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極夜の灰



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【この小説が収録されている参考書籍】
極夜の灰 (創元推理文庫)

極夜の灰の評価: 4.52/5点 レビュー 23件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.52pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 21~23 2/2ページ
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No.3:
(5pt)

意外な犯人。

意外な犯人。予想外の展開。よくできている。
極夜の灰 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:極夜の灰 (創元推理文庫)より
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No.2:
(4pt)

時代ミステリー。大トリックの可能性は推測できても、ストーリー展開は十分に面白い。

以下、ネタバレないよう努力します。
8月中旬刊の創元推理文庫はやや難解な『終着点』のほうを先に読み、ちょっと日数がかかってしまったが、本書については、休日に一気読みできるのではないかと予測していた。
で、予測通り、休日に一気に最後まで読めてしまった。
原書は2023年に出たばかりの本で、なぜか、アマゾン海外には、まだ一件もレビューが載っていないが、Goodreads という書籍情報ウェブサイトには現時点では26件のレビューが載っていて、どれもなかなか面白く、また、それぞれネタバレないように気をつかっている。
私的感想等
◯第1節には1967年12月27日という日付があり、最後の第46節には(1968年)2月23日という日付がある。つまり本書は1967年〜1968年のワシントンとグリーンランド秘密基地を舞台とした時代ミステリーである。
◯時代考証的には、タイプライター、公衆電話、レコードプレーヤー付きのラジオ、爆撃停止を訴える反戦行進等が出てくる。米ソは冷戦→デタントの時代。そして・・。
◯主人公は精神科クリニックを開業しているジャック・ミラー。太平洋戦争を戦い、日本が降伏したあとの焼け跡東京で、ミヨコと知り合い、1946年3月2日にミヨコと結婚し、ミヨコを連れてアメリカに戻る。ミヨコは努力家で、ジャックにとってはなくてはならない妻であったが、15年前に交通事故にあって死んでしまう。
◯ジャックの本来の仕事は、資産家、女優等のメンタル不調等の治療だが、かっての戦友で、今はCIAの幹部になっているコティからの依頼もある。今回の仕事は、陸軍のグリーンランド極秘基地火災事故の生き残りで入院中のコナーの面談調査であった。
◯本書のカバー裏面の内容紹介をまとめると
①北極圏の極秘基地の発電室で出火し、隊員2名が死亡、1名が生存。1967年末。
②遺体の一方は人間の形をしていたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。
③唯一の生存者のコナーは、顔と両手に重度の火傷を負い、記憶を失っていた。
④謎と陰謀が渦巻くミステリ。
◯この内容紹介を読めば、ミステリファンは著者の仕掛けた大トリックの可能性に気づくだろうし、中トリックの一部の可能性にも気づくかもしれない。全体の構造の可能性にも気づくかもしれない。
◯しかし、トリックの可能性に気づいても、本書の面白さが何ら減るわけではない。ダイナミックな展開で、何度もどんでんがえしがあり、主人公は精神科医なのに、ハードボイルド探偵または冒険小説のヒーロー並み(CIAの協力はあるが)の大活躍である。
◯で、結論は、一気に読める、異色の題材の、面白いミステリーであった。
◯著者は南ロンドン在住で、様々な職業を経て、児童文学を3冊ほど刊行している。本書はアメリカでのデビュー作とのことである。
蛇足
◯240頁には、「もう何年も昔のことで、東京の彼女(つまりミヨコ)の小さなアパートで一緒に暮らしていた」とあるが、この記述は、22頁の、1952年に妻(つまりミヨコ)が交通事故で死んだという設定に矛盾する。何十年の間違いではないのだろうか。
◯上記のGoodreads レビューの中に、2023年に出た本なのに、登場人物がストレートの白人男性ばかりで、多様性に欠けるという批判レビューがあった。
極夜の灰 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:極夜の灰 (創元推理文庫)より
4488126111
No.1:
(5pt)

「眠らない闇」。そのよく練り込まれた「論理」の美しさ

1967年。精神科医のジャック・ミラーは陸軍医療センターを訪れます。彼はCIA幹部、ポール・コティから、入院中のコナー・マーフィー陸軍兵卒から北極圏にある陸軍の極秘基地で発生した火災に関する情報を探り出すよう依頼されていました。
 グリーンランドの極秘基地は実はソビエト連邦向けの弾道ミサイルの配備先として予定されていた施設でしたが、或る理由から配備計画は撤回され基地が引き払われることになりました。徐々に人員が去り、火災発生の直前にはわずか3人を残すばかりになっていました。コナーと下士官でありながら主任研究員のスティグリッツ、陸軍三等軍曹のヘンリー・カーベルの3人。
 11月25日に退去するはずだった3人に一体何が起こったのか?
 グリーンランドでは11月の末から太陽が昇らない「極夜」が始まります。そして、その「極夜」において極秘基地では辛気臭い火災が発生することになります。ジャックは重度の火傷を負っているコナーから真相を探るべく病室でヒアリングを重ねますが、果たして、その真相は?

 グリーンランドの「極夜」を描写した極上のスリラーですからそのディティールを明かすことはできませんが、ジャックがまるで<私立探偵小説>の探偵のように関係者にヒアリングを重ねる内に或ることの真相が覆り、二転三転しながらその真実が明らかになっていきます。そのよく練り込まれた「論理」の美しさが本書の読ませどころだと思います。世界は見た目通りではなく、そこに生きる人物もまた一通りではなく、誰かから語られるストーリーの中に真実への橋渡しとなるような「気づき」を得たとき、ジャックはこの物語をダイナミックに反転させながら、眠らない「極夜」を健全な夜明けへと導こうとします。
 イヌイットの言葉、「眠らない闇」、「自分で自分の日の出をつくらなければならない」、「希望とは、思いこみではなく、空想と現実の均衡を保つことだ」(402p)。それは特に「極夜」に限らず、この悪辣な現実世界に於いても同じことなのではないでしょうか?
 そして、ジャックのその精神科医としての成長によって、関係者たちのその後の深い眠りが保証されることになるのだと思います。
 作者(サイモン・モックラー)は、1960年代後半の米国の雰囲気をバックグラウンドに置いて、幾人かの印象深い登場人物を描き分けながらシャープな物語を構築しています。次作もまた速やかに読めますように。
 ◻︎「極夜の灰 "The Dark That Doesn't Sleep"」(サイモン・モックラー 創元推理文庫) 2024/8/29。
極夜の灰 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:極夜の灰 (創元推理文庫)より
4488126111

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