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(短編集)

症例A



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【この小説が収録されている参考書籍】
症例A
症例A (角川文庫)

症例Aの評価: 4.24/5点 レビュー 71件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.24pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全58件 21~40 2/3ページ
No.38:
(5pt)

読みながら、いろいろと考えてこんでしまった

精神科医の榊は、病院の問題児である少女・亜左美を担当するが、前任者の下した診断に疑問を抱きはじめる。
彼は臨床心理士の由起と力を合わせ、亜左美の病根をつきとめようとする。
医療サスペンスでは、外科医が主人公になることが多いが、この作品では精神科医が主人公だ。
精神科医、その患者の心情、苦悩があまりに克明に描かれている。
読んでいると、思わず顔をしかめてしまう。
こんなこと書かないでくれよ。
それでも読むのをやめられない。
博物館がどうとか、解離性同一性障害がどうとかに、かなりページを割いている。
全体としては、ミステリー小説仕立てになっている。
ミステリーとしても面白いとは思う。
だが、それを一切なくして、医療モノとして読んでみたかった。
それでも充分に、むしろその方が引きつけられると思う。
読みながら、いろいろと考えてこんでしまった。
もう一回じっくり読もうと思います。
症例A (角川文庫)Amazon書評・レビュー:症例A (角川文庫)より
4043690010
No.37:
(4pt)

知らなかった症例

一気に読めました。
人間には,本当にいろんな病と言うか,症状があるんだな、、、、と思いました。これは小説だけれども、実際にもこのような症例の人間が居るという事が解りました。解決策はどこにでもあるわけではないけれど。
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4043690010
No.36:
(4pt)

リアルだが、最後が残念。

精神医学のことはよくわからないが、こういった事例はたくさんあるのだろうか。
それにしても患者亜左美の人を振り回す悪質さ。不覚にも読んでいるだけで腹が立ってきた(苦笑)。榊が亜左美の診断にとまどう姿はリアルに感じた。亜左美のあの行動の数々は、簡単に病名の診断を下すことができない支離滅裂さだ。
そして臨床心理士の広瀬由起。初めは主人公の精神科医榊と協力して患者の治療に当たる役割なのだと思っていたが、まさか広瀬自身も精神医学的問題を抱えていたとは・・・。
こんなにリアルで読み応えのある作品だが、途中から「おやおや」という展開になってくる。亜左美と広瀬に共通する症状。そんなにこの症例には頻繁にお目にかかるものなのか?と。ただ、精神分析医の岐戸と榊の、多重人格についての真剣なやりとりはかなりページが割かれていて読み応えがある。
最後の方の榊の亜左美と広瀬に対する対応は、精神科医としてはどうかと思う。精神科医が患者に対して保つべき距離を越えて相手に踏み込んでしまっているように感じる。実際の治療場面ではどうなのだろうか。この作品には患者の治癒という結末はないが、今後の治療にはマイナスではないかと感じた。続きがあるとするならば、これは主治医交代か、治療失敗、榊の精神的破滅といった悲劇に向かうような、そんな気がしてならない。
博物館の方のエピソードと2本立てで話は進むが、精神科病棟の話だけで読んでみたかった作品。
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No.35:
(4pt)

丁寧な作品

 精神病棟を舞台にした「症例A」を丁寧に描いた作品。
 一般的に医師や看護師といった医療職でなければ、仕事としてそういった症状と接することはないが、ケースワーカーの仕事をしていた際に接した人々を思い起こすと、仕事として接することの難しさを思い出してしまった。
 多重人格を核に、統合失調症(かつての精神分裂病)、人格障害、躁鬱といった心の病を、丁寧な距離感で物語に溶け込ませている。「病気」「異常」として突き放すこともなく、「普通」とだますこともなく絶妙な距離感で描いており、しっかりとした取材をされているんやなぁと感心。
 ラストについて賛否があるようだが、小説として描くのであれば、個人的にはあのラストしかないんじゃないかと思います。安易な「治療」や「治癒」を描くのは違う気がしますので。
 それよりも、首都国立博物館の遙子の視点でのストーリーが中盤で一気に失速してしまう方が気になるんですよねぇ。
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No.34:
(4pt)

