■スポンサードリンク


事件



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

事件の評価: 4.58/5点 レビュー 33件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.58pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 1~20 1/2ページ
12>>
No.33:
(5pt)

谷本裁判長

この小説の肝は、谷本裁判長と言っていいと思います。弁護側の、事件と一見関係のなさそうな尋問を、「私も聞いてみたいと思います」と言って、検察の異議を何度か却下します。小説の体を成すには、証人に話させるか、地の部分に書くかするしかない訳ですが、谷本裁判長が誘導し、証人が話す割合を多くしていると感じます。それに、イチケイのカラスよろしく、職権で現場検証までします。なんと柔軟な裁判官でしょうか。イチケイの入間みちおはどちらかというキワモノ扱いですが、谷本裁判長は高裁への栄転が決まっている、本流の裁判官なのです。
 小説の作り方から見ると、弁護人にあまり手柄を持たせると、裁判としてのバランスが悪いと思ったのでしょう。そのバランスをとるのに、谷本裁判官を少しばかり弁護側に寄せておいて、事実認定から、妥当な判決を導き、それが不自然に見えないようにしたのだと思います。この辺は、大岡昇平さんという、小説家のなせる技なのだと思います。日本推理作家協会賞を獲ったとありますから、わかる人はわかるんですね。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.32:
(5pt)

人の世はウソとマコトの綾綴

この作品には、二つの貌(かお)があります。一つは裁判小説という貌、もう一つは青春小説という貌です。
 作品の全体的な印象は裁判小説としての貌がまさっているのですが、しかし連載開始当初の題名は「若草物語」だったとか。作者の脳裏には、十九歳の男女(宏とヨシ子)が織りなす恋愛悲劇に焦点を当てたいとの思いもじゅうぶんにあったのではないでしょうか。
 裁判であつかわれるのは、ささやかな「事件」です。宏が恋人ヨシ子の姉を刺殺した。でも彼は、刺した瞬間を覚えていない。なぜ刺してしまったのかも、よくわからない。気がついたら相手が足もとに倒れていたというのです。
 裁判では、殺意の有無、犯行にいたったいきさつ、目撃者や関係者の証言、数々の証拠品などをもとに「真相」を探ります。検事、弁護士、裁判官の心理も、小説のなかでは克明につづられます。
 日本の法曹界(昭和三十六年=一九六一年=当時)の実状も、いたってくわしく描写される。驚くほどです。さぞかし大岡昇平さんは調べられたんでしょうね。英米法などとのちがい、また戦前・戦後の法体系の変化についても言及しています。
 じっさいこの作品は出版後も、法曹関係者の意見や指摘を受けて、何度も手直しされてきたということです。そのことが「あとがき」に吐露されています。
 
