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Another(アナザー)
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Another(アナザー)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全215件 201~215 11/11ページ
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正月休みにゆっくり読もうと年末に買ったのに、正月を待たずに一気に読んでしまいました。 600ページ以上という量でありながら中だるみもなく、ホラーでありながらどこか爽やかで、 最後は、そう来たかと。 特殊な環境の町を舞台として、主人公の男子生徒と謎の女子生徒とが、事件・事故に巻き込まれていく。 私にとってはその設定が、昔読んだ眉村卓氏の「ねらわれた学園」や「ねじれた町」を思い起こさせられ、 懐かしさを感じてしまいました。 勿論、こちらは青少年向けではなく、ミステリー度、ホラー度共に充分に満足させてもらいました。 それでも、重苦しくない作品世界感には、どこか共通するものがあるような。 「眉村卓かー、なつかしいなぁ」と思われた方には、ぜひお薦めかと。 | ||||
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ホラーとミステリー、謎が解かれない事が本質となる話と、謎を解くことで成立する話。綾辻行人さんはその狭間で、(時にはミステリーよりに、時にはホラーよりになったりしますが)小説を書かれている方だと思います(デビュー直後〜囁きシリーズ発刊までは純粋ミステリー時期だったか^^;)。読み終わった直後の「Anoteher」に関して言うと、見事なバランスでホラーとミステリーが両立していると思いました。ホラーなのか?ミステリーなのか?ではなく、『ホラーでもあり、ミステリーでもある』というのが、それも『とびっきり怖いホラーであり、とびっきり最上のミステリーである』というのが「Another」に関する私の感想です。内容の多くを語ることができないのがもどかしいですが、後書きに書かれている許容範囲で言うとPart1での「What,Why」に対する答のキレ味、Part2での「How,Who」に対する設定の妙と結末、いずれも「綾辻行人らしさ」、そしてその力量を存分に楽しませてもらえました。綾辻行人の代表作に加えたい、そんな出来栄えの快心作だと思います。 | ||||
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今や新本格派の大御所綾辻行人の本を購入したのは「霧越邸殺人事件」以来久しぶりだ。今回はいつになくホラー的要素が強いと言う。読む暇がなくほおっておいたら、晴れて年末の各ミステリーベスト・テンにも上位でランク・イン。遅まきながら読み始めた。 病弱な体を気遣って都心から転校してきた主人公の少年は、ひとりの少女と出逢う。その不可解な行動に翻弄されつつ、彼はその存在に疑念を覚え始める、、、。 確かに学園ホラーの感が強い。中学生の一人称による語り口で物語が進むだけあって平易な言い回し。地方の中学生活だけに、序盤はたよやかに流れていくが、断片的にミステリアスに影を落とすのが25年前のある人気者の死を契機に始まった3年3組の呪い。最初の悲劇が起こり、謎は恐怖を加味しながら加速して、どんどん人が死んでいくうちにページをめくる手が止まらなくなっていく。 次々に犠牲になる被害者の死がまるで「ファイナル・ディスティネーション」みたいなのが笑えるが、何故に彼らはそんな理不尽な行動に出るのか?呪いは本当なのか、それとも信じられない現象なのか?そして、この始まってしまった連鎖を止める事は果たして出来るのか?700ページ近くの長編ながら、読み手の興味を引き続ける展開が巧い。 綾辻の手に依るものだけに、どんなに恐怖で超常現象めいた物であっても、最後は論理的なオチがあるのかと思ったが、、、。でも、誰が“災厄”の源なのか、を追っていくのは紛れもなくミステリー。釈然としない部分がない事もないが、まずは綾辻のストーリー・テラーとしての真骨頂とミス・ディレクションの名手ぶりに堪能させられる。あとがきで綾辻曰く、今作は映画「アザーズ」にインスパイアされて書かれたと言う。ナルホド、ね。 さほど頭を使わず、それほどヘビィでもなく、良く出来たエンタメ本として、年末年始の夜長の読書には最適と思える1冊。 | ||||
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『びっくり館の殺人』に続き、作者はまたも暗号とシンボリズムに満ちた作品を上梓したのかもしれない。 『びっくり館』は西洋サタニズムが下部構造として潜んでいた。 そして『Another』には? 『Another』はとても読みやすい小説だ。600ページを越える長さを全く感じさせず、ぐいぐいと引き込まれて一気に読んでしまう。最高傑作の呼び声高いのも十分納得できる。 ただ、読みやす過ぎるのだ。確かに面白い。でも、なにかがひっかかる。 エピローグにおける「解決」はなんの破綻もない。…ように見える。ある一点を除いては。 その一点がどうしてもひっかかり、細部をなめるように再読してみた。すると。 これは『びっくり館』と同じ、「遂に語られることのなかった真相」を背後に秘めているのではないだろうか。 『Another』もまた、一人称視点で語られる物語だ。つまり、主人公が知りえないできごとは、ないのと同じ。彼が知りえた「真相」こそが真相として語られるだけ。これが真相だという保障はどこにもない。 正直なところ、自分にも「語られなかった『Another』」が何なのかはまだわからない。 ただひとつ分かったのは、この物語のいたるところに『古事記』『日本書紀』などに代表される日本神話の象徴が散りばめられているということ。そして、日本神話の視点から『Another』を読むならば、「今年のひとり」はあの人ではありえないのだ。 まだ解読できない。でも『Another』にはもうひとつ(another)の物語が潜んでいるように思えてならない。 "Maybe I'm think too much" - Paul Simon | ||||
