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なれのはて
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なれのはての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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直木賞受賞作ということで作者のことを知らずに読み始め、途中で作者についてアイドルグループ出身であることを知って読み進めました。だからというわけではないですが、期待した以上の読み応えがありました。 全体を通して丁寧な筆致で物語に誘う力がありました。現代を舞台にした章立ての間に過去のお話が挿入されますが、それが主観的視点の証言だったり思い出話だったり、客観的視点からの挿話であったりと、凝った構成になっています。 作者は当然、いろいろな文献などから取材して書き上げたのだと思いますが、それらが破綻なくまとまっていると感じました。 ただ2点、守谷が小学生の時のエピソードと吾妻母の回想部分はとってつけた感があったために、物語のラストにおける主役級の登場時点のカタルシスが少し毀損されてしまったような気がします。 それと、読んだのは第二版でしたが、426ページ「彼は輝の作品の魅力を」の部分は「輝は彼の作品の魅力を」の誤植ですね。 最後に「正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾でもある。」(442ページ)は深く憶えておきたいことばです。 | ||||
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加藤シゲアキさん初読み。直木賞候補に上がるなど評判は耳にしていたが…期待を遥かに超える面白さ!と筆力!!ストーリー展開が奇抜で、表現が巧みである。最後は副鼻腔に感涙が満ちていく感じで読了。 新年早々この本に出会えて良かった。 | ||||
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謎の画家であるイサム・イノマタの一枚の絵をきっかけに、猪俣家に関連する事件が明らかになる。ジャンルとしてはミステリー。現代と過去をいったり来たりする構成は、読みにくくなる場合もあるのだが、本作品では現代パートが謎の提供で、過去パートは謎の解決に概ねなっていて、謎を解決しながら読み進められるので、一歩一歩冒険を楽しんでいるような体験ができる。人物相関図を書きながら読み進めると、なんとなく事件の真相が見えてくるのでおすすめです。最初から最後まで面白かった。直木賞を受賞してもよかったのではないかと思う。 | ||||
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著者の本は4冊目だが今までと程度が違う。いい意味で物語に引き摺り込まれる。登場人物のその当時の述懐があるため微妙なすれ違いが起きない。ただラストのつながりは多少強引さが強く出ていた。 | ||||
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「アイドルにしては良く書けてる、それだけ」みたいな感想しか書かず星1つ付けてる人は本当に読んでるんだろうか? 自分はこの方がアイドルということも知らずに読んだけど、久々にここまで素晴らしい作品に出会えて嬉しいとすら思った。 多くのテーマとメッセージが散りばめられているが読者の気が散漫にならぬよう丁寧に書かれていて、最後まで「一枚の絵の作者を求める」記者たち、という太い軸は揺らいでいない。 ページが進むごとに、読者である自分もどんどん絵の作者への想いが強くなる、切ないくらいに。 登場人物誰もが苦しくてやるせない。でも最後は希望を与えてくれる、そんな優しいお話だった。 | ||||
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ミステリーと歴史を繋げて読みやすく引き込まれる小説てす。 | ||||
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わたしはアラフォーの男です。純粋に加藤シゲアキの作品は面白かった。深く登場人物を設定して、時代設定も説得力があった。 最後のシーンは震えた。 直木賞は間違いないと思っていたし、じっさい受賞作品よりもこちらの方が ストーリーに厚みもあるし、引き込まれた。 加藤シゲアキのことは、よく知らない。アイドルだから、という穿った目ではなく、純粋に1作品として楽しめた。 次回作も期待しているし、この作品もなにかしらの賞を与えられるべきである。 それにしても、直木賞にはがっかりだ。受賞作を読んだが、薄っぺらいラノベまがいのものだった。。 | ||||
