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24人のビリー・ミリガン



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24人のビリー・ミリガンの評価: 4.20/5点 レビュー 54件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全54件 21~40 2/3ページ
No.34:
(3pt)

状態良し

状態良く安くて良かったです。期限内の配達でしたが、せっかちな私には遅く感じてしまいました(笑)
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉より
4152035250
No.33:
(5pt)

なんという世界

映画やドラマでどんな設定もすべて見尽くした感があるのに、驚異、驚異の連続。裁判などの現実的な部分も多く記録されているため、ギャップが生々しくてすごい。人間の脳と意識の実際の可能性を見た気分。
24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)より
4150504318
No.32:
(4pt)

刑法39条(全二巻)。

人間誰でも、極端かもしれないが、ビリーとまでいかなくても、「願望」と言うと適切ではないかもしれないが、今の自分をかなぐり捨て、違う自分に成りたいという変身欲求があるのでは。

現状を受け入れ、打破する勇気が出るまで、目の前の嵐が通り過ぎるまで、違う自分を演じてみたいという
現実から目を反らしたい欲望(現実逃避)を、誰しも持っているのではないだろうか。 頭の中で、天使と悪魔の葛藤がある。

人間には未だ、解決されていない(理解されていない)摩訶不思議な世界を、その深層に抱えている。

追記(2015/12/31)。

人格が替わると、健康状態すら変化するんだよ。 これを転ずると、

たとい、病気になったとしても、病気という“状態”にすぎず、自分自身が病気という“存在”ではない。 その事に気付くと、たとい末期ガンでも、極論、明日には治っちゃっても可笑しくはない。

病は、心で治す。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
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No.31:
(5pt)

続編とビリーの今が気になる内容

ダニエル・キイスさんが亡くなったので、もう一度読んでみたくなり注文しました。
親の生き方、愛し方が、どれだけ子どもの人生に影響を与えるのか、その責任とともに改めて考えさせられる作品でした。
多重人格が珍しくセンセーショナルに感じられたころよりも、今読んだほうが、ビリーの立場や苦しみについてよく理解できるように思います。
ビリーは数年前に日本のテレビ番組の取材に応じてくれたりしているけど、最近はどんな活動をしているのでしょう。またの登場に期待したい。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
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No.30:
(5pt)

続編とビリーの今が気になる内容

ダニエル・キイスさんが亡くなったので、もう一度読んでみたくなり注文しました。
親の生き方、愛し方が、どれだけ子どもの人生に影響を与えるのか、その責任とともに改めて考えさせられる作品でした。
多重人格が珍しくセンセーショナルに感じられたころよりも、今読んだほうが、ビリーの立場や苦しみについてよく理解できるように思います。
ビリーは数年前に日本のテレビ番組の取材に応じてくれたりしているけど、最近はどんな活動をしているのでしょう。またの登場に期待したい。
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉より
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No.29:
(3pt)

『アルジャーノンへ花束を』の著者による報告です

私が持っているのは、本書の初訳、早川書房の単行本、上下二冊、
1992年8月31日初版発行の、1992年12月20/15日第11版です。
私はそれを、1993.02.09.に読了しています。

著者のダニエル・キイス1927〜は、
SFである、『アルジャーノンへ花束を』1959-1966の著者として夙に有名です。
それは、『まごころを君に』1968というタイトルで映画化され、
主演したクリフ・ロバートソンが、アカデミー主演男優賞を獲っています。
また、詳しくは書きませんが、ロバート・デ・ニーロ主演の、
『レナードの朝』1990という映画についても、興味のある方は調べて下さい。

ダニエル・キイスの上掲SFは、NHKの「クローズアップ現代」で、
日本に於ける超長期に亙るベストセラーとして取り上げられ、
30分の番組の中には、作家本人も登場して、彼の人間観等を語りました。

