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QED 式の密室
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QED 式の密室 の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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密室殺人事件が、陰陽道の式神に関わっているというものだが、実質は歴史の真相を明かすという歴史小説だ。 タタラなど豊かな資源があると問答無用で奪い取った大和朝廷。貴族たちにとって五位以上でない者は人でなく、その下に庶民がいて、貴族たちの横暴に立ち向かい敗れ去り、鬼、土蜘蛛、河童、狐、河原者がいて、そしてかれらとの境界線上に陰陽師がいた。貴族には見えず、安倍晴明たちが使役していた人々が式神だった。安倍晴明の母親が狐だったので、かれら裏の人々とのネットワークを得ることができたのだ。狐と関係がある稲荷神社は「丹(い)なり」なので、タタラと関係がある。鬼(隠)、狐、河原者などの漂泊の民ら被差別民への差別を助長したのは、朝廷に唯々諾々と従った庶民の咎なのであるというの指摘は痛いものではないだろうか。戦時中やコロナ禍での同調圧力は、まさしくこれなのだ。 | ||||
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安倍晴明のお話。現実に起こっていた殺人事件のほうは、正直読み終えてすぐに忘れてしまうほどのものだったのですが、安倍晴明についての蘊蓄は面白かったです。ページ数のかなり少ない作品なので、一気読みしました。 個人的には戦国時代よりも前のことはあまり興味がなかったのですが、逆にこのころの歴史を考えるほうが結構興味深いのかもしれないと認識を改まりました。まあ…書いてあることが真実かどうかは知りませんが、なかなか面白い解釈の仕方だなあ…と興味を持ちました。 | ||||
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殺人事件の謎解きに絡めて 日本の歴史の蘊蓄を熱く語るシリーズ第五弾。 前の東照宮と次の竹取物語のつなぎとして扱われたか、 本としてかなり薄く、そのぶん内容がコンパクトになっています。 事件の謎が最も無理のない作品でもあり、 歴史で語られる”人とみなされなかった存在”についての蘊蓄も 無理がなく感じました。 | ||||
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ミステリー部分はこのシリーズの毎回のことながらあってもなくてもどっちでも・・・ といった感じだと思うんですが、「安部晴明の家では、扉もシトミも全てが自然に開いたり閉じたりする」という有名な言説に対して、 それが「鬼や式神の類による」という解釈、とても面白いです。これは素晴らしいと言えます。 ただ、現実の歴史においてはたしかに低い身分やいわゆる「鬼の類の者」が貴族から人扱いされていなかったとはいえ、 そこまで徹底して「見えないことにしていた」とは到底思えないという面もあり、 なんていうか・・・。ひとつの解釈としては興味深いなと感じます。 あまりグロくもないし、それほどホラーでもないので、軽く読める気が一冊です。 | ||||
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何人かの作家が競作した「密室本」シリーズの一冊だそうで、そのためかすこし本が薄いです。 しかし高田流ともいうべき、古代史の底流に流れる謎と、現代の殺人事件の融合という作風は変わらず、今回も陰陽道の祖、晴明と式神にまつわる衝撃的な事実が読者を直撃、その末裔にあたる現代の陰陽道の旧家の殺人事件としてずしりとしたインパクトがあります。 桑原崇(タタル)と小松崎の学生時代の事件ということになっており、ふたりは、陰陽道の家の血をひく弓削という学生から、昔の祖父の密室殺人の謎を聞かされます。迷宮入りしてしまった事件で、そのあとで祖母も自殺、いまは、当時のお手伝いさんの恋人しか生存していません。「式」という目に見えない神を使役していた晴明のように、事件には人智を越えた何らかの力がかかわっていたのではないか? タタルは弓削を補佐するようにして、この謎を解いてゆきます。 安倍晴明の時代がどんなものであったのか、彼の超常的な逸話の本当の意味は何だったのか。 タタルがその博覧強記と大胆な仮説で、歴史に埋もれた事実を掘り起こし、まったく新しい展望を開いてくれるQEDシリーズですが、今回も目から鱗が落ちました。同時に、ミステリアスな「式」が別の意味で、もっとミステリアスに感じられてきました。 必要な部分だけがコンパクトに濃縮されていて不足はないのですが、いつものように、奈々や外嶋、タタルたちの日常的なのんびりしたエピソードの「遊び」「ゆるみ」の部分があったほうが座りがよいような気もします。 ともあれ「式神」「狐」「稲荷」についてのこれまでの印象がすっかり覆される快感に浸れます。 | ||||
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QEDシリーズですが講談社ノベルズの密室本企画としてリリースされた一編です。密室シリーズの作品はどれも100ページっちょっとと薄いですが、本作もシリーズ中最も短いのですぐ読めます。密室本なので勿論密室殺人が起こりますが、あまりそちらに凝ったトリックはなく、安倍晴明伝説の蘊蓄と合わせて楽しむ趣向です。シリーズ中では最も読みやすいので、QEDシリーズの最初の一冊にはいいかもしれません。一応、次作の竹取伝説にちょっとだけ話が繋がっています。 | ||||
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個人的な陰陽師にたいするイメージが、この作品でまた覆りました。 ちなみに、個人的な陰陽師イメージの変遷 夢枕獏『陰陽師』→荒俣宏『帝都物語』→京極夏彦『姑獲鳥の夏』→『QED 式の密室』 | ||||
