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歌われなかった海賊へ
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歌われなかった海賊への評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 1~20 1/2ページ
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構成として「現代→戦中→現代」という流れになっているが、最初に現代部分である種のネタバレを行っているので、メインとなる戦中時代のラストがどうなるのかが分かってしまっており、本来盛り上がるべき防空壕のシーンとそれ以降が予定調和に感じてしまった。個人的には「戦中→現代」の方が良かった気がする。 とはいえ、全体としては非常に面白いテーマであり、戦中時代については退屈に感じる部分は無いまま、あっという間に読む進めた。逢坂冬馬の今後の作品も楽しみ。 | ||||
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今の日本も見て見ぬ振りが横行していると思う。おかしなことがたくさん起きていると思う。 歌おう、少なくとも投票しよう。 | ||||
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MISIAさんの推薦があり読みました。 戦争というものがもたらす様々な感情や傷跡を描き切っており手に汗握る描写もありあっという間に読み切ってしまいました。日本人作家がここまで書ける事にも驚きました。 | ||||
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本書は、第二次大戦下ドイツにおける、反ナチス運動としてのエーデルワイス海賊団をテーマにしている。 そのような集団が存在したことさえ知らなかったが、どうやら若者たちが中心になって「反ヒトラーユーゲント」的に組織されたものらしい。 といっても、明確な思想に完徹された組織だった活動ではないらしく、ある意味では散発的なまとまりのないもののようだ。 本書で描かれるのは、それぞれ複雑な背景を持った、十代の青少年(少女)たちである。 素行不良だったり、ゲイだったり、いわゆるジプシーだったりと、ナチス政権下では「必要ないもの、存在してはならないもの」とされた者たちだ。 その意味では、民族ごと消されかけたユダヤ人の立場に少しだけ親和的である。 しかし、その彼らも明確な反ナチス思想というか、きっちり言語化された主張などがあってエーデルヴァイスの活動をしているわけではない。 むしろ、それぞれの抱える屈折に由来する違和感というか、純粋さというか、そうした明確な形の伴わない力によって、突き動かされているのである。 それが彼らの強みでもあり、また弱みでもある。 そんな彼らにとって、ナチスそのものが反発すべき敵であるのはもちろんなのだが、その活動を「心の底では嫌っている」とはいえ、表面上は波風立てず服従しているように見える一般の大人たちも、それと同じぐらい唾棄されるものに映る。 彼らは基本的には「いい人」なのだが、どこか欺瞞を抱えている。 特に、そうした人々が戦後になって自分はひそかに「反ナチ的」立場に身を置いていたのだ、とできる限り自身の立場を「取り繕って」語るような言説は、彼らにはとうてい許せないものなのである。 なぜなら、そうやって被害者のように語るその彼らこそが、本書のエーデルヴァイス海賊団の若者を見殺しにした当事者たちだからである。 この取り繕った言説というのは、ある意味ナチスの「プロパガンダ」と同じ穴のムジナであろう。 そこには偽りや打算があふれているから。 しかし皮肉なことに、そうした手法を毛嫌いする彼らだからこそ、逆に彼らの活躍は戦後全く「歌われなかった」のだともいえる。 分かりやすい、耳障りのよい紋切型の言説に落とし込めなければ、多数の人間の共感というものは得られないものだから。 マイノリティの集まりである海賊団は、その性質上、決して「一枚岩」になることがない。 だからこそ、その思想はどこにも定位できず、戦後奇麗にかき消えてしまったのではないだろうか。 逆に、ひどい偽りに満ちていても巧妙極まるナチスの思想は、この現代でもゾンビのように幾度となくよみがえってくる。 じつは、彼らが唾棄した「汚い大人」のやり口というのは、ある意味それぐらい懐が深い、百戦錬磨のものなのだ。 現在の民主主義活動やマイノリティ活動のほとんど全てが、現代ではかつてナチスが用いた宣伝の手法を多かれ少なかれ採用していることからも、それは伺うことができるだろう。 歌われるためには、だれかが積極的に謳わねばならないのだ。 ちなみに本書では、少数にアイデンティティを持つ少年少女の人物描写が今一つ真に迫っておらず、なんだかよく分からない集団が良く分からないまま一致団結して、それで中途半端に活躍したという印象がぬぐえない。 その辺りは本書の筆者の今後の課題ではあるまいか。 | ||||
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時代に翻弄されながらも、ただ自由に生きたい、目の前の光景が納得できないという自分たちの気持ちを貫き行動した少年少女たちの姿がとてもたくましく感じられた。一人ひとりの登場人物の背景にも惹きつけられた。 誰もが自由に生きること。わかっていてもできなかった大人の心を、勇気をもって立ち向かった少年少女たちの行動が救ったようにも感じられた。 | ||||
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ナチス統治下で、ナチスへの不服や疑念を持ちつつも保身のため何も知らないフリをする多くの大衆に対し、いかに少数派であろうと不都合なことから目を逸らさずに思いのまま生きた少年達の物語。 途中の段階で「まぁまぁおもしろかったなぁ、こんな結末になるのかなぁ」とラストをなんとなく読めたつもりでいたが、終盤のストーリーによって、更にもう1,2歩、より胸の深いところにメッセージが入ってくるような感覚があった。 人や物事を全て理解できている気になっていないか、理解することを諦めない姿勢を持っているか、改めて問われた気がした。 | ||||
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自分も、いざとなると保身のために現実から目を逸らしてしまう人間なんだろうなあと思ってしまう。でも、マイノリティで弱者側の部分も自覚してるから、理解できなくても相手を思いやる気持ちはもち続けたいとも考えている。現在進行中に起こっている諸問題に小さいながらも声を上げていけるのか?私の人生の課題 | ||||
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入金後、すぐ本が届きました。丁寧に梱包されており、本も綺麗な状態で良かったです。 | ||||