本書はSFではなく、実際の多重人格者をキイスが取材した観察報告です。
キイスは精神科医でも心理療法家でもありませんので、
只々、自分の目に映じたもの、耳で聞いたものを、事実として報告しています。

しかし、鯨が哺乳類であるという知識が無ければ、
巨大な魚としてしか見れないように、
人間性についての専門的な知識がなければ、
目に映じたもの、耳で聞いたものの、意味を把捉出来ません。

その意味で、本書と河合隼雄さんの『影の現象学』を併読する事をお勧めします。
更に、私の専門は禅とSwedenborgなのですが、
特にSwedenborgの著作をお読みになれば、
多重人格の秘密が明快に解き明かされる事を、付け加えておきます。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
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No.28:
(4pt)

24の人格に支配された1人の人間の生活を描く

上巻は医師をはじめとする「ビリーの周辺の人々」から見たビリー像が中心だったが,下巻はビリー(と23人の別人格)の視点から様々な出来事が語られる。

1つの身体が24の人格に支配されるとはどのようなことなのか。その日常生活が生々しく描かれている。これほどまでに過酷な人生を生き抜くビリーは,間違いなくずば抜けた勇気の持ち主だ。
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉より
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No.27:
(4pt)

「私」とは何か?

24の人格が1人の人間に「同居」していたという事実に改めて驚愕です。

性格や思考パターンはもちろん,話し方から表情,姿勢,挙句の果てには性別までが異なる人格が入れ替わる・・・読めば読むほど「人間の脳はどうなっているのだろう」と不思議に感じてしまいます。

「私」という意識は何なのだろう?

「私」を「私」と定義づけているものは何なのだろう?

妙に哲学的になってしまいます。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
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No.26:
(2pt)

信じるに足る証拠がない

他のレビューアーの方々が、なぜ、一様にミリガン氏の多重人格を信じて疑わないのか疑問である。

本文の記述から証拠を探すとすれば、「著名な作家であるところの筆者をはじめ、高名な心理学者や精神科医がミリガン氏の多重人格を支持している」という、権威による間接的な証拠づけしか見当たらないように思うのだが。。

YouTubeで、実際にミリガン氏の人格が変わる瞬間を見ることができるが、演技では?という疑惑は深まるばかりである。

私などは、「筆者は、ミリガン氏に協力するような素振りてミリガン氏に近づき、その実、ミリガン氏の茶番を公にする意図でこの本を書いたのでは?」と考えたほどである。

唯一納得できる証拠が、あとがきにある、「多重人格者は各人格ごとに脳波の形が違う」というものだが、これが本当ならば、ぜひミリガン氏の脳波を詳しく調べて欲しい。

とにかく、多重人格という通常であれば信じられないようなテーマを扱いながら、客観的な証拠も示さずにぐいぐい話を進めるものだから、読みながら「いやいや、ありえへんやろ!」の連続で非常にイライラさせられた。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
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No.25:
(3pt)

物語としては面白いが・・・

物語としては面白いです。
ですが、読了後人生に何も起きなかった人は読まなくていいですが、
これは精神的にもとても読者の人生に介入する力を持った本でもあります。

作家としての腕前がすごいのか、ドンドン先が読みたくなるストーリー展開ではありますが、
読者の精神力が弱ければ、本に人生を食われてしまう、そんな可能性すらもった独特の本でもあります。

それでもよければ読んでみてください。
実際、世界中で売れた本で、影響力もあった話です。

私としては思春期の感受性が豊かな少年少女にはお勧めいたしません。

深い人生哲学、強固な人生におけるバックボーンをもっていると自負する人は
この本には人生まで喰われずに済むことでしょう。

友人曰く、「ドグラマグラ」にもこのレビューではかけないほどの力があるそうですよ。

私としては読んだのはせいぜい6時間程度ですが、20年はこの本の力を受けてしまった、そんなシリーズの始まりでもあります。

それでもこの本を手に取る人は、強くなければならないでしょう。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047
No.24:
(4pt)

