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樅ノ木は残った



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樅ノ木は残ったの評価: 4.36/5点 レビュー 100件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.36pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全100件 21~40 2/5ページ
No.80:
(5pt)

孤独を認める強さ

ー人間はもともと弱いものだし、力のあらわれは一様ではない。鉄石の強さも強さ、雪に折れない竹の撓みも強さだ。ここで剛毅心をふるい起こすよりは、この虚しいもの淋しさを認めるほうが、おれにとっては強さであるかもしれないー

原田甲斐のこの言葉がとても心に響いた。

甲斐は伊達家存続のため孤独な闘いに挑んだ。孤独を耐え抜くと覚悟を決めたはずだったが、周防、七十郎、十左衛門、丹三郎といった心を通わせた仲間に先立たれ、周りは自分をつけ狙う敵だらけという現実に向き合わされた時、甲斐は心が折れそうになる。

しかしその淋しさを認め、悲壮な闘いの道を静かに歩んでいく甲斐の心の強さに感動を覚えた。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.79:
(5pt)

伊達家安泰のため、味方も欺き、藩内の悪評にも耐えて戦い抜いた人物として蘇らせた傑作

従来の「伊達騒動」の解釈を翻し、極悪人の烙印を押されてきた原田甲斐に対して、伊達家安泰のため、味方も欺き、藩内の悪評にも耐えて戦い抜いた人物として蘇らせた傑作。不条理に対して自らの意思をどう貫くか、著者の調査力、構想力、描写力は見事であり、やはり不条理の世界に塗れていく中高年以降に読み、自分自身を振り返るよすがとしたい歴史小説の下巻。
樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)より
4101134022
No.78:
(5pt)

伊達家安泰のため、味方も欺き、藩内の悪評にも耐えて戦い抜いた人物として蘇らせた傑作

従来の「伊達騒動」の解釈を翻し、極悪人の烙印を押されてきた原田甲斐に対して、伊達家安泰のため、味方も欺き、藩内の悪評にも耐えて戦い抜いた人物として蘇らせた傑作。不条理に対して自らの意思をどう貫くか、著者の調査力、構想力、描写力は見事であり、やはり不条理の世界に塗れていく中高年以降に読み、自分自身を振り返るよすがとしたい歴史小説の中巻。
樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)より
4101134650
No.77:
(5pt)

極悪人の烙印を押されてきた原田甲斐に対して、伊達家安泰のため、味方も欺き、藩内の悪評にも耐えて戦い抜いた人物として蘇らせた傑作

従来の「伊達騒動」の解釈を翻し、極悪人の烙印を押されてきた原田甲斐に対して、伊達家安泰のため、味方も欺き、藩内の悪評にも耐えて戦い抜いた人物として蘇らせた傑作。不条理に対して自らの意思をどう貫くか、著者の調査力、構想力、描写力は見事であり、やはり不条理の世界に塗れていく中高年以降に読み、自分自身を振り返るよすがとしたい歴史小説の一冊。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.76:
(5pt)

骨太な時代小説。

骨太な構成と緻密な心情描写で、とても面白く読めました。
主人公として描かれている原田甲斐の武士道的たたずまいを見ていると、人の上に立つものとしての責任と態度を訴えているようにも思われます。
実際に書かれた時代と現代を単純に重ねることはできませんが、ふと、現在の世の中のリーダーの姿勢を顧みてしまいます。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.75:
(4pt)

侍の道を否定する脇役

山本周五郎『樅ノ木は残った』下巻。
伊達兵部は、これまで黒幕として描かれてきたが、下巻では冒頭から底の浅さを露呈する。兵部の悪評は広がっている。ここまで悪評が広がるならば、原田甲斐が兵部に取り入らず、正面から対抗できたのではないだろうか。逆に甲斐が兵部の与党と思われたために、前藩主に取り次いでもらえないという不利益も生じている。「敵を欺くには味方から」はメリットばかりではない。