 この作品にふれて、いろいろ考えさせられました。
 まず「殺意」の有無について――。殺したいとの意志は、被疑者にあったのか、なかったのか。二者択一で判定することは、おそらく不可能なのでしょう。
 そもそも「意志」とは何か。人が実行したことは、その人の意志による、と百パーセントいえるのかどうか。
 たとえば、お昼はラーメンにしようか、カレーにしようか、迷っているきみがいる。やがてきみは「ラーメンにしよう」と決めた。その決断は、百パーセントきみの「意志」によるものなのか。
 きのうはカレーを食べたので、きょうの胃袋はなんとなくラーメンを欲した。となれば、きみの自由な意志による選択ではなく、胃袋に引きずられた結果といえるでしょう。
 あるいは、たまたま昼飯を一緒にすることとなった同僚の思いを、無意識のうちに忖度した結果……ということも考えられる。
 ようするに、個人の百パーセント自由な「意志」はありえないということなのです(くわしくは國分功一郎『中動態の世界――意志と責任の考古学』=医学書院=をご参照ください)。
 すなわち「あった/なかった」という二者択一で殺意の有無を判定することはできない。厳密に言語化するなら、たとえば意志の濃度なるものを考慮して、それを数値化するしかないのでは? 殺意二五%とか、殺意五六%とか、殺意九七%とか。しかもそれは時間とともに変化するはず。殺意一〇〇%、もしくは殺意ゼロ%の二つのパターンのみがあるわけではない。
 宏の行為は、殺人罪にあたるのか、それとも傷害致死罪か、過失致死罪か。
 殺人罪は殺意があった場合の罪。傷害致死罪は、殺意の有無に関わらず、傷害の結果として相手が死んでしまった場合の罪。過失致死罪は、暴行や傷害の意図はなかったのに、どうしたはずみか相手が死んでしまった場合の罪。この三つの罪でさえ、正確に判定するのはむずかしいのではないでしょうか。
 なぜか。そのむずかしさは、そもそもわたしたちホモ・サピエンスが使っている「言語」に由来するものであると思われます。言語で表現できることは、じつはあいまいなのです。「犬」といっても、人により思いうかべる犬のすがたはさまざまです。言語には虚構性がつきまとっている(このへんのくわしい話は、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』=柴田裕之訳、河出書房新社=をご覧あれ)。
 裁判は、いうまでもありませんが、「言語」を使って進行します。しかしことばには、どうしても虚構がまぎれこむ。はっきりいえば、ウソがまぎれこむ。意識的であれ、無意識的であれ、まぎれこまざるをえない。ホントのことばかりを百パーセント語りつづけることは不可能なのです。
 ある人は、ウソには「黒いウソ」と「白いウソ」があるといいました。「黒いウソ」とは、自分のためにつくウソのこと。「白いウソ」とは、人のためにつくウソのこと。おそらくその中間にも「灰色のウソ」なるものが、さまざまな濃度をとりながら限りなくある。
 仏教用語でウソは「方便」といいます。方便には三種類あるとのこと(法用方便、能通方便 、秘妙方便。くわしい説明ははぶきます)。それぞれ存在価値のあるウソなのです。
 ウソをただちに「悪」と断定することはできません。ホントのことだけをいって人生を歩んでいくこともできないでしょう。
 法曹界には「被告人は弁護士に真実の七分を言う。検事には五分を言う。そして法廷に出るのは三分にすぎない」との言葉があるそうです。
 まことに、人の世はウソとマコトの綾綴(あやつづり)なのです。

 國分功一郎さんは別の本(対談集)で、こんな体験を語っています。ある講演会でのことだったそうです。

 ……最後の質疑応答で、「私は犯罪の加害者なんです」と前置きされてから感想を述べてくださった中年の男性がいらしたんです。僕はその講演で、「自由意志というのは存在しません」という話をしたんですが、その男性はその話を聞いていて、涙してしまったと言うのです。そしてこんなことをおっしゃいました。「自分はずっと罪の意識を持たなければならないと思ってきたけれども、それがどうしてもうまくできなかった。ところが講演を聞いていて、自分ははじめて罪の意識を感じた。自分が悪いことをしたと感じた」とおっしゃったんです。僕はびっくりした。
 ……………………
僕は刑務所に行ったこともないし、その方が刑務所でどう過ごしていたのかもわからない。でもその人はずっと「お前は悪いことをしたんだ、反省しろ」と周りから言われ続けてきたのではないか。そしてもちろん自分でも、反省しようとしていたのでしょう。けれども、そう言われたからといって人間は反省できるわけでもないし、そもそもなぜ自分がそんなことをしてしまったのかもわからないかもしれないし、きっとどうやって反省したらいいのかもわからない。
 おそらくその方は「お前は自分の意志で犯罪を犯したのだ」と周囲から言われ続けてきたのでしょうし、自分でもそう思っていたでしょう。だから、むしろ逆に「自由意志など存在しない」という話を聞いて、意志が免罪されたときに、逆に自分が犯した罪を引き受けようとする責任感が生まれたのではないか。そう思ったんです。
 (國分功一郎+熊谷晋一郎『〈責任〉の生成――中動態と当事者研究』新曜社)

 胸にこたえる話です。「責任とは何か」「責任をとるとはどういうことか」を考えさせられました。
 主人公の宏も自責の念にさいなまれます。ヨシ子のおなかには新しいいのちが宿っている。「おれみたいな父親を持った子供は、ふしあわせだ」となげくのです。
 人を殺してしまったという現実と、責任をどうとればいいのかという気持ち――。その折り合いを、どう付ければいいかがわからない。大岡昇平さんの作品は、その微細かつ微妙な心理をも描いてやみません。
 宏が川越の刑務所に収容されたのち、この作品の末尾には恋人ヨシ子のその後が、ほんの数行、記されています。

