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無伴奏
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無伴奏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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1960年代後半の激動の時代を背景にした恋愛物語です。男同士が同棲していることから、何となくその「秘密」は分かってしまうので、それほど衝撃的ではありません。。。それでもストーリー全体はとても良かったです。素晴らしい青春小説です。 | ||||
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本作は、作者の小池真理子氏が、1960年代に仙台のある女子校に転入し、自身とその時代を下敷きにして書いた物語である(あとがきより)。 実は私の母が、その当時、モデルとなった女子校の生徒で、在学中の小池さんのこともよく覚えていた。ちなみに母は小池さんより2学年下で、学生運動が最も高揚していた時期に入学したという。 作品と合わせると、主人公・野間響子が、制服撤廃委員会の委員長になったのが高2生で、母は中3。響子もこの時がいちばん『闘争』として、反戦デモやアジビラ刷りに加わり、その渦中にいたが、渉と裕之介、エマらとの出会いにより、運動から徐々に疎遠になっていく。 高3生の頃には、予備校と学校をサボりながら、渉という若く美しい男性に惹かれ、ある意味、普通の少女として、恋に夢中になって日々を過ごすようになる。 思春期と時代が、響子の何者かである、という自尊心を突き動かしたものの、恋に傾倒するにつれ、何者でもなかった自分を知る倦怠と虚しさ、くすぶった熱情が、余計に渉への恋慕として注がれるようになったのだ。 響子の恋は、残念ながら成就してしまう。そして突然に喪われる。 しかし、この恋を失う過程で、響子にとって、超えられなかったのは性差ではなく、裕之介という人間であり、膨れ上がる憎しみも怒りも、祐之介の「存在」に向かうのだ。 だからこそ、響子は渉と裕之介の結びつき/セクシュアリティを、最後まで胸の裡に納めたのだろうし、20年後もきっかけはありながら、告白はしなかった。そうすることで、彼女はあの熱に浮かされ、唐突に途切れた青春を、過去にしたのだと思う。 蛇足だが、小池さんの卒業から2年後、高3生になった母は生徒会長に就いて、卒業式では答辞を読んだ。学生運動盛んな時代、母の答辞は、事前に教師たちから「検閲」を受けたという。 その青春時代から5年後、母は私を産むのだが、卒業式の写真の少女は、今も口をへの字にして、挑むように私を見ている。母が笑っていない写真は、このたった1枚だけである。 | ||||
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舞台は1960年代の仙台。 大学紛争や安保問題で世間が騒然としていた時代。 学生達が本気で国を変えようとしていた。 パッフェルベルのカノンの流れるバロック喫茶で、 女子高生が一人の大学生と出会い恋に落ちる。 あまりに辛く、けれどみずみずしい若さと感受性の時代。 心の痛みというものを、悲しいくらい丁寧に描いている。 愛、性、罪、嘘、死。 そして、生。 それらに翻弄される4人の男女。 利己的で残酷な愛。 切なすぎる結末。 時代に乗り遅れまいと焦燥感の中にいる学生たち。 違いすぎる時代にいる自分たち。 この本を初めて手にした大学生の時、 読後感があまりに重く、打ちのめされ、しばらく他の本が読めなかった。 「どんな悲惨な出来事でも、いつか必ず色あせてくる。 そして、時間とともに、そこに新しい色が重ねられる。」 ずっと、忘れられなかった一節。 この10年、何度か、この言葉に支えられていたことを思い出した | ||||
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多感な少女の内面の描写が良く、結末も期待を裏切らないものだった。作中にところどころ出てくる音楽もその場の雰囲気に合っていて、「小説を楽しむ」という点では非の打ち所がない作品と言って良いだろう。 | ||||
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その果てに待つものを知らず、私はあなたを求めた―。多感な響子は偶然に出会った渉に強く惹かれるが、相手の不可解な態度に翻弄される。渉に影のように寄り添う友人の祐之介と、その恋人エマ。彼らの共有する秘密の匂いが響子を苛み、不安を孕んで漂う四角形のような関係は、遂に悲劇へと疾走しはじめる。濃密な性の気配、甘美なまでの死の予感。『恋』『欲望』へと連なる傑作ロマン。 | ||||
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中古といえども、中はもちろん外もキレイ。 コスパも十分。速い対応でした。 | ||||
