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造花の蜜
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造花の蜜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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連城三紀彦は、何を仕掛けてくるのか全く見当のつかない作家である。そればかりか、一瞬何事が起こったのかわからない有様で、しばらくしてからやられた、と思はず唸ってしまいます。連城マジックを理解するには、一度常識をオシャカにしてしまう必要がありそうだ。究極の快心作である。 | ||||
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上巻では触れられなかった、誘拐事件の黒幕と舞台裏が、サスペンスフルで、かつ驚愕の事実が二転三転して展開している。いよいよクライマックスは、誘拐事件のコピーが展開されていて、一気読み必至の最高傑作に仕上がっている。 | ||||
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実行したらどれだけ成功の可能性があるかを誘拐ミステリの完成度の判断基準にしてしまっているが、 このトリックなら成功してしまうかもしれない。 実行できればだが。 だからトリックの完成度は高いように思える。完全に騙された。 ただ好みの問題かもしれないが、人の心理も描いて大トリックも仕掛けるのが連城三紀彦のスタイルとはいえ、 かなり間延びしているように思える。 間延びというか、あまり物語の本筋には関係が薄いような。 掴みは抜群、少し中だるみ、トリックの衝撃、という図式になるが、退屈な部分を差し引いても読む価値はきっとある。 | ||||
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『暗色コメディ』に辟易しながらも、蘭役に檀れいを起用してドラマ化されたこともあり、一縷の期待を持って読みました。 ・・・はい、残念な結果です。結論から言ってこんなに退屈で雑な展開のミステリーもないものです。 とにかく文章や説明が回りくどい!もっと端的な展開で済むものをあーだこーだと余計な文章で説明しすぎ。 登場人物についても、キャラクターがどれもこれも魅力に欠けるし中途半端。 身代金に使うバッグや橋場警部の腕時計など、小道具についての説明も「有名ブランドのバッグ」だとか「超高級ブランド」だとか…笑わせんじゃねえーと失笑ものの陳腐なものばかり。星1つあげるのも惜しい駄作。 書籍の厚みからして嫌な予感はしていましたが高得点与えている方々はちゃんと読んだのでしょうか?甚だ疑問です。 おまけに重要人物となる『蘭』と名乗る謎の女もまぁー薄っぺらいこと。「蘭」についての容姿・肉体的な描写も男性視点のいやらしさがくどすぎるほど続いて反吐が出るほど。最後まで渋々ながらガンバって読みきりましたが最後まできて・・・こんなオチかよ!とツッコミどころ満載のしょっぼい真実。図書館で済ませて大正解でした。買っちゃいけません。 | ||||
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いろいろなミステリを読んできましたが 「こんな誘拐の仕方があったのか・・・」と驚きました。 謎につぐ謎の展開で非常に読み応えがあります。 冷静に考えると、無理のある部分も多々あるのですが、 読んでいる時は、気にさせないような勢いがあります。 それにしても、これだけの謎を絡めて 1つの形にしてしまう作者の構成力に驚かされます。 | ||||
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誘拐したくせに身代金を要求せず、相手に金額を決めさせ、さらに減額したうえで、詐取後に全額を返却。 まず、表の誘拐事件の突飛さが目を引く。 さらに、裏の事件がどのように仕組まれているのか、謎のままで進行し、さらに興味を引き起こす。 橋場警部が川田を訊問中に語った事柄には、びっくりした。 作者らしい反転構造を持った真相であり、表の事件と裏の事件に類似性があるなど、斬新なアイデアには感心した。 「罪な造花」の章までで物語としては成立しているが、さらに「最後で最大の事件」の章が付いている。 仙台に舞台を代えて、同じように繰り返される誘拐事件。 事件の発端のある出来事が普通では有りえないことなので、ひょっとしたらあれかなと予想していたことが真相だった。 状況描写や心理描写がくどくて冗長に感じること、計画が大掛かりすぎてリアリティーに欠けること、共犯者のことが不明のままで終了していることなど、不満に感じる箇所もあった。 | ||||
