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永遠の仔
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【この小説が収録されている参考書籍】
永遠の仔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.54pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全149件 121~140 7/8ページ
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読んで随分たつが、文庫版が出たようなのでレヴューを書くことにする。私は、この作品に出てくる登場人物はどうも「キレイ」すぎる気がする。例えば、主人公の看護婦の弟が、姉が父親と関係していたことを知って常軌を逸し、家に放火するくだりがあるが、いくら近親相姦が背徳的行為でショッキングとは言え、それではあまりにも純情すぎるというものだ。母親と弟が早々いなくなるのも、物語の構成上ご都合主義といえなくもない。総合的に宮部みゆきの「模倣犯」を凌駕すると思うが、登場人物の行動や台詞に若干センチなところがあるし、臨床心理学や精神分析の症例を読み込んでいることが文脈から明らかなのもちょっと気になる。 | ||||
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読んで随分たつが、文庫版が出たようなのでレヴューを書くことにする。私は、この作品に出てくる登場人物はどうも「キレイ」すぎる気がする。例えば、主人公の看護婦の弟が、姉が父親と関係していたことを知って常軌を逸し、家に放火するくだりがあるが、いくら近親相姦が背徳的行為でショッキングとは言え、それではあまりにも純情すぎるというものだ。母親と弟が早々いなくなるのも、物語の構成上ご都合主義といえなくもない。総合的に宮部みゆきの「模倣犯」を凌駕すると思うが、登場人物の行動や台詞に若干センチなところがあるし、臨床心理学や精神分析の症例を読み込んでいることが文脈から明らかなのもちょっと気になる。 | ||||
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重い。痛い。どんどん先が読みたくなる中で、それと共に展開していく話が非常に重かった。幼少時代の苦しみから逃れようとするが為に必死にこれまで生きてきた。しかし、心には消そうとしても消えないで残っている辛い過去。再会が再び少しずつ苦しみを呼び起こしていく。そして、互いのすれ違いからさらに大きくなる悲劇。虐待という悲劇が引き起こすものはなんて辛いんだろうと。最後の最後まで圧巻の展開でした。今日、幼児虐待事件が起こり続けている中で、こういった類の事件だけじゃないだろうが、心へのダメージは想像以上に大きいのだということを改めて感じた。読後はとにかく脱力感に苛まれ、心にずっしりと残っている。自分の中で4☆つなのはやはり面白いからだと思います。面白いという表現は不適切かもしれませんが・・・・。傑作といって間違い無いと思う。この本を読んだという経験が今後にとても活きていくだろう。人生にあたって心の支えがどんなに大切かという事も。この本のテーマがひしひしと伝わってきた作品でした。 | ||||
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待望の文庫版。「家族狩り」が文庫書き下ろしで今年刊行されたように天童荒太イヤーかも知れない。自分は文庫で初めて読むのでまだ続きを知らない。これだけ読んだ感想を書くと取りあえず「家族狩り」の文庫版と同じように今後が楽しみだ。 12歳の頃を偶然出会い共に過ごした3人の男女が、18年の歳月を経て再会する。「会ってしまったのか?」と誰もが疑う。これからの展開を示唆しているようにも見えるセリフ。現在と過去の物語が交互に語られる。一巻は再会でもあるし初めての出会いもある。 冒頭の導入部分が印象的だ。今後これがどのようなイメージで浮かび上がって来るかが楽しみだ。しっかり現場に足を運び緻密に計算されているあたりは作家らしさ。とにかく最初から読者を惹きつけて放さない、と言う感じだし実際離れない。 人は変わっていない。変わるようで変わらない生き物である。とでも作家は言いたいのだろうか。実際そのようにも思うし過去と現在で結びつく物はある。更に言えば意外な事実は変えてしまう要因にもなる。出会ってしまった3人は、それぞれがそれぞれの思いを抱き、葛藤する。 逆に幼い頃の出会いはどうだろう。と思うのだがまだそこまでは語られていない。大人になった少年少女。少女の頃の優希は、今後どのように大きくなるのだろうか。何を経験するか。興味は尽きない。 | ||||
