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ラブカは静かに弓を持つ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ラブカは静かに弓を持つ

ラブカは静かに弓を持つの評価: 4.36/5点 レビュー 66件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.36pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全58件 41~58 3/3ページ
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No.18:
(5pt)

チェロの音

何度となくyoutubeのチェロを検索して聴きながら、あ!この曲、と味わって読み終えました。こんなふうに音と交わる感じを味わえるとは思いませんでした。癒される時を過ごせた読書です。
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No.17:
(4pt)

法律の隙間

道徳の本でしょうか.
どちらが完全に悪とはなっていなくてよかったと思います.
ただどちらを選んでも悪い結果がついてきます.
それは多くの選択においてそうですね.
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No.16:
(4pt)

音を読む本に出合った

読み始めるとチェロの曲が聴こえた。
バッハ「無伴奏チェロ組曲」だ。
しっとりとセピア色に包まれる。

「戦慄きのラブカ」で私は音を失った。
「奇麗だけど重たくて、暗くて静かで、独特の世界観がある」と
秋葉先生は話す。
「頭の中で響くはずのものが、腹まで潜ってきたような」と
と橘君は答える。
重たい、暗い音...?

橘君の教室退会の日、
秋葉先生に潜入職員とバレた。
その夜、橘君は深海の夢を見た。
無音な夢。
わたしも聞こえぬ世界に迷い込んだ。

彼は暗闇の中で、もがいた。
「帰ってきませんか...」霞さんに誘われた。
「この薄情者!」久しぶりの梶山さんは怒っていない。
深海を逃げてもいい。それなのに手探りした。
ふと、微かに音...無伴奏チェロ組曲が聞こえたような気がした。

音を読む本に出合った。
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No.15:
(4pt)

巡り巡って

チェロを弾いてるものです。まず、音楽に取り組むリアリティが素晴らしかったです。テーマが音楽の著作権と音楽教室ということでどういうふうに展開していくのか、あらかじめ考えないで読みました。なるほどこういう解もあるのかと納得できました。読後感には複雑なものがありますが、何より音楽というものに対する主人公の姿勢が良かったです。最後の選択はそれ以外ないように見えます。よく考えてみたいです。良い本をありがとう。
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No.14:
(5pt)

心の機微の表現力が圧巻!

内容に吸い込まれていき、一気読みでした。とにかく素晴らしい!しばらく余韻に浸りました。次回作に期待!
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No.13:
(4pt)

音楽教室で行われるレッスンが徴収の対象なのはなぜか

モデルは JASRAC とヤマハ音楽教室で、著作権使用料の扱いをめぐる裁判を軸に物語が展開します。
最高裁の判決が出る以前に書かれています。

ラブカというのは作中にも言及がありますが不気味な外見を持つ深海魚です。
主人公は見た目は良いという設定なのでちょっと皮肉ではあります。

著作権についてはよく調べて書かれていますし、チェロのレッスンの様子も実際にありそうな内容です。
扱われている裁判の争点と双方の主張がよくまとめられています。
主要な部分は次のとおりです。

P14
「音楽教室内での演奏は『公衆』に対する演奏ではない、というのが奴らの主張の大筋だ。(中略)」

P15
 第22条(上演権及び演奏権)
 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。
(中略)

 作詞や作曲をした音楽家は、当該楽曲のプロモーションが正当に行われることなどと引き換えに、その楽曲の著作権を音楽出版社に譲渡する。そして著作権者となった音楽出版社の多くは、それらの管理を音楽著作権等管理事業者に信託する。
(中略)

 ◆実際に著作権は出版社が持つということです。
 ◆なので作曲者や作詞者であっても公衆の面前で演奏するときなどは使用料を払うわけです。

P17
「この事件の争点は、誰が『演奏の主体』であったのかという点です」
 満月側が主張した『演奏の主体』は、実際に店舗内でカラオケ機器を使用して歌唱した従業員のホステスと不特定多数の客を指していた。

(中略)