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私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、「白と黒」、「陰と陽」を一瞬の内に反転させてしまう作者のミステリ技巧(この意味では、短編集「夜よ鼠たちのために」が最高傑作だろう)を愛好しているのだが、本作も力作である。 最初は単なる誘拐劇、次第に込み入った誘拐劇となり謎も増え、最後には上述した作者のミステリ技巧が決まるという全体構成が美しい。上述したデビュー作「変調二人羽織」でも二重の誘拐劇を扱った短編があったが、本作ではそれとは別の趣向の大仕掛けな二重誘拐劇を用意してあるのには感心した。物語が進むに連れ、初めは"誘拐された"息子の母親だった主体人物が次々に変わって行くという趣向も面白いと思った。 ただし、長編だけに"切れ味"という点では今一つという感も否めなかった。特に、最終章の「最後で最大の事件」の真相は初めからミエミエで、この長編をどう締め括るかのと期待していた私にはやや拍子抜けで"あらずもがな"との印象を受けた。しかし、読むに連れ謎を次第に膨らませ、読者を物語に引き込む筆力とそれを見事に収斂させるミステリ技巧とは健在で、読み応え充分の秀作だと思った。 | ||||
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なんだかとんでもないことが、起こりそう。 そんな予感を漂わせる書き出しが素晴らしいと思いました。 離婚後に息子と小金井へ移り住んだ香奈子。 二人が地元のスーパーを訪れたとき、 店内に以前の隣人である小塚君江が現れます。 「奇遇ねえ」と好奇の笑みを浮かべて近づいて来る小塚に、 香奈子は最近感じていた違和感を思い出します。 ずっと、誰かに監視されていると感じていた、違和感です。 「ただその一瞬、香奈子の目を引いたのは以前の隣人よりも、 その背後からじっと自分を見守っている巡査だった。」 主人公の香奈子は、このあと事件は巻き込まれ、 物語は二転三転、四転五転していきます。 大きくいえば、ミステリー小説です。 県警の“ やり手 ”とされる警部が出てきますが、 残念ながら横山秀夫さんの第三の時効を読んだあとだったので、 警察組織のリアリティを乏しく感じてしまいました。 ミステリー部分の話はよくできていると思います。 練りこまれたミステリー部分のタネ明かし、 謎の鍵を読者に見せるタイミングとかも巧いなあと素直に感じます。 面白い小説とは思いますが、 著者の直木賞受賞作を先に読んでいたせいか、 レビューの評価も高かったのでハードルを上げすぎたかな。 個人的には、残念ながらちょっと期待はずれでした。 文庫だと上下二巻、単行本だと500ページ弱のペーパーブック。 金額のことを考えると中古でも倍ですから、 かばんを持ち歩いたり、 単行本に抵抗のない人にはこっちをオススメします。 友人には、、、うーん微妙だけどすすめないかも。 | ||||
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誘拐劇という形式のコンゲーム。二転三転、重層的なトリックの数々。あっという間に読みました。主人公の蘭があまりにも魅力的です。こんな悪女なら騙されてみたい。あまりにも素晴らしかったので、最終章は付け足しの感ありです。しばらく経って思い出すと、何か既視感が。あっつ!!ルパン三世だ。峰不二子ちゃんだ。コケにされた、銭形警部もいるではないか。てな感じです。間違いなく、こんな誘拐ミステリーはない。最高傑作です。 | ||||
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誘拐ミステリである。 著者のミステリはいつでも、たったひとつのことで全てが反転する、という快感を味わうことが出来る。 本作も、その例外ではない。 著者のミステリ作品は、いつも、一語も読み落とすことができないくらい、精緻に組み立てられている。 だから、ラストの意外性を味わうためには、読者側がしっかりと著者の文章を把握しておかなければならない。 だから、著者のミステリは、どうしても読むのに時間がかかる。 本作も、それなりの時間を要した。 しかし、その時間を掛けただけの価値のある作品である。 ストーリーの詳細は、著者のミステリの場合は紹介しないほうが良い。 だから、かなりぼやけた評価しかできないが、傑作であることはまちがいない。 そして、とにかく一筋縄ではいかない、というのが著者のミステリである。 だから、単純な勇勝ミステリと思っていると、良い意味で足下をすくわれる。 これ以上は、先入観になるので、とにかく読んでみて、驚いてほしい。 著者は短編にも傑作が多い。 しかし、やはり持ち味は、長編のようだ。 「白光」、「人間動物園」、「どこまでも殺されて」など、とにかく読んでいたリラックスする暇がない。 肩の凝らないミステリが読みたいひとには、オススメしない。 まちがいなく、本書は肩の凝る、読んでいて力の入る、重量級の傑作ミステリである。 | ||||
