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真珠郎
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真珠郎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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なかなか面白い小説です。短編ですが、繋がっています | ||||
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やっと、他社から、由利先生物とか非金田一物短編集とかハードカバーで入手できる様になりました。 角川文庫でも「金田一耕助ファイル」から漏れた、旧緑帯の「悪魔の降誕祭」「蔵の中・鬼火」「不死蝶」本作が元通りではないにせよ、杉本一文氏の表紙で復刻されるのは嬉しいのですが、これを期に再度、校訂し直しては? あと気になるのが、表紙画の黄ばみ、従前の緑帯の時のカバーの元は破棄してしまって、再度原画を撮影し直して再製したというのは本当なんでしょうか?「金田一耕助ファイル」も新しい解説文を入れて改版して欲しいですね。 真珠郎 (角川文庫 緑 304-16) | ||||
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長編の『真珠郎』(昭和11年~12年発表)と短編の『孔雀屏風』からなる。 『真珠郎』は、抜群に面白い。 戦前に書かれたもので、文章表現や構成で若干つたないような気がする部分もあるが、それでも、大学講師の主人公がおどろおどろしい恐怖に巻き込まれていくスリリングな展開にぐいぐい引き込まれる。 後半になって、探偵の由利麟太郎が関わってくる。 最後になって、それまで受け身だった主人公が大胆な行動をとるのも、読者を楽しませてくれる。 | ||||
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金田一耕助ほど有名ではないですが、戦前に活躍した横溝正史の名探偵、由利先生の物語。草双紙的な郷愁と耽美な雰囲気と、ロジカルな物語の展開が見事に融合を果たした傑作揃いです。 | ||||
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『真珠郞』…主人公・椎名耕助は、知人の誘いのままに隠遁する老医師の邸宅をおとずれ、真夜中の湖畔に絶世の美少年を目撃するが、それが血も凍るような連続猟奇殺人事件の幕開きだった…。 本作が書かれた戦前には、まだそういう表現はなかったろうが、狂気を宿した殺人鬼が巻き起こす惨劇を描いた、まさにサイコスリラーといった内容である。初読から何年たっても鮮明に記憶にのこる、“真珠郎はどこにいる”という印象的な書き出しのセンテンスや、真夜中の湖畔に舞い狂う無数の青白い蛍火のなかに立つ、真珠郞の妖気ただよう神秘な描写が、この作品全体の妖美なイメージを、序章において既に鮮烈に読み手の脳裏に焼きつける。後半、ミステリとしての謎解きや、ホラー的な要素まである本作だが、稀代の殺人美少年・真珠郞という存在だけで、もはや呪術的な酩酊感に捕らわれてしまう。 ある人物のドス黒い悪念によって、邪悪の化身となるよう育成された殺人鬼・真珠郞が、いかにも殺人狂らしい醜悪なビジュアルではなく、まさに真珠の輝きを思わせるほどの美形であることが、独特の肌寒い恐怖感をあたえる。また、戦前のやや古めかしさを感じさせる語り口調などが、日本的な錦絵のタッチで描かれた無残絵をイメージさせる独特の耽美浪漫の小説世界を形成しており、欧米のサイコホラーやサイコスリラーに直接的に感化された作品があふれる現代であればこそ、なおさらそうした作品の個性が際立ってユニークなものに感じられてくる。金田一耕助シリーズの陰に隠れてしまっている感のある由利麟太郎シリーズでも、『蝶々殺人事件』と双璧をなす傑作である本作が、より広く読まれ再評価されて欲しいものだと思う。 『孔雀屏風』…二つに裂かれ、別々に受け継がれてきた古い屏風が出会った時、そこに立ち現れてくる、ミステリ、宝さがし、そして時空を超えた不思議なラブストーリー。オドロオドロしい本格推理だけではない、作風の幅の広さを覗かせるユニークな短編。 | ||||
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本格的な推理モノとしても楽しめますが、登場人物の心理や風景の描写が素晴らしい。特に主人公(?)のヒロインを思う気持ちが切なく表現されています。おどろおどろしい内容でも、全体的に美しさが感じられ、後味の悪さがありません。 個人的には、横溝作品の中で五指に入る作品だと思います。 | ||||
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TVの金田一シリーズが大好きな子供だったので、予告編を見てすぐ本屋さんに真珠朗を買いに行ったら無くて悲しかったのを今でも覚えてます。 手に入れたら表紙絵が女だったのが残念だと思いました。 美少年づくし雑誌JUNEに出逢う前に耽美という言葉を知ったのも横溝作品だったような。 実写化するなら納得の美形でと常々思っとります。 | ||||
