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ナイルパーチの女子会
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ナイルパーチの女子会の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 61~80 4/5ページ
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女性の、女性による、女性のための作品。おそらく女性同士特有のドロドロした関係を緻密に書き切っている。ここまで病んだ人はいないだろうと女の私でも辟易したが、どこかリアリティがあったので先を知りたいと思いながら読めた。適切な距離を取って人と付き合っていく難しさや人に良く思われようとネット上で演じる苦労など、女の友情を通して現代の病理を炙り出していたからではないか。 | ||||
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他者とのコミュニケーション・距離感の取り方の難しさを、特に30歳頃の女性に的を絞って描いた作品。「女友達」をテーマにしてはいるが、作中にもあるように、「男友達」でも良いし、「家族」でも良いという点に普遍性があるし、中学・高校時代の"無視いじめ"にも通じていて着眼点は良いと思う。 しかし、小説としての出来栄えは如何なものか。人間は例え「家族」同士であっても、所詮は他人であり、各々の価値観は異なるのだから、自身の価値観を他人に押し付ける、あるいは逆に、他人の価値観に自身を擦り合わせるのは無理だと言う事は、人生経験を積んだ者なら誰しも分かっている事。それなのに、本作の物語構成は良く練られておらず、極端な二人の女性の脈絡のない言動を徒に書き連ねているだけ(その一人は単なるストーカーであり、漫画チックな印象を受けた)。テーマの割には、登場人物の設定、物語構成共に杜撰で、この様な長編仕立てにする必然性を全く感じなかった。もう少し、心理の機微を緻密に描いて大人の物語にして欲しかった。 上述の印象からすると、読者層をかなり若く見積もっているのかも知れない。もしそうなら、若い読者にとっては役に立つ部分(上述した通り、周囲の価値観に縛られる必要はない)もあるかも知れない。 | ||||
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柚木さんは救いのないクズ人間を書く天才です。今回の主人公は東電OLのように破滅する度胸もなく、ただつまらない女です。 ただ、総合商社総合職の描き方はかなり古い印象です。今時、海外出張に行かせてもらえることぐらいで同僚の男子から嫉妬されません。 あと、東電OLを引き合いに出すと、どうしても桐野夏生の傑作『グロテスク』と比較してしまい、損をするような気がします。 | ||||
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辻村深月や本谷有希子のまねみたいな、しかし破綻した小説である。受賞した山周賞と、落選した直木賞の選評があまりに違うのだが、私は直木賞の側である。それは、リアリズムとして読むかどうかという問題になるのだが、リアリズムで読んだら、この栄利子という人格障害の女が30歳までどうやって生きて来たのか分からない。特に大学時代はどんな人間だったのか想像もつかない。だから作者もそこを書いていない、書けないのである。なお実際の人格障害は、これほどひどく症状を表には出さない。普通を装うのがわりとうまい。 ホラー小説のようでもあるが、ホラーはその周囲のリアリズムを固めておかないといけないのでこれもダメ。スラップスティックかというと、それも中途半端で、妙なリアリズムと、登場人物のせりふを借りての奇妙な作者のお説教が鼻につく。 思うに、作者はあまりにまともな人なので、こういう主題は書けないのだろう。あと導入部の、ディテールが必要以上に細かいのが気になった。 | ||||
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著者のこれまで作品では、他者と一線を画する強烈なキャラクターの登場人物と、その周囲にいる凡庸な人物からなされる物語が、凡庸な側からの視点で描かれるというものが多かった。 今回も登場人物もやはり柚木麻子らしい強烈なキャラを発揮するが、面白いのは物語の半分はそちら側からの視点で綴られていることだ。 通常なら彼女のような行動をとる人物の考えなど到底理解できないと考えてしまうが、物語を読み進めるうちに部分的に共感できてしまったりする。 ランチのアッコちゃんシリーズのテイストを期待する読者には、そろそろ読むのが辛いかもしれないが、私の中では、単なるエンタメ小説の上を行く超エンタメ小説でした。 | ||||
