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歌われなかった海賊へ



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【この小説が収録されている参考書籍】
歌われなかった海賊へ

歌われなかった海賊への評価: 4.37/5点 レビュー 35件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.37pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 21~35 2/2ページ
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No.15:
(5pt)

知られていない史実から拡がる物語が現代の我々に教えるものとは?

あの「同志少女よ、敵を撃て」の作家による第二弾。発刊後すぐに購入して「積ん読」状態だったのを、この年末年始にようやく読んだ。
これも史実をベースにしたフィクションだが、逢坂氏らしい明快な文体とストーリー展開で読ませる。私はこれを読んでいると、登場人物やそのシーンが頭の中で浦沢直樹風の漫画に変換されて浮かび上がってきた。多分、昨秋にネトフリで観た"PLUTO"の影響だろうが、それはこれがエンタメ小説として優れている特長でもある。
1940年前後~ナチスドイツの暗黒時代にヒトラー・ユーゲントのような「体制翼賛青年団」だけでなく、ここに描かれるように体制に反発する青年たちによる「エーデルヴァイス海賊団」のような動きがあったことを初めて知ったが、この海賊団の主人公たちによる「ある反乱作戦」を通してこの小説は多くのことを我々に伝えてくれる。特に、当時のナチス政権の蛮行がナチ党やその支持者たちだけによってなされたものではなく、多くの「見て見ぬふり」をしてきた「漫然たる順応者」もそれを支えてきた点。そして戦後にはそうした層が戦争責任を逃れて「我関せず」にある意味のうのうと生きてこられた事実。そこが一番大切な訴求点ではなかろうか?
ちなみにこの小説は、当時のドイツの時代考証や歴史事実の確認などで、あの「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」の共著者:田野大輔甲南大教授が監修協力しているので、ベースとなる史実はしっかりしている。そして、つくづく「小説というカタチ」が持つイメージの伝達力を感じる。勿論おすすめ!である~(*^^*)
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No.14:
(4pt)

少年少女たちによる決死の反旗

それぞれに事情を抱えた少年少女たちによるナチズムへの抵抗運動の一部始終を、当事者として関わった、かつての少年が回顧する構成として物語は進む。感想として、前作の余韻が今だに残るほど鮮烈だった分、少し物足りなさを感じた。『スタンドバイミー』のような冒険に重きが置かれている分、戦闘による生死の分かれ目を彷徨う過酷な状況をもっと読みたかったと感じた。しかしながら、多数の参考文献や専門家による歴史考察の監修を経て出版されているため、単なる文学としてだけではなく学習教材としても幅広く活用されることが期待できる作品だと思います。
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No.13:
(2pt)

漫画のようで…

少年たちの殴り合いのシーンや、爆弾を少年たちが設置するシーンなどが、漫画のように描かれていて、史実を知りたいと思えば、ちょっとどうでもいいような気がします。要するに、と言ってしまえば4分の1以下で述べられそうな小説でした。高橋源一郎さんのラジオで紹介されていて、絶賛されていましたが、期待をしすぎて読んだのも失敗だったかもしれません。小説ですから、あらすじを書いてしまうのは御法度なので、ここには書きません。最後の最後に、「これはフィクションで…」というエクスキューズが出てきますが、最初に書いてあれば、史実を知りたいと思う多くの人が読むのを回避できると思います。若者向けに戦争を知るきっかけとしての読書ならお勧めなのですが、評価をきつくしたのは、『少年H』と同じ臭いがしたからです。登場人物が「もうすぐ戦争は終わる」とか「ドイツ軍がやっていることはおかしい」とか言って、あたかもリアルタイムに大局を知っているかのようなセリフ、Hを読んだときの既視感を感じました。
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No.12:
(5pt)

読後感

ナチス時代の庶民の心理状態が良く理解出来た。
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No.11:
(5pt)

今のガザの虐殺とそれに対する私たちの責任の問題を考えさせられました

深く心をゆり動かされながら、読了しました。ナチスドイツ最末期に偶然、「収容所」の真実を知った若者たちによるその輸送列車を止める命懸けの行動をハラハラドキドキしながら読み進める一方、見て見ぬふりをしながらナチスに協力する住民たちの戦後も続く姿に、日本の戦後の問題、今のガザの虐殺とそれに対する私たちの責任の問題を考えさせられました。すごい中身です。
表題に使われ、文中にも出てくる「歌われなかった海賊へ 歌わなかった住民より」という文章が胸に迫ってくると共に、文末の「歌わなかった住民たちだった――。確かに、自分たちは。だが、これからだ。これから歌ってみせる。」が、これからの私たちの背中を押してくれる気持ちにさせてくれます。これが「文化」の力であり、小説の力なのですね。
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No.10:
(5pt)

今の私たちについて

国際問題、移民問題が大きく取り上げられる昨今。たくさんの気付きがありました。
(以下一部本書より)
本書後半の「少数派である人が思うがままに生きていけるかどうかによって、社会がどの程度上等かが分かるんだよ」という言葉が胸に刺さりました。
かつてのドイツのユダヤ人、埼玉県のクルド人、中国のウイグル族。その他諸々の少数派民族が頭をよぎりました。
他人事と思いニュースを目にしていましたが、本書を読み今までと見方が変わった気がします。