「管理・支配というのは、カラオケ機器を設置し、操作をしていたのが誰なのかということ。利益性というのは、カラオケを売りに客を店舗に呼び込むことで、利益を上げていたのは誰なのかということです」
(中略)

「店そのものが『演奏の主体』となって、ホステスや客に歌を歌わせ、演奏権を侵害した。この利用主体を拡張する法解釈を、カラオケ法理と呼びます」
(中略)

P18
「すなわち、今回の事件の『演奏の主体』は音楽教室そのものである……ということなのかな?実際に楽器を演奏している、講師や生徒たちではなく?」

 ◆これらは一般の感覚ではすぐには理解し難いポイントですが、簡単に言うと他人が創作したものを利用して収益を上げているのだからその一部を権利者に支払わなければならないということです。
 ◆利益を上げているのは誰かと言いますと演奏会では報酬を得る演奏者などですし、音楽教室ではレッスン料などを得ている音楽教室、というわけです。
 ◆生徒はレッスン料を払う立場であって利益を得ているわけではないので、最高裁の判決で生徒には支払いの義務はないというのは妥当な判決だろうと思います。

P60
「(中略)ミカサ側がみずから、著作権使用料規程に関する協議をしたいと申し出てきた」
 想定外の知らせに、和解へ向かうということですか、と訊き返すと、いいや、と塩坪は首を横に振った。裁判ではこのまま全面対決になるだろう、
(中略)

「しかし、これではミカサは音を上げたも同然だ。音楽教室のレッスンでは著作権はそもそも発生しない、というのが彼らの言い分だったのだからね。にもかかわらず、著作権使用料について話し合うための土俵にわざわざ乗っかってくるとは」
(中略)

 ◆訴状を見ていないのでこの表現通りかどうかはわかりませんが、「著作権はそもそも発生しない」と言うのはおかしいですね。著作権使用料は発生しないと言うべきかと思います。

「この協議が不調に終わった場合、文化庁長官は協議の再開を命じることができる。そして再開後にも合意に至る見込みがない場合、ミカサ側は文化庁長官による裁定を申請可能だ。この裁定の申請が新規程、『音楽教室による演奏等』の実施の日よりも前に行われれば、裁定がある日まで全著連は新規程を実施できず、音楽教室から著作権使用料を徴収することはできない」
 つまり、ミカサ側に不利な裁定になったところで使用料の支払い義務は過去にまでは遡れなくなったというわけだ、(中略)

 ◆音楽教室側は実利を取ったということですね。

P104
 指運びは反復がすべてだ。十回で弾けないなら百回。百回で弾けないなら千回。何回でも指板上の弦を押さえて、体に覚え込ませるしかない。

P108
「思い詰めすぎると良くないって。ちょっとやそっとの運指ミスより、全体の印象と響きでしょ」

P1116
「曲を表現する時に一番、何が重要なのか?それはイマジネーションだ。的確なイマジネーションこそが、音楽に命を与える。プロもアマも関係ない。自分が育てた想像力を、この弦の上に乗せるんだ」

 ◆練習に関しては全くその通りで、テンポを落としてゆっくり始めて音が確実になったところでテンポを上げていきます。
 ◆楽器の練習はアスリートの練習と同じと言われます。
 筋肉が自然に動くようになるまでやります。
 ミスを気にしすぎてはいけないと言われます。
 歌うこと、フレージングが大事とよく言われます。

P164
 忖度のない琢郎の言い草に、場の空気が少しだけ固くなった。ファンタジックな暗黙の了解が、急に取っ払われてしまったかのように。

 ◆ここはちょっと引っかかります。
「ファンタスティック」とするべきですが、作者が敢えて使ったのかどうかはわかりません。

P166
 当の花岡はあっけらかんと、他人事(ひとごと)かのように構えていた。

 ◆(ひとごと)としたのは実際にはルビです。
 作者はわざわざルビを振っているので言葉の使い方に鈍感なわけではないと思います。

同じ先生に習う生徒の間で食事会があったり、アンサンブルを組んで発表の場を持ったりという場面があります。
ロマンスや誤解、裏切り、潜入調査の露見、調査員は一人ではなかったなどなかなか面白いです。
ロマンスが発展して欲しいなあと思いましたが物語は終わってしまいました。

