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背が高くて東大出



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【この小説が収録されている参考書籍】
背が高くて東大出―天藤真推理小説全集〈16〉 (創元推理文庫)

背が高くて東大出の評価: 3.67/5点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

不遇の時代

 「天藤真推理小説全集」の16巻。
 1971-76年に発表された10本の中短篇が収録されている。
 1971年の『鈍い球音』を手始めに、次々と長篇を発表しはじめた頃の作品。それ以前の、長篇の依頼がまったくないという不遇の時代を抜け、華々しい活動へと入っていく時期の中短編集である。
 しかし、長篇に力を注ぎこんだせいか、本書収録の中短篇には駄作が多くなっている。アイディアもいまいちだし、ストーリーの練り込みも不充分、オチの意外性にも足りないものがある。扇情的な内容のものも多く、首を傾げてしまう。
 とはいえ、天藤真らしい苦みと甘さの入り混じったようなラストシーンも。
背が高くて東大出―天藤真推理小説全集〈16〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:背が高くて東大出―天藤真推理小説全集〈16〉 (創元推理文庫)より
4488408168
No.1:
(3pt)

ユーモアだけじゃない

 ユーモアあふれる作風で知られる天藤さんですが、けっして明るいだけではない、ぞくりとするような人間心理も見事に切り取ってみせてくれます。表題作は、東大出のエリートと結婚した女性の告白という形をとっていますが、彼女を通じて描き出される「東大卒」はかなり戯画化された醜悪なものとなっていて、強い嫌悪感を抱かせます。どんどん精神的に切羽詰まっていく彼女が引き起こすスプラッタ劇が楽しいのですが、最後にちゃんとオチも用意されている辺りがさすが。個人的には「東大は出たけれど、なんてことない男」とするよりは、「東大出自体そもそも、なんてことないんだよ」とする方がきれいにまとまったのではと思うのですが、そこまでふっきれなかったのは自身「背が高くて東大出」だった天藤さんの思惑があるのでしょうか……。収録作の中では、ほのぼの情愛を感じさせてくれる「父子像」がイチ押し。
背が高くて東大出―天藤真推理小説全集〈16〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:背が高くて東大出―天藤真推理小説全集〈16〉 (創元推理文庫)より
4488408168

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