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おんびんたれの禍夢
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おんびんたれの禍夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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デビュー作より読み続けていますが、岩井さんは作品より私生活の方が面白いと再認識しました。 今作はホラーミステリーと位置付けされていますが、ホラー要素はかなり薄く、ミステリー言うても紹介文の様な「ラストに驚く仕掛け」もありません。ラストに辿り着く前、第3章辺りまで読み進めていくと、ほぼ推察できてしまうからです。 皮肉でも揶揄でも無く、今作を絶賛している方々に、どこが良かったのか伺ってみたいです。 | ||||
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「驚愕のホラーミステリ」とうたっているけれど、ホラーではありません。 両性具有の愛人と暮らす、幼少期の不思議な記憶を持つ小説家のもとに、 海外旅行中の知人から届けられる不可思議な体験を記した手紙。 その手紙をベースに妄想をふくらます小説家。 なにが真実で、なにが夢であるのか、あるいはすべてが妄想なのかもわからない なんとなく、夢十夜を連想させるような作品 不思議な雰囲気にあふれていますが、恐怖は一ミリもありません | ||||
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ページをめくる手が止まらない。岩井志麻子さんの文業の到達点、という感じ。人間の俗っぽさをとことん追求しながらも、決して大衆には迎合していない(ように感じます)志麻子さんの文学世界の魅力を今回も充分に堪能出来ました。本作を音楽家の作品に例えるなら、キャリアを包括するベストアルバムのような気がします。ゴーストライターをつとめる主人公の作中作のかたちで綴られる何とも面妖なエピソードの数々。「ぼっけえ、きょうてぇ」を想起させる姉妹、失踪した名家の夫人とその意外な顛末、その他数奇な運命の人物たち。作中作の充実にも目をみはるけど、 本作品ラスト近くで作中作が現実を侵食し、主人公も読者もどちらも恐怖のどん底に突き落とされる(しかも恐怖のクライマックスが1度ではない)。「なりすまし」「記憶に死角のある主人公」の2つのキーワードが至高の融合をみせており、この作品を傑作たらしめています。南洋怪談の趣きが強いのに、背筋をゾッとさせられました。この作品を読んでいる最中、全く内容は異なる作品ながら、不穏かつ印象深いエピソードに彩られた傑作として吉行淳之介の「暗室」をどことなく思い出していました。尚、タイトルの「おんびんたれ」とは岡山県の方言で、臆病者の意味だそう。なるほど。 | ||||
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