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結末を楽しみに読みましたが、anotherの登場が理屈抜きなのが最後までひっかかりました。数々の現象も、閉鎖的地方体質に寄りかかり過ぎかと。某雑誌の高い評価に即買いしましたが、後日図書館で借りれば良かった…と感じました。むしろ映像作品向きで、文章上の魅力はあまり…。 | ||||
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久しぶりに手にすることができた綾辻さんの長編! ことばの美しさと物語の滑らかさはさすが。 自分が主人公と同じ世代のせいか、少し陰のある中学校生活に懐かしい気持ちにもなりました。 素敵な文体からびしびしくる怖さもあり、綾辻さんらしいラストもあります。 。 | ||||
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綾辻行人の作品は上質なRPGゲームをやってるようなワクワク感、読み終わった後の達成感があって本当に楽しい。誰が居るのか居ないのかアレコレ推理し楽しみながら読み進められます。注意深く色んな人(?)の話に耳を傾ければ、居ない人はわかるのですが…最後にまたコノ手にやられたかと悔しい思いをしました。理不尽な呪いに立ち向かう主人公たちが清々しい青春ホラーです。 | ||||
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綾辻作品は一作残らず(暗黒館、びっくり館も含めて)好きで、ふだん読むのが遅い私も、氏の作品だけは魅せられるように一気読みしてしまう。 そんな私でも、「最後の記憶」は、初読の際、いまいち受け入れられなかった。ミステリ的な狙いと、ホラー的な狙いが、やや乖離した印象があったからだった。もしかすると、綾辻作品でホラーは、なかなかなじまないのではないか。そんな不安がありつつ、待望の新刊を手に取った。 結果を言えば、この不安は杞憂だったと言ってしまっていいだろう。ミステリ的な企みと、青春ホラーとしての枠組みが、一切の違和感なく完璧に融合されている。各キャラクターが大なり小なりしっかりと印象的に描かれており、それゆえに壮絶なクライマックスが一層引き立つ。 氏が自らあとがきで読者を挑発している通り、意外な事実が待ち受けている。これに関しては見事というほかない。 難を言えば、前半は最近の綾辻作品特有の展開の遅さ、謎の引っ張りがあるため、人によってはもどかしく感じるかもしれない。だが心配はいらない。引っ張るだけの価値はある、美しい物語だ。 傑作だと断言しよう。「館シリーズが一方の代表作なら、もう一方の代表作」は決して言いすぎじゃない。 | ||||
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寡作である著者の久々の作品である。個人的には時計館の殺人以降いまいちの出来の作品が多く、ピークが過ぎてしまったと思っていた中この作品が発売された。私は綾辻ファンなので不安ながらも購入し読んでみたが、結果は久しぶりの傑作であり満足できた。 原稿用紙約1000枚の大作ながら、改行が多く話のテンポもよいので見た目の厚さほど読むのには苦労しない。 ジャンルはホラーであるがこの著者らしく最後には意外な落ちが待ち受けている。 ストーリーは中学の三年三組に転校してきた主人公の少年が、このクラスで起こる忌まわしい呪いのようなものに巻き込まれるといったもの。 この三年三組にはいるはずのないもう一人が存在し、その存在のせいでクラスの関係者が次々に謎の死を迎えるというもので、この死の連鎖をいかにして止めるかと存在しないはずのもう一人(ANOTHER)とはいったい誰なのかという謎を解明していく過程が読みどころである。 ストーリーも面白く、意外な落ちもあり、最近元気の無かった著者の汚名返上ともいうべき作品に仕上がっている。 最後のほうで明らかになる存在しないはずのもう一人については、十角館の殺人にも似た叙述トリックが使われていて、映像化不可能なため、小説ならではの楽しみを満喫できた。 | ||||
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面白かったです! ホラー小説ですが、おどろおどろしい類の物ではなく心理的にぞっとする様な物で、そしてそこにミステリーの要素も含まれていて 600ページを越す長編なのに関わらず、1日で読み終える事が出来ました。 綾辻さんの著書はわかりやすいのも魅力。 ホラー小説は時として理解不能な作品も多々ありますが、丁寧に伏線を張りつつ、 背景も人物も丁寧に描かれているので非常にわかりやすく読みやすかったです。 「今年の誰か」が途中で推理出来、それが当たったと喜んだのもつかの間、あっと驚く結末が用意されていて まんまと作者の罠に引っかかってしまいました。 それが又、小気味良く作品を深い物に仕上げていて更に面白くなっていました。 怖いけれど面白い小説です。 | ||||
