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まひるの月を追いかけて
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まひるの月を追いかけての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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本作、失踪した兄研吾を探しに、妹の静が兄の元カノと旅をするというところから始まります。その意味ではミステリーがベースとなっています。 ・・・ 小刻みに事実が明らかになり、その不穏さに読んでいてじわじわ・ゾクゾクしてきます。 兄の元カノが実は元カノではない、とか、実はその元カノは死んでいた、とか、兄と元カノともう一人の三角関係?であったとか。加えて、そもそも兄といっても異母兄だったりとか、複雑な家庭環境であることから、異母兄弟で恋愛かも!?という仄めかしも。 かような事実が兄を探す旅の最中に徐々に明らかになります。落ち着いた筆致のなかで、誇張もなく淡々とツイストが繰り出されます。冷静な展開に、これは実はモダンホラーなのかと勘違いするほどでした。 ・・・ さて、主人公静が兄探しをする相手は、結局は高校生時代からの兄の友人である妙子であることが分かりました。で、その場所たるや、奈良なのです。 橿原神宮や藤原京跡など、由緒ある史跡にかつての歴史上の人々に思いを馳せながら歩く二人の様子は味があるものです。奈良をご存じの方はきっと楽しめることと思います。知らないでも雰囲気がありますが、知っていたらもっと楽しかっただろうなあと、読後に羨ましく思う。 いや、たしかに奈良は私も一度行ったことがありました。子どもたちが小さいころに数年程大阪に住んでおり、休日に奈良公園に出かけたのでした。鹿せんべいか何かを買い与え、子どもたちが手づからやると鹿に手をベロンと舐められたか何かで、子どもたちは驚きのあまりギャン泣き笑 ということで史跡のイメージがない笑 史跡をゆっくり歩くという旅もしてみたいですねえ。 ・・・ ということでまたもや恩田作品でした。 ふつふつと不穏な空気が漂うミステリーでした。ちなみに最後は驚きの結末でした。ややメロドラマチックな結末!? 恩田さんのファン以外にも、奈良好きの方、史跡好きのかたは旅のお供に読まれてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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恩田さん独特の雰囲気さえあればそれで満足なファンの私ですが、う~ん、正直今回ははずれでした。残念。 3分の1あたり、失踪した異母兄がみつかるまでは、いつもの不穏で謎めいた雰囲気でどんどん引き込まれたのですが、以後、失速。ただ、その時点ではまだ回収されていない謎が残っていたので期待して読み続けました。が・・最後まで行って、つまりはただ家庭の内輪の事情と葛藤の話だったのかと。膨らませたわりにスケールの小さい話だったのでがっくりきました。 以前、恩田さんの旅エッセイを読みましたが、自分の性格を振り返っていらっしゃったのとこの物語の主人公はよく似ています。人見知りする、社交性がない、大勢と話すのが苦手、昔は旅も嫌いで、どうしてうちにいてはいけないのだろうと思っていた、旅のはじめはいつも憂鬱で、何かが起きて中止になればいいと思ってしまう、ターミナル駅についたあたりからやっと旅行モードに入り始める、などなど。なので恩田さんご本人を見ているような気持ちでずっと読んでいました。 恩田さんは奈良が大好きで何度も出かけているそうですが、この小説の主人公は奈良なのかもしれません。 それほど奈良の神社仏閣や遺跡、散歩道の描写にページが割かれています。それは美しく雰囲気があっていいのですが、恩田作品独特の不可思議な緊迫感を省いて骨子だけを下世話にまとめたら、テレビの2時間ミステリドラマになってしまいそうです。 何か恐ろしいことが起こっているのでは・・という引き込まれる前半だったのに、結局、今回も登場人物はみんな善人で、起こったことにはどんな悪意もありませんでした。いい人よりは屈折した人間の方が興味深いと思うので、「ユージニア」のように、ゆがんだ人物が恐ろしい事件を起こしたという話の方がより印象深いです。 | ||||
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よく行く奈良・飛鳥が舞台となったサスペンスという事を知り購入しました。舞台となった地域は何度も散策したところなので目に浮かぶようでしたが、ストーリー性から言うとイマイチという印象です。 | ||||
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約400ページのうち、特に興味深かったのは、 206〜276ページですね。 それまでの展開でまだるっこしいところもかなりあったのですが (主人公が誘われるままに旅を続けるところなど)、このあたりは、 予想していた方向と少し違ってきたので、面白かったです。 しかし、その後は、若干失速してしまった感があります。 ○○さんが……という必然性は感じませんでした。 ミステリならともかく、「そうではない」のですから。 結局、作者が本作で訴えたかったことというのが、よく分かりませんでした。 もし挙げるなら、「生命の尊さ」あたりでしょうか? しかし、それまでの展開でミステリ的なものを期待してしまったので、 やや肩透かしをくらったというのが、正直なところです。 また、P274で「××がいたような気がした」とあるのですが、 ストーリーそのものには直接関係がないので、 このような「思わせぶりな」描写は不必要と思いました。 さらに、ラスト間際の展開は現実的とは感じず、やや唐突なものを感じ、残念でした。 しかし、風景描写は美しく、まだ行ったことがない大神(おおみわ)神社に惹かれるものを感じたところなどは、 とても良かったと思います。 | ||||