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謎解きや猟奇に傾いてしまうのが探偵小説というものですが、本作は文学的な味わいの深いものです。 事件が起こる前の旅行記の部分の描写も優れていて、ロマンがあります。 殺人美少年・真珠郎が通俗物のように暗躍するバージョンがあれば、それも読んでみたいものです。 とはいえ本作は本格推理の部分がしっかりしているので、通俗物にはならないでしょう。 金田一が登場していませんが、主人公の名前は耕助です。 | ||||
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横溝正史の戦前の作品で、金田一耕助と双璧をなす由利先生ものの傑作。 歪んだ復讐心のために、良心を持たない怪物として育てられた「真珠郎」が繰り広げる連続殺人…といえば、犯人は真珠郎で解決、といいたいところだが、さすが横溝正史。作品に一捻りも二捻りも工夫を重ねていて先を読ませません。 戦前の作品だけに、いささか時代がかっていますが、怪奇性は横溝正史の作品でもトップクラスで、あの時代にしか出せない雰囲気を醸し出しています。 | ||||
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横溝作品を数多く読んできたが、個人的には作者のベスト5に入る優れたミステリーだと感じた。 最後の方で、由利先生が椎名に対して「あなたは絶対に、御自分の眼で見られたこと以外には、信用してはならない」と語る場面がある。そのとおりで、真相を知ると、事件の様相ががらりと変わり、驚かされる。 この真相に持ち込むためのストーリーの組み立て方に作者の力量を感じた。 悪魔の心を持った美少年、真珠郎の存在が、幻想的で幻惑的な雰囲気を醸し出している。 短編の「孔雀屏風」は、二つに分け隔てられた屏風をめぐる美しくも悲しい物語で、こちらもすばらしい。 (真珠郎のネタバレ) 複雑な構図を持つ犯罪計画であり、犯人の告白を読むまでは、真相の全貌がわからなかった。 見事な首なしトリックで、それを実現させるための人物配置が巧妙。 第二の殺人事件以降に、乙骨が真珠郎の翳におびえる場面があるが、乙骨は真珠郎の正体を知っているわけであり、おびえる必要はなく、不自然ではないだろうか。 | ||||
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この文庫本には、昭和12年に『真珠郎』が出版された際の、江戸川乱歩による「序文」、装丁を担当した水谷準による「紫の弁」、著者自身による「自序」および、書下ろしエッセイ「私の探偵小説論」も併せて収録されている点が、何よりも嬉しい。私はすでに角川文庫版『真珠郎』を持っていたが、扶桑社版の収穫は、上記の点にあった。 小説自体の素晴らしさは言うまでもない。 テレビでは、探偵役を金田一耕助に変えて何度かドラマ化されているが、原作の由利麟太郎はさらにスマートな人物として描かれている。「鋼鉄のような眼」と表現される鋭い表情、鮮やかな切れが、本作をきりっと引き締める。 江戸川乱歩が「前半の飛び切りの怪奇に付加えるに、後半の立派な探偵小説的魅力を以てしたのです」と評するに相応しい探偵役と言えるだろう。 | ||||
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ちょっと急いで展開をしてしまったという印象を受けました。 主人公は一応男女二人…なんだと思いますが 早く言えばどちらの行動も共感を覚えることは出来ませんでした。 恋は盲目と言いますか、主人公男は自分の感情で突っ走り、 主人公女は悲劇の主人公ぶってはいますが、 結局自分のために他人を不幸にすることを厭わず…とそんな感じです。 この中で最も不幸だったのは、タイトルの真珠郎なのでしょうね 死体が出た時に今後の展開を予想するのはたやすいです 特に横溝作品を読みなれた方であればそうだと思います 作品を読む順番にもよるとは思いますが、出来るならこの作品は最初に読んでおいた方が がっかり感は少ないと思いました | ||||
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大好きな作品『真珠郎』。作品もさることながら、杉本一文氏の表紙の真珠郎に魅せられました。今年(2012年)は横溝正史生誕百十年記念ということで、角川書店さんが期間限定でかつての杉本一文氏の表紙カバーをつけて、横溝正史作品を出版されてますが、横溝正史生誕百十年記念ついでにこの『真珠郎』も復刊してほしいなあ…としみじみ思います。もちろん杉本一文氏のこの表紙絵で。扶桑社から『真珠郎』復刊されてましたが、それも現在は入手しにくくなっているため、是非とも復刊を望みます。この戦前の傑作というべき魅力的な作品『真珠郎』が、杉本一文氏の表紙絵とともにもっと幅広く知られてほしいと思います。 | ||||
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杉本一文の表紙絵が『真珠郎』謎解きのヒントとなっています。 | ||||
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本書には戦前の探偵小説が5編収められているが、いずれもテイストは戦後のものと変わらないのが興味深かった。著者の場合、物語の結末があざやかなら名作で、その逆なら駄作と見てよく、どちらにせよ、主眼は結末よりもそこに至るまでのストーリー運びにあるように思う。つまり、読み手を夢中にさせようとするサービス精神がこの人のよさで、それは戦前も戦後も一貫しているということ。だから、それぞれの作品を読み終わって「すごかった」となるか「なんだかなあ」となるかは人によってちがうだろうが、結末までページを繰る手が止まらないというのは保証できる。 それにしても、金田一も好きだけど、由利先生もけっこういい味、出してるよ。自信満々でズバズバ推理を進めるところがたのもしいね。 | ||||