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QEDシリーズ第5弾です。 文庫版で220ページ程と本シリーズの他作品と比べてかなり薄いですが、内容はかなり濃い目。 現代の事件の謎と、「呪」「怨」が絡む歴史的な謎を同時に解くのがこのシリーズの特徴ですが、タイトルの『式の密室』が示す通り、現代の殺人事件は密室殺人、歴史的な謎の方は「式」=「式神」、つまり陰陽師が使役する霊的存在に関する謎がメインです。 個人的にこのシリーズはとっくに推理小説・ミステリーとしては読んでいませんが、相変わらず歴史の話は面白くて、中途半端に安部清明の伝説やエピソード(例えば式神を使って蛙を殺したとか、一条戻橋の下に式神を隠していたとか)を知っている人にとってはかなりショッキングな内容でしょう。 薄い割に最もOEDっぽく、陰陽師に興味がある人は間違いなく一読の価値有りです。 | ||||
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●シリーズ中最速で読み終えました。長さも内容も一番読みやすかったです。結構始めの方から興味深い薀蓄がいっぱい語られるのでかなり食いつきよかったです。●ただ内容はかなりハードでしたね、現在の方ではなく昔の方なんですけど。これで明らかになったことこそがシリーズをまたにかけて通奏低音のようにずーっとなり響いているテーマだなあと感じました。重く深くなぜかまったく今となっては意に介されない敗者の歴史、虐げられた者たちの歴史、作者の思索に感心すると同時に考えさせられます。●安倍清明自体に肉薄した結果更に大きなものが我々現代人に突きつけられてしまった、今回はそういう結果になりました。ただの流行りものに食い付いたわけではなく私には必然性がひしひしと感じられました。清明の存在自体から神秘は抜け落ちてしまいましたけれど本当のまさしく本当の姿が浮かび上がってしまいました。●ただ気になるのは清明のネットワークというかスキルの継承はうまくいったのかどうなのか、彼一代のあだ花だったのかどうか、その後の陰陽師たちの行方が気になります。●鬼と神の違いももう少し詳しく教えて欲しかったです。これらはあとから明らかになるのでしょうか。期待しましょう。●またまた出てきました蘆屋道満、清明に並ぶくらい濃い御仁、もうちょっとこの人こと教えてくださいよ。あれだけじゃ物足りないです。続刊見ましたが道満には一切触れません。 | ||||
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現在シリーズ中最も短い作品。内容もシンプルでサクサク読めます。もともとノベルズの袋とじ企画だったのでシリーズの付録的要素が強い。短編に近いため小品のような印象で犯人の殺意が無理からでないのもいい。ただ、面白いのですがここ数年「陰陽師」流行の経緯でアプローチはしっかり高田崇史で、タタルと奈々の掛け合いもあるものの、何せ式神。メジャーなだけに特別感が薄まってしまって、そこがちょっとだけ残念。 | ||||
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これまでの作品に比べて薄いのですが…それもそのはず、この話はこの後の作品「竹取伝説」の前説なんですよ。 タタルさんと熊つ崎さんが学生時代のお話。二人の出会いのきっかけに…これまた殺人事件が絡んでいた…という。 「式」といえば「式神」…陰陽道=安倍晴明ですよね? この本では安倍晴明と「式神」の謎に迫っています。一見荒唐無稽とも言える安倍晴明の誕生譚(彼の母は狐だというのが定説です)、彼が自在に操っていたその特殊能力や、式神の正体は果たして……。 短いながら、目から鱗が落ちまくりました。ええ、ポロポロと。わかってみれば何てことはないのですが…灯台下暗しというか、盲点というか、コロンブスの卵というか…。 まあ、ご一読くださいませ。 | ||||
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実は私、このQEDシリーズの現代に起こる事件の方は好みのタイプではありません。解かれていく謎が、ミステリとして大味のような気がして...。 ごめんなさい。マイナス☆はそのせいです。 では、何故全シリーズを買っているかと言うと、ひたすら、歴史の方の謎解きを楽しむため。どこまでが作者の作り上げた話で、どこまでが”誰も知らない”真実なのか...そういうところを考えながら読んでハマッています。 中でも、この作品の標記に記載した謎に対する発想は「おぉ‾」。平安時代の人の心の在り方として有り得るなと感じ入りました。自分では思いつかなかったので、ちょっと悔しい気もしたりして...(笑) ノベルズで発刊された時は「密室本」=中が覗けないようになっていた理由もわかる気がします。 | ||||
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好き嫌いはあると思いますが、すごく虚を突かれるトリック。私はハマりました。歴史に詳しくないので本当のところは分かりませんが、こういうことはあるかも、という説得力がありました。歴史に絡むミステリならではのトリックといえそう。 | ||||
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待ちに待ったQEDシリーズの新刊です。同シリーズの他の本よりは薄いのですが、密度はあります。ここ数年話題になっている安倍晴明を扱った部分もあって、「またかぁ。」と思う方もいるかもしれませんが、これは少し違います。ミステリーなので内容にふれられませんが読んでもらえればこの良さがわかります。ただファンとしてはもう少し長く読んでいたかったので星は4つです。 | ||||
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