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黄金の灰



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【この小説が収録されている参考書籍】
黄金の灰
黄金の灰 (創元推理文庫)

黄金の灰の評価: 4.00/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

さくさく読めます

章立てが細かくて、読みやすくなっています。
(章立てが一番効果的で読みやすかったのは殊能将之の『美濃牛』です。お勧めですよ)
展開の仕方もよく、ページをめくるのももどかしくなるほどです。
やっぱり文体におかしなところが少ないとすんなり読めるものですね。
装丁も上品で好感が持てます。
ただ、残念な点がいくつかあって、評価は星3つになりました。
どうせなら、もっといろいろ書き込んで人物像をぐっと掘り下げてくれたなら、
作品としての厚みもでたのになあ、と悔やまれることしきり。
でもそうするとこの作品の持ってるいいテンポが維持できなくなるかしら?
ラストの謎解きは意外性も蓋然性も乏しく、今ひとつしっくりしません。
なので、さくさく読めるのに読後感はもやもやしちゃうのもいけませんな。
さて、以下はミステリとして読むときの苦言です。
ポーの『モルグ街の殺人』のネタばれありです。
未読の人は要注意。(オイラはいつか読もうと思っていただけにがっかりです)
さらに、作中ではタイトルこそ明かしておりませんが、
ある著名な短編作品のトリックもばばんと紹介しております。
ミステリのネタばらしってやっちゃいけないことだと思うんですよ。
もうすこし気を使って欲しかったですな。
「謎に対して曖昧さを残すことで、読者に推測の余地を」
とする意図で書かれたのかもしれませんが、ラストがこれではただの説明不足です。
登場人物自体の存在に謎を投げかけるというのは、別に珍しいものでもありません。
ただ、ミステリ読みとしては、材料不足で謎を残したまま終わるというのは許せないのですが、みなさまはいかが?
結論:ミステリというよりはサスペンスneeds somethingでしたね、これは。
黄金の灰 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:黄金の灰 (創元推理文庫)より
4488463029
No.1:
(3pt)

シュリーマンの過去の謎が面白い

 実際の発掘現場で殺人などの事件は起こらなかったと思うのだが、
シュリーマンの二番目の夫人・ソフィアを主人公にして、
トロイア発掘の夢を実現しようとしているシュリーマンの人間性や
過去の謎に関しての興味を感じ、読んでみた。
 
 予想通り、殺人や黄金盗難の事件の真相や謎解きよりも、
シュリーマンの過去に関する話の方が面白かった。
 ただし、殺人事件の推理に関連して、シュリーマンだけでなく、
その他の登場人物達が推理し、ポーなどの有名な推理作品に
言及している点はなかなか面白い趣向だった。
 何よりも、おそらく虚構だとは思うのだが、
ブラウンという謎の人物の正体やシュリーマンの過去の
不可解な部分(初恋の女性と結婚しなかった点、弟を遠ざけた点など)
に関する解釈部分など、かなり面白いと思った。
 また、ソフィア夫人宛に前妻から来ていた手紙によって、
シュリーマンの過去の疑問を描く点なども、良く出来ていると思った。
 しかし、事件は夢なのか現実なのか定かでないという趣のある、
終わらせ方には、少々納得がいかなかった。
 フィクションなのは判っているのだから、本当にあったことだが、
公にならなかった程度の、終わらせ方でも良かったのではないか。
黄金の灰 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:黄金の灰 (創元推理文庫)より
4488463029

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