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本作は二部構成。 第一部では、クラスメイトや教師からそこに〈いないもの〉として扱われる眼帯少女 ミサキ・メイの秘密と、主人公たちが所属する三年三組にかけられたという「呪い」 の全貌が、少しずつ明らかにされていきます。 一方、第二部では、クラスで進行する〈災厄〉をどうしたら止められるのか、 そして、本来クラスに存在しないはずの〈もう一人〉とは誰なのか、といった 謎の解明が行われます。 最大の謎である〈もう一人〉の正体については、ホラー的仕掛けに大きく依存していると はいえ、伏線によって整合性を担保した上での意外性を演出することに成功しています。 もう少し細かく言うと、単に〈もう一人〉が誰かを指摘しただけでは不十分で、その 人物の別の属性まで指摘してはじめて「正答」となる仕組みになっているのです。 ただ、本作では、前述したホラー的仕掛けに登場人物が侵食されることによって記憶 の改竄・改変が行われているため、関係者の証言を鵜呑みにすることはできません。 よって、着目すべきなのは、作中でホラー的影響力の「圏外」にいる人々の言動です。 最後に、余談になりますが、今回読んでいて強く感じたのは、辻村深月作品との類似性。 もちろん、これは話が逆で、綾辻さんに辻村さんが私淑していた結果なのですが。 辻村さんも現在、中学時代を舞台にした作品を執筆される予定が あるらしいので、刊行された際には本作と読み比べてみたいです。 | ||||
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前に書かれた方通りページが多い割にはサクサク読める作品です。今回の作品は綾辻さん独特の暗さは少なく万人受けするのでは無いでしょうか。最後の場面の良い意味での裏切りはさすが綾辻さんと思います。決して買って損はしない作品だと思います。 | ||||
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分厚い割にはサクサクと読めます。クラスメイトが次々死んでしまうというのは吉村達也の「ビンゴ」の世界を思い出させますが、それほどは怖くなかったのでよかったです。こっちの方が読後感も悪くない。 綾辻独特の文章ー冷めた感じでいながら部分的にねっとりした、話の流れを突然遮って繰り返し描かれる意味ありげで意味不明なフラッシュバックとかーは、中学生の一人称で書かれるとなかなかいい感じになるんですね〜。 | ||||
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ミステリーとホラーの融合、 囁きシリーズ・「暗黒館の殺人」においても おそらくは目指されていたであろうこの主題を、 そして残念なことに消化不良に陥り、 不完全燃焼であったこの主題を、 この作者はこの作品によって、一気に挽回し、完成させました。 雰囲気、トリック、論理、そしてキャラクター。 すべてがいかにも綾辻氏らしく、 そしていままでの作品以上に素晴らしい。 自分にとっては時計館以来の傑作、 人によっては十角館以来の傑作と言う人も、 人によっては最高傑作とする人もいると思います。 逆に、ホラーがまだ強すぎると感じる人もいると思います。 綾辻氏のファンにとっては、この十数年、 新刊がなかなか発売されず、待たされ、 発売された作品の内容も賛否両論が多く、 がっかりし、やきもきしていた人もいたかと思いますが、 (自分もまぎれもなくそうでした) 2009年、この作品の発売をもって、 綾辻氏の衰えていなかった力量に安堵し、 新たなる綾辻氏の展開を、期待していけると思いました。 褒め言葉ばかりで、レビューになってないかも知れませんが、 これが読了後現時点での自分の素直な感想、レビューそのものです。 綾辻氏によれば、次の予定は(今頃は?)「奇面館の殺人」の 執筆ということです。むろん期待していますし、 この「Another」がその期待を強く後押ししています。 | ||||
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長編新作なのでレビューも何もない状態で紹介文を判断材料に購入。 ハードカバーの上にページ数も多い状態ではありましたが、意外とさっくり短時間で読破出来ました。京極夏彦の親書二段組を読みなれている人には特に苦になる量ではありません。本当に「さっくりあっさり」読めてしまったのでライトノベルのノリのような感覚に近いかも。 内容はホラー。文字通りホラー。事件ではなく「不可解な現象」に支配されてしまうところに気味の悪さが発揮されます。 前半はもうちょっと端折ってもいいんじゃないかとちょっと思ったほどの状況説明と主人公の態度に中だるみ気分になって、中盤は主人公以外の登場人物が動き出すことで、やっと舞台が出来上がって文章が「読める」ようになり、そのまま伏線を回収しつつラストへ…という展開。前半をクリア出来れば後半は一気に読み進めることが出来ると思います。 舞台は普通の公立中学校。私立ではなく公立なのがミソです。そして、より地域性を重要なファクターにする中学生だからこそ、この展開があり得たのではないかと思います。 犯人(と言ってよいのかどうかわかりませんが)は、意外というほど意外な人ではありません。 ただし、真の謎が解き明かされたかといえば…。 | ||||
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