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狼たちの宴



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【この小説が収録されている参考書籍】
狼たちの宴 (海外文庫)

狼たちの宴の評価: 3.33/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

ゲシュタポ犯罪捜査官になりすましたユダヤ人イザークの、次の苦難

『狼たちの城』の続編。
1942年春、第二次世界大戦下のドイツ。前作でユダヤ人の古書店主イザーク・ルビンシュタインは収容所へ移送される寸前、元恋人クララの助力でナチス犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンになりすますことによって危機を脱する。冷や汗をかきながらも何とか事件を解決し、いよいよ家族が待つ国外へ逃亡する時になって、この新たな立場を利用してドイツの戦力を弱め敗戦に追い込むことで少しでもユダヤ人たちを救うことに貢献できるのではないかと考え、もう少しそこに留まることを決意した。

本作は前作終了から1か月弱経ったところから始まる。ヴァイスマンに扮したままのイザークは、ドイツの戦略に関する機密情報を盗み出そうともくろみ、ゲシュタポ高官の秘書で有力者の娘でもあるウルスラに近づく。そうしている間に有力者仲間の娘が絞殺される事件が起き、イザークは上層部の命令で再び捜査することに。しかも今回は、ごまかしの利く見習いではなく、やり手の刑事とともに捜査しなければならなくなり窮地に陥る。さらに偽ヴァイスマンを怪しむジャーナリストにも付け狙われ、ますますピンチに。果たしてイザークは事件解決と本来の目的を達成できるのか――?

このシリーズは、重くて暗い時代と主人公の非常に苦難な立ち位置を夢物語風にしつつ、現実的な面もシビアに描き出している。本作における悲哀も実情だろう。現在ウクライナで戦争が続行中だが、いつの時代にも狂った指導者には怒りと呆れ、軽蔑の念が沸き上がる。犠牲になるのは国民の貴重な人生だ。
前作ではコミカルな面も見受けられたが、本作ではそれは薄らいでいる。ストーリー的には前作の方が波乱万丈だったが、本作も十分におもしろかった。ただ、終盤の解決策には個人的にちょっと満足できず、さらにラストの主人公の行動には何が待っているかを考えると疑問が残る。しかし策があってのことなのか?
ユダヤ人のイザークがこの時代をどう乗り切るのか?続刊の出版を楽しみにしている。
狼たちの宴 (海外文庫)Amazon書評・レビュー:狼たちの宴 (海外文庫)より
4594091059

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