(アンソロジー)
屍者の凱旋 異形コレクションLVII
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
屍者の凱旋 異形コレクションLVIIの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだまだ新しい作家さんの文章でも56歳が全然楽しめるのは井上さんのセレクトが素晴らしいからでしょうか。これからも紙で買って読みたい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ホラーで〈屍者(ししゃ)〉と言うとすぐにイメージするのはゾンビなんだけど、本アンソロジーには一般的なゾンビの概念にとらわれない様々な屍者が出てきて、色んな調理がされていて面白かったです。 収録作品15篇は、以下のとおり。参加してる作家のラインナップ、なかなかのもんじゃないですか。 ⚰️ ふっかつのじゅもん 背筋 ⚰️ ハネムーン 織守(おりがみ)きょうや ⚰️ ゾンビはなぜ笑う 上田早夕里(さゆり) ⚰️ 粒の契(ちぎ)り 篠たまき ⚰️ アンティークたち 井上雅彦 ⚰️ 風に吹かれて 久永実木彦(ひさなが みきひこ) ⚰️ コール・カダブル 最東対地(さいとう たいち) ⚰️ 猫に卵を抱かせるな 黒木あるじ ⚰️ ES(エス)のフラグメンツ 空木春宵(うつぎ しゅんしょう) ⚰️ 肉霊芝(にくれいし) 斜線堂有紀(しゃせんどう ゆうき) ⚰️ ラザロ、起きないで 芦花公園(ろか こうえん) ⚰️ 煉獄(れんごく)の涙滴(るいてき) 平山夢明(ゆめあき) ⚰️ ゾンビと間違える 澤村伊智(いち) ⚰️ 屍(しかばね)の誘(いざな)い 三津田信三(みつだ しんぞう) ⚰️ 骸噺(むくろばなし)三題 死に至らない病(やまい)の記録 牧野 修(おさむ) なかでも面白かった作品は、次の七篇です。 第1位 久永実木彦「風に吹かれて」 主人公・墓守(はかもり)の仕事への矜持(きょうじ)、決死の行動に、とても共感しました。作品に漂う叙情的な雰囲気も良かったです。 第2位 空木春宵「ESのフラグメンツ」 最初は読むのが面倒やなあ思ったんだけど、番号や記号どおりにきちんと読んでいくと、これが実に面白かったんですね。屍者の心の声が聞こえるところ、内なる意識が描き出されているところ、読みごたえありました。 第3位 三津田信三「屍の誘い」 昔懐かしい怪談の風情、ひたひたと迫ってくる恐怖。身に沁みてくる怖さに、ぞわりとしました。山中の描写の臨場感、その場にいて身を浸している感じも良かったです。 第4位 芦花公園「ラザロ、起きないで」 行間に満ち、こぼれてくるあまりの臭(くさ)さに、脳内の嗅覚を強く刺激されながら読みました。不謹慎だけど、何回か笑っちゃいました。あと、〈つむぎの記録〉の字体がそれっぽくて、いい味出してました。 第5位 上田早夕里「ゾンビはなぜ笑う」 監修・井上雅彦氏の作品解説にあるとおり、《オープニングから凄まじい緊張感が漲(みなぎ)っている。まさに、臨戦態勢》の雰囲気にぞくぞくしながら、頁をめくっていきました。ピアノ曲の調べともども、なんや、切なくなりましたわ。 第6位 織守きょうや「ハネムーン」 主人公の男のとる行動は確かに異常なのかもしんないけど、でも、そうする気持ちがとてもよく伝わってきて、親近感を覚えました。 アフターゾンビの世界の静謐(せいひつ)感も、印象に残ります。 第7位 澤村伊智「ゾンビと間違える」 読み始める前はタイトルの意味が分からなかったんだけど、読んでる途中で「なるほどな」と。「これは、あるな」と。王道のゾンビ小説をちょっとずらして、ゾンビじゃない人間の暗い部分にスポットライトを当てたみたいな。リアルな世界と地続きになってる、これ、恐くてイヤな話だわ。 いつもながら、井上雅彦氏による幕開け前の「編集序文」、いいっすねぇ。読み心をくすぐり、気分を盛り上げるくるわくわく感が、もう、なんとも言えません。 次なる【異形コレクション・シリーズ】第58巻のテーマは、なんだろう。出演作家は、誰やろう。 また、楽しみに待ってます。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|