冗長に感じられる面もあるが。

ダニエル・キイスがミリガンや関係者との面接等により紡ぎあげたノンフィクション。

 「第一部 混乱の時期」「第二部 <教師>の誕生」「第三部 狂気の彼方」の三部構成で、各々、「強姦事件で逮捕されたミリガンが多重人格と認められて治療を受け、統合した人格<教師>が現れるまで」「<教師>によって明かされた彼の半生」「ミリガンの治療と司法等による措置の行方」が描かれている。

 人格たちが相互の存在を認識していたり、表に出て行動することを「スポットに出る」と表現していたり・・・と、多重人格の世界が興味深く描かれている。

 ただ、詳細な記録として残すことを企図したためなのか、彼の半生や彼への措置の経過など、かなり冗長であると感じられた。
 
 しかし、それをおいてもやはり多重人格者の世界について克明に語られた興味深い書である。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047
No.23:
(4pt)

多重人格とは何かが分かる

少年期に養父チャーマー・ミリガンの虐待を受け、脳内に23人もの人格を作り出したビリー・ミリガン。
本書は彼が連続レイプ犯として逮捕されるところから始まります。
上巻は彼が多重人格者(解離性同一性障害)であることを弁護士や精神科医がつきとめる過程が書かれており、
多重人格者がどのようなものなのかよく分かる内容になっています。

終盤のビリーの生い立ちを描いたところから少しだるくなりますが、
ノンフィクションなので必ずしも面白いことが書いているわけでもないので仕方がないとするべきでしょう。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
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No.22:
(4pt)

ビリーは何故犯罪を犯したのか?

下巻は上巻の後半から始まったビリーの生い立ちの続きから始まります。

彼の生い立ちが長々と書かれているので、正直、少しだるいです。
彼が養父に虐待を受けて多重人格者になり、人格の交代を繰り返す度に周囲に迷惑をかけたり、犯罪を犯したりの繰り返しで読んでいてうんざりしてきます。
しかし、事実を書いている以上、だるくても重要なことは書くしかないのでしょう。

本書の最後にビリーを犯罪者として過剰に恐れる人達がビリーをライマ病院と言う患者を虐待する病院に入れます。
彼の物語はまだまだ続きます。
本書の続編は「ビリー・ミリガンと23人の棺」(上)になります。
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉より
4152035250
No.21:
(3pt)

一言

表紙絵がイメージと実物と違っている
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047
No.20:
(5pt)