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本屋大賞の「夜のピクニック」で初めて恩田陸にであい、それから何冊か読んだのであるが、 私の出身地である奈良、 しかも北の奈良市内だけでなく、 本当に近所であった明日香、橿原神宮までもが舞台になっている物語があると知り、 すぐに手に入れ読んだ。 またしても恩田陸の奥深さを知る結果となった。 「夜のピクニック」「チョコレートコスモス」と言う「青春小説」が好きで他はつまみ食い程度で 恩田陸のメインは「ファンタジー+ホラー+ミステリー」が本道だと思っている。 が、本作はそのどちらでもあり、どちらでもないといった感じを受けた。 驚愕したのは物語の構成である。 始まりが終わりになり、終わりがまた新たな始まりになるのである。 ところどころで挿入される「寓話」も印象的で実際にストーリーにも絡んでくるのもすごいと思った。 私がこの物語に多少の嫌悪感を感じつつ、読むのを辞めることが出来なかったのは語り部である「静」と感情的境遇が似ていると思ったからである。 家族、友人、夫(私は独身だが)に対して感じる距離感。 一人になりたいのだが、一人きりにはなりたくない。 距離の近い人と二人になるのは苦痛だが、ある程度の距離をおける人との二人はまだ我慢できる。 対人恐怖症一歩手前の不器用さがそれだ。 レビューと言うより個人的感想になってきた。 文庫の裏表紙にあらすじが書かれているが、それはあっという間に覆される。それは最後の最後まで続く。 そして始まりが終わりに、終わりが新たな始まりになる。 私はこの物語にテーマとかは感じなかった。 構成の妙。 これに尽きるのではないかと思う。 | ||||
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夜のピクニックが、とても面白かったので、 どうかな・・・と思い、手を出しまたよ。 ミステリーとホラーとファンタジーを足して3で割って すんごく薄くしたような(笑 まあ、奈良の描写が素敵で、ちょっとした旅行気分になれたけど、 なんていうか、すっきりしないなぁ。。。 定価で買ったらきっと怒る。 | ||||
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本屋で見て気になっていたが、すぐには触手が動かず、古本屋にあったので買ってみた小説です。 内容は、ロードムービーならぬロードノベルってやつですね。 奈良の情景を思い浮かべるには良い小説かもしれませんが、ストーリー自体はぱっとせず、主人公にも魅力を感じません。 要所要所に、「愛のサーカス」などの童話・逸話が挿入されていたのは面白かった。 あと最後一文「新しい旅、新しい物語が始まろうとしていた」はGood! | ||||
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途中までは、喪失感を味わう30代の物語、のような感じかなと思いつつ読んでいたのですが、、いえいえちょっと特殊な人たち(というか人間関係)を描いた話でした。 「彼らの物語であると同時に、私の物語である」というのではないです。正直、ちょっと展開にやりすぎ感があります。 それに、登場人物一人一人はまっとうな人たちなので、そんなふうな人間関係になるものか?とも思いました。まあ子供の頃の環境を大きな原因としているので、素人はなんとも言えませんが。 物語は二転三転し、あっという間に読み終えました。 退屈な読書でなかったことは確かです。 また、物語の舞台は奈良です。主人公たちが周るところが具体的な地名や史跡名とともに出てきます。 作者の描く奈良はどことなくオカルトチックですが、しかし奈良に行きたくなりました。 | ||||
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失踪した異母兄を探す旅。彼が本当に愛しているひととは?石灯籠が出てきますよ。何故か終始夢見ているような浮遊感。乗り物酔いがひどく旅行は苦行。車内での飲食なんてもってのほか、ましてや酒なんて有り得ない。そんな人間でも土地のちからに惹かれて旅してしまいそうです。作者の実在の土地シリーズ(勝手な縛り)としては上手くいっているような気がします。ストーリーとしては失踪した男性をその異母妹と彼にまつわる女性ふたりが探す旅。全体として装丁のようなくすんだ青ともグレーともつかない色合いの小説。彼の本命が判ったとき、異母妹にとっては別の戦いが始まります。女の戦いはあらゆる位置から勃発。まひるの月を追いかけたのは誰?なにをもって「まひるの月」とするかで違ってきます。 | ||||
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かの恩田さんが書いたにしては、いたって普通なミステリー小説。主要登場人物3人が織り成すミステリアスな物語。京の都を旅する二人女性とそれ二人にかかわりのある男性との、一風代わった恋愛ミステリー。しかし、この物語は登場してこない過去の人物の存在が強烈大きく、そこがミソとなっており、ラストも「これからが・・」という終わり方。こういったところはやはり恩田さんの筆力を感じますが、なんか前半の物語にはいつもの恩田パワーを感じませんでした。2転3転するお話も面白いのですが、ややありきりのような。 要は解りやすすぎるのではないでしょうか。「Q&A」「ユージニア」から恩田ワールドに入門した私にはいささか物足りない一冊でした。 | ||||
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何かの雑誌で絶賛されていたので、とても楽しみに読んだのですが、どうも期待外れでした。ラストも驚きと言うよりはどうして?と言う気持ちの方が強くて、主人公に同情の気持ちしか生まれませんでした。 | ||||
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ミステリであるような、ファンタジーであるような、なんとも言えない恩田作品の世界が好きでよく愛読している。今回も新作が出たので読んでみたのだが・・・。前半はミステリっぽい雰囲気があり、物語の世界にぐいぐいと引き込まれていったのだが、途中からは話が中だるみしたり、ストーリー展開に無理があるように感じた。奈良を舞台として設定した辺りは独特の世界があったんだけどなあ。次回作に期待。 | ||||
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