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自転しながら公転する
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自転しながら公転するの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全149件 41~60 3/8ページ
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茨城の日常を描く小説です。 普通に生きるOLの悩みと苦悩がリアルに感じられます。 とても面白かったので、もっと読みたいと思う一冊です。 | ||||
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プロローグとエピローグが書き下ろし、と言うことで、その上手さも素晴らしい。何度も何度も涙が出る場面があって、感情の上でも共感できたけれど、その上に社会の変化や日本の現状への鋭い観察眼があって、名作だと思います。 | ||||
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初出は『小説新潮』に2016年1月号から、断片的に連載されたもの。 単行本化に当たって大幅改稿、プロローグとエピローグを書下ろし。 前後に新たに追加された部分によって、まるで数代に渡る『ファミリー・ヒストリー』。 オリジナルとは全く別な、近未来物になってしまったではないか。 自らの病いと周囲、日本の将来を重ねて憂いてのことか。 冒頭からかなり長い間、アパレル関連、ファッション業界に興味がない方々は、辛過ぎるだろうなあ。 高校の先輩が東京スタイル、元妻がイトキンに就職してなかったら、途中で挫折していたかも。 単行本P65、「ホルモン治療って、癌の発生率だけじゃなくて狭心症になる確率も高い」との件で、目が醒めた。 前立腺癌を患った我が義父がホルモン治療を受け、ほぼ完治したにも関わらず、新しく大腸癌と結腸癌を発生、心臓病も併発して数回の手術を経験。 個人的に、物語世界から、現実へと引き戻された感がアリアリ。 服飾への関心とリサーチは作者の幼い頃からの興味と旺盛な好奇心の表れだろうし、疾病については、御本人の死因(合掌)となった膵臓癌との闘いがベースだろうし、かなりリアリティに満ちた小説。 『金色夜叉』の“貫一”と“おみや”を基に、きっちりした現代恋愛物に仕上がったのは、山本さんがジュニア小説から書き継いだ蓄積の開花と捉えるべきか。 主人公の両親を襲った根深い倦怠期、熟年離婚の危機は、戦後日本の複雑な歴史情勢や社会状況、加速度的逼迫し続ける現代日本経済、不幸へとひたすら突き進むかのようなこの国へ向けた遺書と書けば、褒め過ぎ? | ||||
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人生って、こんなにもいろいろな事を感じながら、考えながら生きてゆかなければならないのかと思った。自分の場合、大学を出て、大企業に入り、それなりの厳しいサラリーマン生活を送り定年退職を迎えた。その間、結婚、子育て、単身赴任生活、妻との死別、現在90歳以上の両親の存在など、世間によくあるパターンをたどっていると思う。しかし、感受性が低いからか、あるいは単純な人間だからなのか、都ほどいちいち感じなかったし、よく考えて人生を送って来なかった。将来のある若い人がこの小説を読んで、どんな感想を持つのだろうか。参考になるのかするのか。希望を持つのか持てるのか。 | ||||
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何もかも、こんなにも、なんで1人で頑張らなくちゃいけないんだと途方に暮れる時がある。 自分ばかりが全てに孤軍奮闘してるように感じで惨めになる。 そんな時がある。 山本文緒さんの小説は、そんな生きづらさを感じる心の強烈なカンフル剤。 1人で生きてるわけじゃない。 でも、所詮人間は1人で生まれて1人で旅立つ存在。 あんまり周りを当てにせず、自分に振り当てられた人生にちゃんと向き合いなさいと、まわり込んだエールが届く。 主人公の都。 頑張り屋だけど不平不満だらけ。 一般的な価値観に振り回されて、思ったことを直ぐ口にしてしまう。 対照的な恋人の貫一。 飄々としていて感情的にならない性格。 心が安定していて色んなことが見えている。 勝手に期待して墓穴を掘る都とマイペースな貫一。 この2人が織りなす恋愛物語が本当に斬新で新鮮で面白かった。 山本文緒さんならではの表現力や展開が存分に発揮されていて読み応えがすごかった。 最初から最後まで本当に面白かったです。 | ||||
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以前はよく読んだ、山本文緒さん。久しぶりに面白く一気に読みました。この本を機に過去に遡って読み始めました。一読ありです。 | ||||
