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ラブカは静かに弓を持つ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ラブカは静かに弓を持つ
ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)

ラブカは静かに弓を持つの評価: 4.34/5点 レビュー 77件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.34pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 61~66 4/4ページ
No.6:
(5pt)

全く別次元の葛藤を描く 著作権法で白黒をつけることと人間関係の絆の大切さとの折り合い

実際にJASRAC(日本音楽著作権協会)と著名楽器メーカーの音楽教室との中で実際に起こった潜入調査を下敷きにしてストーリーは展開されていました。まだ係争中の案件で、2022年9月末に最高裁で口頭弁論が開かれます。作品を生み出す側の音楽家の権利を守ることは、音楽産業に関わる楽器メーカーにとって大切な精神だと思っています。遵法であるべき音楽に関わるメーカーの言い分は狭量に過ぎません。

それはそれとして、実際に潜入調査しなければいけない人の心情までは思い至らなかったわけで、本作品ではそこに焦点を当てており、読み手にもその葛藤ぶりがストレートに伝わってきました。スパイという表現がなされていました。悪いことをしているかのような表現が、主人公の立場の難しさを表していました。

特に、指導している先生に対しての信頼関係との板挟みになった職員が気の毒ですね。証拠を集めるためには手段を択ばないという見本でした。主人公の真摯な業務遂行とは別に、純粋に音楽を指導してもらう側の気持ちは、当然ながら裁判では顧みられないところに苦悩があるのです。

ストーリー中も、チェロの音色が通奏低音のように流れている気分に浸っていました。「小野瀬晃」という作曲家の曲を狂言回しのように使いながら、講師と生徒、生徒同士の交流、そして発表会当日の風景など、音楽教室ではよくある日常的な音楽活動がしっかりと描かれており、作品の中に浸りながら読み進めてきました。
登場人物も良く描けており、会話も見事に成立しています。見事に音楽を絡めながら「スパイ活動」をしっかりと描き切った作品だと高く評価致します。
ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)より
4087447685
No.5:
(5pt)

とてもおもしろかった

読みごたえもあり、面白かったです。
ほかの作品も読んでみたいです。
ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)より
4087447685
No.4:
(4pt)

信頼

やっぱり信頼されてるのに仲間を売るような裏切りは辛いだろうな!
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4087447685
No.3:
(5pt)

橘の視点から想像することができました

フィクションでありながら、同じ視点を持つものとして、一つ一つの描写から生々しさを感じつつ、この議題の本質を自分なりに考えることができました。
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4087447685
No.2:
(4pt)

面白かった❗

実際あった騒動なので、ドキドキしながら読みました、
ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)より
4087447685
No.1:
(5pt)

是非読んでほしい一冊

小説のレビューを書こうと思ったのは、この本が初めてでした。
ちいさいころから本が好きで、多い時期には一日に十数冊の小説を読んでいたけれど、ぼくにとって小説というものはそれを読みその世界にはいって自分が考えたり楽しんだりするもので、語るものではなかったからです。

小説を買うにあたって、これまでレビューを参考にしたいこともなく、このレビューがだれかの参考になるのかもわかりません。

レビューにどこまで内容をいれていいのか、人は何を参考に小説を選ぶのかまったくわからないし、この小説について何を書けばいいのか現時点でもわかりません。でも、読了後の「この本を読んでほしい」というこれまでになかった気持ちを言葉にしてみたいと思い、いまキーボードをたたいています。

暗い景色のなか、仕事に対してさほどの情熱ややりがいも感じていなさそうな、しかし淡々と仕事をこなす主人公 橘の視点で物語ははじまります。どこにでもいそうな、それでも実際にはいなさそうな、特有な雰囲気をまとった橘が、著作権管理団体というある種 利権の象徴であるかのような団体のなかの力学に飲み込まれていく、そんな描写。

ぼくは、中学生の時に芸術に対して距離を置くことを決めて、情報科学と人間世界の未来に期待し知的財産法を学び、そして中学生のときから倍ではきかない年になって偶然チェロを習い始めました。

「JASRACのような権利管理団体の職員が、音楽教室に潜入するはなし」、そのような認識で手にとったこの本は、小説としての期待よりも、これまでにいた知的財産関係の仕事の経験からのノンフィクション的な期待をもって読み始めました。

序盤はこの期待に大きく応えてくれるもので、よく調査をして書かれたことが伺われます。

しかしながら読み進めるに従って、そこに登場するさまざまな人々の魅力に引き込まれていきました。チェロのハードケースを持った女子大生、社交的で実力派をうかがわせるのに音楽教室にいるチェロ講師の浅葉、誰からも愛されそうなそして才色兼備と評判の総務部の三船、さまざまなバックグラウンドを持つチェロ教室の受講生たち。

チェロの楽曲や、徐々にあきらかになる橘の抱えている事情と、ひとびとの交わりを読み進めるにあたって、チェロを弾きたくなったり、感情移入をしてしんどくなったりと、なんと表現していいのかわからないさまざまな気持ちを味わうこととなりました。

「著作権とチェロのはなしだ」と、読みはじめは感じました。
読み終えたあとはこれは「人間と葛藤の物語だ」と感じるようになりました。

正直なところ、自分の感じた部分については特殊であって、他の人がどのように感じるかはわからないなという気持ちもりますが、一方でいろんな人が感じるものがあるに違いないという確信めいたなにかがのこり、それはただ「読んでほしい」という言葉に集結しました。

書いてみて、これがレビューになったのか、誰かの参考になるのか、未だよくわかりません。
あなたが読むべきなのかぼくにはわからないのですが、
「ラブカは静かに弓を持つ」是非読んでほしい一冊です。
ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)より
4087447685

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