24人で構成する、いち社会

「ビリー・ミリガン」という名前を聞いて、「多重人格」という言葉を連想する人は、多数派だろうか、少数派であろうか…

そもそも「多重人格」という現象自体が、世の中に認知されていなかったのだと思われます。
それもそのはず、当の本人でさえ、自分の力でそれに気付くことは困難です。

気が付いたら見当外れの場所にいて、何をやっていたのか分からない。
記憶が飛んでいるのに関わらず、周囲からは当然の如く、それまでの流れで促される…

これは本人にとっては、かなりの恐怖です。

ビリー・ミリガンの例でいえば、自分(と認識している人格)には1つの名前があるにも関わらず、
周囲が絶えず「ビリー」と呼びかけるので返事をする。

自分が「ビリー」だとは認識していないのに、
他者からは「ビリー」と容認されているが故に「ビリー」として振る舞う…

そんな人格が、主人格である「ビリー・ミリガン」を含めて、24人も1つの身体に内在しています。
この現実を、他者はおろか 本人すらどう信じていいものか。

本書は、重罪を犯したにもかかわらず、多重人格という理由で無罪と判決された事件。
それら一連の出来事を通して、この不思議な精神世界の謎に迫ります。

この事件で公になり、広く衆知の現象となった「多重人格者」とその苦悩。

転々と変化する別人格に対して、まず抱く感情。
 「信じていいのか」
 「演技をしているだけではないのか」
 「騙されまいぞ」

皆がそう反応することは、本書で何度も取り上げられますが、
接しているうちに「信じる」少数派が多数派へと移っていく様子が描かれています。

読者自身も、懐疑の心から読み始めるのが妥当かと思います。
著者の記述により、「多重人格」を認めるか認めないかの結論は、本人に委ねられます。

こうして24人の別人格を確認し、記録に残せたことは、
多重人格者にとっても、それ以外の人にとっても重大なことだと思います。

何しろ、その現象自体に気付くことさえ、他者の力を必要とするのだから…

人ひとりの人格は、他者の承認により確立される。
一般社会の構造が、多重人格者の1つの身体の中の、多数の人格の間でも繰り広げられているのに興味を覚えました。

ビリーの身体は、1つの社会。

 女性もいれば、子供もいる。
 犯罪もあれば、正義もある。
 リーダーがいれば、それに従う者もいる。

そこには、人間が構成する世界の縮図がありました。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047
No.19:
(5pt)

上巻は外面、下巻は内面からビリー浮き彫りにする

上巻は、多重人格とはどのようなものであるのか、を理解するために物語が構成されている。主人公はあくまでビリーなのだが、そのビリーを明らかにするのはビリーを取り巻く医師であったり弁護士であったり、さらには、患者であったりする。

他方、下巻は、上巻を前提として、ビリーの視点からビリーを描いていく構成になっている。また、ビリーを餌に売名行為をするような社会に潜む闇についても描かれているし、さらに、刑務所や刑務所に等しい施設は、あくまで服従を強いる施設・組織であって、治療を目的としていないという警鐘も主張されている。

果たして多重人格は存在しうるのか? 多重人格者は犯罪に対する責任をどのように果たさなければならないのか?

アメリカの後追いをする我が国では十分過ぎるほどに議論されなければならないものだと思う。

また、我々は本当に情報を自らの冷静な客観的視点で考察し、判断しているだろうか?

インターネットの普及により情報は氾濫し、マスコミは心理学的要素を盛り込んだ報道をする。 何のフィルターもなしに、そして、根拠もなしにそれを盲信し、正しいものだと思っていないだろうが?

『ネットが…』とか、『知人が…』とかは全く根拠のないものである。情報への手がかりにしか過ぎないのだ。 本作を読むことで、人間という存在について、社会の歪みについて、そして、正義と癒しについて非常に多くのことを考えさせられると思う。

ビリーは決して他人事ではなく、誰にも妥当するものなのだ。

児童虐待と多重人格は密接に関係し、その原因は社会構造にあるのである。

非常に感銘を受けたし、沢山学ぶことができた。有意義な時間を過ごさせてくれる良書だった。訳が非常に良かったと思う。
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉より
4152035250
No.18:
(5pt)

決して他人事ではない。自分も……

多重人格…現在は精神医学や心理学、脳科学等の飛躍的発展によって人間の神秘に係る様々なものが明らかになってきている。そのおかげで我々素人もそれに対して決して無知ではなくなった。

しかし、残念なことに、精神疾患等は、裁判の切り札として利用される側面が強調され過ぎ、免罪符としてだけの認識、という誤った先入観が我々に植え付けられてしまった。 本来、これについては、人間の無限の可能性を立証することに使われるべきであろう。私はそう思う。

さて、本作は、幼少期に父親から抗いがたい肉体的・精神的虐待を受け続けたビリーが、さらに、様々な克服し難い障害に直面したビリーが、それを克服するために24人もの人格を作り出し、1人の人間に住まう彼らが基本人格の断片として競合し、それぞれの存在意義のために悲劇を招いてしまった、というものである。(これは、親が子供を洗脳し、子供を限界付けていることを証明しているように思う。親は子供にとって絶対的存在であり、特に父親は恐怖なのだ!)