 ヨシ子は面会に行く便宜を考えて、川越に近い飯能(はんのう)丘陵の中腹の、雑木林の中に建った保育園に勤めることにきめた。彼女には子供に歌やダンスを教えるような教養はなかったが、雑役婦として無償に近い給料で住み込んで、自分の子供を育てながら、ほかの子供たちに少しでもいい食事を与え、清潔な部屋で遊んで貰うように努めることに、宏の出所を待つ間の生き甲斐を見付けて来た。……

 わたしは涙がこみあげました。ヨシ子、がんばれよ! 宏も、まだ若いんだから、新しい気持ちで人生をスタートしろよ! 生まれてきた子を大切に、立派に育ててね。
 祈るような気持ちで、わたしはページを閉じました。
(了)
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.31:
(5pt)

裁判小説

大岡昇平の本は「野火」「俘虜記」をずいぶん前に読み、数年前に戦争について語った本『戦争』、短編集の『靴の話』を読んだ。
この小説は、戦争物ではなく、少年が犯した殺人事件(19歳)を題材にとった裁判小説。事件の概要がはじめに示され、具体的内容については裁判を通して知らされる。
ミステリー、あるいは推理小説とも呼べるだろうが、大岡は非常によく裁判制度について学んで、小説の中でその在り方に対する問題提起も行っている。なので、読者は途中からドキュメンタリーのような気になる。
もともと朝日新聞の夕刊に1961〜62年にかけて「若草物語」という題名で連載された小説。「集中審理方式」の是非、それから「松川事件」の裁判についてはしつこいほど言及される。
文庫で550ページを超える大部の小説だけど、興味深く読み進められた。それはやはり大岡昇平の作家としての力量の確かさによる。過剰な装飾やレトリックを用いずに読ませるのはやはり力があるからだろう。
単行本化されたのは、なんと新聞連載から15年後の1977年。翌78年に日本推理作家協会賞受賞。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.30:
(3pt)

商品状態の評定

古い本なので仕方がないですがもう少しランクが下かなと思いました
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.29:
(5pt)

神奈川県民におすすめの一冊

ストーリーだけではなく、神奈川県の長後地区の昭和30 年代当時の描写が興味深く、楽しめます。神奈川県民におすすめの一冊だと思います。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.28:
(1pt)

う~ん、いまいち引き込まれなかった

この小説は、推理小説なんだと思うのですが引き込まれていかない。ちょっと古い描きかたなのか、う~んただ単に面白くないかな。つぎはどんな展開が・・・てきなのがなかったですね。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.27:
(5pt)

「事件」というタイトル

最近、昭和時代に観た映画の原作を読むことが多いですが、この「事件」も読みたかった本の一つです。映画版は野村芳太郎監督作品の中でも名作「砂の器」と双璧の傑作と言っても過言は無いと思います。
法廷ミステリーの分野である本作は、映画とほぼ変わらない内容で、40年の歳月が過ぎたにも関わらず、記憶と照らし合わせて当時のストーリーを思い出させてくれました。
映画版は三角関係の男女の悲劇をするクローズアップされていますが、原作では法廷での硬派な司法の学術的な論述が多く、素人では少し読みにくいです。後書きを読むと元々「若草物語」と言うメルヘンチックなタイトルで新聞に連載されていたらしいですが、その連載中に日本の裁判の実情の不合理を描きたくなり、法廷での論争がメインに描かれたとされています。
ストーリーの方向転換があったにもかかわらず優れた作品に仕上がっているのは、著者の抜きん出た才能だと思いますし、裁判に関わる描写や用語解説などはたとえ専門家の助言があるにしてもここまで完璧になし得るものでは無いでしょう。
更にストーリーは起承転結が明確で気の抜けない盛り上がりで途中から一気に読んでしまいました。
少しネタバレになるかも知れなく申し訳無いですが、映画でキーマンになったのは昨年亡くなられた俳優さんの配役ですが、本作を読んだ時も映画と同じその役でのシーンで鳥肌が立つぐらい盛り上がりを感じました。とても面白い作品です。
尚、「事件」と言うタイトル、本作は殺人事件では無いのでこのタイトルになったと考えます。それは読めば分かります。

それと余計だと思いますが、三角関係にあった姉妹、映画では松坂慶子、大竹しのぶがされてましたが、近年でもし映像化するなら広瀬アリス・すずでどうでしょうか?各々キャラクター的にも合致してますし、リアル姉妹でもありますから。。。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.26:
(5pt)