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普段、外国の文学作品や湯本香樹実のような小中学生を主人公にした文学作品ばかりを読んでいた私が、友人に紹介され、この小説家はだれ?と思いつつ半信半疑で読んだのがこの小説でした。しかし、小説の導入から私の心をつかみ、人生の闇を、他人と永遠に知り合うことができないという哲学的問いを描く重いテーマながら、その重いテーマを鮮やかな構成力で描き、急展開のエンディングへと一気に読み進まされてしまいました。人生の闇を抱えたこの3人が救いを求めたこの小説の舞台「石鎚山」とはいったいどのようなところなのだろうか、救いはあるのだろうか、と思い実際東京から泊りがけで愛媛の石鎚山に登りに出かけてしまったほど影響を受けました。 (実際、石鎚山は鎖場、頂上付近、ほぼ命がけの怖さ・・・)小説、石鎚山登山ともどもおすすめです! | ||||
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おしまいまで読んだなら、子ではなく、仔である意味がわかります。非常に、痛い、苦しい、切ない話です。ぜひ読んでいただきたい、と、言いながら、さめた気持ちの自分が居る。それは何故か?それは、この小説が余りにわかりやすいから、です。虐待とは、こんなものでは、ない。ここに描かれてあることは、それはそうなのだけど、実際現実はこんな具合には描き表わせないからこそ、虐待なのだ、と…、拘りたくなる、のです。からみがらみ、折れたり曲がったりが錯綜して、一筋縄では、いかない。本人はもちろん、周りの人間模様の歪みの渦が虐待という形であらわれる訳ですから。無自覚で。私にはステレオタイプがちょうど三つ、に見える。それで三人。わかりやすい物語。いいえ。ケチつけるつもりは無いのです。世に問いかけ、感動を与えた意味は大きい。しかしながら、の蛇足かな。 | ||||
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幼少期のトラウマを抱える主人公たちの深い深い物語でした。作者の文章力のためでしょう、あっという間に読み終えてしまいました。そして読んだあとは、脱力感が強く残ります。自分の幼い頃を振り返ると、やはり主人公たちのように、大人の目を常に意識して行動していたような気がします。そんな自分自身のこと、そして昨今の子供をめぐる様々な事件についても思いを馳せずにはいられません。本の表紙となっている船越桂さんの彫刻も印象的で、この小説の存在すべてが私にとって忘れられない存在となりました。それでも星4つなのは、主人公たちの行動や台詞が恰好良過ぎたり、ドラマチック過ぎて、「小説だな」と距離感を持ってしまう場面があったからです。その部分をどう評価するかは好みの分かれる点だと思いますが、だからこそTVドラマにもなり、いろんな世代に受け入れられた作品となったのですから、やはり傑作であることは間違いないと思います。 | ||||
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読み終わった後に気づく、タイトルの重さ。感動と言う言葉だけでは言い表せない読後の心情。久しぶりに圧倒された小説でした。これは一応ミステリー小説ですが、安直な謎解きや、犯人探しなど、無縁の良作です。物語は過去の未来のフラッシュバックで構成され、さらに3人の登場人物によって進められていきますが、その人物映写が半端じゃなく凄い。とても言葉では言い表せません。まず読んでください。いろんな問題を含んでいます。今のあなたの悩み苦しんでいる事とリンクするかもしれません。人生と言う長い道のりを、考え手助けしてくれるかもしれません。人間の魂に訴えかける作品です。ハードカバー、二段の合計約1000ページの大作ですが、私は時間を忘れて読みふけりました。壮大な3人の人としての成長を描く超大作、一人でも多くこの物語を知って欲しいです。 | ||||