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上巻がものすごくおもしろかったので、 犯人が誰なのか、動機は何なのか、期待しながら読みました。 ところが下巻になると、悪い意味で予期せぬ展開になりました。 上巻ではあれだけ素晴らしい掴みだったのに残念です。 下巻だけもう一度書き直して欲しいくらいです。 | ||||
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出だしから息もつかせぬおもしろさでした。 誘拐物ですが、予期せぬ展開がテンポよくどんどん続きます。 これは今まで読んだ本の中でも一番おもしろいかもと思うくらいでした。 犯人が誰か、どんな動機やトリックがあるのか、 下巻が読みたくてたまらなくなりますが。 | ||||
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後半のとあるくだりで横溝正史の「夜歩く」を思い出し、少し不安を覚えたのですが、 読後感は良かったです。 気持ちよく「だまされた!」と思えました。 蜜という単語のせいもあるかもしれませんが、具体的な性描写はほとんどないのに、 どこか不道徳な感じがします。 10代の少女がもつ危うさの描写は、私にとって親世代の男性作家さんなのに、 巧みだと思いました。 普通の人々の日常を切り取った作品集も、本作のような二転三転するミステリーも、 時代ものも、今まで読んだ限りでははずれがなかったです。 ちなみに、ミステリー以外でのおすすめは「一夜の櫛」という短編集です。 | ||||
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ちょっと前に話題になってた誘拐ミステリ、待望の文庫化!というわけで読んでみました。 上巻は息をつく間もないうちに、あれよあれよという間に読み終わってしまい、 と思ったら下巻では当初の主人公は一体どこいっちゃったのー!?という感じで話が二転三転、そして怒濤のエンディングへ。 話の展開っぷりには大胆さには斬新さを覚えたけど、私としては前半のペースというか正統派ミステリっぽい引っ張り方をもう少し引っ張って欲しかったかな。 後半に行くにつれて、「あれれ、あれれ?」という展開に驚かされはするのだけれど、 あまりにも大胆な展開であるがゆえに、タイトルのように「作りもの」を読んでいるという感覚がどんどんと高まります。 もちろんフィクションだし、事実は小説より奇なりとも言うけれど、 もう少しリアルさが勝るようなストーリー展開だったら 読んでいる最中に冷静さを取り戻すことなく、小説の中にどっぷりはまれたのかな、などとも思います。 特にあれこれ考えさせたり考えさせるような要素は無いんだけど、純粋にプロットの意外さ面白さを楽しみたいならオススメです。 | ||||
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普通のサラリーマンをやっていればよかった。 30を手前に年収600万円。 40を手前に目の前の3000万円は、人を信じて失った。 「得たモノ」。それは才能をさらに助長する香りとセンス(のつもり)。 給料日に「ああ、今月も30万円振り込まれていた」とどこか感謝し、 何の疑いも持たない己の人生を謳歌するアナタに最高の、 まさに最良のドライブ。 「ついていくといい」 陽のあたる世界に飲み明かした一瞬の朝だけさらけ出せる人種や 国籍を不明にし住居を持たない人種との邂逅が金を生み、金を溶かす。 ドロドロを知ると、さらさらに憧憬を抱く。 「ついていかないほうがいい」 この物語は、結局「乗せられてしまうんだ。悪は制裁に値するからね。警察をきちんと頼らなければいけない」。 「甘いんだよ。ハンドルは自分がにぎるんだ!!」 ・・・・・・とりかえしがつかないんだ。 いい大人になって知らない人についていってしまうんだから・・・・・ | ||||
