■スポンサードリンク


本屋さんのダイアナ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

本屋さんのダイアナの評価: 4.38/5点 レビュー 52件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全52件 1~20 1/3ページ
123>>
No.52:
(4pt)

読みやすく前向きになれる本

裕福な思慮深い親の下で育っても、裕福ではないシングルマザーの下で育っても、自分の幸せを探求するのは自分自身であって、自分の殻を破れるのは自分だけと言うメッセージ性が気に入りました。
また人間は誰しも初めから強くはないけれど、壁にぶつかって努力してなりたい自分を目指すうちに強くなっていくんだなと再認識しました。
細かい設定でつっこみたい所はいくつかありましたが、概ね読みやすく楽しい本でした。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.51:
(5pt)

これ自体が感動の物語

2人の女性が成長するとはどういうことなのかを身をもって教えてくれる。本当に周りの全てに感謝だね。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.50:
(5pt)

読むべき

いい本です!女性には特に刺さると思う。
どちらの主人公にも共感できまして。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.49:
(4pt)

物語がくれるもの

最近、女性どうしの関係性を主題とした話を探していて初めてこの著者の作品を手に取った。
幼少時から本好きで、図書館や図書室が好きな子供時代をおくったのであれば知っているタイトルが目白押しでそれだけで楽しくなるのではないだろうか。個人的にあまり日本で「少女小説」に分類されている作品は目を通していないので、肝心の「赤毛のアン」ネタはあまり分からなかったが、ダイアナと彩子という二人の友情物語として引き込まれる内容であったし、よくまとまっている印象だった。
父親を知らないダイアナは理想の父親像に焦がれ、免疫のない異性に初めて憧れを抱いた彩子はロマンチックな展開を夢想する。それぞれ容赦のない現実を急に突きつけられ、ダイアナと彩子のみならず読者も一気に物語の心地よさを奪われてしまう。「大好きな本も、優しい周囲の大人も教えてくれないこと」をこの作品は織り込んでくれていると思った。
真面目に良い子で生きていれば、きっと知的で優しく包容力のある父親が会いにくるとか、自分のことを内面から人間として愛し大切にしてくれる王子様が現れるはずだとか、ある意味「よき少女であること」が一種の呪いなのであると伝える物語のような気もした。そしてその呪いが呪いであると気づくのは自分であり、呪いを解くのも自分自身でしかなしえない、というような。
自分の人生は自分のものなのだから、自分を幸せにできるのもまた自分でしかない。そこに至るまで、女の子は気づかずに呪いをたくさん背負ってしまっているのだと思う。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.48:
(5pt)

子供の国語の教材で目にして読みました

心に触れるものがたくさんあり一気に読んでしまいました。友情こそが奇跡とはこのことですね。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.47:
(5pt)

ラストがたまらなく好き。

いろいろあって疎遠になっていたダイアナと彩子。大人になって再開してこれからまた関係を再構築するんだろうけどそこまでは描かれず彩子がダイアナに「今日何時に仕事終わるの?」と聞くラストシーンが大好きです。
育ってきた環境は全く違うけどお互いに憧れを抱いていて、でもそれを上手く言葉にできないもどかしさ。2人とも良い子だから本当に幸せになってほしいなぁ、って素直に思えます。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.46:
(3pt)

中高生向けかな。

「読書好きの女の子」というテーマに惹かれて買ってみたが、これに感動するには自分はちょっと年を取り過ぎていたようです。始まりはなかなか面白かったが、次第に保健体育?のような内容になり、それが性教育?になり。うーん。大人が読むにはあまりにも幼い内容。いいところもあるのだけれど、やはりこれは未成年向けライトノベルな気がします。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.45:
(3pt)

こんな友達がほしかったので羨ましい

互いの家庭環境などにお互いが羨ましく思いながら、でも読書好きで、気が合う女の子2人の、子供時代から大学生&社会人になるまでの物語です。

些細な行き違いで2人は疎遠になってしまい、それぞれお互いのいない青春時代を送ってしまいます。しかし長い時を経て、再び2人が向かい合い、そして主人公にとって特別な1日を迎えることになります。

その日を迎えるまでに2人それぞれに起きた出来事を、時にもどかしく、時に生々しい描写で真っ直ぐに書かれていき、どんどんページを進めてしまいました。

誰にも理解してもらえずに、1人で辛いことを抱えている2人のことを読んでいると、仲直りして2人で一緒に悩んで乗り越えてほしかった、という気持ちに、どうしても思ってしまいました。

