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愚者のエンドロール
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愚者のエンドロールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 21~40 2/3ページ
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アニメ化で評判になっていたのと電子書籍というものに興味があったので スマホにKindleアプリを入れて1巻の『氷菓』とともにKindle版を購入しました。 結論から言いますと、建物の見取り図を見ながら展開するような密室ミステリは 電子書籍ではかなりムリ!ということです。 紙の本では気軽にできる、前のページにある図面や登場人物が動く事件部分を こまめにチェックしながら本編を読み進める、という方法が電子書籍では難しいのです 不可能ではありませんがかなり手間がかかり、実際ムリでした。 じゃあどうしたのかというと、所有していたAndroidのタブレットPCにもKindleアプリを インストールし、こちらの端末で図面や前のページを確認しながらスマホで読み進めました、 すごい無駄。 電子書籍で密室ミステリはハードルが高いと思いました。 あ、謎解き部分を自力で解くことに興味がなく、青春群像劇として読みたいという方には まったく問題無いと思います、いい作品ですよね。 前作『氷菓』も面白かったのでアニメ版も見てみたいですね。 内容は良かったですが読みづらかったので☆4つです(Kindle版の評価です) | ||||
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前作と比べ、ミステリの要素が強くなってます。 未完となった映画の犯人は誰か。それを推理することになるのですが、なにもそれだけでなく主人公の自惚れや自己嫌悪といった、若い頃に味わうであろう思春期のほろ苦さも描かれています。 どちらかといえば、ライトノベルに近い小説なので粗があるのは仕方ないのでしょうが(ラストはツールで締めたりとか)、気軽に読めるのが良いです。ただし、題材が題材だけに事件と呼べるほどではなく、それがつまらないという人もいるかもしれません。 しかし、巻頭に見取り図を用意してくれたりと、ミステリらしく読者にもしっかりと情報提供してくれてるのは良いですね。前作よりミステリを強くしているところは、作品として私は好感を持てました。 このシリーズは物語の起伏が小さいので盛り上がりに欠けるかもしれませんが、キャラは千反田の気になります以外は媚びるところも少なく、文章も近頃のライトノベルに増加傾向のある稚拙なものでもないので、安定した読み物ではあると思います。 | ||||
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大沢在昌氏の近著によると、ミステリーは小説の中でも最も書くのが難しいらしい上に、 ミステリーを書くには、古典や現代のもの問わず、かなりの数の著作 (本格推理小説やハードボイルド、スパイもの、法廷もの、警察ものと多岐にわたる)を 読み込み、基本的な知識を身につける必要があるとのことだが、 本作はまさにそれを地で行くおはなし。 二年F組有志が、後のことを考えずにシャーロック・ホームズだけを参考に、 脚本の本郷以外が軽い気持ちでビデオ映画の作成に取り掛かってしまったために 内容がグダグダかつ未完成の作品となってしまい、 それを如何にして古典部(特に奉太郎)が『尻拭い』していくかが本作の簡単なあらすじ。 読了後の感想を一言で言うならば、矛盾した言い方ですが、 "Better is better than the best."かと。 最後の最後で、TVアニメーション版を一回観ただけでは分からなかったあることが 暗喩されています。ああ、なるほどね。とんだ食わせ者だ。 | ||||
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本書は、未完成のミステリー映画の結末を推理するという話である。 詳細はネタバレになるので記載しないが、本書のテーマを一言で言えば「ミステリーを客観化して見るとどうなるか?」という点であろう。 結末の無いミステリー映画の結末を推理するという主題が、そもそもミステリーを客観化して見るということなのだが、その結果何が起こったかを知りたければ、実際に読んでみることをお勧めする。 しかし、本書に出てくる入須先輩、高校2年でここまで人を使うことになれた人間は普通いないだろうという才媛ぶりだ。もはや老獪の域である。 ちょっと、高校生の周りで起きる出来事としては人が暗躍しすぎであるが、まあ、あまり普通に書くと本当にただの高校生の日常生活になってしまうので、落としどころとしては悪くない。 この辺、好みが分かれると思うので、一巻目『氷菓』で違和感の無かった人にはお勧めできる。 | ||||
