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トレント最後の事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
トレント最後の事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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真実を暴くにはどうしても、一つの疑いたくない事実が出てくる。微妙な恋愛の情。トリックに関しては根本的な疑問が残り、推理小説というよりは、恋愛小説。 | ||||
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若い頃に読んだ時は名作としての期待が高かったせいかあまり良い印象がなかった。今回はそれほど期待せずに名作と言われる所以を確かめるべく読んだがやはり評価は今一つであった。 前半は引き込まれるように快調に読めたが中盤の恋愛部分はやや興ざめであった。終盤の解決編は緊迫感にあふれており見事なサスペンスになっているがミステリとしては不満が残った。最後は蛇足であろう。推理小説への皮肉という作者の意図も取ってつけたようで中途半端という感じがした。 作品としての構想は独創的であり確かに従来のホームズ物と比較すると飛躍的な進歩がある。前半にトレントが見せる推理はアンフェアーな部分はあるが証拠から緻密に組み立てられており読み応えは十分であった。しかし後半を含めると作り事としての不自然さが否めない。現実の事件としては一歩間違えれば茶番劇におちいる内容であり動機の面からもここまでやるかという不自然さが残る。 人物描写では男性陣はうまく描き分けられているが、主人公の名探偵トレントが前半で見せる自惚れ屋ぶりが鼻に付く。これは中盤以降で苦悩する部分とのコントラスト、あるいはホームズ物における超然とした名探偵への皮肉といった作者の仕掛けなのであろうが、感情移入ができず本格謎解きミステリとしては興ざめであった。 冷酷な大富豪、マンダースンは不気味な男として見事に表現されているが結果としては表面的なものに留まっているのが残念である。誰も信用せず誰からも信頼されない孤独な男としてその内面をもっと掘り下げてほしいところであった。 マンダースン夫人は男性からみた女性の理想像として描かれているが、こちらは作りもので人間としての現実感がない。夫に対する態度も表面的な説明に留まっており実際にはこんな事では済まないと思われる。 緻密な本格推理、恋愛、サスペンス、探偵小説への皮肉といったものが融合されている点で独創的ではあるが、これらを混ぜ込もうとしたがためか強引さが目立ち全体的に作り事としての不自然さがあることは否めないと思われる。 | ||||
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アメリカの実業家が殺され・・・というお話。 杉江氏の解説によると、この小説で著者のベントリーは陳腐化、形骸化しつつある推理小説を批判する目的で書いたとありますが、発表されたのは1913年ということで、今から100年以上前、まだ推理小説の創成期といっていい時代にその様な試みをした著者の慧眼ぶりには驚かされます。ただ批判するだけなら評論でも出来ますが、実際に小説を執筆してそれを行い、尚且つ推理小説としても完成度の高い物を創作出来たのも驚きです。 更に主人公で小説の先導役に容疑者を恋するという、恋愛小説を彷彿とさせる行動をとらせてみたりと、書かれた当時は相当画期的だった作品であったろう事は今読んでも判ります。著者はプロの作家ではないし、実作も少ないそうですが、そういう人だからこそ歴史に残る作品を物する事が出来たのかもしれないし、偶然そうなったかもしれないですが、どちらにしても推理小説が進化する過程で書かれなければならなかった重要作だという事は今回初めてこの作品を読んで理解出来ました。 叙述がこの時代特有というか、読者の集中力を考慮してくれないで、40~50ページくらい続く息の長い文章で読み難い事この上ないですが、それ以外では歴史的価値の高い作品という事で推理小説を好きな人は必読かと思います。☆の数は私の個人的な読後のカタルシスなのであまり気にしないでください。今の進化して成熟した推理小説を読んでいる者からすると、若干物足りなさを感じたので(刊行から100年も経ったらしょうがないですが)。 他のジャンル、例えばロックの世界でもロックを批評する目的で作成されたP.I.L.というバンドの「Second Edition」がその批評性故に永遠の問題作になっておりますが、問題作だからこそその後のそのジャンルに名を遺す名作扱いされる作品がありますが、この小説もそういう作品に該当する物なのでしょう。 推理小説の歴史に名を遺す偉業的作品。機会があったら是非。 蛇足ながら、チェット・ウィリアムソン氏の「ジレンマ」(1989年)が当時流行っていたハードボイルドを批判した作風の私立探偵小説なので本書を気に入った方はそちらも是非。 | ||||
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1913年発表。近代的長編探偵小説の嚆矢として名高い作品だが、ミステリ初心者にはあまりお薦めは出来ない。実際に評者も中学生の頃に初めて読んだ際は何故それほど評価が高いのか不審だった。それもそのはず、これは自身もすれっからしのミステリファンだった著者がヴィクトリア期以来の探偵小説の定型を揶揄する目的で執筆したからだ。 愛すべきフィリップ・トレントの苦悩や逡巡はホームズに代表される超人的探偵へのアンチテーゼとして受け取れ、現代的ミステリにダイレクトに繋がる陰影深いキャラクター造形となっている。 作者が意図した、型通りのミステリへの辛辣な風刺の鋭さは今も失われず、唖然とする大胆な結末の着け方は未だ斬新に感じられる。また部分的なプロットが後の横溝正史の某長編を思わせるのも興味深い。 | ||||
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ディレッタント探偵トレントが被害者の未亡人に恋をしたため推理をはずしまくり最後に嫌になって南米に逃げるというのが大筋(?)従来の探偵がマシーンのように推理し、正確に犯人を探り出していくのに対しこの作品は探偵が人間的に行動し理知的に解いていく課程が示されさらに、プロットの中にトリックや証拠などがきちんと盛り込まれています1913年に書かれたのが驚きとしか言いようのない小説です | ||||
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