に何があっても結果オーライ、明るい未来だといいねと話の最後で思えた。 切望だと思うが。 物語を作ると、初めに読者を引き込む為にインパクトのある文章を書きたいものだが、 ちらちら気になりそーな事を述べながら、さて一体どういう事かな~っと読んでいく。 過去への遡り(以前、同じ様な手法を読んだな、どこかで…)で、この進め方が上手いね! と押そう(何を)。過去を語りながら未来へと、だね。 時々、泣けそうな感じは受けた。似た者同士と全く逆の立場。 親子の絆って深い。何故、禁忌なんだっけ。調べてね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容が内容ですので、好き嫌いはあると思います。「気持ち悪い」「気分が悪くなる」と受け入れがたい人もいると思います。反対に「至高の愛」と読む人もいるかもしれません。 好き嫌いを別とするなら、構成力も文筆力もたいへん優れており、こういう小説もあるのかと、読み終えてみて一読の価値はあったと思います。個人的には「好きではないけれど、すごい小説に出会った」と受け止めています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
年の差十六歳という、端から見ても奇妙な義理の父子関係が、どのように形成されたのか、過去に遡る技法で読者に明かされていく。二人とも重い罪を背負っており、いつしか濃密な情愛関係を築くことになるが、それは、決して、いやらしさもなく自然な形で描写されているのは、作者の筆力所以だろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
腐野花(くさりの・はな)の結婚式の日だ。養父である淳悟が、盗んだ女物の傘を手に祝いに駆け付ける。 淳悟は花が十歳の頃からの父であり、男であり、唯一の家族だった。 因縁と愛欲の物語が時間を逆行しながら語られる。周辺人物が交代で語る趣向がストーリーに厚みをもたらす。 花の婚約者・美郎が語るバブル恋愛の薄っぺらさは、陰鬱な花ファミリーの半生と好対照だ。 スペックは高いのに幸福をつかみ損ねた小町は、女の業を感じさせる。 冒頭で提示されたカメラの秘密は、終盤で明かされる。 体液と汗が匂い立つような官能描写が続く。嫌悪を感じる人もいるだろうが、私は惹きつけられた。 完成度の高い官能的犯罪小説といったところか。 面白いけど、単なる家族の遍歴と言えなくもない。 フィクションを通して社会のリアルが浮かび上がるような力は、本作にはない。 桜庭さんなら「砂糖菓子」か「赤朽葉家」のほうが受賞にふさわしいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
北海道紋別が舞台の養父との禁断の愛。おたがいひみつはけっしてくちにしない。読んでいて私も淳悟に愛されたいっておもいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ゴシックからファンではあったが未読のまま何年か過ぎた。ふと思い出して読んでみたがあっという間に読み切った。読書自体久しぶりだったが、桜庭先生の織り成す文書には退屈さや滞りがない。 なんだか心に残る、そんな話だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
禁断の愛をミステリー・テイストを交えて描いた大傑作です。一組の”あり得ない”男女の愛を、”匂い”や”口腔感覚”といったフェロモン的な化学感覚の記述でリアルに描きます。時系列を逆転させた記述や仕掛けも素晴らしいです。 桜庭氏特有の「荒唐無稽」なファンタジー的記述もあるのですが、とても上手にリアルなラブ・ストーリー・犯罪小説の中に埋め込まれています。読者を瞬時に揺さぶる、メロドラマ的シーンも満載です。とても上質な非道徳的エンターテイメントだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
親しい友人に薦められて読みました。教えて貰わなければ、出会えない素敵な小説でした。 私は三周読みましたが、一番最初に読んだときは現在から過去へ逆行していく構成に、暗いトンネルを明るく照らしながら進むようなわくわくした気持ちと、怖いもの見たさのような好奇心があり最後まで読み進みました。もう僅かなページしかなくなり、「え?これで終わる?そんなバカな!」と驚き、そしてまた最初から読み返したという具合にグルグルと三周しました。 とにかくただ切ないです。 それぞれに犯した過ちはどれも、縋るような愛への渇望。よく似た父と娘のどこにもない特殊な愛情劇。胸に刺さります。 上手く生きることがどうしてもできない人はいます。世間の常識から零れ落ちた人間特有のサバサバした感覚、背負った罪の重さに枯れていく生命力をなんとかつなぎ止める男女。それでも、じゅんごは父として引き際を間違えなかったところに、最上級の愛情を感じました。私はじゅんごが、この作品が、大好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
6章からなり、章ごとに時間軸をさかのぼっていくミステリー仕立て。 第1章で、どうやら共依存な親子であるらしいことが明かされる。 少女が「おとうさん」と甘え、養父と絡むので、 ふだん自分の親を「おとうさん」と呼んでいる人は、 うっかり一瞬でも自分の親の顔が頭に浮かんでしまうと吐き気がして、上手に本に没入できないと思う(笑 腐女子な設定は嫌いだが、読みすすむにつれて鼻につかなくなり案外ひきこまれていった。 北海道の端っこの小さな町の濃密なコミュニティや、暗い海の描写はいいと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説の章立てが年代を遡る形式で書かれていて、 第1章の結末を読んだ段階では、もう読み進め なくてもよいかなと思ったのですが、まあ読んで みようと読み進めたら、存外に良かった。 正直言うと、この作品のごときインモラルな世界 は好まないのですが、そこをねじ伏せられたような 感じでした。とくに流氷と老人の情景が秀逸でした。 愛しあっている人と無理矢理にでも離れなければ ならなかった経験があると、より感じるものがある と思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!