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ミステリーをほとんど読むことがないので、そちらの側面でのディティールなどが入っていて興味深いというのには、そういうものなのか、といった程度になっちゃいました。でも、それがあるからきちんと当初の映像化で尻切れトンボになった話のオチが、結果として古典部の1年生たちによって見つけ出すというのが、無理なく小説として表現されているんだなぁ…と思いました。 学年の違いによる台詞のある種のぎくしゃくしたさまは、実際の学園生活でもありそうな感じがするし、そういった部分がうまく表現されているのは、個人的には興味深かったです。 あと、女帝と呼ばれているらしい入須冬実と古典部の折木奉太郎とのピンと張り詰めた会話が面白く読ませていただいたという感じでしょうか。 | ||||
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これは良い。 私的に思った前作『氷菓』の欠点が殆ど解消されている上、バークリーの名作『毒入りチョコレート事件』へのオマージュもバッチリ決まっている。 たとえば前作欠点と思われた謎と謎解き部分。 前作は散発的にいくつか謎と謎解きがあり、どれも物足りないものだったが、今回はメタ的な入れ子構造で「殺人事件」を扱い、さらにその一つをじっくり一冊を使って解いて行くので読み応えがある。 キャラクターに関しても、主人公の行動が変化する過程を、事件や友人間、内面描写をしっかり使い、書き込まれているので面白かった。千反田のミステリー嫌いの伏線が解消されるラストも、キャラ理解を深めると同時に読後感も爽やかだ。 本作は、「伊原」のようなうるさ型の読者も満足出来るものになっているのではないだろうか。 ただ、あえて苦言を呈するなら、核心部の謎解きで、主人公の奉太郎が映画を改めて見た後、この「謎を解くのは容易ではない」と内省させたにもかかわらず、数ページ後に何のきっかけもドラマも無くあっさりと「解答」を見出すのはいかがなものだろうか。その「解答」は確かに映画の脚本を書いた本郷の「解答」ではないが、もう少し「解答」を導き出す過程で読者を楽しませてくれても良いのではなかろうか。 映像を思いだしながら考える独白を書いてから一行開けて、「……そして俺は、自分が結論に辿り着いたことに気がついた」(P198角川文庫)ではあっさりしているどころか、殆ど手抜きだ。 もしかしたら、この著者は『名探偵コナン』などで頻繁に見られる、ひょんなきっかけで謎が解ける、というような定型的なご都合ドラマに対する嫌悪感があるのかもしれないが、もう少しがんばってもらいたいものだ。 加えて、おざなりだと思ったのは、三人目の推理者沢木口の「ミステリー」=「推理もの」ではない、という解釈だが、明らかにこれはヘン。 どこがヘンなのかと言えば、その前の推理者中城の話の際、脚本担当の本郷がミステリーを書くためにシャーロックホームズを読んでいたというエピソードが書かれているからだ。 つまり、「血糊」云々の前に、中城はミステリーをシャーロックホームズと結びつけている。しかも、このホームズ、ご丁寧に○×のついた表まで示し、伏線である事が強調されている。 よって本郷が『十三日の金曜日』等のホラーと解釈したはずはないとたいていの読者は即座に思うし、そうハッキリと思わなくてもかなり違和感があるだろう。さらにこの事に対して作中での言及は無い。だから端的に見落としていたとしか思えない。 この問題を解消するため、推理者の二番目と三番目は逆にすべきだろう。 その際には、「血糊」は一番の人に託す。 と、まあ不満点もあるが、楽しめた事は間違いない。 よって、オススメです。 「味でしょう」の意味を気にかけつつ、自作は期待して読みます。 | ||||
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あとがきによるとアントニーバークリーの「毒入りチョコレート事件」を意識したらしいが個人的にはそれにエラリークイーンの「十日間の不思議」を+した印象を受けた。特にラストの折木と入須のやりとりはまさに「十日間の不思議」のラストを想起させる。 また、最後の一行もいい。古典部シリーズで殺人事件が起きないのは最後の一行だからかもしれない。 | ||||