それくらい、良い友情なので、私自身も羨ましいなと思いました。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.44:
(5pt)

入試問題文では分からない面白さ

千葉県の公立高校入試の問題文になった。
その切り取られた一部分だけでは到底分からない面白さがあった。ほんのわずかな部分を切り取って登場人物の心情描写を尋ねてもまったく意味がないことが分かった。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.43:
(5pt)

現実的だけど、優しくて考えさせられる小説

女性が「家庭や社会の束縛からいかにして解放され、自立していくか」「自分の人生とどう向き合うか」を2人の立場の違う少女の成長と共に描いている。
意思を持つこと、正しい事や自分を信じる事の難しさ・苦しさが現実的で共感できる。
そのため登場人物はみな、それぞれに迷いや苦悩が有りながらも、意思を持っていて力強くかっこいい。
また作中では少女小説や女子小説などが多く散りばめられたり、赤毛のアンと紐付いていたり、とても精巧な作りで、どんどん読み進めてしまう。

また思春期に感じた不安や怒り、他者への羨望など、言葉にできなかった感情を一つ一つ言葉にして棚卸ししてくれる。
思春期の子から大人の女性まで幅広く共感できる、そして考えさせられる作品。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.42:
(5pt)

1粒で3度美味しい、アンのような彩子と親友・ダイアナの成長物語

『本屋さんのダイアナ』(柚木麻子著、新潮文庫)は、1粒で3度美味しい小説です。

第1は、『赤毛のアン』シリーズ(ルーシー・モード・モンゴメリ著、村岡花子訳、新潮文庫、全10冊)との相似点を随所で愉しめること。

「差し出されたのは、初めて会った時に(作家の)はっとり(けいいち)先生に薦められた『アンの愛情』だった。巻末の方にふせんが貼ってある。だから、読んだことがあると言っているのに――。しぶしぶと開いてみて、ダイアナの目は釘付けになる。<この本のなかでは、アンにも親友のダイアナにも、いろいろな変化がおこります。アンが大学へ入学するのにたいして、ダイアナは静かに家庭にいて、娘としての教養を身につけます。したしい友が村をはなれて、新しい大学生活にはいっていっても、ダイアナは、それをさけられない現実として受けいれ、彼女は自分自身の道を進んでいきます。それでいながら、アンとの友情は、けっして変わることがありません。これが、ほんとうの友情というものではないでしょうか。人と人のあいだでは、相手が自分と同じ境遇にいるときは仲よくできても、相手が自分より高く飛躍すると、友情がこわれるというばあいがないではありません。わたしにはアンのなかにも、ダイアナのなかにも、学ぶべき点がたくさんあるように思えます>。<人生には、待つということがよくあるものです。自分の希望どおりにまっしぐらに進める人はもちろんしあわせだと思いますが、たとえ希望どおりに進めなくても、自分にあたえられた環境のなかでせいいっぱい努力すれば、道はおのずからひらかれるものです。こういう人たちは、順調なコースにのった人たちよりも、人間としての厚みも幅もますように、わたしには思えるのです>。一文一文が深いところにずしんと沈んで、滲みていくようだ。ダイアナがずっと欲していた言葉がこんなにそばにあるなんて。考えてみたこともなかった」。

第2は、若き女性たちの成長物語から、いろいろな学びが得られること。アンを思わせる優等生で美人の神崎彩子と、母子家庭育ちで内気な矢島ダイアナという仲良し小学3年生が、中学進学時のちょっとした誤解から絶交してしまい、22歳の時に再会するという物語展開の中で、それぞれが厚い殻を破り、変身していく過程が生き生きと描かれています。

「『ええと、何か、息抜きっていうか、気分が前向きになるような本、探してもらえないかな』。まかせて、とつぶやき、ダイアナは児童書のコーナーに彩子を誘う。迷うことなく『アンの愛情』を見つけ出し、差し出した。彩子は怪訝そうに首をひねる。『<赤毛のアン>が面白いのは<アンの青春>までなんじゃなかったっけ。ダイアナ、あの頃そう言ってたよね。恋愛や結婚がメインになって面白くないって』。本の話をするだけで、十年のブランクが埋まっていくのが、なんだか魔法みたいだった。ダイアナはわざと仕事用の口調を選んだ。『本当にいい少女小説は何度でも読み返せるんですよ、お客様。小さい頃でも大人になっても。何度だって違う楽しみ方ができるんですから』。優れた少女小説は大人になって読み返しても、やっぱり面白いのだ」。

