矢の家



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初公開日(参考)1959年05月
分類

長編小説

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矢の家 (創元推理文庫 113-1)

1959年05月25日 矢の家 (創元推理文庫 113-1)

ハーロウ夫人がなくなって、遺産は養女に残されることになった。そこへ義弟が登場し、恐に失敗するや、養女が夫人を毒殺したと警察へ告発した。養女は弁護士に救いを求め、パリからアノー探偵が現地に急行する。犯人と探偵との火花を散らす心理闘争は圧巻で、犯罪心理小説の変型としても、サスペンスの点でも類例の少ない古典的名作!(「BOOK」データベースより)




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矢の家の総合評価:7.50/10点レビュー 18件。Fランク


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(1pt)

後出しジャンケン感満載の作品

ミステリ黄金期にはミステリプロパー以外の作家もミステリを発表する動きがあったことは以前述べたが、このメースンもその中の1人。
元々は彼は劇作家であり、そちらの方の分野の小説は現代でも高い評価を受けており、21世紀になって彼の書いた“Four Feathers”が『サハラに舞う羽根』と題され再映画化されたのにはビックリした。私は同原作も読み、そちらは予想以上に面白く読めた。

で、そのメースンが創作した探偵が本書に出てくるアノーだ。第1作は国書刊行会にて訳出された『薔薇荘にて』で、本書は第2作に当る。しかしながらこのアノーはフランス人という特長以外、特段特筆すべき個性を備えていないというのが私の印象。特に古典ミステリの探偵役は往々にして論理や状況をこねくり回す傾向にあり、そのくせ掴んだ証拠や閃いた推理はもったいぶって最後まで開陳しないという、実際にいたらあまり付き合いたくない人種なのだが、このアノーもその例に洩れず、それゆえ、英国人作家によるフランス人名探偵というとクリスティのポアロがつとに有名だが、一説によるとポアロのモデルはこのアノーらしい。しかしながら後世の評判から推し量るに亜流が元祖を上回ったようだ。

本書で語られる事件は実にオーソドックス。フランスにある館「グルネル荘」の主人が亡くなり、その遺産が養女に相続されるが、それを不服に思った義弟がその養女を毒殺したかどで告発する。その無実を晴らすべく、養女が救いを求め、名探偵名高いアノーに白羽の矢が立つといった内容。

事件の調査を依頼されたアノーはセオリーどおりに捜査を展開する。既にあった事件を調べるだけという純粋な推理小説である本作は舞台が館のみでほとんど展開すること、続いて事件が起こらないことから、現在のミステリを読み慣れた読者にはかなり退屈に感じるだろう。また登場人物も凡百の小説同様、非常に類型的だ。
そしてその退屈な読書の末に明かされる真相は、それまでの苦難を解消されるとは決して云いがたく、言葉が過ぎるかもしれないが時間を無駄にしたと思われること必定だろう。
私が本書を手にした経緯は歴史に残る名作という謳い文句に惹かれてのことだったが、読後の今ではこれは全くの嘘だと断言する。本書は歴史に残すだけの価値はほとんどない。
特に私は最後に明かされるある仕掛けにすごくアンフェア感を覚えた記憶があるこの仕掛けは読者に推理する材料が十分与えられているわけではないので、読者が看破する余地がない。それが最大の不服なのだが、実は島田荘司の某作でも同様の仕掛けが盛り込まれていた。しかしこちらの場合は確かに、手がかりはあるものの読者が全てを推理して見抜けるものではなかったが、それを補って余りある物語世界を展開してくれている。つまり逆にこの仕掛けが作者の想像力に思わず感嘆してしまうほどの内容であるから、全く不満を抱くことがないのだ。
しかし本書の場合は事件は地味な上に、明かされる真相も地味。それに輪をかけて読者の推理が介在しない仕掛けを持ち込んでいるがために、傷口にどんどん芥子を塗りこむが如く、悪い方向へ行っている風に取れてしまう。
さらに明かされる犯人も私があまり評価しないカーの某作を思わせ、それが本書の悪印象に拍車を掛けてしまった。
また最後に犯人を糾弾する段階にいたって、アノーが「実は最初から犯人は解っていた」というような言葉を吐くにいたり、この後出しジャンケン的な割り切れの無さも不快感を及ぼした。
もし読んでみようかなと思っている方がいたら、止めておいた方がいい。ミステリ研究家、マニアの方のみお勧めする。


Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.17:
(5pt)

感謝です。

ずっと読みたかった作品です。状態もすごく綺麗でした。思ったよりも速く届いて、対応に感謝します。気持ちよくお買い物できました。ありがとうございました。
矢の家【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:矢の家【新版】 (創元推理文庫)より
4488113036
No.16:
(4pt)