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日常にぽっかり空いた隙間を埋めるための清涼剤、みたいなもの。 登場人物が相手に求めたのは、自分にない自由さ(に見えたもの)。 都会育ちも上京組もそれぞれが何かしら背負っていて、 相手が見ているようななんの苦労もない人生ではもちろんない。 ハンドルネームおひょうと丸の内OL栄利子のふとした接点が さまざまな波乱を生むのだが、完璧OL栄利子が休職してジャンクフードを食べまくったり おひょうがストーカーになったり、まじわった相手に感化されるようにおなじ過ちをなぞるのが面白い。 脇役で際立つのが真織。ガッツがあって、いまどき?なヤンキーに近い女同士の友情を語る。 雑誌でいうと、おひょう=with more 栄利子=ヴァンサンカン、クラッシーその他 真織=もっと上手なSカワか、婦人公論でもきっとオケー。 | ||||
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テレビで観た「ランチのアッコちゃん」の カッコいい女性上司の 爽快さのイメージからは遠いような? 柚木麻子(著)「ナイルパーチの女子会」文芸春秋 ホラーよりも怖い、共感できないという感想が ある、30代の女性心理をあぶりだした作品。 友達がいない、恋人がいない 疎まれる 結婚へのあせり、そして家族、 敵なのか味方なのか親友は そしてパートナーがいても不安で孤独感 この寂しさが頭の中でいつも追いかけっこ 文中で 『・・・もう隠し事のしゆがない、何一つ見栄を 張る必要のない相手と、黙って話を聞いてもらえる だけで・・・救われた・・・』 迷っているとき、落ち着かないとき、ブラックな 心が生まれる それは誰もが あの東電OL殺人事件の被害者の心 (表はエリートOLの顔、裏は寂しい娼婦だっと推測 された事件))にも陥る 危険性もあるのではとも ※自分の気持ちを一度まっさらにリセットしよう そう気づいた時にこの本は、ホッとするかもしれない | ||||
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女子付き合いが苦手って思ってるひと程読んでみてほしい。痛々しい登場人物達ですが、誰でも気づいてない(気づきたくない)だけで 持ってるものじゃないのかな?面白いからドラマや映画化してもいいと思うけど、目から鱗が落ちるような洞察力や人間観察が素晴らしいのでやっぱり本で読んでみてほしい。何冊か柚木麻子さんの本を読みましたが一番よかったし、いろいろ勉強になりました。 | ||||
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後半から一気読みしてしまいました。 女性ならではの~という意見が多いようですが、私は女性だけに限った話ではないと思いながら読みました。 無責任なものだとはわかっていても周囲の評価がどうしても気になってしまう人、自分の軸を他人からの承認に求めがちな人、物事がうまくいかないのや他人に対するいらだちを「女は、あるいは男は~だから」などと大きな主語の中にざっくり片付けてしまうことに違和感がある人は、読んでいて胸がキリキリするのではないでしょうか。 ……そういう人物像であることがあてはまらない人は今の世の中あまりいないと思いますので、それだけにおすすめです。 これは女友達がほしい女の物語として捉えるとわりとわけがわからないし、単なる狂人の話なんですが、自分を無条件に認めてくれる人に女友達という呼び名をつけたい人の物語として考えると少しわかりやすくなると思います。 かなり極端な展開や登場人物の設定なので、ついていけない・理解できないというのもわかりますが、それでも「自分にもあるある」と感じられるところが多かったです。怖かった。そしておもしろかった。 芋けんぴって刺さるんですかね。 | ||||
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山本周五郎賞受賞と直木賞候補となり、どんなに面白いかとおもったらガッカリするほどの駄作でした。 途中で投げ出しました。簡単に言うと変人のお話でしょう。 まったくつまらない。買うんじゃなかった。 | ||||