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現在映画上映中ですね。 そんな訳で読んでみました。 1969年前後 仙台 タバコはエムエフ、セブンスター、両切りホープ 硬貨だけ使える公衆電話 携帯電話もメイルも無い 学生運動 そんな時代の小池さんの青春 「あのころを共に過ごした友人のM.I,そしてあのころの作者を知っているすべての人々に本書を捧げる。」とあります。 そして「ふたりの季節」読書メモ 2009年 ふたりの季節 小池真理子 幻冬舎 2008 小池さんの自伝的小説なのかな。 50代半ばの由香と拓、30年を経て突然の出会い。 高校3年からの2年間の記憶が昨日の様に蘇る。 名曲喫茶、学生運動、小説、映画、キラキラと輝き、不安や欲望の中で漂流する青春。夢、大学。結婚を約束した二人が、何気なく別れていく。 携帯電話もメイルも無い時代、そこにも確実に男女の繋がりがあったし、時間の共有があった。 過ぎ去ったはずの「あの頃」が、鮮やかに、そして走馬灯の様に映し出される。 こんな文章に俺もやられてしまう。 宿命、運命、縁。。。この世に、そうしたものが存在することは、由香にもわかっている。偶然は、あらかじめ決められていた必然でもある。細かい、砂粒のような、目に見えない偶然の堆積。人の一生は、偶然の堆積の中にある。そしてそこには、一本の道が延びている。道はうねったり、曲がったり、細くなったり太くなったりす、途切れそうになったりしながら延々とつながって、現在に至っている。さらに、この先、未だ見ぬ彼方に向かって、道は続き、命ある限り果てることがない。p123 携帯番号とメイルアドレスを交換して別れるシーン 拓が手を振った。由香も背伸びをし、大きく振り返した。 人生は続いている、と思った。坂が上がったり降りたり、すべったり、行き止まりを前に立ち止まったり、暗がりを泣きながら手探りで進んだり。。。。ずいぶん遠くまで来てしまったと思っていたのに、道は先に延びているようである。このまま、もうしばらく、歩いていけそうだ。道の先にあるものは、まだ見えてこない。p129 映画化を前提に幻冬舎の社長に難度も口説かれ、断り続けていたが、書き始めたら予定枚数を大幅にオーバーしたとご自身が書かれている。 そして あの時代を、由香と拓のごとく、私と共に生き、共に走り抜けてくれた懐かしい恋人に、本書を捧げる。 2008年霜月 小池真理子 格好良すぎるじゃん。オヤジを泣かせるには十分過ぎます。 ここまで | ||||
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切ない青春と恋がよく描かれている。渉が魅力的で、その繊細さと優しさに恋してしまいそうだ。 青春の成就することなかった恋は、いつまでも尾を引くことを物語っている。 冗長な思わせぶりな言い回しは、鼻につくが、全体として当時の空気感と時代的背景がとても上手く心の動きにフィットしている。 ただ、生活に何不自由のない、親のすねかじりの若者が、未成年なのにたばこをバカバカ吸ったり、酒を飲んだり、大した考えも無しに反対と言ってみたり、つまらないあぶくのような日々ではあるが、それを捨象しても、みごとな小説である。 | ||||
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同じ時代を過ごした身としては、非常に懐かしさを感じる作品でした。 70年安保前夜の雰囲気がよく伝わってきます。 そんな中で、思春期の四人の男女が、その純粋さ故に最悪の状況に突き進んでしまいます。 若い人にとっては、この主人公の響子たちの生活ぶりが信じられないかも知れません。 でも、当時の世の中は、「権威」に対する反抗が覆い尽くしていました。 大学紛争だけでなく、ここにも登場する様に、高校でも制服反対とか、校則に対する反対の動きが、全国津々浦々に広がりました。 それだけ当時の若者たちは、世の中を考え、「生きる」意味を考えていました。 そして、紛争に敗れた後の虚脱感から、心機一転企業戦士として高度経済成長を支えました。 この作品では、その虚脱感は「殺人」そして「自殺」という形で、四人の関係が崩れることでやってきます。 そして、その「真実」を抱え込んで、主人公は新たな人生に踏み出し、二十年の時を経て、その時代を振り返りに仙台の地に立ちます。 まさに、主人公の生き方は、紛争に参加した(或いは心情的に参加した)者の生き方そのものです。 その意味では、当時の活動家から企業戦士になった者たちへの鎮魂歌にもなっている様に思えます。 | ||||
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思春期の物語です。肌に感じる描写に、心が引き込まれました。いつの時代も同じ…と思いながら… | ||||
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「無伴奏」は直接的には曲名ではなく、店の名前。 仙台にあった、音楽喫茶。バロック音楽専門喫茶。 主題は音楽ではない。 野間響子の物語。 叔母がピアノの先生。 音楽の題材は少し出てくる。 ローリングストーンズの「アズティアーズゴーバイ」 「勝利を我等に」 ビートルズ「ヘイジュード」 パッヘルベル「カノン」 ジェームズブラウン「マンズマンズワールド」 ラフマニノフピアノ協奏曲 チャイコフスキー「悲愴」 「受験生ブルース」 プロコルハルム「青い影」 マルウォルドロン「レフトアローン」 バッハ「平均律」 「アダージョ」 ダイアナロス,シュプリームス「ラブチャイルド」 バッハ「ブランデンブルク協奏曲」 この曲の順番で物語を予想しながら読むのもよいかも。 曲をかけながら読むのもよいかも。 新潮文庫の解説は石田衣良 「無伴奏」「恋」「欲望」を読んだとのこと。 | ||||