「本物の人間であるために」目を逸らしてはいけない問題です。
そして気付かぬふりをして社会悪から目を逸らすこと、何も解決に向けて動かないこと。これもまた一つの悪なのだと感じました。
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No.9:
(5pt)

著者の深い心情が伝わってくる

トルストイが「戦争と平和」の初稿を発表したのが37歳。著者とほぼ同年。クリミヤ戦争最前線での自らの苦闘の体験をも通じて、ナポレオン戦争の、詳細に調べ上げた資料を、トルストイは物語の途中にどんと投げ入れて、批評家から「小説のイロハを忘れている」と非難された。しかし、小説はいたるところで話題になり、この作品は「今までの古い枠を超え、新たな問題を提起した真に創造的作品である」と再評価された。ツルゲーネフは後に「これは偉大な作家の偉大な作品であり、これこそ真んのロシアである」といった。冬馬さん、これからも、思いのままに著作をつづけてください。
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No.8:
(5pt)

ただただ、揺さぶられた。

胸が一杯で、それ以外の言葉にできない。
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No.7:
(5pt)

私たち

前作もめちゃくちゃ面白かったですが、今回も凄いですね。休日に出かける用事をキャンセルして一気読みしてしまいました...。
日本にしても、今も私自身、過去を忘れてはならないし忘れてはいないという体裁をとりつつも、誰かの犠牲を見なかったことにして
都合良く平和を享受しているなぁと思いました。
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No.6:
(5pt)

感慨深い

前作同士少女よ、敵を撃ても読みました。
前作同様感慨深いですね!エーデルヴァイス海賊団知らなかった。歴史は詳しいつもりだったけど知らない事まだまだあるもんだ!知らない事知るとわくわくするよね!読みながらわくわくした!個人的には逢坂冬馬さんの文章好きだな。
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No.5:
(5pt)

素晴らしいの一言

素晴らしい作品の一言です。一作目に引き続き、多数の文献を調べた上での創作・構成と時代考証、文章も読みやすくストーリー展開も面白く、一気に読みました。
そして、読み終えた後、もう一度28ページまでの序章を読まずにはいられなくなり、再度読んでみると、そこには最初に読んだときとは全く違った深い意味を持った物語が待っています。一度通読した後、序章を読み返すことによって、この本は終章を迎えると言ってもいい。そして、読み終えた後、この本のタイトル「歌われなかった海賊へ」の意味が胸に響きました。
エーデルヴァイス海賊団のことは、この本で初めて知りました。戦時下に実在し、若いながらにナチスに抵抗した彼らの思いが伝わって来るようでした。この本を読まなければ、彼らのことを知ることはなかったでしょう。一作目もそうでしたが、これまでスポットライトの当たってこなかった存在を主役に引き出してひとつの小説にする作者の手法は本当に見事というほかない。誰もが読むべき、エンターテイメントとしても申し分のない作品です。
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No.4:
(5pt)

とても良い本

個人の価値観というものが如何に残酷で愚かで無知なのか。決めつけで話していないか?本当に相手のことを考えているのか?
そんな事を作者から、彼らエーデルヴァイス海賊団から問いかけられているような本書は戦争の最中、ナチスに対して不満を抱く若者たちが自由の為、命の為に抗う物語である。前作「同志少女よ、敵を撃て」に引続き時代背景が似ているのもあって購入の際若干の躊躇を感じたが、これは見事に裏切られた。他の方も書いているようにダレる部分があることは否定できないが、それを踏まえても星5を迷いなく付けれる本だ。今を生きる私達が読むことで、改めて考えさせられる、気付かされる事があると思う。
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No.3:
(5pt)

意味のある作品

考えさせられる
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No.2:
(5pt)

