地上の楽園

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種別
長編
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あらすじ

2025年10月21日 地上の楽園 (単行本)

取り返しがつかない。何もかも。北朝鮮に来たときからーー。在日朝鮮人帰還事業。1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。大阪に暮らす二人の若者、孔仁学と玄勇太が経験する「地獄」を通して、日本人の差別感情と、政府・マスコミらが犯した大罪に迫る。エンターテインメント小説界を牽引する著者が、戦後最大のタブー「外国人問題」に切り込んだ、今最も読まれるべき社会派巨編。(「BOOK」データベースより)

評判

地上の楽園の評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 A ランク

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地上の楽園の総合評価:

9.83/10点 レビュー 12件。

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.12
(5pt)

歴史を知る

戦後政府小泉純也主導で在日朝鮮人帰還事業が「38度線の北」などを材料に朝鮮総聯、日赤、共産党、社会党、新聞社などが総力を挙げて日本人妻を含めて日本国内で差別に喘ぐ10万人近い在日朝鮮人を「地上の楽園」へ新潟港から金日成のもとに送り込みました。この事は梁石日の「骨と血」やそれを北野武主演での映画で知っていましたが、本書では第一部では「38度線の北」で描かれた「地上の楽園」を信じて疑わない在日朝鮮人の高校生仁学が帰還事業を推進する姿、第二部では北朝鮮の地上の楽園が実は地上の地獄であり次々と帰還者が死んでいく姿、第三部では辛くも逃げ延びた仁学の幼馴染の勇太と、脱北して韓国で事業を成功させた仁学の知人の娘美花と勇太と仁学が日本でこの事実を後世に伝えようと決意するまでを描いています。
私は著者を全く知らないが30冊の関連書籍を紡ぎ小説を書き上げたようです。
北朝鮮を素材とした小説は姜英淑の「リナ」しか読んだことがありませんが、それと同じぐらい鮮烈な内容です。寺尾五郎が北朝鮮は地上の楽園だと記した「38度線の北」は1958年に出版されましたが、その29年後に出版された「白頭山登頂記」今井道子は登山版地上の楽園と言ったところでしょうか。
文体は読みやすく構成も優れていて最近読むのが苦痛になってきた私でも読み通せました。お勧めですが小泉純一郎の父親を正面から批判しているので賞は取れないのではないかと思います。そいえばだから小泉純一郎は北朝鮮に渡れたのだなと納得しました。
地上の楽園 (単行本) Amazon書評・レビュー: 地上の楽園 (単行本)より
4120059596
No.11
(5pt)

今も昔も、北朝鮮でいかに悲惨な差別が横行しているのかが想像できます。

1人でも多くの日本人が読むべき傑作だと思います。
地上の楽園 (単行本) Amazon書評・レビュー: 地上の楽園 (単行本)より
4120059596
No.10
(5pt)

北朝鮮帰還事業の内実をフィクションを通して浮かび上がらせる

1959年、日本から北朝鮮に向けて船が出港しました。

そこには、北朝鮮を「地上の楽園」と信じ込まされた在日朝鮮人が乗っていました。

この本は、実際に行われた北朝鮮帰還事業の内実を、事実をもとにフィクションの形で浮かび上がらせた小説です。

前半の主人公は、大阪府の鶴橋近辺に住む帰還事業に協力した高校生の青年です。青年は、ある本をきっかけに北朝鮮が「地上の楽園」であるという虚偽を信じるに至り、朝鮮総連の指示のもと、自分の近くにいる同胞たちに帰還事業の意義や北朝鮮がいかに素晴らしいかを喧伝し、帰還事業で重要な役割を果たします。そこには、日本国内の労働災害で利き手の指を失った自身の兄や美容師を目指す妹、その荒い気性から愚連隊に入りそうになっていた友人も含まれていました。主人公自身も北朝鮮のプロパガンダに騙されていたのです。帰還事業が進む中で彼は変な手紙を受け取るようになります。それは、手紙の前半では何不自由ない生活をしているという紋切型の文言が書かれており、後半には大量の物品や少なくない現金を送るように切実に願うものでした。北朝鮮は国内で彼らがしていた生活と比すべくもない「この世の地獄」だったのです。このことに気づいた主人公は帰還事業に協力した自身を激しく責めさいなむことになります。

後半では、前半の主人公の青年の紹介で北朝鮮に帰った愚連隊に入りかけた青年が主人公となります。ここでは、当時の北朝鮮の苦しい状況(貧しい食事、厳しい労働、帰国者であることに対する差別、拷問と同胞の度重なる死去等々)がこれでもかと描かれます。特に後半の主人公が現地で結婚した妻と子どもと死別してしまう場面に心が締め付けられました。多くの悲しみを味わった主人公は脱北を決意し、ついにそれを果たします。脱北後主人公は韓国に渡り、裏の人脈で事業を成功させ、日韓ワールドカップにも関与します。その中で、かつて一緒に北朝鮮に渡った人物の娘と再会します。そして、前半の主人公の場所を突き止め、自分の行いを償いたいと思うなら、生きて帰還事業の全容を帰還事業に送り出す側の視点で描くように強く依頼します…

おおよそ上記の内容が500ページを超える本文の概要です。ここで述べておくべき重要な歴史的事実として、この帰還事業の中心にいたのが、小泉純也(小泉純一郎の父・小泉進次郎の祖父)であり、北朝鮮拉致被害者帰国に関わる日朝首脳会談の際の日本の首相が小泉純一郎であったということです。また、他の政党の政治家やマスコミ(主に新聞)や知識人の一部も帰還事業を肯定的に捉え、共犯関係にあったことは記憶すべき事実です。

帰還事業で北朝鮮に渡った人の総数は9万3千人を超えるそうです。当時は情報が少なく、多くの人が虚偽の情報を信じ、苦しみの中で人生を過ごし、人生を終えることになってしまいました。お恥ずかしい話ですが、私自身この事業に関してはほぼ全く知識がなく、驚きの連続でした。このような巨大な社会的問題を素晴らしい小説の形で私に示してくださった作者に深い感謝の念を持つとともに、帰還事業に関わったために不本意な形で命を落とすに至った方たちに心から哀悼の意を示したいです。
地上の楽園 (単行本) Amazon書評・レビュー: 地上の楽園 (単行本)より
4120059596
No.9
(5pt)

地上の楽園は死への船出

当時の在日の人々への差別、また日本政府や朝鮮総連が行った地上の楽園という名の地獄への出航計画。北朝鮮での苛烈な生活。そしてそこからの脱出…
「万景峰号マンギョンボン号」という変わった響きだけは当時の私の記憶に残っていたが、それらの背景にある恐ろしい真実を今改めて知ることが出来た。
地上の楽園 (単行本) Amazon書評・レビュー: 地上の楽園 (単行本)より
4120059596
No.8
(5pt)

読み応えあり

在日の人たちが地上の楽園を信じ北に旅立つ。そこには地獄のくらしが待っていた。子どものころ近所にも在日の人が住んでいた。差別を受けていたのは知っている。今のように情報が入ってくるわけでなくそれでも本を読んだり講演を聞いたり調べに調べて故国に帰って行った。あとは今はみんな知っているような世界だ。送り出したほうもひどい後悔にさいなまれる。漠然と知っていたことがはっきりとした。
地上の楽園 (単行本) Amazon書評・レビュー: 地上の楽園 (単行本)より
4120059596

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