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機龍警察 白骨街道
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機龍警察 白骨街道の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 21~21 2/2ページ
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昨年『欺す化生』で自身が最も造詣深い山田風太郎賞を受賞し、デビュー10周年を迎え日本文芸に燦然と存在する小説家、月村了衛の代表作シリーズ『機龍警察』。 今回も前作同様、ハヤカワミステリマガジンの連載を経ての単行本刊行である。 クアイコン疑獄とそれに纏わる“銀狼”による一連の暗殺事案は全容解明には至らぬものの、一応の決着を見た。 数週間後、特捜部はミャンマーで拘束された国際指名手配犯の護送指令を内閣官房から命ぜられる。 なんと、その為に警視庁と契約している部付警部、即ち龍機兵搭乗要員を外国に向かわせろという。 見え透いた背後の意図を読みながら粛々と任を拝命し、三人を送り出した後に沖津特捜部長は指名手配犯の罪状たる機密奪取の中身が初の国産機甲兵装に用いられる複合装甲モジュールであることから、他機関と連携してその正体を炙り出そうとするが…… 舞台のスケールは以前にも況して長大だが、凄絶な展開は一切の間延びなき完成度を担保している。 密林生い茂る山岳地帯のミャンマーに死闘を繰り広げる姿、ユーリ、ライザ。 東京と京都、東西に亘る謀略に飲み込まれる沖津達、そして己が血族の欲望に翻弄される城木。 インパールの屍骸に抱かれる怨恨、京の都に渦巻く妖気。 変わってしまうから人なのか。または、見てこなかった一面でしかないのか。 それらは一つとなる時、過去から連なる悍ましき百鬼夜行を目撃する。 それにしても、連載開始から完結までの現実におけるミャンマー情勢の激動と東京五輪を巡る醜悪な狂想曲。 コロナウイルスもまた一つの結果に過ぎない。 今この瞬間最も熱く、その先も冷徹に見通すフィクションの存在とはこのシリーズにある。 ジョン・ル・カレ亡き後、月村了衛の本質に現代文芸は“踊る”であろう。 | ||||
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