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帯に「隣の町に、ナチスの強制収容所があると知ったらあなたはどうしますか?」とあるが(本書を読み終わってから気がついた)この本の問い掛けとしては抽象度が低く残念に感じた。 何故ならこの物語の出来事を単に戦時物として小さくまとめてしまうからだ。 遠くに目をこらす事で今の自分では無い、と。 今現在どっぷり当事者である事象から目をそらす事だからだ。 例えば全員が当事者だった2020年からの「騒ぎ」について自分がどういう態度(だった)か。 著者の事はこの本が初めてで存じ上げないし、おそらく著者の意図も帯の通りなのだろうと思う。 それでも私の言葉にピンとくる人や抽象度の高い人にとってこの物語は帯の言葉以上に自身の事として響いたと思う。読書ってそういうものですね。読む機会が有ってとても良かった。 | ||||
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ようやく読了。興味を持続するのが難しかった。 が、参考文献をみてこれが史実によるフィクションである事を知り驚く。日本で同様の事例が起こらなかったのは何故か?知らないだけで実はあったのか? この小説はラストの数十ページに全てがある。庶民の戦争責任について。サイレントマジョリティ。これは第二次世界大戦でのいわゆる加害国に共通する。否、連合国にあってもあった事だろう。そのときに一兵卒や一市民であった者には触れてもらいたく無い恥部であろう。 作者には日本の事をこそ書いてもらいたいが、或いはそれができないからドイツを借りたのかもしれない。 マスターキートンに日本国内の捕虜収容所のことが描かれているが最近、そのことで学問的な書籍が発売された。戦中派の存命者は80代以上だがまだ語られるべき事があるように思う。 | ||||
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前作が素晴らしかったので購入。 前作があまりに良く、こちらはそれに匹敵するほどではないという感想ではあるが、こちらはこちらで充分素晴らしかった。 クライマックスの感動は、やはり「同志少女よ〜」の作者の作品だな、と沁み入った。 前作が戦争の最前線の話なら、今作は最前線には行かなかったが、戦争と戦った少年少女、市井の人々の話であった。 | ||||
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前作が良かったので期待して読み始めてみたのだけど、ナチス政権下での少年少女たちの息苦しくも燃えるような反抗心を描いているのは良かった。 ただ、歴史小説というか、その時代背景を紹介するような内容の匂いが濃くて、面白くなかった。 学校の授業で見せられる勉強用の映画みたいな感じ。 「人間として言えない事もある」の内容も正直見え透いていたし、最後のオチも綺麗ではあるけど唸るほどではなかった。 | ||||
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超長編の小説でいきなり鮮烈なデビューをした「同志少女よ敵を撃て」の作家の第二作もかなり面白い。エーデルヴァイス海賊団なる集団がナチス統治下の中であったのも勉強になるし、エンタメ要素も入れながらの若者たちの深層心理の描き方が巧み。 この方、両作品ともLGBTQの人物、描写が非常に自然な形で出てきます。自分が当事者なのでその辺りも非常に親近感持てる。 今後もこの逢坂冬馬という作家には目が離せない。 | ||||
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同士少女は終始重苦しい雰囲気であったが、 こちらの海賊はもう少し軽い感じでさくさく読み進められます。 しかし、終盤で急展開。 そして、あ、そういえばこれは過去の話だったと気付かされる。 最後まで読んだあと、また最初に戻ってイチから読み直す... 同士少女も全く同じことをしました。笑 2周目は1周目よりおもしろい。 結末を知っているのになぜだろう? | ||||
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正直、戦時中の日常や生活、ましてや異国の話など想像でしか見たことないが、なぜかノスタルジックな気持ちになる作品。 | ||||
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●前作「同志少女よ、敵を撃て」ではカチューシャの歌がバックグラウンドに流れていた。本書では 少女エルフリーデの歌がテーマになっている。 若者たちのたぎる想いは純粋で眩しい。自分が自分であるために何を成したかったのか?抗う者の 焦点が分かったのか?レゾンデートルを見つけた少年少女の歌は、なかなか大人には届かない。いわ んやナチ政権下のドイツにおいてをや。 一度通った道なのに、彼らの真っ直ぐな想いは私にはあまり響いてきませんでした。多くの垢がた まってしまって、鈍くなっているようです。その垢さえも生きて行くには仕方ない事なのだと、自分 に折り合いをつけています。 | ||||
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実際あったことを下地として小説にしたのでしょうが、現実感が出ていない。児童活躍物語風で感動がない。あまりに「同志少女よ・・・」のできと差がある。作者の2作目を待っていたが、期待外れでがっかり !! | ||||
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娘が「同士少女・・・」と同じ作者の新作だから是非読んでみたいというので購入。とてもよかったようです。「どんなところがよかった?」と聞くと「読めよ」と言われました。 反抗期の子が親に薦めたくなる一冊。 | ||||
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ドイツの抱える現在まで続く闇に踏み込む重厚な作品であるが、前作と比べるとちょっと後味が悪いかな… | ||||
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第二次世界大戦のドイツでナチに迎合できない少年少女で構成されたエーデルヴァイス海賊団。現代パートの歴史教師と生徒のトルコ系移民の少年の話から、戦時中のエーデルヴァイス海賊団の活動を記録した書物の内容に移る。ユダヤ人の迫害や同性愛やナチの存在、世の中を分断するものはたくさんある。それに立ち向かう青年たちの勇気ある行動に涙が出てくる。最後に現代パートに戻った時、世を分断するものはまだ残っている事実を突きつけられる。人類はまだ戦後を迎えていない、そんな絶望という気持ちを抱いてしまう、強烈な作品である。 | ||||
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