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24人のビリー・ミリガン
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【この小説が収録されている参考書籍】
24人のビリー・ミリガンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 41~54 3/3ページ
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上巻ですべての記憶を有する人格「教師」が出現し、彼によって語られたビリーが犯したとする犯罪の事実そして、無罪となった彼を待っていた過酷な運命が語られる。 ビリーが他の人格で犯したとされる犯罪の意外な事実にも驚かされた。 ここまではテレビなどでも紹介された事があるので知っている人が多いかもしれない。 それより、なんともやりきれなくなったのは、無罪となったビリーに対し施された治療という名のおおよそ拷問にも近い仕打ちである。 ビリーが無罪放免になったと思っていた私にとって(それはそれで釈然としなかったが)服役以上に長い時間を病院の中で過ごし、人格がさらに破壊されていったというのが悲しい。 あまりにも信じられない世界であり、とまどう記述も多いものの、人の心はこんなにも複雑でもろくて壊れやすいという事を実感した。 | ||||
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多重人格者ビリーミリガンの事は聞いた事があったが、本当にこんな話があるなんてやはり信じられない、というのが私を含めて多くの人が思っている事であろう。 しかし、作者の本人と関係者への再度のインタビューなど極めて綿密な調査に基づいて描かれている内容には説得力があり、疑いの余地がない、 第一章は、ビリーが犯罪者として告発され、診断の結果彼の中に潜む人格が発見され、病院での治療が始まり、彼の人格を統合した教師の存在により、治療が終焉を向かえるまで。 第二章は教師により語られたビリーの過去である。 これを読むとビリーが極めて有能で、おそらく天才的な知能や資質を持って生まれてのではないか、という事が想像できる。彼も違った環境に育ったのであったら、その才能をいかんなく発揮できたであろう、彼の精神分裂は自己防衛の結果であるように書かれている、それはあまりにも悲しい。 あまりにも不思議な世界で、本を読んでもこれが真実であるという事はにわかに信じられない。私にも時々自分がいつもと違うような行動をとってしまう事があるが、それは意識下である。 彼のように無意識の中に23人もの人格がいるなんて不思議としか言い様がない。 この本はダニエルキイスというやはり天才的な才能をもった作家によって、客観性と冷静さをもち、極めて見事な小説かつドキュメンタリーの傑作となった。心理学、教育学、犯罪学などを専攻している人のみならず、多くの人にとって非常に興味のある世界であろう。 | ||||
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テレビでビリー・ミリガン本人の映像を見た。ミュージシャンか俳優のような長髪でハンサムな風貌、はにかんだようなびくびくしたような物腰で凶暴性などは感じられなかった。しかし人格が移行するシーンは本書の記述通り、うつろな目つきとつぶやきを伴って、その転換は驚きだった。「アルジャーノン・・・」を読んだ頃からいつかは読みたい本のリストに挙がっていたが、驚きを確認するためにすぐに読み始めた。 内容はルポルタージュに近く、本人の経歴を追いながら、多重人格を理解・肯定して治療しようとする医師達の努力と、司法やマスコミの無理解を淡々と描いている。全体を通して感じるのは記憶と自分の意識を失った青年の「悲しみ」と、自己防衛本能とも言える他の人格たちの現実認識や矯正のための意外な「奮闘」である。 「奮闘」するに当たってミリガン内部での人格同士の牽制や交流はあたかも大家族の営みのように書かれているが、実際は崩壊しかかった学級や社会と言った趣だ。したがって統合調整する人格に与えられた「教師」という呼び名は非常に適切だと感じられた。しかし一番知りたい、各人格の出現した経緯の記述は十分ではなく、不満が残るところだ。 後日談を含めて、稀有な現象・病例の克服として読むに値する本だと思う。続けて「〜23の棺」や「シビル」も読んでみたい。 | ||||
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多重人格という症状が身近でないからなのかどうしてもピンとこないところもある。だけど、多重人格者の内的世界はこういうことになっているというのがよくわかる本だった。 それにしても多重人格者ビリーの世界は驚くべき世界だ。にわかに信じることが出来ない。最初にビリーを診察した精神科医や弁護士たちと同じように。怒りを感じたときはレイゲンという人格が現れビリーを守る。肉体的痛みは小さなデイビッドが引き受け、相手と話のやりとりをするときアレンが、そしてそれらの人格をアーサーという人格が統制している。とても論理的思考のもとに。 それらの人格はビリーという人間を守るために、自身がつくり出したものにすぎない。人間の想像力は恐るべきものだ。その想像力には胸を打たれる。生きるために働く想像力。 作家はそんなビリーの世界を真摯に受け止めようとしているし、冷静に状況を判断しようとしている。良質なドキュメントの一冊である。 | ||||
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「アルジャーノンに花束を」に引き続き、素晴しいダニエルキイス作品である。 『精神障害を持つ人とはいったい???』と、なかなか書物や専門書では把握困難な病状が、外界の状況とともに事細かに記されてあり、非常に身近なものとして考えることが出来る作品である。 最近ようやく日本でも注目されるようになった人格障害というものの正体、原因が主人公を中心に展開されていて捉え易いタッチで記されている。 様々な場面でまさに「信じ難いこと」が起こり、ショックを受ける現実を目の当たりにしたり、米国社会の‘裏事情’も見えたりするので勉強になる。 心理学・障害科学に興味がある人には、是非、入門書として読んで欲しい一作品である。上巻が終るや否や、下巻に手が伸びること間違いない!! | ||||