第3は、本屋大好き人間のダイアナと本屋愛を共有できること。

「あの『隣々堂』は大好きな場所だったのに。本を買うお金がなくても、フロアを一周するだけで豊かな気持ちになれた。商品の並べ方に愛があったし、平台や棚をにぎやかに彩る手描きPOPのセンスが光っていた」。

「書店で働き始めてもう三年、今年から(アルバイトから)契約社員に昇格した。接客は今でもあまり得意ではないが、熱心に本をお薦めし必ず購入に結びつける姿勢が評価されている。最近では版元側がダイアナのPOPを気に入ってくれ、大量に印刷し、全国の書店に配布することが当たり前になっていた。店のブログとTwitterを任されているだけではなく、隣々堂恵比寿駅ビル店の名物書店員として、文芸誌や女性誌で新刊を紹介することも多々ある。名前が名前なだけに、実名でメディアに出るのがあまりにも恥ずかしく、田所店長に許しを得てアカウント名そのままに『ほんのむし』と名乗っていた。ダイアナ目当ての客は多く、いつしか店でつける名札にまで『ほんのむし』と表記されるようになった」。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.41:
(5pt)

大切な友達

友達と言うのはこう言う関係なんだと改めて思いました。赤毛のアンが輝いたのは、友人のダイアナがいたんだと、この本を読んで思いました。友達の存在に改めて感謝しました!
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.40:
(4pt)

ダブルヒロイン小説にしてフェミニズム小説

この作品はヒロインがふたり。片や裕福な家に生まれ、丁寧な育ち、シックながらも洗練されたものに囲まれて育てられた彩子。片や、キャバクラ嬢のシングルマザーのもとに生まれ育った派手な服装に金髪の少女ダイアナ(しかも大穴と書いてダイアナ……)
そんな真逆な彼女たちの共通点は読書好き。タイプは違えど友情を育んできたふたりだが、ダイアナが起こした行動を彩子が誤解したことでふたりは疎遠になっていく。
そして時は流れてふたりは別の道を歩み、紆余曲折あったものの書店の契約社員となったダイアナ。一方、彩子はサガンの「悲しみよこんにちは」のセシル気取りで背伸びをし、共学の名門大学に受かるものの、そこで上級生により心身に深い傷を負わされる。そのくだりでの彩子は痛々しく、同情はするものの、心の傷に蓋をして加害者である男性と付き合い、リア充を装い、遠巻きながらもそんな彼女を心配する老いた両親を邪険にする姿は見ていて「八つ当たりしてもなんの解決にもならないぞ」と毒づきたくなるくらいだった。だからこそ。彩子が勇気を出して新入生を守り、サークルに蔓延る忌まわしき悪習を告発する様は凛々しくも清々しい。
ダイアナもダイアナで淡い恋心を抱いた上司が結婚することがわかり、酒での愚痴とはいえ上司のお相手を「あんなおばさん」呼ばわりするのはいただけないが、実の父親との再会をきっかけに過剰に抱いていた父親への憧憬という呪縛を解いていくさまが目を細めたくなる程いとおしい。
そしてこの作品はサブキャラクターも魅力的だ。まず、ダイアナに想いを寄せる肉屋の息子の武田くんは、これまでの柚木作品の書き割りのように平坦な男性キャラ(例外は東十条先生)ではなくきちんと血の通ったキャラで武田くんの気持ちが実ることを祈りたくなる。
そして、ダイアナの母親であるキャバクラ嬢のティアラは、娘に大穴と書いてダイアナと読ませるDQNネームをつけたことは正直毒親の所業だぞと苦言を呈したくなるが、ギャルなりの知恵と工夫で一人娘のダイアナを守り、育む姿勢は魅力的だ。特に痴漢や変質者から遠ざけるためにダイアナの髪を金髪にし、ギャルファッションにさせていることを彩子に話すくだりは確かに一理あるなと感心してしまう。
本屋さんのダイアナ。この作品は対照的なダブルヒロイン小説にしていぶし銀のフェミニズム小説である。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.39:
(5pt)

素敵な本

大切な一冊に出会いました。
何度も繰り返して読みます。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.38:
(5pt)

よかった♥

よかった♥
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.37:
(5pt)

良かった

長編と感じないほど夢中になりすぐに読んでしまった
女の子同士の関係が細かく表現されていて素晴らしかった
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.36:
(5pt)