面白い作品では、あるが・・・。

作品全体を通して、緻密に取材されている作品である。しかし、後半に入って、急いでる様な感じで、謎解きが始まり、なんとなく、尻切れトンボで、終わってしまう様な感じは、否めない・・・。欲を言えば、登場人物のその後も、知りたい。
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No.33:
(5pt)

いまさらですけど

書きます。
DIDを取り上げたものすごい小説がある。
しかもその参考文献に、私の尊敬する、ある精神科医師の著書が挙げられている。
というのはずいぶん前から知っていたが
職業柄多忙で後回しになり、やっとこの2日間で購入・読破することができた。
荒廃した精神病院の現実の有様、その中で葛藤しS病院にたどり着いた榊医師と
S病院で待ち受ける亜左美の判別困難な行動や言動。
統合失調症・ボーダー・DIDの判別の困難さひとつをとってもリアリティーにあふれ、
シビアな現実の中で、
誠実に精神科医療や亜左美をはじめとする患者に向き合おうとする榊医師には
勇気付けられ 目頭が熱くなった。
確かに結末に腑に落ちなさも感じるが、
このあとの榊医師に予想される苦難の数々を思うと、
半端ゆえに残る不安感に妙に納得したりもした。
榊医師の鬱症状が悪化しないことを切に祈る。
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No.32:
(5pt)

リアリティ故に

心の病に関わる医師や、患者の苦悩等の描写がものすごくリアルなので、
小説に書かれた出来事から、距離を保ちつつ読まないと、ちょっとまずいかも。
特に、精神疾患に心当たりがあって、知見を得るために、この手の小説を読む癖のある人、
物語を用いて自己分析をする癖のある人は、読まない方が良いと思った。
リアルすぎるが故に、フラッシュバックの恐れがあるかもしれない。
精神病について知りたい人は、スリリングなストーリーと
膨大な情報量がとても魅力的に映るだろうけれど、
とにかくリアルすぎる。
フィクションとしてはとても読み応えがあるし、
薄っぺらい眉唾小説とは違う事がわかるので、オススメですが、
警告はした方がいいかなぁと思ったので、書かせていただきました。
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No.31:
(5pt)

「科学」と「文学」との狭間で

 この作品はそのリアルさもさることながら、二つの点において一際優れている。
 まず一つ目は、登場人物が全員「上品」であることだ。
 精神病院というある種の「異質な空間」が舞台となっている中において、「悪」や「偽」はなく、誰もが懸命に「生きようと」あるいは「職務を全うしようと」している。
 読んでいて非常に「品」を感じるのである。
 そして二つ目に、精神病院と博物館をパラレルに描いたことである。
 この対比は主人公・榊医師の心理描写と一致する。
 つまり、初めは「科学的心理学」の立場をとり、精神分析に対して懐疑的な主人公が、次第に「美術」という「非科学的」な分野と接触を持つようになるのである。
 このような「解釈」を榊医師は嫌うかも知れないが、このような解釈がかすんでしまうほど
 名著である。
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No.30:
(4pt)