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以前ドラマを見た時にその重いテーマと、魅力的な配役に感動していたのですが、今回改めて原作を読みました。一言で言うと、これは「読書」ではなく「経験」となりました。主人公となる主要人物3人の痛みを、いつの間にか共有し、ともに育ってきたかのような錯覚にさえ陥ります。そこに綴られている現実は果てしなく厳しく残酷なものであるのに、だからこそ人間が持ちうる優しさ、希望のようなものが伝わってきます。それはそのまま作者の社会に対する、決して楽観的ばかりではない、けれども決して絶望しない強さを持つ優しい眼差しのような気がしています。この「経験」を経た今、私が社会に対する眼差しも少しだけ深くなれたような、人を、人生を大切にしたいと心から思えるようなそんな気がしています。 | ||||
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少年たちがトラウマを乗り越え生きていく様子がえがかれている。描かれているのは、いっけん今の世界に生きる我々には関係ないように思えるが、最近のニュースを見ていると、決して他人事ではないようにも思える。 そして、ちょっと考えすぎた言い方をすれば、この本と同じような事件はいつでも怒りえるのではないか。それだけ現実に即した物語なので、本の中の世界に感情が入りやすい。しかも、同じような悩みを抱えた子供が今もどこかにいるのではないかと考えると、どうにもやるせない気持ちになる。子育てのマニュアル本も良いが、暇があるならこの本をマニュアル本代わりにしてもらいたいものでもある。 本も厚くて、字も比較的小さいほうだと思うが、読みすすめていくうちにドンドン世界に引き込まれてしまう。なので、読み終えたあとも、すぐ「下巻」を読みにいける。むしろ上巻を読んだら下巻を読まずにはいられないだろう。 どこか病んでいる現実を、ちょっと離れたところから見るのにはこの本が良いかもしれない。むしろ、そーいった、離れたところから現実を見るという錯覚を経験させてくれるのがこの本だと思う。 | ||||
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恐ろしいまでに悲しい話で何度も背筋が凍る想いがしたが、本を読む手を止めることはできなかった。いたいけな幼い子供たちが、自分がこの世で生存していく価値があるのかと疑いを持たなければならないほどに、身体的、精神的に極限の状態に追い込まれ、もがき苦しみ、それでも自分たちは生きていてもいいんだと励ましあいながら必死で生きていく姿に、なぜ年端もいかない幼い子供たちがこんな苛酷な思いをして生きていかなければならないのか、ぶつけようのない憤りと救いようのない悲しみを感じ、こらえていたものを抑えきれなかった。この小説のような、絶対にあってはならない恐ろしいことが、今、現実化してきているように思える。現代の抱える闇だろう。すごい作品でしばらく忘れられない。 | ||||
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読み進むのさえ辛いほど、あまりにも悲しい、辛い、そして説得力のある小説でした。自己を受け入れられないままに、そして過去の傷がひいては自分にも牙をむかせるのではないかという不安におびえながら、何かにすがりつくように生きていく主人公達。癒える事のない心の傷跡。じっくりとすすむ話の展開が、彼らのぬぐえない過去の重みを息が詰まるほど思い知らせてくれる。彼らに、何とか幸せになってほしいとひたすら祈りながら読んだ。最後にあかされる真実がわずかながら救いと希望かもしれない。 | ||||
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何となく手にとって見て深く考えずに読み始めた本でした。内容すら知らないままに。話の主軸になるのは3人。看護婦の優希、弁護士の笙一郎、刑事の梁平。18年前に“あること”をして以来別れた別々の道。しかし、彼らには忘れることの出来ない記憶があった。そして、何気ない日常が一件の殺人事件と3人の再会によって動き始める。キャラクターがそれぞれ立っていて、骨太な人たち。非常に重厚なつくりになっているのでもどかしく感じるけれど、かえってそれが次への渇望に繋がる。何がきっかけで“その行為”に至ったのか?上下巻一気に読んでもらいたい作品です。 | ||||
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読んでいて悲しくて、辛い。でもどこかにわずかな救いもある、そんな作品でした。この作品の持つ重みは、単なるミステリーを超えています。人の抱える悲しみ、弱さ、世にある問題、そしてその根底にあるもの…といったものを深く考えさせられます。著者の眼差しは、作品中の登場人物を通して、傷付いている全ての人々に向けられていると感じました。涙も弱さも、受け入れてくれる一冊です。 | ||||