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アニメ化にともなり、原作であるこちらを一気買いし、 今この巻を読み終わりました。 正直、普段、ハーレム物のラノベくらいしか読まず、 ミステリのなんたるかすらわからない私ですが、 楽しめました。 まず、私はミステリ自体読まないので、自分で推理 してみようなんて思いません。 内容は文化祭用に作ったミステリ映画ビデオが 未完のまま脚本家が倒れてしまって続きがわからないので 主人公たちに推理して欲しい、というものですが、 私はありきたりなことを求めていたわけではないので、 最後のあの落ちには意外性があってビックリしました。 というか、落ちが想像できなければいいのです、私は。 もちろんシャーロックだって、名前ぐらいしか知らないので、 叙述はない、といわれても「そうなんだ」ぐらいで・・・。 完全お客さん視点で読んでいました。 そんな人間の評価ですが・・・、面白かったです。 すみません、関係ありませんがなんか、奉太郎の一人称が どうしても、キョンとかぶってしまう・・・。 どうしてでしょう?? | ||||
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この小説は「推理小説を読み慣れていることを前提」にして書かれている。 裏を返すと、推理小説の歴史を知らないと何を書いているのかすら分からないところがある。もしくは読んでも興味を引かれない、と言う所だろうか。 この本はもちろん、そうした条件が無くてもある程度は理解出来るようになっているが、フェアかフェアでないかにこだわりすぎている嫌いがある。 前作はかなりアンフェアなところがあったのだが、今回の作品に関してはアンフェアなところは何もない。そしてこの作家の癖なのだろう、この作品もタイトルがキーミステリーである。多分次の作品もそうなのだろう。寧ろこれは潔癖症とも言える癖であり、ここを好きと思わなければこの人のミステリーを読み続けるのは難しかろう。 読んだ人のうち幾人かが???となるのは、確かに読者としてカタルシスを得る「読者にとっての」キーミステリーはタイトルなのだが(事実、ぼくはタイトルの意味を知るためだけに中盤から最後まで読み通した)、物語の中で時間を掛けて主人公が解いているミステリーとは軸がずれている、と言う事である。解かれている謎の、その内面。物事が起こった時に、その当事者の中に起こる心裡。これが作者の書きたいことであることは良く伝わってくる。(タイトルと話の終わり方を見れば、それは明らかなことですよね) 以下明らかにネタバレ。読んでない人は自己責任で。 今回は楽屋落ちのように見せかけておいて、本当に主人公が解いたのは「彼がその謎を解く任務を与えられた理由」だったわけだが、これはほとんど推理小説を書く事を志す全ての人の陥るドグマをそのまま書いたものであり、楽屋落ちではないとは言え限り無くそれに近い。 故に、書かれていることはほぼ全て納得がいくものの「技巧的すぎる」という見方をされても致し方ないと言える。 相変らず、タイトル付けと終わり方はうまいと思う。だが、書くのに苦労したのではないか。 自由に書けている感じが強かった氷菓と比べて、他の作品を題材にしたことにより思考の自由度を奪われたのかもな、と思わなくもない。 この人の作品が、このシリーズに関しては4つしか出ていないのも何か頷けるものがある。1冊目が「ミステリー…かな?」と思ったのには、ちゃんと理由があったのだ。 推理小説が好きなのは分かったが、推理小説として質が高いとは、言えない。 繰り返すが、米澤穂信という人のタイトルセンスと物語の締め方のうまさを認識する作品と言えよう。 敢えて言うのならば、この物語で最も重要なのは、主人公奉太郎の、えるに対するほの暗い恋心なのだろう。 それがにおわせるに留まるあたりが「古典的」とも言えるのか。あからさまな表現は出て来ない。しかしそれは常に灯り続けている。 細々と続く想いの方が長いとも言えるのか。ぼくは、ミステリーというよりは恋愛小説を読んでいる、と言う感想を得た。(その辺に京都アニメーションのスタッフが反応したのはまあいつものことか、という感じもする。あそこは「一見して分かりづらい、しかし確実にそこにあるもの」を描くのが好きだから) そこが好きだという人には、星5つだろう。個人的には読後の感想は3つだったが、反芻してみると4つかな。 ただし、またも繰り返すが、これの5巻が出ていないのは、ある意味必然だとも思うのよ。4巻で完結しているのかも知れないが、続ける要素が今一つ無いかもね。 ここまで書いた以上、4つ目まできちんと読みますよ。とりあえず、ぼくにとっての目下のミステリーは、なぜヒロインの名前が「える」なのかだ。 ・・・4巻までに、書いてないだろうなあ… | ||||
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氷菓をうけての第二作目。 注目は入須嬢との関係とラストの台詞かな。 里志とのやりとりも地味に重要。 最後に奉太郎にエールを。 君ならできるさ。超がんばれ。まかせたよ。 | ||||
