おごそかな渇き
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表題作のみについてのレヴューであることを最初にお断りしておく。「朝日日曜版」に8回連載して中絶した遺作。今までの著者とは別の面を切り拓きそうな気配の濃厚な作品であることからも、途絶を惜しむ声が多いが、人生に完結がない、という意味では、むしろ、置いてけ堀をくわされたわれわれはかえって色々と考えさせられるという意味で、僥倖だった気もする。この作品が、山本周五郎の最後の向かう先を示していることに、憧憬というか、ホッと安堵するような気もするのだ。「神は人間に命を与え、それを奪いたもう」「どうせ召し返す命なら、なぜその命を与え給うのか」。この命題に答えを見出せる御仁など、この世に存在するとも思えない。そもそもそんなものを小説の主題にしてどうなるものでもないだろう。答えを見出しての起稿ではなかったはずだ。それでも、彼は、どうしても書いておきたかったのだろう。原子力などという途方もないものを作り出した人類の行く末どころか、自分の存在の意味さえ皆目つかめない。人間は成長するために生まれてくるのだ。とも言えるかもしれないが、それも一つの解釈でしかない。生きる意味なんて、自分で納得いくように思い込むしかないものでもある。こんな今さら、のことを青臭いと一蹴しない山本周五郎文学の最後のやむにやまれぬ“渇き”につきあうことこそ、この作品の意義だと思う。行き倒れの主人公・松山隆二も、彼についてくる「りつ子」も、その父である竹中敬吉も、作中で生き生きと息づいている。四十がらみの啓吉は日本脱出を試みようとしている。それは、日本の風土が生む人間関係に嫌気がさしたかららしい。しかし、三十代と思われる松山は、ブラジルへ行こうとも事態が好転するとは思えない。彼自身は東京へ行こうとしているが、それは事態の打開を望んでのことでもないらしい。ただ、喪うもののない強みだけが頼りのようでもある。十四歳の「りつ子」は、そんな松山に着いてくる。そのわけは、ブラジルには行きたくないからだ、ということになっている。「りつ子」の子どもから女性へと変態しようとする様が生々しく描かれる。それは物語の“胚胎”をも意味しているかのようだ。誰も悟りすましていないし、この三人のお互いを思う気持ちの優しさも身に染みる。彼岸を前にした山本周五郎の観念の先に幻視した世界の豊穣に想いを馳せた。 | ||||
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・一本気な奉公を描いた戦前の2作を除けば、周五郎の人情を基底に据えた、味わいのある世界が、この本にも詰まっている。人としての幸せを、どうすれば手繰り寄せられるか、張る意地が月並みな幸せを逆に、遠ざけてしまったりして、そうじゃない、と読みながら独り言ちしてしまったりするが、正しく一徹な周五郎ならではの筋立てに、唸らされもする。 中でも、映画となった「雨あがる」の、現実に裏切られる中で強まる夫婦愛に漂う哀しみは、忘れ難いし、死によって未完となった表題作には、珍しくも現代ものに託さんとした、人間のあるべき生き方に向けた、周五郎の一途さを、強く感じたりもした。 | ||||
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なぜか「おごそかな・・」の小説が途中でとぎれてしまった、続くデータが無い。そこまではいつも通りの進行だったが、以後は読めない。なぜでしょう?手続きが違っていたのか? 残念です。 | ||||
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山本周五郎さんといえば時代小説ですが、表題は絶筆となった宗教を問う現代を扱った作品です。 いささか内容が概念的な要素を多くて、★4つにさせていだきました。 これが判るようになると、山本周五郎を理解できたことになるのでしょうか? 他に収められている作品としては、映画化されて話題となった『雨あがる』こちらは何度、読んでも飽きない作品で、 主人公とその妻の関係は心を温かくしてくれます。 中でも、この作品集で一番好きな作品は『あだこ』。 読み終えると、自分の心の中をさわやかな風が吹き抜けます。周囲で人間トラブルが起きた際、読み返しては勇気をもらいます。 | ||||
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読んでいくうちに、なんだか面白くなかったので、途中でやめてしまいました。 | ||||
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