「多重人格」さえ無ければ

精神医療に真摯に取り組む一人の精神科医を主人公にして、その精神科医が総合失調症や境界性人格障害と闘う姿と、東京都博物館における真贋騒動をカットバックで描きながら、両者を見事な線で結び付けると言う構想力豊かな作品。真贋の謎が、主人公の前任者の不慮の死の謎と密接に関係する辺り巧みだと思う。
また、冒頭から披露される精神医学に関する作者の勉強量・知識の豊富さには感心させられる。本書に対する作者の力の入れ方が分かる。ある意味、"虚しい闘い"である精神医療の現実が良く表現されている。しかし、「多重人格」が出て来る時点で幻滅させられた。本書で「多重人格」を登場させる必然性があったのだろうか ? 本書が刊行されたのは2003年だと思うが、現在の精神医学では「多重人格」なる概念は完全に否定されている。
「多重人格」なるものは「患者と精神科医とが共謀してデッチ挙げたもの」というのが定説だ。主に精神科医の功名心による所が大きいと言う。本書中でも、その危険性は指摘されているのに...。「多重人格」を敢えて取り上げなくても、例えば登場人物を境界性人格障害としても、話の大筋は変らなかった事を考えると、作者が何故「多重人格」に拘ったのか理解できない。これを除けば、精神医療を真っ向から見据えた重厚な作品でありながら、真贋騒動とアクロバティックな融合を図った傑作。
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No.29:
(4pt)

精神病に取り組む人たちの苦悩をリアルに描いた作品

病院内での問題児である、ある少女を受け持った女性医師がその少女に正面から対峙し、「心の病」に取り組む姿をリアルに描いた作品。
精神分裂症や多重人格など精神病に関する知識がふんだんに盛り込まれながらも、うまくストーリーに組み込まれている。またこの手にありがちなホラー小説ともなることなく、精神病に関わる医師たちの苦悩をリアルに描いている。
私自身はもともとこういったテーマの作品はあまり読まないのだが、この作品は十分に楽しめた。
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No.28:
(5pt)

『多重人格者』の世界と美しき愛の物語。

『多重人格障害』ってあるの?本当か?
この作品は、多重人格障害入門と云うことになる。
由起という女性がその人物。治療者がいた。
『精神分裂病(法改正により統合失調症が正規)』と、『境界人格障害』とどう区別すべきなのか?
『多重人格障害』をここまで 宣伝してくれたこの作品。、
幼児時期のトラウマ体験により、新しい人格が解離されできあがる。ついには十数人という多数の人格が一個の身体に共存するというのである。お互いに、よびだし、コミュニケーションをはかり、全体会議をひらき、統合していくというのだ。それが治療。きわめて、具体的にかかれている。
わかりやすい。
そう、今の社会のトラウマ→解離→共存か分裂か→統合への準備→統合へ!!
そう、これは、事実か幻か。
不思議な愛の物語として 完結する。
読み終わったときは さわやか。
しかし、現実の日本の精神医療界とは かなり 食い違っていることを 発見しないといけない。
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No.27:
(5pt)

ベールに包まれた謎がじわじわと解き明かされていく快感

精神科の医療現場と博物館と謎が交差しながら繰り広げられるストーリから次第に思いがけない展開に変わっていくスピード感に最後まで惹きつけられてしまいました。
俗に言われるサイコサスペンスとは一線を引いたリアリティーのある緊迫感に圧倒されてページを捲る手が止まりません。
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No.26:
(5pt)

極上

この手の小説は読まないのですが、これを読んで多島斗志之作品読むようになりました。メンタル系の内容もリアルで素晴らしい。メンタル系病んでない方、知らない方に読んでほしい。
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No.25:
(4pt)

解離性同一性障害

解離の描写がちゃんとしてた。人格たちの関係もちゃんと表現されてた。私には解離性同一性障害の人は身近だから、安心した。もっとみんなに病気を理解してもらいたいから、みんなこの本を読んで!精神病院にだって、いい病院あるんだよ。私が入院してた病院は統合失調症の人はいないけど、ボーダー(境界性人格障害)の人はまさに榊医師が言ってる通り!ホント振り回されて大変なんだから。この本は私の入院生活があまりにリアルに思い出されて逆に具合悪くなっちゃうけど。
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No.24:
(5pt)

