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(短編集)
汚れた手をそこで拭かない
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汚れた手をそこで拭かないの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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| ●作家:芦沢央(あしざわ よう) 第164回直木三十五賞候補作(=落選したということ)の↑を読んだ。 ■《あらすじ》 《まず、事件が起きる。それを隠そうとするが、綻びから思わぬ方向に進んでしまう… 平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫、元不倫相手を見返したい料理研究家…など、短編ミステリー5編で構成される》 ◆短編は「ただ、運が悪かっただけ」「埋め合わせ」「忘却」「お蔵入り」「ミモザ」の5篇が収録されている。 面白いのは表題作が無いこと。 表題の『汚れた手をそこで拭かない』の「汚れた手」は、登場人物に共通している過去の罪・汚点などを表している。 罪をこっそり拭おうとするが、汚れがかえって広がってしまうように事態は悪化していく。 ★ゴールが予定調和でなく想定外のどんでん返しで面白い。 善良な小市民が、小さな平穏・平和を守ろうとして、どんどんドツボにはまっていく様が、少しホラー的に書かれている。 読みやすく、どうなるんだろうと、一気に読んでしまった。 良い作品だが、少し軽い感じだから、直木賞は無理だったかな…? 評価:★4つ | ||||
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| よくある日常の中に起きる恐ろしい悪意。 分岐点で選択を間違えればどこまでも堕ちていく。 リアルに潜む闇をサラリと描かれていて、読んだ後はゾッとするばかり。 | ||||
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| ちょっとした不正や伝えられなかったことが、大きな話になって当事者を苦しめていくことを描いた5つのミステリ短編集。 どれも、最初は些細なちょっとしたことなのだが、それを隠そう、まあ大丈夫だろう、なんて軽い気持ちでいたら、言い出せないくらい大きな問題にあっていく様子が楽しめた。 個人的には「埋め合わせ」と「ミモザ」が好きだった。 「埋め合わせ」は、小学校の教員が誤ってプールの排水バルブを閉め忘れて水を流失させてしまった話。正直に言えばよかったのだが、嘘のストーリーを作り上げていく。後半の同僚の教師とのやりとりが楽しめた。 「ミモザ」は、料理研究家として本を出版した女性のもとにやってきた昔の不倫相手。好きだった相手との再会に喜びを見せる料理研究家だが、昔の不倫相手の思いもよらない行動に振り回されていく展開が怖かった。 | ||||
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| 大きな犯罪を描いているわけではない。アパートの隣室の男の死のあとにわかった小さな犯罪、プールの水を誤って抜いてしまった小学校教師の偽装工作、昔の恋人に金をせびられる料理研究家が夫にどう真実を知らせるかと悩むなど、誰でもが経験するかもしれない日常のちょっとした亀裂を描いている。 でも、簡潔な文章で綴られた卓越した心理描写はサスペンスに満ちている。ちょっと神経症的恐怖という意味では、傑作『激突』を書いたリチャード・マシスンみたいで楽しめた。 | ||||
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| オール讀物に掲載された4篇と書き下ろし1篇の計5編の短編集。 小学校教諭が仕事上のミスを糊塗していくうちに追い詰められ、最後に待ち受ける罠が意外な「埋め合わせ」や、人の気持ちを察せられず、自己保身から墓穴を掘る映画監督の「お蔵入り」の出来栄えが秀逸でした。特に「お蔵入り」は過去のエピソードの使い方が上手いと感じました。 冒頭の「ただ、運が悪かっただけ」が一番ミステリーらしいけれど、テーマは夫婦愛と感じ哀しくも温かな余韻が残りました。 | ||||
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| 「ただ、運が悪かっただけ」「埋め合わせ」「忘却」「お蔵入り」「ミモザ」の五篇。 どの作品も削りに削って、そして磨きに磨いて、行きつくところまで行きついた、それくらいにまで洗練され、完成されている。 それぞれに違う世界観だが、読みだすとすぐにその世界に入り込んでしまう出だしの描写が素晴らしい。 ほんの少しの失敗、行き違いで何気ない日常が変容していく様が本当にクセになる。 個人的には「埋め合わせ」が一番好き。 ブラックというよりユーモアを感じさせるミステリーで、五木田というダメ教師がすごくいい。 オチは主人公の教師としては堪らないだろうが、思いきり笑ってしまった。 ここまですべての作品のレベルが高い短編集というのは、なかなかお目にかかれるものではないと思う。 | ||||
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| 『汚れた手をそこで拭かない』 「ただ、運が悪かっただけ」「埋め合わせ」「忘却」「お蔵入り」「ミモザ」の5篇収録。 表題作はない。 表題の『汚れた手をそこで拭かない』の意味は、登場人物の手を共通して汚しているであろうは罪。罪をこっそり拭おうとするが、汚れがかえって広がってしまうように事態は悪化していく様子が、想像しやすい様に書かれていく。 | ||||
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| ホラーとかではないのですが…人間が誰もが持っている恐さをこれでもかというほど味わえるミステリーでした。めちゃくちゃ恐い。ただし、不思議と読後感は悪くなく、むしろ爽快。ちょっとほろっと来るのもあります。 ここまで短編全編の完成度が高い一冊は近年なかなかないと思います。何気なく書いているようで、実は職人のめちゃくちゃ手の込んだ料理を食べたような、そんな満足感がありました。 | ||||
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