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同性の友達がいないという共通のコンプレックスを抱えた二人が、出会ってしまった。 いや、出会ったことで気づいた。 自分が獰猛なナイルパーチであることに。 そうして、他人を慮る大切さに気づき、再生を期待させる。 読書感想の書き出しに迷う。 女同士のドロドロした関係。 一節読み終えるごとに、肩で息をしているような感じ。 苦しい長い潜水の後の息継ぎ、喘いでいるようだった。 しかし、読み続けたくなるのだ。 キャリアウーマン・志村栄利子と専業主婦人気ブロガー・丸尾翔子。 かたや、完璧主義。かたや、怠けた性格。 相反する二人が、出会ってしまったことで、人生が変わる。 二人の共通の悩み、同性の友達がいないという 共通のコンプレックスで共感しあった。 しかし、バックグランドや育った環境が違い過ぎた。 獰猛なナイルパーチが湖に放たれ、生態系が壊れていくみたいに。 完璧主義を相手にも求める栄利子。 恵まれていることに無頓着。 人を信じることができない。 型にはめる。 自分を武装する。 それでいて、人を求める。 面倒くさがりの翔子。 自分が生きた痕跡のようなもの見つけたかった。 自分の可能性を信じたかった。 それが、ブログという表現。 それが、軽い浮気。 共感 つながりたい。 友達が欲しい。 親友になりたい。 けれど、全てにおいて、共感できるはずはない。 人との距離を測りかねて空回りする。 やっと二人は気づく。 他者の事情を慮ることが大切ということを。 「女同士のドロドロ、女の敵は女。」 そんなことはない。 真織の言葉が、心を捉えている。 『どんな関係も形を変えたり、嫌ったり嫌われたり、距離を測ったり、 手入れしながら、辛抱強く続けていくしかない』 人の気持ちを理解するのはとても難しい。 黙っていても理解しくれる家族と友達とは違う。 友達は家族ではない。 けれど、家族には打ち明けられないことを話したり、 お互いを慮る間柄になれるのも、友達ならではと思わせた。 女子会、ブログという現代社会の近すぎる距離感。 二人の関係者である、上司、同僚、夫、後輩たちの台詞。 女の心理表現や心境変化。 著者の筆致力に圧倒された。 第28回山本周五郎賞受賞作。 | ||||
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早く人間になりたい~!!!!! というのが基本テーマだと思います。人並みの呪縛にとらわれた二人の主人公が、じゃあ、人並みって何なのよ!というところで、すくなくともほとんどの読者には理解不能な行動を連ねていきます。女性の負った強迫観念といえばいいのでしょうが、主人公たちの文法が常軌を逸しすぎて、読者のおなかを痛くさせます。そして誰が人間で誰がバケモノかわからない中盤の展開は痛々しくて感情移入はしかねますが、その暴走感がアッコちゃんやお寿司屋さんやおもちゃ屋さんと違う凄みを生み出しています。人間って怖いぜ! | ||||
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「アッコちゃん」的な感じを期待して読み始めてしまったのでがっかりです。たいくつではなかったのですが、ありえないでしょう??感がどんどん強くなり結局ざっくりととばして結末を確認して終わりにしました。読後感が非常に悪く休日を費やしてしまったことが後悔されました。 | ||||
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女性同士のリアルかつシビアな関係性や心情を描かせたら柚木麻子さんは個人的にトップの方に名前があがる 作者さんです。 今回の新刊、タイトルも興味深く、読ませて頂きました。 読んでからしばらく時間がたっているのですが、 一見完璧そうに見える女性の脆い心情や精神が壊れていく様などはあまり共感はできませんでしたが、 そういうこともありうる現代、人間関係をうまく構築するのは難しいのだなと思わず考えてしまいました。 現代社会での女性同士のリアルな関係性やブログ、SNSなどとてもリアルで読んでいて そうそう、とアラフォーにさしかかる私にも共感できる所も多々ありましたが、 できるだけ人間関係も含めてシンプルに生きて行きたいとなんだか思いました。 | ||||
