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完全なる白銀
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完全なる白銀の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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| 登山をテーマにした小説である。昇るのはデナリ山。標高は6190m、北米最高峰である。冬のデナリは過酷である。最低気温は零下50度、体感温度は零下100度以下だ。風速70mの暴風が吹くため、冬季に登頂した者は少ししかいない。 そこに登ろうとしているのが、藤谷緑里(ふじたにみどり)という写真家と、シーラというデナリ国立公園のレンジャーである。2人とも女性だ。シーラはリタという幼なじみが失敗し、行方不明になったデナリに登ろうとしている。 35歳の緑里は、この仕事を続けられるのは、43歳ぐらいまでだと考えている。植村直己も、星野道夫も43歳で亡くなったからである。 2人に友人、リタ・ウルラクは数々の山に登り、「冬の女王」と呼ばれたが、実際は大半の山に登っていない、という疑惑があった。シーラはその疑惑を晴らすためにデナリに登ろうとしているのだ。 リタはデナリの頂上で「パーフェクト・シルバー(完全なる白銀)」が見えたと言った。緑里の目的はリタが言った「完全なる白銀」を撮影し、彼女が登頂したのを証明することだ。 しかし、パートナーとなるシーラと緑里の間には心の溝があった。リタの登頂を緑里は少し疑っており、シーラもそれに気づいていたのだ。 緑里が疑うのにはそれなりの根拠があった。そんなちぐはぐの2人は、無事にデナリの頂上まで行けるのだろうか。 過去と現在が交互に描かれて話は進んでいく。商業カメラマンでも仕方がない、と思っていた緑里もリタから本当の夢を問われ、一流の写真家を目指すようになる。 登山という行為は、どうしたって人生を思わせる。登山家ではない私たちも、一歩一歩夢に向かって進んでいくべきかもしれない。そこには必ず足跡が残る。 | ||||
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| 天才の意志の強さと孤独と苦悩。 自分の立場を理解しながら戦う、その意思の強さは時には周りのフォローさえも突き放してしまう。それを本当は自分の中では理解しながらも、突き進む。謝りたいけど謝れない。 友人の行動にフォーカスをしながらも、そんな天才の葛藤を感じ、引き込まれる作品だった。 | ||||
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