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愚者のエンドロール
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愚者のエンドロールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 61~75 4/4ページ
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前作「氷菓」は小さいながらもなぞ解きが何度もあって、 最後まで飽きさせない展開でした。 ただ今回は残念ながらもやもやした感じを最後まで引きずった感じでした。 まず、犯人探しの動機が弱いというか、おおもとの事件が小さすぎます。 最後まで読めばなるほどとは思いましたが、 そもそもこれは「事件」とは言わないし、 あえて探す理由があるのかどうかも、少し疑問でした。 薄い本なのであっという間に読み終えてしまったのですが、 それでも三分の二くらいまでは退屈でした。 前作のキャラクターありきで読ませる作品と言えるかもしれません。 | ||||
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前作のほうがオススメ 未完の映画の結末を推理するという設定と主人公が推理ミスして修正していくのは面白い。 だがホームズの件とタロットはまずいと思う。 完全に根拠が自己完結(著者しかわからないような根拠で解決して終わり) になってしまっている。 折木案も妥当に見えるがどうも完全じゃないし無理がありすぎる。 (これと同じトリックを使って同じ結末のものはごまんとあるが折木案は…う〜ん) 本郷予定案に至っては、全部が明らかになってないとはいえ稚拙だ。 高校の映画だからしかたがないといわれれば何もいえないが。 なんとなくだけど、色んなアイディアがあって上手くまとめようとしているけど それが完全にまとまりきれてなくて、ぎこちなく感じた結果がこの読後感なのだろうと思っている。 | ||||
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『愚者のエンドロール』です。古典部シリーズの二作目ということになります。 前作の『氷菓』よりは随分ミステリー色が強くなりました。 あ、ミステリーといってはダメでしょうね。推理小説色が強くなったと言い換えましょう。 ほとんどのトリックは読者の誰でも考えつきそうなものばかりですが、出し方、順番、そして作品の中における主人公の立ち位置などを巧みに扱ったどんでん返しの連続は、上手くできていると思います。 主人公が周囲の人から才能を認められ、自分でもある程度認める、というよりは他者の意見を受け容れるという部分に成長のようなものも読みやすい文章で描かれ、青春ものといえばそうかもしれません。青春物というには、推理要素の方が強すぎる感じですが。 この作品の特徴は、殺人事件だけど、実際には人が死んでいない殺人事件であるところでしょうね。そういう設定にした、というところが最大のファインプレーかもしれません。 | ||||
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事件が起こったまでしか作られていない映画。密室の謎も犯人も不明。 しかも、脚本を書いていた少女からは何も聞き出せない。奉太郎たちは さまざまな人たちから聞いた話をもとに、結末を推理していく。自分も 謎解きに参加しているようで、読んでいて楽しかった。起こった出来事を 検分し、そこから何を判断し、どう推理するのか?しだいに明らかに なっていく真相。構成力がとてもいいと思った。読み手は、謎解きの 醍醐味を存分に味わうことができる。そして、奉太郎の出した結論は・・・? 最後の最後に待っていたものに、思わず「うーん。」とうなってしまった。 思い返せば、伏線はきちんとあったのだ。ラストを読んで、作品の最初に 書かれたことにも納得♪読後感もよく、満足できる作品だった。 | ||||
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『古典部シリーズ』の2作目です. 前作同様,姿を見せない人物がストーリテラー的な位置づけで, はじまりとおわり,それぞれうまくフォローされている印象です. また,物語の性質上,ミステリの度合いが強くなっているようで, 無気力傾向から変わりつつある主人公が,積極的に解決に動くなど, このあたりは,前作から読んでいれば,さらに楽しめるかと思います. ただ,見どころは主人公の積極さによってもたらされる中盤以降で, その結果による自己嫌悪や葛藤,そこから強気に開き直る態度などは, なんとも言えない青くささがあり,まさに青春ミステリといったところ. ミステリとしてはちょっと粗いところがあったように思いますし, 最後の最後で,事件の真相を語るのにある『ツール』を使ったのは, ちょっとずるくも感じるのですが,今回の経験が主人公に与える影響, 未だに姿を見せないある人物のことなど,このあとも気になる作品です. | ||||
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〈古典部〉シリーズの2作目。 バークリー『毒入りチョコレート事件』の本歌取りが目指された本作は、 未完成の自主制作映画の「結末」を登場人物たちがそれぞれに推理し、 都合五つの「仮説」が示されるという〈多重解決もの〉となっています。 しかし、最終的に奉太郎が直面するのは……。 前作『氷菓』よりも「ミステリ」という ジャンル自体への言及性が高く、米澤穂信氏の 〈ミステリ観〉の幾ばくかは、本作を読むことで 窺うことができるように感じました。 また、映画がモチーフである本作では、 章立てにおいても、本篇の前後に 「アバンタイトル」と「エンドロール」が 設けられ、一種の枠物語的構成になっています。 そこには、本篇の登場人物による ハンドルネームでのチャットの ログが収録されているのですが、 エンドロールまで読み終え、それぞれの ハンドルネームが誰を指すのかを推測し、 もう一度アバンタイトルを読んだ時、 はじめて事の真相が浮かび上がる 仕組みになっています。 すべては、作中の裏「プロデューサー兼監督」 の予定通りだったということで…。 見事に翻弄される奉太郎が憐れでもありますが、 こうした経験こそ、今の彼に不可欠なものなのでしょう。 次回作での彼の成長ぶりに期待です。 | ||||
