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(短編集)
制服捜査
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制服捜査の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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捜査権のない駐在所の警官が事件へと切り込んでいく5作の短編集です。 作品毎のつながり自体はないものの、回想シーンとして別作品の人物、出来事が僅かに出てきます。 よって、連作集という表現を使っているようです。 全体として、なかなか良かったです。 | ||||
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本書は、’06年、「このミステリーがすごい!」国内編第2位にランクインされた、連作短編集である。 ’04年と’05年の間に「小説新潮」(臨時増刊号を含む)に掲載された5編からなっている。 主人公の川久保篤(あつし)巡査部長は、札幌で盗犯係や強行犯係などを経験した一線級のベテラン刑事だったが、北海道警の組織ぐるみの不正事件のあおりを受けて、釧路の志茂別(しもべつ)町という人口6千人の田舎町に転勤させられてしまった。しかも、25年の警察官人生でまったく経験のない単身赴任の駐在所勤務である。 物語は、そんな田舎町でも起こる、さまざまな事件を通して川久保が経験する、田舎町ならではの人付き合いというか、因習である。彼は制服駐在としての捜査の限界に阻まれながらも大小の事件に遭遇してゆく。情報源は35年間この町で郵便配達をしてきて、2年前に退職した片桐だ。片桐は志茂別町のデータベースとして、時に川久保の捜査を助ける。 そうして川久保は町に溶け込んでいく。いやいかざるを得ないのだが、人間模様に精通していくに従い、あらゆる不祥事に蓋をすることで、表向きは平和な町に見せかけようとはかる町の有力者たちが放つ腐臭を感じ取るようにもなってゆく。 本書は、小さな町特有のどろどろとした濃密な人間関係によって培われた虚構を、突然そこに放り込まれた元敏腕刑事の異邦人が、駐在警官の制服捜査を通して、えぐってゆく物語である。豊かな自然と純朴な人々に囲まれた田舎暮らし、などというのは都会人の持つ幻想であることは本書を読めば一目瞭然である。 | ||||
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設定☆☆ 展開☆☆☆ 人物描写☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆ 設定は「うたう警官」(同著者)と同じともいえる.視点が違うだけ. 雑誌発表の連作短編なのでそれなりにまとまっているがあまり引き込まれない. 人物描写も今ひとつ.人物にある背景描写が薄い.本作家の特徴でもある. 一つ一つのエピソードはそれなりに楽しめるがもっと深く人物や地域,組織を掘り下げることによってもっと楽しめるのでは. 文庫化に際しては,ぜひ長編小説化して再発表して欲しいと願う. | ||||
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田舎は怖いですね。 特に自治会だの自警団だのがひたひたと恐ろしく感じられました。 もちろん昔から田舎に住んでいる人には独自の正義感や倫理観があるのでしょうが、 いやあ…怖い怖い。 物語としては北海道のある駐在さんを中心にして、いろんな流れが展開していきます。 とてつもない感動やとびっきりのドキドキワクワク感はありませんが、 「ちょっとしたミステリーものが読みたいなあ」というときにはちょうどいいかと思います。 ミステリーや推理ものはともすれば続きが気になって夜更かししてでも一気に読み進めてしまうことがありますが、 この本はそこまで読者を駆り立てないし、だからといって「もう飽きたから続き読まなくていいや」と 途中で放り投げてしまうほど面白くないわけでもありません。 老若男女、みんなに読みやすい良作ではないでしょうか。 | ||||
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川久保には、もと強行犯係の捜査員ならではの鋭い感がある。だが、駐在警官では捜査に 加われない。彼は独自に動き、真相を探っていく。そこには、地元にいるものにしか分から ない思わぬ事実が隠されていたりする。口の堅い地元の人間からいかに真相を引き出せるか? 川久保の苦悩が読み手にも伝わってくる。地元有力者や、警察内部の力関係も垣間見え、 興味深かった。 北海道を舞台にした作品だが、「逸脱」に書かれている内容は実際に何年か前に北海道で 起こっている。作者はそれを踏まえて書いたのだろうか?特に印象に残った。 | ||||
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佐々木譲の警察小説である。筆者は、かつて「ベルリン飛行指令」「「エトロフ発緊急電」「ワシントン封印工作」など、史実をベースとしたわりとスケールの大きな良質の小説を書いていたが、最近はドメスティックな方向に転向しているようである。警察小説というと、どうしても横山秀夫と比較してしまうが、この「制服捜査」も、どうも横山秀夫の二番煎じに見えてしまって仕方ない。札幌の大都会から道内辺境地の駐在所勤務となった主人公を巡って、様々な事件を織り交ぜ、短編仕立てにしている。犯人捜しのミステリーというよりは、それこそ横山秀夫が得意とする人間ドラマを中心に描写しており、先入観なく読めばそれなりに面白いと思われるが、筆者にはやはりかつてのように、自分のグラウンドで戦ってほしいもの。 | ||||
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