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60年代後半仙台を舞台にした小説「無伴奏」、作者同様、自分も43年前大学生で 実在のバロック音楽の喫茶店「無伴奏」に通った一人です。 ビルの地下の店、二人掛けの椅子、パイプオルガンの音、そして青葉山、北四番丁、 北山、仙台ホテル2階コーヒーショップ、丸光デパート、藤崎デパート、当時の仙台 の街並みが蘇ってきます。 本書は女性の一人称で語られる一事件の物語であり、60年代後半を描いた青春小説 です。作者にとっても読書にとっても懐かしい一冊です。 | ||||
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時は1969年から71年にかけて。場所は仙台。主人公は、高校3年生の響子。そして、東北大の学生渉とその同居人祐之介、祐之介の恋人エマ。二組のカップルの恋愛物語のようで、思わぬ展開が待ち受ける。 恋に夢中になり苦悩する人間の心情を描けば右に出るもののいない小池真理子。ショックで頭が真っ白になる瞬間、嗚咽が込み上げ慟哭する姿、忘れようと必死に心に抑圧をかける状況、恋愛以外のルーチンな生活を営む自然な姿、そして心理描写を置いてきぼりにしない性描写。 とにかく上手い!主人公たちの年齢は若いが、時代は1960年代後半。あの時代が懐かしい世代、そうでない世代、両方が小池ワールドを堪能できる作品。 | ||||
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本書は「恋」に連なる作品という触れ込みであるが故に「恋」に上回る衝撃を否応なく期待してしまうのだが心配は無用である。味わいその物が違うし、あとがきにもあるように主人公は著者が等身大という設定なので著者と同じ視点で回想しているかのような錯覚さえ覚える。読者を意外な方向へ連れだしスキャンダルスに楽しませてくれる凄みに圧巻させられる。 | ||||
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この本のテーマを嫌うヒトも多い、男同士の恋愛だから。 しかし、このことをこんなに美しく描けるのは、やはり作者 が女性だからなのか。小池真理子の美しいアブノーマル恋愛 のストーリーは冴えている。映像になる作品である、ぜひ、 映画にしてほしい。 | ||||
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本の解説にもあるようにこれは小池真理子のそれまでのミステリーとはまったく違ったひとつの「青春小説」です。自分の知らない60年代後半の風景。でも、不思議と違和感はなくて、すっとその世界へ入っていけました。今読み返すと『無伴奏』があったからこそ、後の『恋』が生まれたんだと思います。 | ||||
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響子は偶然に出会った渉に強く惹かれるが、相手の不可解な態度に翻弄されることになる。渉に影のように寄り添う友人の祐之介、その恋人エマ。彼らの共有する秘密が響子を巻き込み、四角形のような関係は、不安と悲劇へと疾走しはじめる。そこには死の予感までもが漂います。その先に待つことも知らず、強く相手を求める人間を描いたもの。「恋」「欲望」へと連なることになる、ロマン小説。 | ||||
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登場人物の青春時代の恋愛が美しく描写されていて、最後まで目が離せませんでした。危険だけど美しい恋…こういう恋や愛の形もあるんだなぁと思いました。恋愛の深さをしみじみと感じ、ラストは自然に涙が出てきました。読み終えた後、色々と考えさせられました。本当に読んで良かったと思える作品です。 | ||||
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小池真理子さんの作品の中では、一番スキ!(ちなみに2番は「欲望」、3番は「冬の伽藍」)。登場人物がみんなキレイな感じがして、そんな人たちが繰り広げるチョット、ショキングな世界なので、引き込まれるように読みました。でも、若いときにこんな思いをすると、その後の人生観が変わってしまわないかな?と思いました。主人公よりも、エマに惹かれた私です。 | ||||
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小池真理子作品で、これが一番スキ!青春時代の恋愛におけるやるせなさが全面に出ていて、主人公にも共感がもてるし(主人公の気持ちが理解できない作品には没頭できない。)登場人物が皆個性的で美しくて・・・。でも、若くしてこんな経験をしたら、恋愛恐怖症とか人間不信にならないかな?小池真理子の作品は、自分なりに登場人物を頭に描きやすいし。こういう系統の好きな人は、ぜひ「欲望」「冬の伽藍」も読んでみて!! | ||||
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