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予定を変更してまで、何度も涙を流しながら続けて上下巻読み切った。昨今、新聞やニュースで幼児虐待問題はよく取り沙汰されている。皆に読んでもらいたい。そして自分なりに考えてもらいたい。以前駅のお手洗いに入った時、小さな子供を二人連れた若い母親がいた。子供は泣きじゃくっている。母親は大声をあげながら子供を何度も殴っていた。泣くと更に殴る・・。理由はトイレをうまくできず、洋服を汚してしまったからだそうだ。私を含め、そのトイレ内に10人程いたが、誰一人として声をかけるものはいなかった。数分後、母親は駅の構内一人でを走っていた。その数メートル後ろを子供達が泣きながら追いかけていた。たまたま母親の虫の居所がわるかっただけかもしれない。し!かし私には未だに後悔の念が残っている。救いの手を差し出す事はできたのではないか・・・と。 | ||||
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子供が生まれる直前から生まれた直後に読んだ。親が子供にとって、どれだけ影響があるか、子供にどう接して行こうか考えさせられた本。子供が虐待を受けながらもどんなに親を慕い、そのために精神がゆがめられて行くのか、読んでいるだけで切なくなってくる。でも「生きていれば良いんだよ」という言葉は全ての救いになり、明日を子供と生きていこうと思わせる。子供の頃の環境と誤解が事件を引き起こし,それがかたられていく物語は圧巻。すごい本だとおもう。 | ||||
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主人公達はおそらく殆どの人の身の回りにいないような厳しい環境を生きてきた人々であるが、いやそれがゆえに、吐き出す言葉が普遍性を持っている。自分が家族をもち、家庭のことを真剣に考え始めたとき、また生きる目標を失ってしまったとき、この本を読めば、登場人物の吐き出すせりふに共感を覚えるだろう。普遍的な題材を今日的なエンターテインメントに仕上げてあると思う。 | ||||
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長い年月にわたる悲しい物語を丁寧に丹念に描いた物語です。私にもなじみがある高齢者介護の状況や四国(愛媛県)の自然の息吹などを記した箇所からは、綿密な取材の末に紡ぎ上げられた小説だということが見て取れます。ですからこの小説が絵空事という印象を与えず、地に足をつけた現実味を伴って読者に迫ってきます。 最後の一行はとても衝撃的ですが、その一行にもしかなり多くの人が安寧を与えられたのだとしたら、よくよく考えるととても怖い気がします。そんな一言で癒しを与えようとするこの小説が間違っているというのではありません。それほど多くの人々がこの一行に癒やしを得なければならないような世の中というのは、やはりどこか歪んでいるのではないかと思います。今の世の中のほうが間違っていることを、この小説は最後の一行で鋭く問うているのではないでしょうか。そう考えるとこの小説はとても恐ろしい迫力に満ちた作品だと思います。 | ||||
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発売されてかなり経ってこの有名な本を読んだ。感動モノ。非常に重苦しい、暗く悲しいテーマであった。父親に辱めしめられたり、あるいは虐待を受けたり、家にひとり置き去りにされたりして、精神が傷つき施設に入れられ、そして父親殺人(事実は違ったが・・・。)大人になっても、心の傷は癒えず、今度は本当に殺人を犯す。現在社会の抱える重くて暗いテーマがしっかりと描かれている。老人介護の問題もしかり。一気に上下巻を読み切る。さすがの天童荒太。 | ||||
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面白い。ぐいぐい引っ張られるように読み進む面白さである。老人介護と幼児虐待という現代社会の病巣を表裏のように描いている。いくつも現れる謎が光が差すように読み進むうちに見えてくるので、途中でやめられなくなる。 | ||||
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