もし続編が描かれるとすれば確定した判決を踏まえたものになるでしょうね。
主人公は昔チェロを弾いていましたが、事件があって中断しました。
事件の描き方が取ってつけたようだという印象はあります。

レッスンは借りた楽器で続けましたが、やがて自分の楽器を買います。

かなり筋が良いという設定なのでロマンスを絡めながら腕を上げて行ったり仲間とのアンサンブルが発展して行ったりというストーリーを想像します。
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No.12:
(5pt)

グイグイ引き込まれる

音楽教室での演奏は著作権料対象なのか否か。数年前に大きなニュースとなった件をモチーフとした題材です。
子供の頃にトラウマを植え付けられた主人公が仕事として再度チェロと向き合うことに。

物語全体を通してとても優しい雰囲気でとても心地良い気分になりました。
結末にも大満足です。
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No.11:
(5pt)

チェロが奏でる声が聴こえてくる。

獰猛な風貌の深海ザメ”ラブカ”。
ゆったりと泳ぐように、そのラブカが静かに弓を持ったとき。
奏でるチェロの旋律は人のささやきにみえて心に響いてくる。
が、レッスン前に録音ボタンを押す。
スリリングな展開が待っている。
講師と生徒の間には代替できない信頼と絆がある。
非情の内に秘められた歓びのきもちは真実なのか。
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No.10:
(5pt)

読んで幸せを感じる一冊

緻密に設計された、目の詰まった小説である。もう3回は読んだだろうか、エピローグから前に戻っていったり。半年ぶりに読み返しても味わいは益々深まり、飽きることがない。そして読み終わった後の印象がとても良く、幸せを感じる。大事に読みたい一冊である。
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No.9:
(5pt)

音楽通し絆が生まれる

読みやすく、読後感も良い。
特に、今、大人で音楽を習っている方は、講師との関係や練習する気持ちが、とても上手く表現されていて、納得できるのでは。
また、主人公の仕事の進展でドキドキさせられる。
この辺りも上手く描かれていると思う。
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No.8:
(4pt)

著作権

全符連と音楽教室との著作権の係わりが分かり、また音楽教師と生徒の信頼関係の大切さを学んだ。私も弦楽器の音楽教室に通っている。
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No.7:
(5pt)

潜入調査の実態

著作権法の演奏権を侵害している証拠を摑むことを目的に、音楽教室に潜入調査する主人公。著作権を巡るいろいろなことが知れて読み応えのある作品。
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No.6:
(5pt)

全く別次元の葛藤を描く 著作権法で白黒をつけることと人間関係の絆の大切さとの折り合い

実際にJASRAC(日本音楽著作権協会)と著名楽器メーカーの音楽教室との中で実際に起こった潜入調査を下敷きにしてストーリーは展開されていました。まだ係争中の案件で、2022年9月末に最高裁で口頭弁論が開かれます。作品を生み出す側の音楽家の権利を守ることは、音楽産業に関わる楽器メーカーにとって大切な精神だと思っています。遵法であるべき音楽に関わるメーカーの言い分は狭量に過ぎません。

それはそれとして、実際に潜入調査しなければいけない人の心情までは思い至らなかったわけで、本作品ではそこに焦点を当てており、読み手にもその葛藤ぶりがストレートに伝わってきました。スパイという表現がなされていました。悪いことをしているかのような表現が、主人公の立場の難しさを表していました。

特に、指導している先生に対しての信頼関係との板挟みになった職員が気の毒ですね。証拠を集めるためには手段を択ばないという見本でした。主人公の真摯な業務遂行とは別に、純粋に音楽を指導してもらう側の気持ちは、当然ながら裁判では顧みられないところに苦悩があるのです。