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久しぶりに小説を一気読みして、余韻に浸っています。山本先生の小説は昔に読んだきりで、素敵な小説を書かれる方だと記憶していました。訃報を知り、最後の、無人島‥闘病日記を読んだ後に、無性に先生の小説が読みたくなって、自転しながら…を。これから、まだまだ読んでいない作品があるので、一つひとつ読みたくなりました。ご冥福をお祈りします。 | ||||
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そんな絶賛するほどの作品じゃないと思いますけどねー。 | ||||
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さらっと読めました | ||||
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と思って暗澹たる気持ちになった。 この記述は興味深かったけど プロローグ、エピローグは必要だったかなあ。 母親目線も必要だったかなあ。 遺作と思うと悲しくてならない。もっと読みたかった。 | ||||
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文章はよみやすいが プロローグとエピローグは、小説の構成としては効果的とはあまりおもえない 正直主人公の女性があまり好きになれない お金がないから不安になり、あたりちらすようなのって 現実的にあるのだとおもいながらも 気持ちのいいものではない とくにプロローグとエピローグからよみとる主人公の性格は 好きになれない | ||||
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おもしろかったよ。 言葉の誤用が若干ある(「敷居が高い」の使い方など)のは、少し気になった。 でも、おもしろかったです。 終盤はかなり急展開する。ハラハラするから、そういう意味では疲れる。 このあたりのことから「自転しながら公転する」という書名にしたのだろうか。グルグル回るような人生、ということで。 意見が分かれるところだろうが、単行本化にあたり、加筆したという「プロローグ」と「エピローグ」は要らないと思う。蛇足ではなかろうか。 「エピローグ」に「ニャンさん」が前面に出過ぎな感じがして、そこも気になった。 「プロローグ」と「エピローグ」を入れない代わりに、たとえば、最後を次のようにして、物語を締める(終える)方法もあったのでは!? 「どうしたんだよ」 震える声で貫一が言った。 「顔、どうしたんだよ」 「ちょっと転んじゃって」 「転んでんじゃねえよ」 小さい声で、彼はそう言った。 「転んだ話、聞いてくれる?」 都の問いに、少し間があって、今度ははっきりした声が聞こえてきた。 「当たり前じゃねえか。もちろん、聞いてやるよ。何時間だって、明日だって、あさってだって、ずっと聞いてやるよ」 都は彼に触れようと、手を伸ばした。明日死んでも、百年生きても、触れたいのは貫一だけだった。 とはいえ、よい小説でした。 作者のご冥福をお祈りします。 | ||||
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人の闇部分を前面に押し出したような内容、そして共感し辛いあいまいな感情で生きる主人公。さらに冒頭とラストの展開は狙い過ぎ感が見える。にも関わらず470ページの長編を一気に読ませたのは秀逸。 | ||||
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読んでよかったです。 耳が痛いような話でした。 他人と生きていく覚悟や幸せと、女性の自立の話といえますかね…。こう言ってしまうと陳腐そうですが、小説は陳腐ではなく。 かなり個人的な感想としては、(元)ドキュンとか半グレと言われるような男と、そういうのとは無縁、むしろ嫌いな方だと思っていたけれども、縁があったことがある一女性として、主人公と自分がダブりました。 一方、貫一と同じく自分もコンプレックスのある育ちでもあるので、勇気づけられました。 | ||||
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地方のアラサー女子の悩み、心情の揺れをとても丁寧に描いていて、少し共感したりその自己中な発想に腹を立てたりしつつ、どう成長するのか読み届けようと思って読みきったら、結局に人間変わらないんだ」で終わってなくつまらないというより、読後感が悪い。 少しだけ母親からの視点で描かれる構成もあまり意味が感じられない。 「こうはなりたくないね」 と読者に対する啓蒙なのかな。 展開は次を読み進みたくなる巧さあり、一気読みしただけに残念です。 | ||||