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前作『氷菓』よりも推理要素が濃くなっており、そちら方面にはあまり期待していなかっただけに楽しめました。氷菓は千反田えるの物語といった風でしたが、本作は主人公ホータローが自分の可能性に挑戦、もとい向き合ってみるといったお話です。成長物語の要素が強いですね。イヤイヤではなく、自分から立ち上がってがっつり探偵してます。この経験が次回以降にどうつながっていくのか楽しみです。 氷菓に比べ、キャラ小説的な要素は減っていますが、それでも千反田のお嬢様らしい? ミステリに対する価値観や、お譲様らしからぬ? 好奇心を発揮するのは読んでいて癒されました。 ミステリものは好きだけど人が死ぬのはイヤ。そういうひとは共感できるんじゃないでしょうか。 | ||||
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そこも学園モノの小説らしくて良いです。 本格的推理モノとは言えない作品やトリックではありますが、『氷菓』でもそうでしたが、終盤の盛り上がりが面白く、一気に読めました。 このシリーズには外れがないかもと期待します。 | ||||
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古典部シリーズ第2弾です。あとがきによると、本作はバークリー『毒入りチョコレート事件』への敬意と愛情を持ってかかれたそうだ。今回は前作よりもミステリ色の強い作品になっている。 千反田えるにつれられて古典部部員は、2年F組のミステリー映画の試写会を見に行くことになった。だが、脚本を書いた本郷真由が体調を崩したので、解決編が作られず、殺されたところで映画が終了した。まずは、志願している探偵役から話を聞いて、賛否意見を述べることから引き受けることになる。志願している探偵役3名の話を聞いて、無理だと判断した。そこで、折木自らが解決編を提示することになる。そのタイトルは「万人の死角」という。入須先輩には絶賛されたが、古典部メンバーから駄目だしがあったようだ。特に、本郷真由の脚本について反映されてないじゃないかというものだ。そこで、折木は本郷真由の脚本はどんなものだったのかというものを推理するのである。 全部読んで言ってやっと、はじめと終わりのチャットの意味がわかったな。ああ、こういうことかという感じだった。結局折木は女性に翻弄される運命にあるのだね。それでも、少しは省エネの折木が自分の役割を自覚したのかなと思う。それよりも、女帝に踊らされたということなのかな。あとは、解決策を提示して、それを批評しあうというのはいいと思った。仲間同士でああだこうだと議論しあう面白さがあるなあ。 | ||||
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<概要> 舞台は文化系部活の盛んな神山高校。 高校1年生、折木奉太郎を含む古典部のメンバー4人は、 女帝と呼ばれる入須から、彼女のクラスで制作途中の映画の、 「オチ」がどのようなものなのかを探るよう依頼される。 途中までは映像が制作されているものの、脚本を担当する 生徒が倒れてしまい、その後の展開が不明なまま、制作 期限を迎えつつある、という状況下で、入須が用意した 三人の「探偵役」の推理を奉太郎他古典部のメンバーが 聞き、その推理の荒・穴を見つけていく。 その過程の中で、「探偵役はやらない」と決めていた 奉太郎が、最終的に「探偵役」をして、物語の結末を、 推理するに至る。 <登場人物> ●折木奉太郎 「省エネ生活」を信条とする高校生。 「やらなくていいことはやらない。やらなくてはならない ことは最低限で」という言葉をよく口にする。 だが、高校入学時より、その推理力を発揮する機会があり、 いくつかの「日常の謎」を解決することになる。 ●千反田える 豪農(桁上がりの四名家の一つ)の娘で、お嬢様。 好奇心の塊で、「私、気になります」が、 事件発生の合図と言ってもいいほど。 記憶力に優れ、学力も高いが、根がバカ正直なため、 推理や発想力に欠ける。 「省エネ」を志す奉太郎を、事件に引っ張り込む、 役割を果たしている(物語の起点)。 ●福部里志 奉太郎の中学時代からの友人。 自称、データベース。 自分に興味のあることに関しては、膨大な知識を 持っている反面、興味のないことはからっきし。 奉太郎ほどではないが、人の名前と顔を憶えない (但し、ユニークな人物は別)。 本人曰く「データベースは、結論を出せない」 とのことで、事件に関する情報は出せてても、 奉太郎のような推理はできないとあきらめている。 ●伊藤マリカ 奉太郎の小学生時代からの知人。 里志のことが好きで、何度も告白しているが、 その度にはぐらかされている。 理を重んじ、そこから外れる者に対しては、 厳しい態度を取る。それは他人に限らず、 自分に対してもそうである。 漫画研究会にも所属している。 ●入須冬美 「女帝」と称される高校2年生。 今回、古典部に事件を持ち込んだ生徒。 病院院長の娘であり、クールで知略に長ける才女。 <感想> 「日常の謎」を扱った古典部シリーズの2作目。 殺人等が起きない分、よくあるミステリーよりも、 一体どんな謎を提供してくれるのだろう、と 毎回楽しみにしている。 高校生にしては、皆頭が良すぎる……という個人的な 違和感は置いておいて、日常の「事件」「謎」ということで、 今回は「未完成の映画のオチ」を推理する……というアイディアが 素晴らしい。 三人の探偵役の話を聞き、その推理の穴を見つけていく過程で、 奉太郎自身が、探偵役としてオチを考えるハメになる、という 展開で終わりかと思いきや、最後で、事件を持ち込んだ入須の 本当の意図が明らかになる……というところで、「おおっ」と 感動してしまった。 「事件の真相を解明する」というのが「前提」のようになっていて、 その実、「事件の真相を作る」というのが、本当の狙いであり、 「前提そのものを崩す」というミステリーの展開は、とても 気持ちが良い。 | ||||