下巻まで読むと、脇役の人情物が印象に残る。中巻までは、どうしようもない人達を描いていると思っていたが、下巻に入って実を結ぶ。本作品は原田甲斐の人に誇らない忠義を描きながらも、藩のために自己を犠牲にする虚しさも語っている。侍の道を否定する脇役を描くことは本作品にとって大きな意味があった。

自分は他人とは異なるという意識は、自我の確立を目指した純文学のテーマである。純文学は私という殻にこもって面白くないと批判されがちであるが、そのように批判する自称社会派達こそ集団主義的でメジャーな政治的争点を取り上げても、個人の抱える個別的問題に応えられないことが往々にしてある。本作品は大衆文学に分類されるが、自我にこだわる純文学の問題意識と重なっている。私へのこだわりは現代の漫画やアニメ、ラノベにも引き継がれている。
樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)より
4101134022
No.74:
(4pt)

敵を欺くには味方から

原田甲斐は「敵を欺くには味方から」を実践している。この原田甲斐の姿勢では味方を失っても仕方がない。甲斐としては自分が犠牲になればよいと覚悟し、多くの人を巻き込みたくないのかもしれない。柿崎六郎兵衛のような胡散臭い人物には容易に腹の内を空かさないことは当然である。
一方で昔ながらの人物も膝詰めで談判し、自分には腹の内を明かしてくれるだろうという内々の特権意識が感じられる。甲斐はビジョンの共有や透明性に欠けていて現代のリーダーとしては通用しないと感じたが、周囲もどっちもどっちと感じた。
本書は伊達騒動を甲斐と伊達兵部の対決として描くが、甲斐の動きは見えにくく、日常描写も含まれる。これに対して兵部のターンは純粋に陰謀劇になっている。このため、伊達騒動という歴史事件を追う向きには兵部のターンの方が読み応えがある。
本書には甲斐とも兵部とも異なる立場の脇役のターンもある。これに結構紙数が割かれており、しかも歴史事件とは関係が薄く、人情物の色合いが色濃い。物語の展開を早く読みたい向きには異論があるだろう。中巻の後半で甲斐と繋がっていく。
話が進むにつれ、藩内の御家騒動という以上の陰謀が見えてくる。江戸幕府と外様大名というスケールの大きな話になる。甲斐の消極性はじれったく感じられるが、藩内に紛争を起こすこと自体が敵の狙いであるならば意味がある。
本書から仙台藩は有力家臣が各々領地を持っており、独立領主の性格を持つことが分かる。有力藩士は互いを各々の領地の地名で呼びあっている。原田甲斐は船岡と呼ばれている。仙台藩の藩祖の伊達政宗は戦国大名として領土を拡大しながら、新時代に適応できた人物である。しかし、政宗個人に適応力があった分、仙台藩の体制は中世的なままと感じた。他の藩が藩士をサラリーマン化して一円支配を進めたこととは異なる。伊達政宗は芯から戦国大名だったと感じた。
この家臣が独立領主になっている点は藩のまとまりを欠き、御家騒動が激化する要因と説明されがちであるが、それは結果論である。サラリーマン化して藩内の地位が全てになる方が権力闘争が激しくなる。自分の領地で内政に励んだり、悠々自適に暮らしたりする選択肢がなくなるためである。徳川将軍家も領地を持たない御三卿ができてから、将軍後継争いが激化した。
樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)より
4101134650
No.73:
(4pt)

何を考えているか分からない

山本周五郎『樅ノ木は残った』は江戸時代前期の伊達騒動を描いた長編時代小説である。新潮文庫で上中下3巻になっている。NHK大河ドラマにもなった。

主人公は仙台藩宿老の原田甲斐である。原田甲斐は悪役・奸臣と位置付けられがちであるが、本書では真っ当な人物として描かれる。但し、原田甲斐には何を考えているか分からないところがある。そのために読者はじれったく感じることがある。