ストーリー中も、チェロの音色が通奏低音のように流れている気分に浸っていました。「小野瀬晃」という作曲家の曲を狂言回しのように使いながら、講師と生徒、生徒同士の交流、そして発表会当日の風景など、音楽教室ではよくある日常的な音楽活動がしっかりと描かれており、作品の中に浸りながら読み進めてきました。
登場人物も良く描けており、会話も見事に成立しています。見事に音楽を絡めながら「スパイ活動」をしっかりと描き切った作品だと高く評価致します。
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No.5:
(5pt)

とてもおもしろかった

読みごたえもあり、面白かったです。
ほかの作品も読んでみたいです。
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No.4:
(4pt)

信頼

やっぱり信頼されてるのに仲間を売るような裏切りは辛いだろうな!
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No.3:
(5pt)

橘の視点から想像することができました

フィクションでありながら、同じ視点を持つものとして、一つ一つの描写から生々しさを感じつつ、この議題の本質を自分なりに考えることができました。
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No.2:
(4pt)

面白かった❗

実際あった騒動なので、ドキドキしながら読みました、
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No.1:
(5pt)

是非読んでほしい一冊

小説のレビューを書こうと思ったのは、この本が初めてでした。
ちいさいころから本が好きで、多い時期には一日に十数冊の小説を読んでいたけれど、ぼくにとって小説というものはそれを読みその世界にはいって自分が考えたり楽しんだりするもので、語るものではなかったからです。

小説を買うにあたって、これまでレビューを参考にしたいこともなく、このレビューがだれかの参考になるのかもわかりません。

レビューにどこまで内容をいれていいのか、人は何を参考に小説を選ぶのかまったくわからないし、この小説について何を書けばいいのか現時点でもわかりません。でも、読了後の「この本を読んでほしい」というこれまでになかった気持ちを言葉にしてみたいと思い、いまキーボードをたたいています。

暗い景色のなか、仕事に対してさほどの情熱ややりがいも感じていなさそうな、しかし淡々と仕事をこなす主人公 橘の視点で物語ははじまります。どこにでもいそうな、それでも実際にはいなさそうな、特有な雰囲気をまとった橘が、著作権管理団体というある種 利権の象徴であるかのような団体のなかの力学に飲み込まれていく、そんな描写。

ぼくは、中学生の時に芸術に対して距離を置くことを決めて、情報科学と人間世界の未来に期待し知的財産法を学び、そして中学生のときから倍ではきかない年になって偶然チェロを習い始めました。

「JASRACのような権利管理団体の職員が、音楽教室に潜入するはなし」、そのような認識で手にとったこの本は、小説としての期待よりも、これまでにいた知的財産関係の仕事の経験からのノンフィクション的な期待をもって読み始めました。

序盤はこの期待に大きく応えてくれるもので、よく調査をして書かれたことが伺われます。

しかしながら読み進めるに従って、そこに登場するさまざまな人々の魅力に引き込まれていきました。チェロのハードケースを持った女子大生、社交的で実力派をうかがわせるのに音楽教室にいるチェロ講師の浅葉、誰からも愛されそうなそして才色兼備と評判の総務部の三船、さまざまなバックグラウンドを持つチェロ教室の受講生たち。

チェロの楽曲や、徐々にあきらかになる橘の抱えている事情と、ひとびとの交わりを読み進めるにあたって、チェロを弾きたくなったり、感情移入をしてしんどくなったりと、なんと表現していいのかわからないさまざまな気持ちを味わうこととなりました。

「著作権とチェロのはなしだ」と、読みはじめは感じました。
読み終えたあとはこれは「人間と葛藤の物語だ」と感じるようになりました。

正直なところ、自分の感じた部分については特殊であって、他の人がどのように感じるかはわからないなという気持ちもりますが、一方でいろんな人が感じるものがあるに違いないという確信めいたなにかがのこり、それはただ「読んでほしい」という言葉に集結しました。

書いてみて、これがレビューになったのか、誰かの参考になるのか、未だよくわかりません。
あなたが読むべきなのかぼくにはわからないのですが、
「ラブカは静かに弓を持つ」是非読んでほしい一冊です。
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