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(短編集)
ララピポ
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ララピポの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 41~60 3/5ページ
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何気に読み始めたが、やめられなくなり一気に読んだ。ある意味グロテスク、しかし身につまされるところもあり、何とも云えない読後感の連作小説であるが、構成とタイトルの妙はさすが(「ララピポ」とは「a lot of people」の実際の発声表記)。どちらが主という訳ではないが、現代の「抑圧委譲」的な社会構造に性のイシューをからめたその着想も秀逸ではある。「要するに、世の中は自分より弱い人間をカモにすることで成り立っているのだ。そして自分は、食物連鎖の最下層にいる」という叫びが耳にこだましてならない。 | ||||
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人と人とは、互いに知らない間柄であっても、案外こんな感じに絡み合ったりしてるのかな、それが最後に関係性の環が出来て...、別の本でこんな感想を持っていたら、同じ様な構成のこの本に出会いました。 「ララピポ」は、正直(、通勤時に読んでいたので)隠し読みが必要な(?)部分もありましたが、奥田さんの拾い上げた人物像(自分に甘くて、弱い)が、それは印象的で、ついつい読み進めてしまいます。 隣に座る全く見知らぬ人とは、案外繋がってるのかな...。 | ||||
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「ララピポ」なんやこのタイトルはと不思議に思って読み出すと、 エロい話のオンパレード。 内容は、はっきり言ってエロ小説ですが、ひとひねり、いやふたひねりぐらいしてある。 だから、いやなエロさがない。 この本の趣向というか仕掛けに慣れれば、ページをめくる手が止まらない。 そして、『ララピポ』の意味を知り納得。 なんとなく生きる勇気がわいてくるという誠に不思議な小説です。 奥田英朗が初めてという人には、あまり薦められないが、 数冊読んでファンだという方にはぜひ薦めたい。 なお、通勤電車では読まないほうが賢明です。 ほとんどのページに卑猥な単語があるので、 となりの人に見られると、 なに読んでんだと思われ、恥ずかしい思いをすることでしょう。 | ||||
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「伊良部シリーズ」の天真爛漫さの裏返しのように、破滅型人間をそのまま破滅させてしまう様を描いた異色の短編集。各編の題名にはロック・ミュージシャンの曲のタイトルが使われている。「What A Fool Believes(D.Brothers)」、「Get Up, Stand Up(B.Marley)」、「Light My Fire(Doors)」、「Gimmie Shelter(R.Stones)」、「I Shall Be Released(B.Dylan)」、「Good Vibrations(B.Boys)」。各曲のタイトルと作品の内容を比べると、作者の洒落っ気が窺える。放火が絡んだ作品に「ハートに火をつけて(ドアーズ)」とか。また、各編の脇役が次編の主人公になると言う趣向を凝らしている。 冒頭の作品を読んだ時は、物語がストレート過ぎて物足りないものを感じた。しかし、二作目以降は上記の趣向が活きて、登場人物が重層的に描かれる事になり、面白いアイデアだと思った。ある作品ではお気楽そうなアンチャンが、別の作品では悩める若者だったり、人間の多面性が巧みに描かれている。そして、本作の各編は"性"を題材としている。しかも、描写は猥雑かつ露悪的である。作者は"性"を人間の根源的な欲として捉えているのであろう。登場人物達の性行動(衝動)は共感を覚えさせる訳でもなく、哀感を誘う訳でもない。こうした作品にありがちなブラック・ユーモアを狙った訳でもない。ひらすら暗く、救いがない。だが、不思議と読ませるのである。特に、登場人物達に馴染みが出て来た四作目辺りから、読む者を惹き付ける力がある。テンポの良い文体に加え、"ネガティブな人生にも活路がある"というメッセージが秘められているせいだろう。 "こうした作風もありだよ"、と敢えて変化球で勝負した作者の心意気を買いたい作品。 | ||||
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裏表紙の内容説明には「長編」とあるが、6話からなる短編集ともいえる。前章で出てきた準主人公が、次章の主人公となって6話がつながっている。 えげつない性的描写が多い。都会の裏社会の現状として、「これでいいのか」と考えさせられる。 えげつない描写はともかくとして、至るところに伏線が張られていて、構成のうまさは見事。よく考えられている。 最終話では、『ララピポ』というタイトルの意味も明かされる。 | ||||