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ずいぶん前に家人が買って薦められたものの読まずに置いたままだった本。亡くなったことを知り、別の作品から読み始め、もう止まらなくなりました。新参読者の唯一の救いは、未読作品が誰よりも多いこと。残念なのはこれから未読作が増えないこと。1冊ずつ買い足して、噛みしめるように読むとしましょうか。 短編でも長編でも意外性を味合わせてくれる作者ですが、本書の秀逸なのはなんといってもエピローグでしょう。おお、そこに飛ぶか!お見事、という感じです。 | ||||
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小説を一気読みしたのは、20年ぶり だからそれだけで、自分にとっては100点でした。 | ||||
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プロローグ、エピローグの必要性についての意見が散見されました。中央公論文芸賞を受賞された際の林真理子さんの講評がおっしゃるとおりだと共感、深く納得しました。 | ||||
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小説を読むのは別の人生を経験することだと誰かが言っていたが、『自転しながら公転する』(山本文緒著、新潮社)を読み始めてから最後のページをめくるまで、ヒロインに次から次へと降りかかってくる悩みに付き合わされ、くたくたになってしまいました。これは、山本文緒の巧みなストーリーテリングのなせる業と言えるでしょう。 与野都(よの・みやこ)・32歳は、母が更年期障害で簡単な家事もできなくなったため、東京での一人暮らしを解消して、地元に戻ってきました。そして、巨大な牛久大仏が見下ろす広大なアウトレット・モール内の大手アパレル・メーカーが展開するショップで契約社員として働いています。実を言えば、社内恋愛の年上の恋人に捨てられた都は、母に代わって家事をするという名目ができたので、これ幸いと実家に舞い戻ってきたのです。 ひょっとしたことから付き合い出した回転寿司の板前の貫一が30歳で、中卒で、無職になったことを知ります。因みに、都は高卒です。「私はピュアな人間じゃないの。貫一が無職になって、中卒だからなのか、他の理由なのか、次の仕事がまだ決まらないみたいで、いろいろ考えちゃうの。この人と結婚しても、お金には苦労するんだろうな、子供も作れないのかもしれないな、もし無理して子供を作っても私はずっと働いて、睡眠時間も遊びの時間も削ってへとへとになって生きていくのかなって思っちゃう。貫一と一緒にいるのは楽しいのに、どこかでそう思っちゃうような性格だから、(前の)恋人に捨てられるのも仕方ない人間なのかもなって思う」。 都の家を訪れた貫一は、都の父から結婚を猛反対されてしまいます。そして、その父が大腸がんの宣告を受け、手術をすることになります。その上、貫一はずるずると関係を続けるだけで、都と結婚したいのかどうか、一向にはっきりしないのです。 都は、週に2回ほど店を訪れるMDの東馬から、酔っての行為とはいえ、左胸を乱暴に掴まれるというセクハラに遭ってしまいます。美人でない都は、かねがね、顔よりも巨大なバストに男性の目が注がれることを嫌がっていました。 そんな中、店が大変な状態に追い込まれます。「ボイコット同然で辞めてしまったのはアルバイトだけではなくて、人材派遣会社に登録して働いていた数人のスタッフもだった。派遣会社から『(長谷部)店長から商品を買うように強要された』と本社へ正式にクレームがきたそうだ。店長も言っていたが、こういう非常事態にいち早く動き、会社とショップの橋渡しをして態勢を立て直すのがMDの大事な仕事である。都が(店長を務めていた別のアパレル・メーカーの)前の店でスタッフたちにボイコットされたときも、呆然とする都に代わってMDがほとんどの事後処理を引き受けてくれた。しかし今回、問題の大もとはその(店長と不倫関係にある東馬)MDである」。 現在、手一杯の悩みを抱えている人は、本書には手を伸ばさないほうがいいでしょう。いやいや、そうではないかも。同病相憐れむというか、私のほうがまだましだと、少しは癒やされるかもしれませんね。 | ||||
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自転しながら公転する中を、一人一人が悩みながら、もがきながら、突き進みながら、巻き込まれながら生きている。 実はちっぽけな存在であることを忘れがちだということを、あらためて考えさせてくれるのが、小説の有り難さでもある。 山本文緒さんの奥深いところまで手を伸ばしてくる筆致は、読むものの心を掴んで魅力的である。 | ||||
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