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闇の聖域



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【この小説が収録されている参考書籍】
闇の聖域

闇の聖域の評価: 3.50/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

面白いと思います。

結末に多少の不満は有りますが、ストーリー展開が奇抜で、一気に読み終えた。
闇の聖域Amazon書評・レビュー:闇の聖域より
4041120659
No.5:
(5pt)

満州国大連を舞台とした連続殺人事件

警視庁を退職し、満州国大連の警察署に赴任した河村修平が遭遇する連続殺人の謎に挑むミステリー。
河村修平は神戸から船(ばいかる丸)で4日かけて大連に到着し、すぐに警察署の刑事課に登庁する。特務巡査として勤務するのだ。ところが赴任した翌々日に、早くも殺人事件が勃発する。写真館の主人・赤松が操車場に近い人気の少ない場所で、何か鈍いもので頸動脈を切られて殺されたのだ。修平と上司の高安は、赤松の写真館を捜索し、3人の男が写る写真を見つけるが、そのうちの1人が、修平が東京を離れる直前に殺された女衒に似ていることに気づく。赤松殺しの捜査を始めるとすぐに、今度は東亜奨学会の主幹・井上が同じような手口で殺されているのが見つかる。井上は、実は軍の特務機関員の土田大尉だった。
修平は、写真が撮られた場所が気にかかる。もしかして、そこはシベリア出兵で日本軍が一時占領していた浦塩(ウラジオ)ではないのか?そして第4の殺人が起こる。
話は大連で画廊の手伝いをしている若き画家・中村小夜のほのかな慕情の進行や彼女が患っているパーキンソン病と思しき病気の進行具合を交えながら一歩一歩と進んでいく。そして、最後に…。
最近の佐々木譲氏は時間旅行をテーマにした、あるいは絡ませた小説をいくつも執筆しているが、本作では時間旅行ならぬ“特殊能力”が絡んでくる。この点、好みが分かれるところと思いますが、いつもながらの疾走感満点の佐々木譲節炸裂で、十分楽しむことができました。
闇の聖域Amazon書評・レビュー:闇の聖域より
4041120659
No.4:
(5pt)

「牙のある時間」を読んでみては?

受売りですが、「鋭く緻密な推理を積重ねる刑事達」「過酷な状況を漂いながら自分の言葉で歩き出すヒロイン」「自己チューな関東軍憲兵」「陰のある好青年が、実は、、、。」と続くのを「ふと、そこにある佐々木譲感」と理解すれば、この素敵な結末は、「刑事と、行方をくらます若い二人と、そして願わくばその二人の間に生まれる双子の姉弟が、1949年の新京や、1989年の北京、さらには2029年の台北を舞台に、凄まじい混乱に巻き込まれては、彼らなりのささやかな正義を貫いていく物語」を読者に期待させると思います。
闇の聖域Amazon書評・レビュー:闇の聖域より
4041120659
No.3:
(2pt)

リアリズムの映画を観ていたら、最後はディズニー風のファンタジーだった、という気分。

舞台は昭和初期の大連。連続殺人事件を追う警官と憲兵隊の軋轢、難病をかかえる画家の女性とロシア人青年の恋の2つの物語が平行してすすむ。この著者らしいしっかりした時代考証で、どう物語が展開するかドキドキしながら読んだ。
  でも、結末に唖然。最後は幻想小説風の幕切れ。リアリズムの映画と思って観ていたら、最後はディズニー映画だった、という感じ。佐々木さん、好きな作家だけど、最近の作には首を傾げてしまう。『抵抗都市』は無理やりパラレルワールドにした普通の警察小説だったし、今回もファンタジーの舞台が大連になるのかわからない。いったいどうしたのだろうか。
闇の聖域Amazon書評・レビュー:闇の聖域より
4041120659
No.2:
(2pt)

犯人が分かるまでは惹きこまれる

著者得意の大戦前後の時代背景で満州を舞台にロシアや軍部、警察など入り混じった登場人物で前半は期待を持たせる。
連続殺人の犯人を追いかける過程は1枚の写真との関連付けも上手く展開は悪くない。
なのに犯人が分かったとたんに、そんなのありなのという展開で一気にリアリティがなくなり、ストーリーの濃厚さが薄まってしまう。

この展開って始めからの設定なのであろうか。
それならあえてこの時代設定にする意味がないし、途中で路線変更したなら安易というか手抜きというか。

正直どうしてこんな犯人にしたのか疑問が残る。
小夜のその後はどうなるのであろう。
闇の聖域Amazon書評・レビュー:闇の聖域より
4041120659
No.1:
(3pt)

闇の聖域へと押し込まれ、物語が希釈された

「裂けた明日」(2022/8月)以来の佐々木譲。「偽装同盟」(2022/1月)の如く"IF小説(オルタネート・ヒストリー)"路線上の新作かと思いましたが、違っていました。「闇の聖域」(角川書店)を読み終えました。
 主要な舞台は、満州、大連。「張作霖爆殺事件」の二年後。警視庁から大連警察署に赴任した河村修平。赴任早々、大連駅の操車場付近で殺人事件が発生、修平は高安巡査部長と共に捜査にあたります。そして、死体の首の致命傷を見た修平は日本で手掛けた事件との関連を疑いますが、相次いで第二の事件が発生してしまいます。
 一方、事件に関連があるのかないのか(まあ、ないわけはない(笑))、大連で暮らす日本人、中村小夜が路面電車を降りようとした時、ロシア人とおぼしき白人青年とささやかな交流が生まれます。彼女は、水彩画を描く画家として小さな画廊と契約しており、その画廊で店番をすることもあります。また、数年前から右足に力が入りにくくなっており、筋肉が弱くなっていることを危惧しています。
 南満州鉄道、大連埠頭、走り行く路面電車。当時の大連のストリートが活写されています。また、ロシア、大日本帝国、関東軍、背後組織と政治的背景を具に描写しながら、佐々木譲らしいサスペンスが醸成され、中盤までは快調だったと言っていいでしょう。
 事件が次第に解明されていく中、警察官・河村修平の姿が希薄になっていき、或る二人の人物へと主役が交代していくことで物語はかなり大胆な転調を迎えます。佐々木譲・グルーピーの一人として数多くの物語の中にはこのような物語があってもいいと納得できたりもしますが、一篇のスリラーとして見た場合、どう判断すればいいのか微妙なところです。前半の時代性を超えたアクチュアリティが、「闇の聖域」へと押し込まれることによって希釈されたと感じることにもなりました。
 この物語はいつか継続することになるのでしょうか?
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4041120659

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