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夜明け前の時



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【この小説が収録されている参考書籍】
夜明け前の時 (1961年)
夜明け前の時 (創元推理文庫)

夜明け前の時の評価: 3.00/5点 レビュー 4件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

子育てに追われる主婦に迫る悪意

子育てに追われる主婦に迫る悪意を描いた作品です。

主婦のありふれた日常をサスペンスに仕立てているが、ハラハラドキドキを感じることはない。エスピオナージや殺人事件を扱ったミステリが目立つエドガー賞受賞作の中においては、本作品はとても地味。

ざっくりいうと、日々に疲れ果て、子育てを放棄したいと思い悩む主婦が、一つの事件から気付きを得るという物語である。Noと言えない女性のテンパリ具合が実にリアル。

子育てが大変な主婦は、皆で応援してあげようね!っていう教訓だろうか(違うか・・・違うな)。【エドガー賞】
夜明け前の時 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜明け前の時 (創元推理文庫)より
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No.3:
(3pt)

子供や家事に振り回されやっと眠りが訪れる、夜明け前の時

物要り事情で下宿人を置くことになった子持ちの若い夫婦の家に、独身らしき中年女性ヴェラ・ブランドンがやってきます。元気がありあまる2人の娘マージェリーとハリエット、夜泣きのひどい乳児マイケル、優しいけれど育児には及び腰の夫マーク、近所の口さがない主婦たちなど、ただでさえ気苦労の絶えない妻ルイーズは、この日から悪夢の中に放り込まれます。出かけると言いながら屋根裏で息をひそめていたり、人目を盗んで家探しをしたり、マークもルイーズも「どこかで会った?」とおぼろげな記憶が共通する謎の女ヴェラ。その不審な秘密めいた行動にルイーズは恐怖にかられ、周囲からも奇異の目で見られはじめ、徐々に追いつめられていく・・・食事のしたく、洗濯、掃除、子供の送り迎え、近所からの苦情対応。煩雑な日常の中に一瞬垣間見える恐怖が増幅していく様子が描かれていきます。ルイーズが毎日直面する、子持ち主婦の過酷な日々。そしてなんといってもマイケルの夜泣きが原因の慢性的な眠気。育児を手伝ってほしくても夫の機嫌を損ねるのを恐れて言い出せない、近所の主婦仲間から理不尽に子守を押し付けられてもうまくかわせない、娘たちには好かれてはいても全然制御できない、いつも一身にひっかぶってテンパってしまう、そんな無力なルイーズですが、恐ろしい悪意に打ちのめされても一度も泣かず、大団円ではわが子の危機を直観し、意識不明の状態から一瞬で目覚め、燃え落ちようとする家からマイケルを抱えて無我夢中で脱出するのです。
 ミステリとしては謎解きにひねりが足りませんが、全編に溢れる母性と平凡な主婦の過酷な日常に共感する女性は多いんじゃないかなーと思いました。
夜明け前の時 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜明け前の時 (創元推理文庫)より
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No.2:
(3pt)

その態度がルイーズには少し横柄なような気がした

作者は2009年に95歳で亡くなったイギリスの作家。小説を書き始めるまでは3人の子供を持った普通の主婦でした。本書はフレムリンの処女作で1959年度のアメリカ探偵作家クラブ賞の中でも最優秀長編賞をとった"The Hours Before Dawn"の翻訳です。この年はフィリップ・マクドナルドやエド・マクベインなどベテランのアメリカ作家を破っての受賞だったので一躍彼女は有名になり、今では本書の他にも3冊の邦訳があります。

家庭のよくある状況や日常のささいな出来事にまぎれこむ疑惑や不安を、どんな読者にも納得がいくように提出していくというのが彼女の作風ですが、本書を読んだ作家の江戸川乱歩や小林信彦の感想は、「家庭生活の描写は見るべきものがあるがミステリとしては買えない」というものでした。女性の見方によるドメスティック・ミステリーという、当時としては新しい試みに挑戦した点を、アンソニー・バウチャーやH・R・F・キーティングなどの識者は評価したのでしょう。筋は簡単で、紹介すると興をそいでしまうので控えます。
夜明け前の時 (1961年)Amazon書評・レビュー:夜明け前の時 (1961年)より
B000JANLNE
No.1:
(3pt)

赤ん坊の夜泣きを経験したことがあるなら

1959年度 MWA賞長編部門 受賞作
子守に疲れ、まんじりともしない日々を過ごすルイーズ。家計の助けのために入れた下宿人が不審な行動をしはじめて・・・
ミステリーとしては、下宿人の意図は何?といことになるのだろうが、要領の悪いルイーズと、それを取り巻く人々のやりとりが面白い。赤ん坊の夜泣きに眠れない時(夜明け前の時)を経験した人ならば、彼女の気持ちは、身につまされると思う。半世紀も前の作品だが、今も昔も、あまりかわらないのだなぁ と感慨深げになってしまった。 
カバーイラストがおしゃれっぽいので、作品の内容を誤解してしまいそう。
夜明け前の時 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜明け前の時 (創元推理文庫)より
4488276024

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