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古典部シリーズの第二作目です。 「やらなくていいことはやらない。やらなければいけないことなら手短に」がモットーの省エネ主義の折木奉太郎を主人公としたシリーズです。 前作で、千反田えるをはじめとして、中学からの腐れ縁の友人、そしてその友人に想いを寄せる女の子と古典部メンバー4人が勢揃いしたこのシリーズ、今回は学園祭にビデオ映画を作ろうとしている二年F組の生徒からとある相談が持ち込まれるところから幕を開けます。 その相談とは、彼らが撮ろうとしていた映画の脚本家が心労で倒れてしまい、シナリオの続きがわからなくて撮影が中断している。しかし、途中まで完成している映画をみれば、その「ミステリー」と仮称された映画の中の真犯人は本当は分かるはずなのだといいます。勿論彼らには分からないので、依頼がきたわけですが、彼らは古典部のメンバーに、そのシナリオの肝となる真犯人と犯行トリックはどういうものかF組の先輩たちの推理のどれが本当のものかチェックして欲しいというのでした。「女帝」と渾名される氷の女王のような先輩に上手くのせられ、千反田の「気になります」の一言で推理を始めた奉太郎。果たして、本当のシナリオに沿って、映画内の真犯人を見つけられるのか。 ということで、今回の古典部は、ミステリー映画の謎解きというミステリー好きにはたまらないネタをもってきました。 彼らが、作中の映画の映像や関係者の意見を聞きながらそれぞれの推理を討論しながら進む姿はまさに探偵もののようだし、推理の中で繰り広げられるメタ推理の話もミステリ好きにはたまらないですね。ノックスの十戒だとか懐かしい言葉も出てくるし、楽しく読めました。加えて、その中で彼ら高校生がいろいろな意味で成長していく姿もきっちり描いていて、青春小説としてもきちんと成立します。また、その上で、単純に話が終わらないように最後にひねりをきちんと加えてくるあたり、米澤さんは本当にうまい作家さんだなぁと思います。 文句なくお勧めレベルです。 | ||||
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「日常の謎」+「安楽椅子探偵」が骨子ながら 舞台を共学高校に置き、 ライトノベルの装いを纏うことにより アクティブな展開を造ることに成功している 「古典部シリーズ」第二弾。 ミステリーの謎そのものの完成度については 疑問を感じる読者がいるかもしれないが 体育部に比べてネガティブに書かれがちな 文化部のポジティブな取扱い、また 主人公の成長譚と絡めてくるあたりが 出来として決して悪くない。 | ||||
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ホータローくん、君は省エネしているはずではなかったのかね。この時期特有の自意識がギャーと叫びたくなるくらい再現されています。けれどどこかそれに対しての目線を感じ取ってしまうので悶死すらし損なう。よく薄い小説のなかでここまで感じさせることが出来るもの。「氷菓」につらなる一連の事件はまだ終わらりません。だって彼らはもう学園祭を俗称では呼べなくなっています。 | ||||
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2002年に角川スニーカー文庫として出たものの「格上げ」。 『氷菓』(角川書店,2001年)の続編。前作から読んだ方がいいだろう。ただし、前作はあまりにもお粗末な出来なので、読む気をなくしてしまう危険もあるが。 本書は作品自体に大きな仕掛けがあり、なかなか鮮やかなトリックだと感心させられた。映画の話とか、『毒入りチョコレート事件』風味、最後のドンデン返しなどは著者の持ち味の下手なトリック。しかし、ひとつのアイディアが輝いており、読む価値がある。このアイデイアが全編に巧みに練り込まれており、だまされてしまった。 いまのところ、著者の最高傑作だろう。 | ||||
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文化祭が近づいて古典部も作品を仕上げる…ハズが他の団体の厄介ごとに巻き込まれていく…という今回のお話今作は個人的に気に入っている 女帝、姉、千反田 の3人が(裏でも表でも)活躍していてイイです。やっぱり いいなー 共学。 | ||||
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青春ミステリという側面ももちろんあるが、マニアックな ミステリファンにもかなり楽しめる。古典部シリーズの中でも この作品が特に面白い。 ある意味メタミステリ? | ||||
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前作「氷菓」より面白くなっていると思います。今回は前作よりもミステリ色の強い作品に仕上がっていると思います。 で、そのミステリの部分は相も変わらず人が死なないミステリ。今回は未完成のミステリ映画の結末を求めて、古典部メンバーが奔走します。結末を求めて様々な意見を言い合ったり、また、その映画の製作に携わった人にアドヴァイスを求めたりする主人公たちの行動や言動が痛快です。 面倒な事柄には予め関わらないようにしている省エネ人間のホータロー君が今回も冴えてます。 ミステリ小説としても青春小説としても楽しめる一冊になっていると思います。('-,_ω-`)プッ | ||||
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ホッカルさんは審判の逆位置。 示すのは『未練』 何故なら・・・この愚者のエンドロールはタロット占いの示すカードを守護神と置いた 古典部(探偵たち)が立ち上がり・・・日常に潜む謎を解いていくシリーズです。 この愚者のエンドロールでは・・・探偵の劇を書いた女子高生が 解決編を書く前に・・・熱を出して倒れてしまったために・・・その解決編ってのを氷菓事件の謎を解いたホータローに・・・解いてもらおうというもの・・・。 なかなか暗示的で面白い青春ミステリの最高峰です!! | ||||
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前作、氷菓に比べて、やや深みに欠けるものの青春推理小説ものとしては、すばらしいです。殺人事件もなく、奇抜な推理もなく、派手な犯人探しもない推理小説としては、地味なのかもしれませんが淡々とした普通の高校生生活の日常の中に事件が存在しているのが、とても良い感じです。今回「灰色」な主人公は自分の価値を見つけ出そうと焦るあまり推理の過程で、とても大切なことを見落としてしまいます。かっこいい「お姉さん」も「女帝」も「灰色の主人公」さえ最後にはヒロインの「える」にすべてをかっさらわれてしまったようなそんな読後感でした。お薦めです。 | ||||
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