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当初はありきたりな誘拐事件でなぜこんなに厚い本なのだろう?と思いながら読み進めるうち に、その裏でとんでもない事件がおきているとは全く読めませんでした。 常に裏切られる展開に、確かにページをめくる手が止まりませんでした。 現実的ではないとの見方もあるとは思いますが、人が死にまくるミステリばかり読む事を考え れば、こういった清涼感のある小説が売れる事は本好きにとってはうれしい事だと思います。 この本を自分たちが選ぶ文芸大賞にした某電鉄系書店員の方々に拍手を贈りたいと思います。 | ||||
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先が読めない誘拐事件を描いた作品で非常に楽しめた。序盤でまず誘拐事件が発生し、誘拐された側の視点で事件が展開される。犯人は身代金を要求せず、お金を払いたいなら金額をそちらで決めろという目的が分からない要求や、身代金の受渡場所が意外な場所だったりと、斬新は発想がおもしろかった。中盤からは犯人側の視点で誘拐事件の真相が描かれるのだが、最後まで誘拐事件の真の目的が分からない展開や一人の青年の葛藤など、読み応えがあった。終盤は最初の誘拐事件から1年後という設定で新しい誘拐事件が発生するのだが、この事件の真相も盲点をつくような発想で最後まで楽しめた。 | ||||
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誘拐をテーマにした小説ではありますが、展開そのものとその大胆さからして“誘拐して身代金を奪う”という過程を描いて犯人と警察の緊迫したやりとりを読ませるオーソドックスな誘拐小説のパターンとは違います。 子供が誘拐されたものの身代金を要求してこない犯人。「身代金の要求はしていないのだから誘拐ではない」と嘯く犯人の在り方に、まず読者は興味を煽られます。 しかし物語は犯人たちや被害者らの過去や思惑を投影しつつ、展開のスピードを徐々に徐々に上げて行きます。中盤から現れる、犯人グループに合流させられる(合流せざるを得なくなる)一人の若者の葛藤する様の描写は見事。実はここの部分がメイン・テーマであり、そしてそこに絡めた展開で我々が想像しえなかったひとつの帰結を見ます。 全体のストーリーが大胆すぎて“出来すぎた作り”という感じがしないでもない。映画『氷の微笑』のような、あり得ない出来すぎの展開ではありますが、“愉しませるための仕立て”と解釈しましょう。 急展開を見せつつも全体的には妙に落ち着いた空気のままで粛々と話が進んで行く…というタッチは独特の世界だと感じました。 読後、何かを考えさせる…というような類の小説ではないかも知れませんが、飽きる瞬間がない秀作であるのは確かです。 | ||||
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一読した印象は、近三作(「人間動物園』、『白光』、『流れ星と遊んだころ』)の特徴を足してそのまま三で割ったかんじ。錯綜した人間関係と、登場人物が皆、どれも怪しく見える点はそれぞれの作品に共通している。 メインの大仕掛けは、ミステリになじみがない読者であれば仰天するはずだが、年季の入ったファン(特に人間動物園を既読していた読者)にはひょっとしたら想定範囲内かも。個人的には、「クールなイケ面」という表現が出てきたのが、切なかった(泣)。 独創的な誘拐ものを手掛ける作者はこれ以前にも、『過去からの声』、『ぼくを見つけて』(最近も、『小さな異邦人』という同テーマの作品が雑誌に掲載された)などの傑作がある。この本を読み、興味を持たれた方は、ぜひ読んでみることをおすすめする。 | ||||
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他の方がおっしゃる通り、一気に読ませる力があるのは確か。 ただ読み終えてみると、「壮大なる作り話」という印象。 それ以上でも、それ以下でもない。 その原因が犯人の存在だろう。 バックグラウンドが全く描かれず、スイスイとまるで時速120kmで高速道路を走行しているように、物語だけが流れていく。 犯人の生い立ちとか、同情を禁じ得ないような犯罪の動機とか、何か書いてくれていないと(うまく書いてくれないと安っぽくなるだろうけど)、「ここまで何もかもうまく行くなんてあり得ね〜!」って言いたくなる。 ミステリーに筋立ての面白さしか求めない方はどうか分からないが、私はあまりの高速展開ぶりに、気持ちがついて行かなかった。 それとも、この正体不明ぶりがよいのだろうか? | ||||
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