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横溝正史には、戦前に執筆した、耽美、怪奇趣味の非常に強い一連の短編群があります。 これらの作品にももちろん、それなりの魅力はあるのですが、 戦後になって、脂の乗り切った筆で執筆された氏の代表作の数々。「本陣殺人事件」に始まる長編金田一モノの圧巻の完成度と比べれば、やはり一歩も二歩もひけをとるように感じられるのは仕方のないところなのでしょう。 しかし、昭和11年から12年にかけて執筆されたという、この「真珠郎」だけは例外。 戦後の傑作にも決して引けをとることのない、秀逸な出来栄えです。 探偵、由利麟太郎が登場しますが、謎ときや複雑なトリックを楽しむ、いわゆる本格推理モノではありません。 強いて例えるなら、後年の「八つ墓村」に近いタイプかな。 怪奇と幻想に彩られた、ダイナミックな冒険小説。そんな感じの作品です。 実際、読み進んでいくと、何箇所かに「八つ墓村」を彷彿とさせる情景描写があります。 横溝さんってこういう道具立てが好きなんだなあ。 思わずニンマリさせられます。 いずれにしてもこの作品には、戦後の金田一モノで完成する、壮麗にして豊饒な横溝ワールドの萌芽が、既にはっきりと認められます。 凝りに凝った美文と、息もつかせぬストーリーテリングの妙。 自信を持っておすすめできる傑作です。 | ||||
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横溝正史には、戦前に執筆した、耽美、怪奇趣味の非常に強い一連の短編群があります。 これらの作品にももちろん、それなりの魅力はあるのですが、 戦後になって、脂の乗り切った筆で執筆された氏の代表作の数々。「本陣殺人事件」に始まる長編金田一モノの圧巻の完成度と比べれば、やはり一歩も二歩もひけをとるように感じられるのは仕方のないところなのでしょう。 しかし、昭和11年から12年にかけて執筆されたという、この「真珠郎」だけは例外。 戦後の傑作にも決して引けをとることのない、秀逸な出来栄えです。 探偵、由利麟太郎が登場しますが、謎ときや複雑なトリックを楽しむ、いわゆる本格推理モノではありません。 強いて例えるなら、後年の「八つ墓村」に近いタイプかな。 怪奇と幻想に彩られた、ダイナミックな冒険小説。そんな感じの作品です。 実際、読み進んでいくと、何箇所かに「八つ墓村」を彷彿とさせる情景描写があります。 横溝さんってこういう道具立てが好きなんだなあ。 思わずニンマリさせられます。 いずれにしてもこの作品には、戦後の金田一モノで完成する、壮麗にして豊饒な横溝ワールドの萌芽が、既にはっきりと認められます。 凝りに凝った美文と、息もつかせぬストーリーテリングの妙。 自信を持っておすすめできる傑作です。 | ||||
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「真珠郎」と「孔雀屏風」の2篇が収められている。 「真珠郎」は戦前の横溝作品のなかでも傑作のひとつとして有名。由利先生もの。 登場人物の造形、意外な真相、ひとひねりあるプロット、叙情性とグロテスクさと、非常に完成度が高い。読後感も素晴らしい。 途中で何となく真相が見えるような気がするのだが、最後にあっとうならされる。良く考えられたストーリーだ。忘れてはならない作品だろう。 「孔雀屏風」は、戦時中という色彩が濃い小篇。結末には何だかガッカリ。 | ||||
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「真珠郎」と「孔雀屏風」の2篇が収められている。 「真珠郎」は戦前の横溝作品のなかでも傑作のひとつとして有名。由利先生もの。 登場人物の造形、意外な真相、ひとひねりあるプロット、叙情性とグロテスクさと、非常に完成度が高い。読後感も素晴らしい。 途中で何となく真相が見えるような気がするのだが、最後にあっとうならされる。良く考えられたストーリーだ。忘れてはならない作品だろう。 「孔雀屏風」は、戦時中という色彩が濃い小篇。結末には何だかガッカリ。 | ||||
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クイーン『エジプト十字架の謎』を下敷きにした作品。 『エジプト十字架』といえば、何といっても《顔のない死体》トリックですが、 本作でも、そのパターンが踏襲されるとともに、それを意識させることで、 読者をミスリードしていく、もう一つのトリックが仕掛けられています。 すでにタイトルの段階から、そのトリックは仕掛けられているわけですが、 人を殺すためだけに育てられた美少年・真珠郎という殺人鬼の造形も含め、 映画化もされた現代本格ミステリの某作品を彷彿とさせます。 怪奇趣味が過剰で、解明部分のロジックが弱いため、本格ミステリとしての 評価は低い本作ですが、見逃せないトリックの工夫がなされていることは、 特記すべきだと思います。 | ||||
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