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すごい。すごいよシゲアキ。前作の『オルタネート』もすごかったけど今作もすごい。ディテールの積み上げ方が本当に緻密で、『オルタネート』では、高校生という狭い範囲で物語が終始していたけど、今作は大風呂敷広げてきてその大きさに圧倒、ただその大きくなった分綻びを感じる部分があったことも確かで、大きく三点ありました。 まず、現代と過去を行き来するその狭間で人物関係がややこしくなって見失いそうになる始末、途中で相関図を書いてなんとか読み進めたけど、エンタメの面白さよりしんどさが勝ってしまったのは否めない。もう少しシンプルにできなかったのか。或いはその複雑さに見合うぐらいの衝撃が欲しかった。 二点目は、調べたことをどれだけ物語の中に自然に溶け込ませるか。例えば、輝が山小屋を爆燃させようと火の付いた軍手を投げ入れる場面、その直後に可燃物が燃える温度について説明が添えられているけれども、知識の羅列が物語の進行を妨げていると思うようなところが何ヶ所か目に付きました。その積み重ねがリアリティを一層高めていると言えばそうなんですが、その辺がすごく難しいな……と。「説明」ではなく「物語」であってほしい。可燃物うんぬんについては、それまでの部分で自然と物語に溶け込ませることができていれば一番よかったと思いました。 三点目。終盤でタイトルの「なれのはて」という言葉が本文でふっと現れるわけですが、こういうキラーワード的な使い方をするのであれば、もっと、もっとここで打ちのめされたかった。タイトルと小説の内容が有機的に結び付いているかというとそこまでではない印象を受けました。 気になる点を挙げましたが、作者の心意気が伝わってくる傑作だと思います。物語の畳み方も見事でした。残念ながら直木賞受賞には至らなかったのですが、どこが評価されどこが評価されなかったのか、選評を楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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一つの絵から様々な物語に繋がり、とっても面白かったです。重く、ただその中に少しの希望があり、最後は感涙してしまいました。 | ||||
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誰かを思い生きつづけるエネルギーの熱さだったり、正義のために全てを表に出すことへの問題提起だったり、なかなか書くのをためらうような、難しいようなテーマが込められていたと感じた。 そして、最後のシーンに心が震える。 誰かを焦がれるように思いそれが通ずる温もりがたしかにあった。 「なれのはて」 この作品のタイトルの意味を自分なりに考え続けている。 登場人物は石油を見て、それをなれのはてと呼んだ。 石油は死んだ生き物の結晶、生き物の行き着く先だと。 最後のシーンと繋げるならば、誰かを思い生成されたその生き様がなれのはてで、それを燃やし続けることが生き物としての熱だと、わたしは感じた。 道生がかいてきた絵は、なれのはてそのもので、それをエネルギーとして燃やし生きてきた。その熱さが心にともる素敵な作品だった。 | ||||
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全体の整合性をよく整えた力作である。ただ、私は最初のミステリー仕立ての後の謎解きが冗漫すぎて読み疲れ、一度くじけそうになった。終盤はテンポよく伏線がつながっていったのだが、前半では「この人誰?」とかなって、複雑に作りすぎたような気がした。 秋田の油田があったり、大空襲があったりしたという史実は、全く知らなかっただけに興味深かった。 TV報道局の一件が、一つ余計なエピソードに思えてしまった。ただ、直木賞作品としてふさわしいかは微妙だが、間違いなく力作だった。 | ||||
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これは面白そう、と思って読み始めたら想像以上で、一気読みしたくなる内容でしたが、この重厚さを一気に読んでしまうのは勿体無くてじっくり丁寧に読ませていただきました。 物語のスケールの大きさ、いろいろな登場人物のさりげないエピソードが最後にきちんとはまり込んでいく気持ちよさ、あちこちに散りばめられた深くて含蓄のある言葉、読み終わった後の爽快感などどこをとってもパーフェクトな作品です。 海外住みのせいもあってアイドルでもあるという作者のことを今まで知らず、その多彩さに驚きました。他の作品もぜひ読んでみたいし、たくさんの人に勧めたいです。 | ||||