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古典部シリーズ第2弾。 今回は神山高校の夏休み中の出来事です。 文化祭で上映するための映画を自主制作している先輩から、未完成ミステリーのラストがどうなるのか考えてくれ、と依頼を受けた古典部。 密室殺人のトリックを考えるということで、前回よりもミステリーらしさが濃くなりました。 もちろんミステリーとして読むだけでなく、千反田さんが酔っ払ったり、主人公のホータローが自分というものに向き合ったりと今回も青春小説全開です。 それにしてもホータローはクールな高校1年生だなーと思います。 | ||||
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そして、この作品が連作となったことがわかりました。 第二作までのところ、主人公は安楽椅子探偵に準ずるものと考えてよいと思います。 隙間を縫うのは、黒後家蜘蛛のヘンリーに近い。うまい。 | ||||
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氷菓を読んで、古典部のやつらのキャラクターに魅力を感じていれば間違いなく楽しめる。狙ったのかどうかは微妙だけど、ストーリーの甘さや緩さも高校生らしくて僕は好きだ。早速続編を注文します。 | ||||
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犯人がわからないまま,脚本が進められなくなってしまったミステリー映画の真相を考えて欲しい, という,それ自体が謎めいた依頼を受ける古典部の一同. 密室殺人の犯人と,その方法とは・・・? というメインテーマの下にストーリーは進む. 当事者たちの意見を聞いたりしながら,真相を考えるという形式だが, これは実は,ワトソン役が古典部員だけだとわかりにくいために 読者に向けて用意した謎解きのプロセスであろう. 合理的な解決を導き出したあとで 映画の中の事件とは別の謎に思い当たるホータロー. ミステリーとして取り扱う事件の枠組みを大きくして どんでん返しを作り出すという面白い試みだが,なかなかにうまくいっている. 例の4人組に加えて,「女帝」と呼ばれる強面の先輩が登場して, キャラクターが一段と多彩になった. あのキャラクターもきちんと存在感を発揮していて, 最後にアバンタイトルを読み直すとニヤリとしてしまう. | ||||
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古典部シリーズ第二弾です。 ほぼ後半まで前作「氷菓」のほうが面白かったと思いつつ読み進めていましたが、最後まで読んで、そして最初のアバンタイトルに戻って納得。こちらも相当面白かった。 「わたしはあまりミステリーを楽しめないのかもしれない、と思うくらいまでは」読んできたつもりですが、やはり謎解きやトリックの奇抜さには興味を持てないでいました。この本でミステリーの勉強をさせてもらったような、こういうミステリーなら楽しいかも、と思わされた本です。 そしてこの作品、主人公の成長に視点を置いているという青春ものとして読んでもいい感じが出ています。 ホータローくんの省エネ高校生活。彼が次はどんな事件にどうかかわるのか? 彼の成長する姿も楽しみです。 | ||||
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前作「氷菓」は小さいながらもなぞ解きが何度もあって、 最後まで飽きさせない展開でした。 ただ今回は残念ながらもやもやした感じを最後まで引きずった感じでした。 まず、犯人探しの動機が弱いというか、おおもとの事件が小さすぎます。 最後まで読めばなるほどとは思いましたが、 そもそもこれは「事件」とは言わないし、 あえて探す理由があるのかどうかも、少し疑問でした。 薄い本なのであっという間に読み終えてしまったのですが、 それでも三分の二くらいまでは退屈でした。 前作のキャラクターありきで読ませる作品と言えるかもしれません。 | ||||
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