ヘイスティングスを超える心優しきバカが登場w

<ネタバレ注意>

 著者は探偵小説専業の作家ではないとのことで、1910年にアノー探偵ものの第一作を出版しており、その14年後に本作を上梓したらしい。
 英国人作家が外国人を探偵に抜擢した例として、なんと云ってもアガサ・クリスティの創造したエルキュール・ポワロが有名だが、彼女が大戦中に『スタイルズ荘の怪事件』を書いた際に、アノー探偵が念頭にあったのかは不明。逆にメースンが本作を書いた際には、クリスティは最初の二長篇に加えて、ポワロものの短篇を鋭意量産中で、逆にメースンに刺激を与えた可能性も……。

 中島河太郎の解説には、同じ英国人作家が外国人探偵として描いたアノーとポワロとの類似に触れた後、彼はポワロほどの嫌味がない代わりに魅力に乏しいなんて書かれているのだが、どうしてどうして、なかなか魅力的ではないか。
 主役探偵の比較はともかく、クリスティ作品と較べるならば、むしろヘイスティングスとフロビッシャーの類似を挙げるべきだろう。年齢や外見はともかく、フロビッシャーはヘイスティングスを越えるレベルのバカで善人で間抜けであるw
 中島河太郎も書いているように、本書のおもしろさは探偵と犯人の心理対決であって、フーダニットとしては弱々だから、余計にフロビッシャーの間抜けが際立っている。【注1】

 フーダニットとしては弱いとは言え、二人の魅力的な若い女性のどちらが、あるいは両人が犯人である可能性は、中盤までは考慮してしまったし、<ネタばれ反転>犯人一味といったものが構築されていたのはなかなかサプライズだった。【注2】

 というわけで概ね満足な一品で、仮にクリスティ作品のひとつだったとしても十分成立できる佳作だと思うが、結果的に犯人を手玉に取った有能なアノーが、薬屋の存在が表面化してから彼への捜査までがルーズだったというのはやや気になった。
 「だって人間だもの」でミスするのは当然とは言え、重要参考人であることが明白な薬屋を早々に抑えるのは、当然の捜査の段取りだろう。クロらしき容疑者に罠を仕掛ける手腕とは別のレベルだと思う。

 【注1】犯人が確保された後も、それがなにかの間違いである理由を捜そうとするくらいであるw

 【注2】犯人候補から外れた時点でアンも相当な間抜けの仲間入りである。
矢の家【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:矢の家【新版】 (創元推理文庫)より
4488113036
No.15:
(4pt)

本作の読まれ方次第では、ミステリ史に別の展開もあり得たのではないでしょうか

クィーンが「すばらしく頭のいい手がかり」とコメントした(「フランス白粉」解説)その手がかりは、のちに「Yの悲劇」で使われることになったと思いますが、どう頭がいいのかはいまだにわかっていません。
ところで、探偵が仕掛ける罠と犯人の応答を、後から読み直して確認するという本作の書き方は後世に伝わってもよかったと思うのですが、そうならなかったのは読み直しが面倒だからでしょうかね。
ミステリ史の分水嶺になった作品だと思います。
矢の家【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:矢の家【新版】 (創元推理文庫)より
4488113036
No.14:
(3pt)

古典ではあるが、名作ではない。

財産のある未亡人が、心臓発作で死んだが、どうやらそれが他殺らしい……。
パリ警視庁からアノー探偵が召喚されて、調査を開始する。(なんで探偵が警視庁に協力を要請されるんだ?)
……ユーモア·ミステリーと言われているらしいけど、そんなに面白いやり取りは見られない。
……最後の解説に、"1920年代に書かれた推理小説の代表的名作の一つ"であるとして、クリスティーの『アクロイド殺人事件』他のいくつかの小説と共にこの小説が挙げられていますが、それほどのものだとは思えません。
……トリックもそんなに奇抜でもないし、犯人も、そんなに予想外でもなく、ストーリーも、そんなによく錬られているとも思えない。
……書かれたのが割合古い年代だという意味では、古典かもしれないけど、“名作”と言えるかどうかは、疑問が残ります。
……それと、イギリス人である著者が、作中でフランス人のアノー探偵を、かなり馬鹿にした描き方をしていて、そういうのが、やっぱりイギリス人とフランス人は仲悪いんだなという感じがします。
矢の家 (創元推理文庫 113-1)Amazon書評・レビュー:矢の家 (創元推理文庫 113-1)より
448811301X
No.13:
(3pt)

凡庸な弁護士を探偵がひたすら手玉に取る話

こつこつと積み重ねていく検証と論理はおもしろい。でもポワロみたいな探偵が優秀過ぎて、弁護士が愚直に見えるのはちょっと……。特にラストのオチが酷い。このバカな弁護士視点で語られてるのがツラ過ぎました。こんな弁護士じゃ不安過ぎる!
矢の家 (1965年) (角川文庫)Amazon書評・レビュー:矢の家 (1965年) (角川文庫)より
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