伊達騒動では伊達兵部派と反伊達兵部派の対立と分析されるが、本書では原田甲斐が自己の立ち位置を見せないようにしているため、敵味方もはっきりしない。また、本書では伊達綱宗が酒と女に溺れているとして藩主を退かされたとの説も否定する。

本書を読むと仙台藩は有力家臣が各々領地を持っており、独立の気風が強い。仙台藩の藩祖の伊達政宗は戦国大名として領土を拡大しながら、新時代に適応できた人物である。しかし、政宗個人に適応力があった分、仙台藩の体制は中世的なままと感じた。他の藩が藩士をサラリーマン化して一円支配を進めたこととは異なる。伊達政宗は芯から戦国大名だったと感じた。

この家臣が独立領主になっている点は御家騒動が激化する要因と説明されがちであるが、それは結果論である。サラリーマン化して藩内の地位が全てになる方が権力闘争が激しくなる。自分の領地で内政に励んだり、悠々自適に暮らしたりする選択肢がなくなるためである。徳川将軍家も領地を持たない御三卿ができてから、将軍後継争いが激化した。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.72:
(5pt)

今でも人気がある理由がわかる

江戸時代の三大御家騒動の一つである「伊達騒動」において逆臣として歴史に名を残している主人公原田甲斐のイメージを実は忠臣であったのではないかと変えたのが本書である。
まぁ真実がどうであったかは別として、
この本は何回読んでも涙があふれ、心があらわれます。
上中下巻で1400p程の中々ボリュームのある作品ですが、山本周五郎文学の白眉だと僕は思います。
主人公の原田甲斐は仙台伊達家の着座(他藩でいう家老)の家柄で船岡の領主。
しかし原田甲斐はそんな世界より花鳥風月を愛で、山で鹿や猪を追いかけ、己の才覚で諸国を旅する琵琶法師を羨む自然人だった。
しかし、寛文事件という仙台藩の運命を左右する大事件が起こると、その高度な政治性の中に巻き込まれて行く。
1人の人間を「悪」にし、「真実」を闇に葬ってしまう事が簡単に出来る政治の持つ猟奇性を原田甲斐の生き様を通して感じた。
そんな目まぐるしく変わる時代の中で、仙台藩の為にあえて敵の懐に入るのだが、それが返って友人や同僚に見放され、倦厭されてしまう。
どんどん孤独になっていく原田甲斐が愛した樅の木の存在がこの作品ではかなりいい味出してます。

山本周五郎は司馬遼太郎のようにかなり抜けがいいというか、すぐ頭に入ってくるので読みやすいです。
読んだ事がない方は是非!!
樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)より
4101134022
No.71:
(3pt)

懐かしい思いで再読しました

幼い頃に大河ドラマで放送されてたのを思い出し、ある時に機会を得て単行本を読みましたが、登場人物の多さと話の内容が自分の年齢に追いつかず放り出しました。

この歳になりまた読んでみる機会を得て、大変興味深く読み進めています。

伊達騒動の顛末は、史実として残っている部分しか読み取れません。がしかし、武士としてどのように行動するかを考え、結果命を賭しても大義を通した男たちが過去の歴史にいたとすれば、どれほど窮屈なものだったのだろうと思ってしまいます。

が、この窮屈な時代があって、日本の様々な文化や思想を形成させてきたのだと私は思わざるを得ません。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.70:
(3pt)

独眼竜政宗のその後…

大河ドラマ「独眼竜政宗」の頃から気になっていた小説。盛り上がりはないものの,退屈ではないものの,淡々とした筆致で進んでいく。これからの盛り上がりを期待しつつ上巻を読了。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.69:
(4pt)

面白い!

アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.68:
(5pt)

山本周五郎の

本にはまっています。これは名作だと思います。いつの世でも中間管理職の厳しさを思い涙がこぼれるようでした。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.67:
(5pt)

再読

平幹二郎の訃報を聞いて、去年読み返したが、なぜかふと投稿してみたくなりました。これ、日本のハードボイルドの最高傑作と思いました。原田甲斐が善人か悪人かとか、どこまでが事実でどこまでが創作かを論じるのはあまり意味がなく(司馬遼太郎でも同じことは言えるでしょう;ただ、彼の場合なぜかわたしは、なんとなくずるく創作しているような印象がぬぐえません)、このような自己犠牲の作品にしたてた作家の力量に感嘆するばかりです。また、宇乃との交流も、あまりほかのコメントにはありませんが、読みどころであり、泣かせます。人間通の山本周五郎ならではの幅の広さです。いろんな賞を断っている彼の人柄も、無論会ったことはありませんが(笑)、なにか偲ばれて、深く感じいるところがあります。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.66:
(5pt)

★★★★★斯くして仙台藩残りぬ 物語冒頭の盛り上がりがハンパない。

何かを見て故人を想い出すのは、その者が立派に使命を果たしたからであろう。周五郎氏もまた本書を残した。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.65:
(2pt)

だとすれば、とても残念なお話

天地静大やさぶなどで感じた爽快感が感じれませんでした。 くびじろとの格闘シーンは、これから始まるであろう藩を巡る格闘を暗示させ、大事なシーンだと思いましたが、そのシーンで表現した、上下関係を「ばかなこと」、対等な関係での勝負こそ人生を賭ける価値のあることとするような価値観を持った人物が、事実を覆い隠し全てを背負い、代わりに藩を救うというような最後を遂げるものだろうか?史実とは異なったとしても、小説としてあるべき結末を目指してほしかったなと思います。 史実にも関心がないことはありませんが、自分としては、別の展開を想像して満足したいと思います。
樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (下巻) (新潮文庫)より
4101134022
No.64:
(5pt)

生涯読書ベスト再読

確か40代に読んで、大変面白く、感動した思いが、あるので、65歳になった今よみかえした、やはり面白い、人間の持つ普遍的なテーマは、永遠になくなりはしない。 読書好きな人たちにぜひ勧める一冊。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.63:
(5pt)

人間の可能性の極致を描いた文豪の力量に驚嘆

本来、自然をこよなく愛し、優しく人間味にあふれる原田甲斐。
その人物が、「伊達騒動」に巻き込まれ、悪人の汚名を浴びせられながら、仙台藩六十二万石を護り抜く。
従来は、極悪人の烙印を押されてきた原田甲斐を全く違った解釈で描き切った大作である。

政治的な駆け引きの複雑さを描きながら、原田甲斐という、魅力的な人物像を浮かび上がらせている。
あえて悪評を引き受けながら、藩を護り通すために、孤独に耐え抜く原田甲斐。
原田甲斐と、自然のシンボル的存在である「樅の木」と、たった一人の女性「宇乃」。
権謀術数渦巻く権力と闘い、呻吟する一方で、この三者が、深く静かに、しかし強く結びついている。

下巻のことになるが、ラストシーンには、しみじみとした深い感動が用意されている。
壮大な構成力、心理描写の細やかさをはじめ、人間の可能性の極致を描き切った文豪の筆力に、ただただ圧倒された。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014
No.62:
(3pt)

樅木は残った中

友達にプレゼント用に買ったのですが、まだ渡してはいません。上中下と全巻買ったので、装丁が同じであったら良かったと思いますが、古書では手に入っただけでも喜ばなければいけないのだろうと思います。
樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (中) (新潮文庫)より
4101134650
No.61:
(5pt)

樅木は残った山本周五郎

樅木は残った上中下は、古書ですので、カバーが統一できませんでしたが、ぜひ読んでもらいたい人がいたので、買いました。手に入っただけで満足です。
樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:樅ノ木は残った (上巻) (新潮文庫)より
4101134014

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