女の子必読

柚木さんの著書にはまって、読み続けています。女子校出身者ならではの成長期の女の子の巧みな描写は、改めて自分の過去に想いを馳せてみたり、これから思春期を迎える娘の気持ちに寄り添ってみたり。ランチのあっこちゃん、王妃の帰還等のお得意のエンタメ系はかなり楽しめるけれど、フォーゲットミーノットブルーやこの本屋さんのダイアナは、この人の真骨頂といった感じで、都会の恵まれた家庭で育まれた女の子達の繊細な成長物語として、本当に感慨深い。この人の著書を読むと、様々なジャンルの本からの引用が多く、作家でありながら、本当に本が好きな良い読者なんだろうなと。登場する本は自分もほとんど読んでいたりで、なんだか仲間を見つけたようで嬉しくもなる。
おとぎ話的ではあるけれど、だからこそ良いのだと思います。女の子の人生はこうでなきゃ。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.35:
(4pt)

買いです。

そろそろ定年の準備をしなくてはならない年齢であるのに、こういう作品を読んで内省的になっていてよいのか、ふと考えてしまう今日この頃です。自らの齢を思えば、山の上学園の司書の先生ですらひと回り以上年下。
視点人物は「ダイアナ」と「彩子」で、終盤に「赤毛のアン」の捉え方の移り変わりに人としての成長であったり、自己認識であったりを映し出したりしていますが、ところで自分は一体どこに視点を置いて読んでいるのか、始終落ち着かない気持ちになりました。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.34:
(4pt)

本当の主人公は彩子

主人公のダイアナと彩子の友情をテーマにした物語。
ただ、本当に序盤に仲違いしてから、心はずっとつながっていながらも別々の道を進む二人。
伏線を張る、というよりも読み手にヒントを与えながら進行しているように感じた。
ダイアナが主人公ではあるが、いきなり不登校になったり、ダイアナの経過が分かりにくいのに対し、彩子が優等生から悪い意味で変化して行く描写が具体的で、心理的にも肉体的にも生々しく感じる部分もあった。
途中までティアラの若いときの描写が欲しいなと思っていたが、彩子がある意味ダイアナの母親であるティアラの生き様をたどり、主人公よりも主人公らしくなるシーンが多かったように感じる。
しかし、後半、一気に駆け足で物語りは進み、不自然さを感じた。
あくまで、ダイアナの描写は失恋も再会もあっさりしていて、もう少し彩子サイドのようにこってりしてもよかったように感じる。
本当の主人公は彩子!とまで行かないにしても、話の中で出てくる『ダイアナの本』では、暗に本当の主人公を示しているようだ。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427
No.33:
(4pt)

分かる!80%と、納得いかない!が20%

赤毛のアン(シリーズは13巻まで読みました)や嵐が丘など、登場人物たちの愛読書がドンピシャで、とても楽しめました。

彩子の母親の、現代でもてはやされている、いわゆる丁寧な暮らしかた、私はああいうのは子育てに実は向かないスタイルではないかといつも違和感を感じていて、

削ぎおとされた持ち物や、
数色に絞られた色合い、
上質なものしか受け入れないような暮らしは、
子ども自身の持ち物や暮らしから自由を奪うことでしか、実現しないものだと常々思っていました。

彩子は、はっきり欲しいものがあるのに禁じられ、雑多な中から自分で選択したり迷ったり間違えたり、そんな人生の彩りを奪われていて、ああ、さもありなん、と、とても気の毒になりました。
レイプ被害の描写があることで、現在中2の娘に読ませるか少し悩みますが、でも高校生くらいになれば、女の子のリアルな現実として読ませてよいなと思います。
知るべきです。

しかし一方で、ダイアナの母がわずか16歳で夜の仕事をしながら一人で子を産み育てた、そこら辺の描写ですが、一晩中働いたあとすら「疲れたと子に背を向けることが一度も無く」、へらへらと楽しそうな姿しか娘に見せなかった、とは。
いやいや、それは、ファンタジーだ!と、断言できる3児の母です。
作者は、産み育てたことが、ないかもしれませんね。
ましてや、母子家庭は、並大抵じゃないです。涙や慟哭や怒りや不安定な精神状態。大人でも当たり前ですよ、それが10代ですよ。
私も母子家庭で育ちましたから、よくわかります。ティアラの母としての人物像、あり得ないです。

女の子の話としては秀逸ですが、
大人の女性の人生は描けていないと思いました。
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本屋さんのダイアナ (新潮文庫)より
4101202427

スポンサードリンク

  



123>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!