中古本と思えない

以前に読んだ本ですが、いつの間にか処分していました。今回、大岡昇平氏の本を再読するにあたり、注文させていただきました。中古本で大丈夫かとも思いましたが、購入してみると思ったよりずっときれいな本で、重厚でスリリングな作品を夫婦で楽しんで読ませていただいております。
事件 (1977年)Amazon書評・レビュー:事件 (1977年)より
B000J8UL8E
No.25:
(4pt)

リアルな裁判物

まず、事件そのものが地味だし、カッコいい弁護士が登場するでもなく、劇的な大逆転があるでもない、昭和36年のお話ですが、それから現在まで、裁判が相当に変わっているのだろうとは思いますが、そうした中でも、目から鱗が落ちるようなリアルな裁判のお話でした。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.24:
(5pt)

リメークして映画製作してほしい、

20年前に一度読んで再読、裁判の、尋問の場面は、読み込んでしまう。
事件 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (創元推理文庫)より
4488481116
No.23:
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.22:
(5pt)

問題提起の書

図書館から借りてきたビデオ『事件』(1978年東映)がなかなか面白かったので、原作の大岡昇平の小説『事件』-case-を読み返してみました。と言っても昔読んだ記憶も曖昧で初めてという方が正確か。昭和36年~37年に新聞連載されたものを、昭和52年に加筆修正、『事件』と改題して刊行、ベストセラーとなり翌年に映画化。少年の殺人と死体遺棄被告事件の審理について、検察官と弁護人の法廷内外の攻防、判決に至るまでのプロセスをリアルに描いていて、裁判とは、捜査、論告とは如何にあるべきかという問題提起の書としても読み応えがあり、久しぶりに充足感がありました。
本書は文庫版ですが、活字が小さくて私には辛いので、実は再読の際は、大判の筑摩書房の大岡昇平全集(第6巻所収)によりました。読みながら考え、考えながら読む400ページ、少し疲れました。この作品は、大岡氏の作家として本格の取り組みのひとつかと思います。内容について次のような記述が印象的でしたので挙げておきます。

『野口判事補が何年たってもいやな気持を経験するのは、法廷で最初被告人と顔を合せる時である。罪が軽ければ保釈が許されるけれど、大抵は1ヶ月ぐらいの拘留を経て来ている。長い拘禁生活と、警察官と検事の取調べに、被告人はほとんど打ちのめされた姿になっている。..... いかめしい法廷に出て暗闇から突然日光の中に引きずり出された人間のように、戸惑ったような表情のいたましさに、野口判事補は、いつまでも馴れることができない。...... 裁判官がまず被告人から取り去ろうとつとめなければならぬのは、この怯えた気持である。』(公判)
『証人は公判廷で、供述調書のとおりを述べることを要求されている。..... 供述したことはなかったと思い直したとしても、一度言ったことを変えるのは、なにか悪いことをするように感じるものである。また一度筋道を立てて話すと、それが確乎不抜の真実のように思えてくるのは、万人共通の心理である。』(殺意)
『現在の司法修習制度で、これ以上判事の数がふえる見込みがないとすれば、英米のような陪審制、あるいは独仏流の参審制によって、民間人を裁判に関与させる方法が、関係方面で研究されたということである。しかし現在の民間に陪審員の資格者がどれだけいるか。すでにアメリカの陪審制について、地元のアメリカの法曹界から批判の声が上がっている。十二人の市民によって有罪無罪の評決をさせ、裁判官が刑をきめるというシステムは、最も民主主義的のように見えるが、素人はとかく法廷で被告人や証人に対して抱く感情に支配され易く、証言の持つ意味を理解しないことが多い。評決に入るに先立って、裁判長が「説示」して、問題点を要約するのだが、それも大抵は理解されない。あるいは法廷で言われることを全然聞いていず、居眠りしている陪審員もいる。しかも彼もまた一票の力を行使するのである。被告人はやはり職業的裁判官によって裁かれる方が幸福である、という考え方が日本では支配的である。』(証拠調)