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ほかの作品がとてもライトな感じがしたので、 この作者の中で初めて読んだ。 共感しかねる内容だ。 女子どおしで仲良く集っている人たちには 想像でしかわからない心理状態だと思う。 キャリアと年収と美貌があったら、それなりの価値観でいきていけるのではないだろうか? 誰にだって、裏をかえせば悩みやわだかまりはある。 主人公も、成育歴や学生時代の人間関係でのトラウマがあり、 もともとの完璧主義的な弱さがあることも理解できる。 どうしても好きな相手のことで悩んでいて いろいろな行動にでるのもわかる気がするが、 なんだかな、という感じだ。 狂人ばかり、というレビューもあったが そんな感じ。 読みはしたけれど、これが山本周五郎賞なのか。 笹の船で海を渡る も同賞受賞。 どうも、わたしには合わないようだ。 | ||||
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購入後、少しずつ読もうとしていましたが、一気に読ませます。 女同士の立場や価値観の違いから生まれる衝突の話を想像していましたが… もっとグロテスクで狂ってます。面白い。 狂っていながらも、垣間見える健気さや、誰もが抱く悩みに共感もあります。 登場人物では、圭子の達観さが好きでした。 | ||||
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私も女友達は多い方ではないけれど、それをここまで気にしたことがないから驚きでした。 しかも私も翔子のように主婦ブログを書いています。 いろいろと自分にもあてはまることが多かっただけに、 「これって私が気付かなかっただけで、孤独なことなの?不幸せなことなの?」と、 自分の価値観や生活スタイルを否定されたような気持ちを抱きながら読みすすめたのも事実です。 だけど救われたのは、この作品が女同士の嫉妬や粘着をドロドロと描いて終わりではなかったとこ。 「たかがブログ」「たかが女友達」と思う人もいるかもしれないけど、 それが生きていく支えやかけがえのないものとして大事にして生きている人もいる。 ズキンと胸を刺すような箇所はいくつもあったけど 私を含め、その人たちの価値観を傷つけず、配慮のなされた結末だったことには心から感謝します。 ラストでファミレスで顔を合わせた栄利子と圭子のシーンがすごくよかったです。 お互いにあれから長い年月を経て、さまざまな経験の末に持ち寄った答えがあれであるならば、きっとこの人たちは大丈夫。 だけど芋けんぴであんなことができるんですかね?? 芋けんぴのシーンは最近読んだ本の中でもベスト1に入るへんてこなシーンでしたww 私、何年も経ってこの本を内容を忘れてしまっても、芋けんぴのシーンのことだけは絶対に忘れない気がします。 このシーンを実写で見たいです!(たぶん爆笑するはず!!) | ||||
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主人公は、志村栄利子(30歳)。 大手商社に勤めている。 彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。 ある日、栄利子は、おひょうこと丸尾翔子に偶然出会う。 一見、立場や価値観が異なるように見えた二人は、当初、意義統合する。 しかし、付き合いを続けるうちに、栄利子の異常な行動が後押しし、 関係性が破綻していくこととなる。 作者は、二人の関係をナイルパーチ(放流された水域で在来生物群集に 大きな被害を与える外来種)という魚に例えている。 女性特有の人間関係を、栄利子と翔子を通して描く。 少し極端な展開もあるが、女性が描く友人関係や、 その危うさが良く描かれていると思う。 登場人物の中で、派遣で働いていて正社員と婚約する女性については、 激しすぎる発言や行動に不快感を覚えた。 | ||||