今自分自身に問うべき文学的傑作

最早無関係ではいられない。今作を読んだ人は大いに悩み自分自身を振り返ることになるかと思う。前作は兵士同志のシスターフッドの冒険小説、復讐譚であったが今作は市井の人々、つまり属性としては分かり易く英雄の話ではなく我々が主人公の物語である。しかも時空を超えて我々に問いかける仕掛けがある。冒頭は自分自身の学生時代を思い出したものだ。しかしあれよあれよと歴史物語に巻き込まれてしまい・・・・。
キャラが当時では有りもしない正論を吐いてると断定するレビューがある。私には何故そう判断したか分からない。なぜなら各々の登場人物は初期設定から若者特有の自然な感情を元にストーリーを辿り、大きな事件の末にある種の価値観に辿り着いている。気に入らないなら、過程にこそ突っ込みを入れるべきである。若しくは初期設定や歴史考証にケチを付けるべきだ。しかしその方の指摘は特に具体的ではないので、単に他人の物語作法が気に入らないだけの印象批判であると感じた。そこは作者のオリジナリティな領域なので安易に批判するのは疑問だ。
でも頷いた部分も少しある。小説の技術的な部分。冒険譚の間に挟まれる蘊蓄が長くなり臨場感が欠ける場面が確かにある。小説ならではの「シーン」をもっと臨場感を持って説明的ではなく書いて欲しいような願望もある。中盤は少しダレた。場面を区切ったり構成を工夫すべき点もあったように思ったが、私も万全の体調で読んでるわけではないので自信はない。前作の復讐譚(同志少女)はキャラの感情面で分かり易く引っ張られた印象だったが、今回はまた異なる語り口である。冒険譚特有のミステリー部分やワクワク感がストーリーを引っ張る。それが停滞する場面もあった。しかし誤解して欲しくないのは全体通してつまらないなんてことは全くないのである(笑)特に一番大事な中盤からラストは怒涛のように畳みかけられ読めてしまう。
小言に文字数を使ってしまい後悔してる。私は1つの児童文学を読むように今作を読めたので、非常に満足しているから。私が過去に読んだ児童文学も退屈な描写や構成は山ほどあったわけで、それを振り返っても今作はエンタメし過ぎなぐらい面白く出来ている。文学ならば価値観を揺さぶられてこそ評価に値する。とても素人が読めない歴史の論文や高い中古本を瞼を擦りながら捲って当時に思いを馳せるようなマニアックな工程を経なくても、当時の雰囲気の中に立ち登場人物を通じて思いや価値観の揺れをこれだけ体験できることはやはり素晴らしい作品の証だと思う。しつこいが「当時では有りもしない正論」と断じるには、いささか不十分な白黒はっきりしない形でキャラクター描写も行われていた。一面的にならないように、勿論小説なので作者の推測を多く含むが、より多面的な可能性を残していて納得した。しかし巨悪の罪からは逃れきれない。そこはハッキリしていた。私には作者がやりたいことがハッキリと伝わったし、この作品を評価したいと思えた。
この作品は構造として現代の人々へ繋げる形を取っている。劇中の人物を通して伝わる違和感は過去から現在へと引き継がれているのだ。勿論読んでる私たちにハッキリと伝わるように舞台は設定されている。過去から現在まで様々な学術的論争があっただろう。大戦を経て多額の賠償もあり、精神的な償いや反省もあり禁忌とされたものも多くある。しかし私たちはナチスの本質を果たして捉えていたのだろうか。私もナチスの復活などと少々陳腐だと甘く見ていた。しかしナチスを成立させた周囲の環境や社会情勢は案外簡単に揃ってもおかしくない、否揃いつつあると感じた。これに戦争という条件が加わると現在の所謂社会や人への冷めた視線、侮りの相乗効果で当時以上の惨劇もあるかもしないと感じ始めている。
この物語の提起した問題は明らかに解決していない。読後の余韻が終わらずに続くのだ。今作で最も良かったと感じたのが終わり方で、前作より文学的な締め括りとなっている。この物語を通じて私たちが得た感覚を捨ててしまってはならないということ。登場人物同様その決意を持って生きていかねばならないと思わされた読書体験であった。
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No.1:
(1pt)

「同志少女よ敵を撃て」の酷さがまぐれじゃなかったお行儀の良い駄作。ひょっとして「スウィングしなけれゃ意味がない」を読んでないのかしら?

「同志少女よ敵を撃て」のときにも感じたんだけれど、この人、小説を書くのが恐ろしく下手ですね。
どういうことかと言うと歴史的な事実や戦争の状況といった調べたことを物語にしたてることがまるで下手。
具体的に言うと、今回は1944年のドイツの田舎町が舞台なんだけれど、当時のドイツ国内の政治や経済の状況、全体的な第二次世界大戦の戦局といった歴史的な背景を物語の中に溶けこませることができていない。ヴェルナーという労働者階級の少年(父親が政治的な問題でゲシュタポに処刑された)が語り手なんだけれど、大局について読者に示す時に、いきなりナレーション状態になって、だらだらと調べたことが書かれている。そのたびに物語の流れがぶちぶちと断絶されてしまって、まったく物語に入り込めない。
あと、もっと致命的なのがヴェルナーを始めエーデルワイス海賊団の四人が、みんな、最近になってようやく見直されるようになってきた当時のドイツの状況や人々の考え方に対する最新の味方、単純にナチスが悪いのではなく、普通の人たちも悪かったという歴史感を、さも当然のように身につけていて、行動したり発言したりしている点がダメ。それは、後出しじゃんけんでしょうよ。
とにかく、作者が勉強したことを、登場人物の口を借りてとうとうと正論を述べる現在の作品、当時のドイツの雰囲気はまるで感じられないのは、描写力が劣っているだけじゃなくって、安いラノベもどきといっちゃうとラノベに失礼な文章力だけじゃなくって、根本的に物語を作るのが下手だからだと思います。
あと、エーデルワイス海賊団についてかくのだったら、佐藤亜紀の「スウィングしなけりゃ意味がない」を読んで、あの傑作に一矢報いるものでなきゃ書く意味ないと思いますよ。
歌われなかった海賊へAmazon書評・レビュー:歌われなかった海賊へより
4152102756

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