引用が過ぎましたが、2009年5月にスタートした『裁判員制度』は、すでに8年を経過しています。その現状を踏まえた上で、この40年前のこの作品を再読、少しも古びていないその問題意識、作家の眼というものに改めて驚きを感じています。
ちなみに『事件』の各項の見出しは、順を追って、事件、判事補、公判、冒頭陳述、証拠調、弁護士、被害者、証人、尋問、休憩時間、午後の法廷、殺意、間奏曲、新生活、新事実、現場検証、被告人質問、論告、最終弁論、合議、判決、真実。

映画もなかなかの佳作。キャストは、裁判長に佐分利信、検察官芦田伸介、弁護人に丹波哲郎。被告人永島敏行、被害者に松坂慶子、証人には大竹しのぶ、北林谷栄、森繁久弥、西村晃、渡瀬恒彦そして乙羽信子。ベテランの裁判長と新進の陪席裁判官、判事から転進した弁護士、民間からの出戻り検事、証人たちの心理、葛藤なども丹念に描かれている原作を読んでから、再度ビデオを観るのもいいなと思いました。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.21:
(5pt)

面白くて引き込まれました

ドラマになったことは知らず、俳優のイメージは無く読みました。法廷でのやり取りが興味深く、引き込まれました。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.20:
(5pt)

事件

新潮文庫の小説を探して居たのでとても良かった。気に入っている。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.19:
(5pt)

読み応えアリ

映画が面白かったので原作を読みたくなりました。読み応えがあります。面白いです。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.18:
(5pt)

小説的興趣と解説書的明解さが両立

出だしは少しとっつきにくいかもしれませんが、法廷シーンに入ると、ページを繰る手を止めることができません。そのくらい小説的興趣に富んでいると同時に、この小説が書かれた当時の刑事裁判の仕組みについての解説書としても、実にわかりやすく、「そうか、そうか」とうならされます。「洗練されたストーリーテラーであると同時に、調査と解説の大名人」という大岡昇平の美質が結実した作品だと思います。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.17:
(5pt)

ミステリー風の事件・裁判ものの佳作

19歳の少年が結婚に反対する彼女の姉を殺害した容疑で逮捕された。この事件を巡る裁判をドラマチックに描いたミステリー風の佳作。裁判から、いかに真実を解き明かせるのか、重厚な文体で問いかけてきます。丁寧に読む必要性を感じさせる作品で、無理をしてでも読む価値の高い優れた内容の本です。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.16:
(5pt)

非常に面白い

ひとつの殺人事件を裁判を通して最初から最後まで書き表された作品です。
一つ一つの物事がかなり細かく語られ、少しうっとうしく感じるときもあったが、
最終的にはそれだからこそこの作品がすばらしく仕上がってるのだと感じた。
被告人弁護士が巧みな証人尋問で次々に新証言を得るところも小気味よく面白い。
自分が抱いていた先入観がどんどんひっくり返されていくのも快感。
小説を読んでいるのに、現実に証人たちの表情を見ているような鮮やかな表現力に、
ときどきハッと息を呑むような場面もあった。
それでもどれだけ証拠を積み上げても真実というのは・・・と
複雑な心境になり読後も考えさせられる作品だった。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.15:
(5pt)

非常に面白い

ひとつの殺人事件を裁判を通して最初から最後まで書き表された作品です。
一つ一つの物事がかなり細かく語られ、少しうっとうしく感じるときもあったが、
最終的にはそれだからこそこの作品がすばらしく仕上がってるのだと感じた。
被告人弁護士が巧みな証人尋問で次々に新証言を得るところも小気味よく面白い。
自分が抱いていた先入観がどんどんひっくり返されていくのも快感。
小説を読んでいるのに、現実に証人たちの表情を見ているような鮮やかな表現力に、
ときどきハッと息を呑むような場面もあった。
それでもどれだけ証拠を積み上げても真実というのは・・・と
複雑な心境になり読後も考えさせられる作品だった。
事件Amazon書評・レビュー:事件より
4103037024
No.14:
(5pt)

真実とは

週間文春1977年 総合9位
第31回日本推理作家協会賞 長編賞
昨今の裁判員制度の興味から本作品を読んでみた。昭和36年の事情なので、現在とは違うのだと思うが、人が人を裁く難しさを痛感した。テレビの法廷ドラマとは違う、淡々としたリアルさが胸にせまる。”真実”とはなんだろう。
大傑作である。
事件 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:事件 (新潮文庫)より
410106508X

スポンサードリンク

  



12>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!