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私は友達がいますが、たまに距離の取り方が分からない人とか慣れない相手だとドキドキ・オドオドしてしまいます。 頭の中で色々考えてしまったり、トンチンカンな事を言ってしまったり。 そのスキルが相当低いのが栄利子ですね。 翔子のキャラもそうですが、どちらも女性であればあるであろう一面がデフォルメされてて面白いと思いました。 しかし気になる点がチラホラ。 栄利子はそもそもお父さんが同じ会社に勤務していたとはいえ、変な事は採用の段階でばれると思いました。 人事は相当数採用してますし、社員の問題等も把握しています。 お父さんの評判やキャラなども同会社なので知っているとしたら、すんなり入れるものだろうかと疑問に思いました。 真織もあそこまで力強いキャラで、友達とお母さんを大事にし、心の通う関係を知っているのに、 お金のためだけに好きでもない男性と結婚してしまうのだろうか、また結婚前に結婚相手にあんな態度を取るものだろうか。 相手をあそこまで否定する事は自分と自分の人生を否定する事に繋がるのではと思い、 真織のキャラ設定が気になりました。 また真織のような人は人気商社の派遣スタッフとして入りこむ事は難しいのでは?とも思いました。 それでもグイグイ読ませる内容であっという間に読みました。 今から次の作品が楽しみです。 | ||||
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作者の代表作はあらかた読んでいるが1,2を争うほどの傑作だった。 今年読んだ小説で一番面白かったかもしれない。 主人公がおひょうの弱みを握ってからの展開は緊迫感タップリでまったく飽きさせない。 350P以上ある、作者にしては長編だが、最後までぐいぐい引っ張るのでイッキ読み。 伏線やトリックも上手く、最高の美貌を持っているはずの主人公が 実は醜い肥満女に変貌していることが丁寧に示唆されているのもミステリ風味で面白い。 まさに小説でしか実現できないトリック(実写化したらどうなるんだろう)。 美女なのにオバサン扱いされることに引っ掛かりがあったが、種明かしでなるほどと膝を打った。 いかれた主人公の妄言が実は主人公と翔子にとって後々天啓のような言葉となったり、構成も巧すぎる。 主人公にストーキングされていた翔子もまた、NORIをストーキングしているという二段構えから登場人物が気付きを得る展開も巧すぎる。 どぎつい話だが最終的には女性の成長ストーリーで、タイトルにもなっている「女子会」にも非常に前向きな捕らえ方をしていることも、斬新。 この作者の最高傑作だった。でも人をかなり選びそうだから、ここの評価も別段高くないようだ…残念。 「アッコちゃん」が社会的弱者の女性たちを書いた作品だったのに対し 今回は20代で年収1000万をあっさり超えたキャリアウーマンが主人公という事で真逆だが、 内容的にも全く逆で驚いた。 「アッコちゃん」がどの話も希望あるEDで終わり作風も物量もライトなのに対し、 「ナイルパーチ」は内容も物量も非常に重い。 女性、女性心理をテーマにした作品に定評のある作者だが、ここまで重い作品を書いたのは初めてじゃないか。 「アッコちゃん」が白柚木なら、こちらは完全に黒柚木。 最近の作品がどれもライトだったので、完全に意表を突かれた。 最初はせいぜい隣の芝生は青いていどの話だと思ったら、ここまでガチな女ストーカー、変人ものだとは。 登場人物も壊れた奴ばかりで、まともな奴がほとんどいない。 メインキャラにいたっては完全に狂人vs病人vs怠人vs凶人で、 唯一まともに思えた真織までもが豹変し主人公を脅迫する側に立つ展開には驚いた。これは完全に犯罪者だし、 ここまでやる必要あったのか?って思った。偉そうにしても何の権利もないただの派遣OLなわけだしね。 主人公に理性が少しでもあれば訴えられて終わりだしね。 確かに主人公はナチュラルボーン狂人だが、 真織に対する発言のみは正論だった。 逆に真織の発言や行動は完全に甘えで、 たとえ両親が離婚して貧乏な暮らしをしていても大成した人間なんていくらでもいるし、 逆境に立ったからこそ努力するのは当然のこと。 それができないから負け組派遣になった真織がなぜ正規のプロセスを踏んで正社員になった主人公を偉そうに批判するのか。 これこそ、負け犬の遠吠えにほかならない。ここがおかしかった。 善人として登場した真織くらいはもっと正論を吐くキャラにすべきだった。 お陰でこの小説のメインキャラはどいつもこいつも狂人ばかり。 これだけの傑作なら既に実写化が動いてそうだが、 回転寿司と主婦ブロガーへの熱いDISと風評被害が物凄かった(最終的なフォローもフォローになってるかどうか)ので、 実写化ではこのあたりのセリフは全部改変されそうだが、それでは 最後のモノローグもつながらなくなってしまうな。 | ||||
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