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一昔前にはやった 多重人格に関する話です。 精神異常者が 犯罪に対して無罪になる ケースは後を絶ちませんが 難しいところです。 被害者側は 何の落ち度もない状態で 犯罪に会うわけで 被害者に犯罪者に対する 決断を迫ってもいいのではないでしょうか・・・ | ||||
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もし自分がビリーだったら・・。正気ではいられないだろう。しかしこれは真実の記録であり、24人という多重人格を持つビリーミリガンと、彼の人格をひとつにする為に尽力する医者達が中心となったノンフィクションである。殺人、レイプ・・。彼が(彼の中の人格が)犯した様々な犯罪の影には、幼い頃父から受けた幼児虐待があった。 作者のダニエル・キイスは、ただノンフィクションを描いたのではない。彼は人間の心を紐解く重要な役割を果たし、読者の心の奥に訴えかける作品を作り上げた。まったく同じ事実でも、彼が描いたようにこのストーリーを書ける者はいないだろう。国を超えて読まれ、愛されるのには理由がある。是非読んで頂きたい。 | ||||
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数年前、この本を読むまでは、多重人格は、ありえないと思っていました。多分、誰もが最初は、そう思うのではないでしょうか?ましてや、国籍の違う人種になるとは、考えられない事です。 三つ子の魂百までと言うように人間形成の大事な時期に虐待を受けた事により、多重人格を生み出し、その中の一人の人格が犯罪を犯してしまうことに恐ろしさを感じてしまいます。核となる人格が犯罪を犯したことを感じないままなんて・・・。 人間の脳・精神の複雑さを感じてしまいます。 一生を終えるまでに一つの人格になるのであろうか?それとも、多重人格のままで一生終えるのであろうか? 今、現在も子供たちが虐待を受けているであろう。周りの大人が目を配り、認識し守っていく必要があると、あらためて感じています。 | ||||
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1人の体の中に24人が入っているのと同じで自分の知らない行動があるって恐ろしい 1時間・一日完全に記憶が無くて何かをしていたら それが殺人だったら・・自分に置き換えると本当に正気ではいられない | ||||
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犯罪を犯してしまった24の人格を持つ男の半生を綴る。 彼本人から聞きだした話や裁判記録などをまとめたノンフィクションである。 驚かされるのは彼の人格たちの性質や人格が切り替わるときなどが普通の人間と大して変わらない、ということだ。少なくとも私と大して変わらなかった。誰でも感情のままに身を任せて自分でも訳が分からずに行動したことがあるのではないか。あなたが多重人格者ならまさにそのとき人格が切り替わっているであろう。 そういった意味で、自分の中に潜んでいるかもしれない様々な性質について改めて考えさせられた。 | ||||
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この作品が実際にあった話というのに驚いた。自分の他に23人もの人が、たった1つの自分の体にいるとしたらどうだろう・・・。主人公のビリー・ミリガン(と心の中の人々)は、その考えがたい現実に立ち向かい、辛い病院生活を耐え切ったのだ。 私が言うのも何だが、多くの人にビリー・ミリガンが受けた幼児期の虐待や病院の酷いビリーの扱い様を知ってもらいたい。今でもこんなことが世界のどこかで起こっているかもしれない。と思うと私は悲しくてしょうがないのです。 上巻ではビリーの書いた絵が見れる(モノクロだった)。その絵はすばらしく、専門の画家を思わせぶった。その絵がビリーの中の他人格が書いたんだからビックリしてしまう。是非そこにも着目してほしい。 私にとって思い出に残る作品だし、キイス氏の書く文は最高だが、最後の後味の悪さはいただけないと思う。 | ||||
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解離性障害(今は多重人格についてこの症例で呼ぶ)について書かれた物の中で一番のベスト・セラーがこの本なのが、そして世界で一番有名な解離性障害の患者がビリー・ミリガン氏であることは間違いあるまい。 しかし、単純な解離性障害の裁判ものと治療記録だと思って読み始めたのだが下巻に入って私はアメリカの政治家の、あまりに非人道的なビリー・ミリガン氏に対する取り扱い(まるでチェスの駒としか思っていないような)には怒りを覚えた。この本の出版後、その人物たちに制裁が加えられているように私は望む。 ただ、惜しむらくはこの本には出来れば解離性障害や(例えばドクター・ウイルバー女史の業績についての紹介や「シビルのケース」)アメリカの裁判についての注釈を入れて欲しかった。文章の中に突然そのような人物や言葉が出てくると読者は面食らうと思う。 | ||||
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多重人格者の話だが、こんなことが現実に起こるとは自分には創造を絶する世界だ。このような意味では、衝撃的な面白さだった。でも多重人格を信じない人にとっては、ただのB級小説な気がする。自分も読みながら、常に現実の世界とただの物語の世界を浮遊していた。多重人格を認めるので4つ星としたが、認めない場合は1つか2つ星です。 | ||||
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実話とはとても思えない。でも本当の話だ。こわい。とにかくこわい。幼児虐待の結果がこの通りだとすると、本当に恐ろしいことである。2人の子の親として考えさせられた。 | ||||
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