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32歳のフリーライター杉山博は,情報誌の新製品紹介の原稿を書いていた。原稿料は月約14万円仕事はこれだけである。30を過ぎて知り合いと会うのに恐怖を感じるようになった博は,人と口を聞く機会がめったにない。そんな博にすむ部屋の二回にホスト風の男が先週引っ越してきた。しかも今夜は女を連れ込んでいるようである。仕事の手を休めると,二回からかすかな音と天井の木のきしみが聞こえてくる・・・『WHAT A FOOL BELIEVERS』 大好きな奥田英朗の短編集である。全く関係のないいろいろな6人(a lot of people=ララピポ)を主人公とした短編集であるが,短編の二作目は上記のホスト風が主人公,三作目・・・六作目とつながり,最後にまた1作目とつながり時間的にはループしている作品集である。実に「うまい」のである。毎回ながら脱帽なのである。もちろん一日で読み終わる読みやすさ,そして面白さ・・・あぁ,もっと読みたいと裏切りを知らない同作家である。ただし,今回はちょいと助平な話であるので合わない人もいる可能性はある。 | ||||
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おもしろかったです。各章がつながっていて全く違う人物が登場するのに、実は前の章で出てきたエピソードとつながっていて読んでて飽きなかったです。まさにララピポです。(ここでは意味を伏せておきますので皆さんよんで確認してください) 卑猥な描写が多いのは確かですが、おすすめです。ぜひ、ご一読を。 | ||||
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わけあり人生を歩んでいる登場人物たち。 それぞれ悩みを持ち、あまり表舞台で光を浴びない人ばかり。 そんな人たちが、みんな食物連鎖のようにつながっている。 なんかおバカストーリーで笑えた。 | ||||
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欲望のおもむくままに生きる、社会に適応できない人々が主人公。 お下劣なシーンが続き、決して読んでいて気持ちのいい小説ではありません。 でも、著者の構成力と筆力もあって、一気に読み進めてしまいました。 終盤「ララポポ」の意味が分かったときは、ちょっとジ〜ンときちゃいました。 世の中、色々な人たちがいていいじゃないかと。 不思議と爽やかな読後感を味わえる小説です。 | ||||
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一話ごとの短編のようだが、どの話もつながっていてまるで長編のように最後まで一気に読める作品だった。性をリアルに描いているが、さらっと書いてあるせいかエロく感じずに楽しく読むことができた。どの話も社会の中ではおちこぼれで人生の負け犬とよばれる人の話だが、性に関しては貪欲で一生懸命生きている様子が共感できた。 | ||||
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奥田英郎作品をかたっぱしから、読んでいます。 この作品は、初めてエロチックなものでした。(僕が読んだものの中では?) 伊良部シリーズを読んでいて、「恋愛」や「エロチックなもの」が ほとんどないなぁと思っていたのですが、 この作品もそれほど「猥雑」な感じはないように思います。 どことなく乾いているような。 風俗産業、アダルトビデオといったものを題材として、 その周辺で生きている人を描いている。 出てくる人の生き方が、とても普通で、それでいてちょっと変なところが、 すごく現代社会的で面白かったです。 サウンスバウンドやインザプールに比べて、この作品の方が、 面白い映画にしやすいのではないでしょうか。 と、思うのは僕だけかな? | ||||
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夢中で読みました。読んでる間は時間を忘れてあっという間に読み終わりました。後に何も残りませんが抜群に楽しめます。シモネタが嫌いな人は避けたほうがいいですね。 | ||||
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と思うのは私だけでしょうか? 著者の作品を初めて読んだのは「最悪」。 努力作ではあるが、無駄な描写ばかりであの厚さになったのだろうと、 どっと疲れた。 その後話題になった伊良部シリーズを読むも、 発想がまぁまぁだっただけで、ここまで評価されるほど 「この人じゃなきゃこんなに面白くはなかった」なんてほどの作品では 決してなかったと思う。 だから本著も全く期待してなかったのだが、 まず、連作短編としてはかなり巧みに作られている、 この一点が大いに評価すべき点だ。 これだけの構想が練れるのなら、 今後の著者には大いに期待できると思った。 俗に言う最底辺の人たちをここまでリアルに描ける点も、 また、一見お下劣なだけかと思わせるような小品ばかりを 後半にいくに従い、今の世相を描きつつも、 最後には、汚いことして儲けたらしっぺ返しがくるのさ、 と言わんばかりのメッセージ性までしっかりと。 いや、なんとも秀悦な短編小説に久々に出会いました。 | ||||