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まず初めに、加藤さんの作品はデビュー作から読んでますが、確実に大衆向けの筆力を上げたのはオルタネートあたりだと思います。今作に至っては作者のアイドルとしての肩書きを気にせず、普通に文芸作品として本作をたくさんの人に読んでいただきたい。 読む前に宣伝などを見る限り、戦争がテーマのミステリだと思っていたら、それ以上にテーマが多い作品でした。戦争はもちろん、秋田地方の歴史、美術や著作権、報道のあり方、家族や友情の形式、いわゆる自閉症なども全部重要なテーマと考えられます。それだけのテーマを扱いつつ、一つのミステリ/ストーリーとしてすごく綺麗にまとまってるので驚きました。最後の方は感動しましたし、読み終えた後もかなりの間余韻が残りました。今年一番好きな小説の一つになったので、この作品をきっかけに、他の170回直木賞候補作も読んでみようと思ってます。 | ||||
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「オルタネート」に続き加藤作品を読むのは2作目。 オルタネートでは高校生達のsnsが主軸か~と全く期待せずに読みはじめたが 中高年の自分までぐいぐいと引き込む物語の巧みさで感心させられた。 そして今作「なれのはて」も、やはり初めは「まあ下手ではないだろうけど」くらいの軽い気持ちで読み始め約440頁を2日で読んでしまった。もう一度読み返したいと思える作品。 両作品に共通して「凄く調べて勉強した」のが強く感じられた。 欲を言えば、次作は、凄く調べたんだろうな、という感想を持つ事なくもっと自然に読み終えてみたいという事。 これは、調べた事柄を長々と書き連ねるばかりの作品も数多い中で その次元はとっくに超えている加藤氏だからこそ、彼なら出来るはずと期待して記しています。 次作にも期待せずにはいられません。 | ||||
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何かのミステリを探しているときにお勧めに出てきたので、購入、読了。一言で言えば、面白い。1週間くらいかけて読ませてもらったが、読書の醍醐味が味わえた幸せな1週間だった。これは他の人にも自信を持って勧められる。 ただ、全ての伏線を完全回収する必要はないかなとは思う。 ある程度伏線を回収しないと「風呂敷広げるだけ広げておいて、それですか」とはなるものの、あまりに全てを丸く納めてしまうと、「世の中、散発的な出来事もそりゃありますよ」という現実性が失われて、かえって嘘っぽくなってしまう。その匙加減は人のこれまでの経験や好みの問題だとも思うが、個人的にはやりすぎかと。特に、主人公の配属にかかるエピローグは全く不要で、むしろ主人公はその配属先で根をはやして欲しかった(個人の願望)。 | ||||
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とても凝った構成を一気に読ませる力量にうなりました 地にへばりつくように生きる人々の人生の重さと交錯する思い 死生観を深掘りするような重厚な作品でした 軽々しく感想をまとめられない、存在の根底に沈殿して深い印象が残ると思います | ||||
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小説は慟哭を描く。 それは一枚の絵がはじまり。 大正から、戦争、そして現代まで。 不思議な絵の画家の姿を追っていく。 そのミステリアスな謎を解明していく階層は深くてつらくて。 ”なにかを抱えて生きる人々に”と。 あの、”たった一日”が人生を変えてしまった。 | ||||
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かなり厚い本であったが、読み終わるのにそんなに時間は掛からやなかった。まだ若年でアイドルという立場でありながら、これだけの作品を描くのは相当の努力の賜物と言っていいだろう。彼の作品は何作か読んではいたが、一作ずつ進歩しており、まさかこれだけのスケールの大きな作品に出逢うとは思っても゙いなかった。戦中、戦後に物語は移り変わっていくが、違和感はなく、自然に物語の中に入り込む事が出来た 人間関係が少し難解な点はあるが、彼の代表作の一つとなるだろうし、これからの進歩が期待できる稀有な作品であった。 加藤シゲアキ、あっぱれ! | ||||
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文字描写だけで目の前に景色が見える。 先の展開が気になって、次から次へと一気に読み終えた。 おすすめの1冊です。 | ||||
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一冊の本とは思えない、スケールのあるストーリーで感動しました。後半は映画を観ているような臨場感を感じながら読み進めました。 オススメの本と聞かれたらこの本を薦めます。 | ||||
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