厳密に言うと、精神疾患と多重人格は、法的には別ものだ。つまり、前者は免責されうるが、後者は原則されない、というよりされないと言っていいかもしれない。動機はあるし、結果に対する責任が認められるからだ。 それはさて置き、私が本作で痛烈に感じたのは、我々誰もがビリーのように自分の中に別人格を持っているということだ。勿論ビリーのように時間の喪失はない。なぜなら、意思疎通がはかられているからだ。自己啓発書にあるように、我々人間は様々な自分を演じているのだ。

私はそう思わずにはいられなくなった。統合というものがもっと加速すれば、我々はさらなる進化が望めるように思う。その時々の自分を、換言すれば、過去・現在・未来の自分を統合し、現在を完全に統制すればどうなるだろうか?

非常に興味深く感銘を受けた作品だった。様々なものが本書から学べると思う。是非お勧めしたい!
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047
No.17:
(5pt)

事実は小説より奇なり

多重人格に対する関心から本書を読みましたが、その症状は私の想像を遥かに超えたものでした。人格が分裂しているというよりは、全くの別人が一つの固体を共有するようになったのではと錯覚してしまうほどです。精神分析学で扱われる内容と大いに関連している事が多くあり、心理生物学的な観点からも勉強になりました。しかし意外であったのは、その悲劇的な環境と過酷な人生という深刻さに動揺せざるをえなかったことです。幼児虐待、背信、犯罪、自殺、社会的非難といったこの世の地獄が現実にあることを認識させられ、本書を読んだ後は一時、人間不信になったほどです。上下巻とも終始緊迫感を持って読むことになりましたが、それは次から次へと明らかになる意外な事実と、著者の実話を元に巧みに文章を構成する高い技術に依るものだと思います。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047
No.16:
(5pt)

一つの人生を生きるということ。

絶句します。
現実にしてはあまりに常軌を逸している。かといって、物語にしてはあまりに生々しすぎる。
とにかく、これを一旦事実と納得したうえで読んで思うことは、知能、年齢、国籍、性向、性別の違う24の人格を生み出したのはたった一つの脳みそだと言うことへの驚嘆と、「ウィリアム・スタンレー・ミリガン」という生きにくい生い立ちを持った一つの人生は24人の人格が分担せねば生き得なかったということに対する哀しさです。
いずれ我々は「同情」を愉しんでいるのでしょう。しかし、我々はこの本にかかれてあることを、少なくとも、知ってはおくべきです。
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉より
4152035250
No.15:
(5pt)

闇から生まれた者

この本は心理学という幅の広く深い領域に足を突っ込むことになったきっかけの本である。
やはりこれが完全なる実話であるという点が大きな衝撃だった。
ひとつの身体の中に24もの人格を持ったビリーの闘病記だ。
本人のインタビューを基にしているため主観的な点はあるが、それだけにいっそう多重人格の病態や人格同士のつながりと混乱といった要素がはっきりと描き出されていた。
ビリーの中にある人格は、それぞれ年齢や性別、趣味、それに出身までもが異なるキャラクターである。
意思の疎通が図れている人格もあれば、何が起きているのかまったく理解できない人格もある。
ビリーはその中のいくつかの人格が犯した犯罪のために告訴されたが、精神病を理由として無罪となった。
それにもかかわらず、治療のためと称して収容された病院は監獄よりもひどい環境の所だった。
正規の医師のもとで治療を受けることができるように努力する弁護士と、政治活動や世論の余波を受けて翻弄されるビリーの物語をドキュメンタリーのように描いている。
進んでは戻ってうまく言ったかと思えば何かに邪魔をされてという繰り返しで、読んでいても話の進展に腹立たしくなることさえあった。
サリーを読んだ後だっただけに、フィクションと実話との相違を改めて感じましたね。
心の中という世界に、無限の可能性を見た話でした。
24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)Amazon書評・レビュー:24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)より
4151101047

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