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伊良部シリーズを期待してこの本を買った方は多分がっかりするかと思われます。 この本は下ネタ満載なので、下ネタが苦手な人は読むのを避けた方が無難でしょう。 僕は結構好きですが(笑) 5話目の西郷寺敬次郎は、著者自身の純文学へのコンプレックスを投影している、と 思うのは僕だけでしょうか? ぜひ奥田氏に直接聞いてみたいものです。 | ||||
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奥田英朗はいわゆる下流生活者を描くのが上手い。こんな人いるかもなあと思わせるリアル感が抜群なのだ。 また、そのようなダメな登場人物に対する作者のまなざしが冷たくはないことが、読後感を明るくしている。 今回は性を巡る男女を主人公とした連作短編。軽快な文章で、作者が楽しんで書いていることが良く分かる。ちょっと調子に乗りすぎな感じもするが。 | ||||
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目標もなく、愛する人もなく、自らを養うことすらままならない。 本来、そんなどん底生活で唯一すがれるものが 他者を必要とするセックスであることは救いなはず。 けれど登場人物たちはセックスのなかですら情を持てず、 悪意を性衝動に変え、ただただ性の消費を繰り返していく始末。 その姿にどうしようもない哀れみと絶望を感じました。 ああはなりたくない。 奥田英朗らしく読みやすくエンターテインメント性に富んでいるだけでなく、後に残るものがありました。 興味のある方は是非! | ||||
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短編を書かせると巧い作者。 読むのが早い人だと2時間くらいで読めてしまう読みやすさで、内容も飽きさせない。 救いがない人々の話ばかりだけど、不思議と暗い気持ちになることはなく、意外とからっと明るいのも現代的。 ララピポというタイトルの謎は本を読めばわかりますよ。 | ||||
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「最悪」や「邪魔」の印象が鮮烈なので奥田英朗はミステリー作家だと 思いがちだけど、実は本作や伊良部シリーズなどのユーモア小説にこそ 彼の本領は発揮されるのかもしれない。 本来ならば暗く陰鬱になりがちな社会の底辺であがく人々の生き様を、 ここまで明るく能天気に書き上げる力は凄いと思う。 ダメ人間を性的な側面から捉えた連作短編というスタイルをとっているので、 肩肘張らずに読むことができる。 作品の奥に隠され文学的なテーマは何なのかとか敢えて深読みする人も いるかもしれないけど、「ララピポ」はそんなことは考えずにサクッと 読むべき娯楽小説である。 | ||||
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著者が何歳か正確には知らないが、ある程度成功した作家が現代の若者たちの抱える心の闇と風俗を「同じ視線」で書こうとする試みは多い。大概は世代の格差を乗り越えられず「大人からみた堕落の不可解な実態」を消化したつもりになって物語が終わるのだが、この作品は堕落も堕落、理解しようとか心の闇とかではなく、なんでもあり、二十一世紀の徹底的にダメな人間模様を書きまくっている。不思議と著者と登場人物との世代や知性の違いを感じない本。登場人物のすることは皆グロイしエロイし最低だし救いがないのだが、書き口がすがすがしいくらい突き抜けちゃっている。ぜんぜん嫌味を感じさせない本。変に感情的に理解したような振りも見せないし、こういう本は好きです! | ||||
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帯と装丁がいかにも幻冬舎らしくあざとくて笑えるが、この小説は帯にかいてあるような「爆笑小説」ではないような気がする。読み始めは確かにかなり笑えたのだが、登場人物達が少しずつ重なり、話が進んでいくにつれて、なんだか笑えなくなってきた。 そして、ラストシーンの小百合の心中を記した文章が「考えるだけ無駄か。…泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。明日もあさっても」である。人間なんて所詮そんなもんさ、というようなどこか哀しい(悲しいではなく)ものが見え隠れしているような気がしてならない。 と、いうようなことを感じてしまったのだが、著者はそんな読み方をされたいのではなく、ただ書きたいことを好きなように書いて、読者に「どうだい、こんな小説もあるよ」と言いたいだけのようにも思える。うーん、どうなんだろう。 タイトル自体にもオチがあるこの作品、好き嫌いは結構分かれるだろうが、こんな小説があっても良い。 | ||||
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