娯楽小説の枠を超える挑戦

精神病、特に娯楽小説では読者をだますトリックや、おどろおどろしいホラー要素として使われかねない多重人格などの世界を、ごまかすことなく誠実に描ききった快作だ。
精神病院で入院中の少女。
治療に取り組む臨床心理士は、少女の言動に翻弄される。
前任の医師は自殺してしまっている。
ただの虚仮威しに精神病を使わず、正確な取材と資料をもとに全うに書いたのが正解。
だから、娯楽小説という枠を超え、教養小説のような作風でさえある。
もちろん娯楽小説としての要素も完璧に備えているので、深く考えなくても楽しめるはず。
おそらく、読み終わった後、精神病についての考え方が変わる方も多いと思いますが。
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4043690010
No.23:
(5pt)

今までにない程のリアリティ。

精神病というものに偏見を持たずにどこまでも客観的に表現しようとしてる作品だと感じました。
後書きにある参考文献の量からもそれがうかがえます。
少し、ラストが中途半端な気がしないでもないですけど、
私は充分に気に入っています。続きがもし出るのなら読みたいものです。
サイコ・ホラーではないので、怖さが前面に押し出されているわけでもないですが、
個人的に思うのは患者も健常な人も所詮は同じ人間で、
差なんてあってないようなものだ、ということです。
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No.22:
(4pt)

・転・はスゴい!

起・承・転・結の転まではスゴいですね。一気呵成に読んじゃった感じです。
他の方も仰っているように、「結」が弱いというのは否めないと思います。
ウチの娘に、この本は面白いからって読ませたのですが、「一気に読んじゃったからストーリーは面白いんだろうけど、最後はどうなってんの?」と少々不満げな様子でした。
「結」に重きを置くかどうかによって評価がかなり違うように思われます。
ワタシ的には十分面白い小説だと思いますが・・・。
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4043690010
No.21:
(5pt)

文の構成の仕方が良かったです。

ちょっと厚めの本で、最初はこんなに読めるかなぁという気もしましたたが、読み始めたら止まらず一気に読んでしまいました。
場面が一区切りずつ変わって、それが段々と近づいていくハラハラ感がなんと言っても良く、内容もとても読み応えがありました!
精神の問題は「異常」や、「かわいそう」だけでは、絶対に語ってはいけないと思いました。
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4043690010
No.20:
(4pt)

精神病棟の話だけで十分。

私が一番最初に読んだ本。ミステリではないけど普通におもしろかった。
異常と正常、病気を治すということ、それらの疑問に頭っから突っ込んでいった作品です。解離性同一性障害についての物語なのに読者受けを狙ったような描写が全くなくて好感が持てました。
ただ私的に博物館の話はなくてもよかったと思った。てかない方がいい。そこらへんの話は特にこの本のコンセプトと被ってるわけでもないのに何故書いたのかよくわからない。まぁミステリ調にしたかったんだわな。
なんかラストが中途半端だとかいう記事が多いけど、このラストは全然中途半端ではないと思います。この本のコンセプトが”治す”とはどういうことなのかというものなのだから。このラスト、榊は確かに”治す”という事がどういうことなのか、その疑念に対して自分なりに決着をつけたのです。
症例A (角川文庫)Amazon書評・レビュー:症例A (角川文庫)より
4043690010
No.19:
(4pt)

『人の心』は...むずかしい

亜左美は、統合失調症(分裂症)?境界例?それとも解離性同一性障害(多重人格)?。
榊医師が由起の肩を引き寄せて抱きしめたのはのは、一人の患者としてか 別の感情で
あったのか?…登場する人物のいろいろな面を観察、描写しながらストーリーは進んで行き、
後半に明かされるある事実を境に、これら布石が読む側の推理をかきたてる。
参考にした文献の数と種類も多い。この作家は時に感情移入し、時に醒めた目でこれらの本を
読んでいたにちがいない。サイコバブルといわれる時代になってしまったが、流行に軽くのった
作品ではない。
『人の心』は観察する側の思考を超えて動く。精神医療の現場での医師の自分との闘い、
(患者の)病との闘いとその難しさが伝わってくる。
症例A (角川文庫)Amazon書評・レビュー:症例A (角川文庫)より
4043690010

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